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第8章 クストディオ皇国編
前夜
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「聖銃士様。こいつ、アホ確定みたい」
そう言ってユリアーヤが差し出した白い箱の中心に点灯している表示灯の色は赤。
目標の物がこの中に収まっていることを示していた。
「流石、俺の見込んだ女だ。下じゃ、まだ騒ぎ1つ起こってやしねぇぜ?」
ブルーの口にした滅多に出ないレベルの賞賛にスガルが軽く拍手を送った。
「凄いね、ユリアーヤちゃん。ブルーがこんな風に手放して褒めるの珍しいんだよ?」
「…っ、もらった、装備が、あったから……」
2人の勇者から褒められて、照れ臭げにモジモジしていたユリアーヤは、それだけ言って恥ずかしげにラリリアの後ろに隠れてしまった。
「あははっ! 良かったじゃないか、ユリアーヤ。早速、勇者様達の役に立つとかアタシらも鼻が高いよ!」
「ええ! ユリアーヤさんのお陰で、私もホッといたしましたわ。アレは敵の手にあるのだと分かっているだけで、心配で心配で仕方なかったのですもの!」
ユリアーヤの側まで行って、心底安心したような笑顔と声音で告げながら手を取るフィリアに彼女の視線が一旦、フィリアの所まで上がってまた床まで落ちた。
「姫様も喜んでくれたなら、頑張って良かった」
ポツ、と呟くように答えたユリアーヤの頭をリジェンダが乱暴に掻き混ぜるようにして撫でた。
「どんな機能があるかまだ未知数なとこあるから、箱から出すのは解析かけてからの方がいいね」
「ああ。ウチの解析班の話しじゃ、使用者の召喚に応えて手元へ転移する可能性があるそうだからな。まだこの箱から出す訳にゃいかねぇよ」
「なら解析は研究室使うようだね?」
「そのつもりだ。あそこなら亜空間使ってるこの艦の中でも一際、次元的に隔離されてる場所だからな。召喚も転移も効力ねぇだろうし、万一、コイツが魔王時代の自我を残してても対応は可能だからな」
「ねぇ、ブルーゼイ。それ、魔王の骨と使ってた杖が素材って話しだったけど、使用者の手から離れてる状態でもそんなに危険な代物なの?」
スガルとブルーのやり取りに多少の不安を感じたのかアストレイがそんなことを聞いてきた。
「いや、ホントに万一程度の話しだ。頑張ってくれたユリアーヤの努力を無駄にする訳にもいかねぇし、何よりここでjoker引いたら、またお姫さんに泣かれそうだからな」
「おや、勇者様でも女の涙は苦手かい?」
揶揄するような声でクスクスと笑いながら言ったラリリアにブルーが、それこそ嫌そうな顔を向けた。
「どんなに高圧的であろうと、居丈高であろうと女子供に “泣くな” と言う男は、泣かれるとどうしようもなくなるからそう言うんだ。仮にそれが怒鳴ってたり怒ってたりしてもその度合いと姿勢が強固であればあるだけ内心の困惑度は高いと見ていい。一見冷静に見えても冷たく見えても何とか泣き止まそうとするとか、その場から立ち去ろうとするのも目の前のその状況を変えたいが故だ。覚えとけ」
「因みにいつもなら絶対しなさそうなことをする時はねー、パニックってる時なんだよー?」
「煩ぇ」
2人の話しを聞いて黒薔薇女豹とアストレイは笑っていたけれど、勇者2人の前で、だー泣きした覚えのあるフィリアは笑えなかった。
「……特に泣き止ませようとはなさらない場合、どうなんですの?」
「慣れてるだけじゃない? アタシ別に何とも思わないわよ? 昔はよく分かんない理由で妹にベーベー泣かれてたから?」
「泣いてる理由が分かってるなら困ることでもないしね」
「………」
「それでも困るお人が居るみたいだけど?」
「突っ込むなよッ!」
口を噤んだ理由をラリリアに察知されたブルーがすかさず訴える。
「ったく。俺ゃ、しばらく研究室籠るからな!」
バツが悪そうに言ってフリールームを出て行ってしまった彼の背中にアストレイが笑いながら告げる。
「あら、泣かれてなくてもその場から逃げるのねぇ。その気になればアタシ達を言い包めるのなんか朝飯前でしょうに」
「ブルー、基本的に女の子には優しいからねー」
「そうね。ヴィゼン派のメイドの子にだって、ダメ出しこそしてたけど、否は突き付けなかったのものね」
「何の話しだい?」
心当たりのあることを口にしたアストレイにラリリアが尋ねて、デメトリオ子爵邸での出来事をスガルとフィリア、そしてアストレイが語って聞かせると黒薔薇女豹の5人は全員が全員、呆気に取られた表情をしていた。
「するってぇと何かい? “実は無力な神様教”の連中ってのは、目の前で見た訳でもない死者蘇生を信じて、一連のこんな馬鹿げたこと仕出かしてるってのかい?」
早速、知り得た事実に照らし合わせて彼等の呼称を変更したラリリアが問いかけてくる。
「ラリリアちゃん、貴女のその秀逸な渾名作成能力って凄いわね。マーベラーズの皇太子ちゃんも褒めてたわ」
「たまに褒められない場面で口にするので、仲間としてはハラハラものなのですけれど?」
「うん。でも端的な事実を呼称にしてるからね。これに関しては、いいんじゃないかな?」
質問の内容よりも彼女の言動の方に焦点が行ってしまって、そんな感想が交わされる。
「それが、勇者様方からお聞きした神様の成り立ち……特に今、世界副神様達がいらっしゃる管理界ではなく、神仏界と呼ばれる場所を対象に考えた場合、それが馬鹿げたことで済まされなくなりそうなんですの」
「どう言うことだい?」
「ちょっと長くなりそうだから、座って話そうか?」
訓練も一段落ついて、後はユリアーヤを交えたフォーメーションを残すだけになっていたのもあって、ラリリアの質問にそう答えたスガルは、テーブルと椅子のある部屋の奥へと足を向けた。
協力者である彼女達には、全て話しておいた方がいいだろう、という判断と共に。
そう言ってユリアーヤが差し出した白い箱の中心に点灯している表示灯の色は赤。
目標の物がこの中に収まっていることを示していた。
「流石、俺の見込んだ女だ。下じゃ、まだ騒ぎ1つ起こってやしねぇぜ?」
ブルーの口にした滅多に出ないレベルの賞賛にスガルが軽く拍手を送った。
「凄いね、ユリアーヤちゃん。ブルーがこんな風に手放して褒めるの珍しいんだよ?」
「…っ、もらった、装備が、あったから……」
2人の勇者から褒められて、照れ臭げにモジモジしていたユリアーヤは、それだけ言って恥ずかしげにラリリアの後ろに隠れてしまった。
「あははっ! 良かったじゃないか、ユリアーヤ。早速、勇者様達の役に立つとかアタシらも鼻が高いよ!」
「ええ! ユリアーヤさんのお陰で、私もホッといたしましたわ。アレは敵の手にあるのだと分かっているだけで、心配で心配で仕方なかったのですもの!」
ユリアーヤの側まで行って、心底安心したような笑顔と声音で告げながら手を取るフィリアに彼女の視線が一旦、フィリアの所まで上がってまた床まで落ちた。
「姫様も喜んでくれたなら、頑張って良かった」
ポツ、と呟くように答えたユリアーヤの頭をリジェンダが乱暴に掻き混ぜるようにして撫でた。
「どんな機能があるかまだ未知数なとこあるから、箱から出すのは解析かけてからの方がいいね」
「ああ。ウチの解析班の話しじゃ、使用者の召喚に応えて手元へ転移する可能性があるそうだからな。まだこの箱から出す訳にゃいかねぇよ」
「なら解析は研究室使うようだね?」
「そのつもりだ。あそこなら亜空間使ってるこの艦の中でも一際、次元的に隔離されてる場所だからな。召喚も転移も効力ねぇだろうし、万一、コイツが魔王時代の自我を残してても対応は可能だからな」
「ねぇ、ブルーゼイ。それ、魔王の骨と使ってた杖が素材って話しだったけど、使用者の手から離れてる状態でもそんなに危険な代物なの?」
スガルとブルーのやり取りに多少の不安を感じたのかアストレイがそんなことを聞いてきた。
「いや、ホントに万一程度の話しだ。頑張ってくれたユリアーヤの努力を無駄にする訳にもいかねぇし、何よりここでjoker引いたら、またお姫さんに泣かれそうだからな」
「おや、勇者様でも女の涙は苦手かい?」
揶揄するような声でクスクスと笑いながら言ったラリリアにブルーが、それこそ嫌そうな顔を向けた。
「どんなに高圧的であろうと、居丈高であろうと女子供に “泣くな” と言う男は、泣かれるとどうしようもなくなるからそう言うんだ。仮にそれが怒鳴ってたり怒ってたりしてもその度合いと姿勢が強固であればあるだけ内心の困惑度は高いと見ていい。一見冷静に見えても冷たく見えても何とか泣き止まそうとするとか、その場から立ち去ろうとするのも目の前のその状況を変えたいが故だ。覚えとけ」
「因みにいつもなら絶対しなさそうなことをする時はねー、パニックってる時なんだよー?」
「煩ぇ」
2人の話しを聞いて黒薔薇女豹とアストレイは笑っていたけれど、勇者2人の前で、だー泣きした覚えのあるフィリアは笑えなかった。
「……特に泣き止ませようとはなさらない場合、どうなんですの?」
「慣れてるだけじゃない? アタシ別に何とも思わないわよ? 昔はよく分かんない理由で妹にベーベー泣かれてたから?」
「泣いてる理由が分かってるなら困ることでもないしね」
「………」
「それでも困るお人が居るみたいだけど?」
「突っ込むなよッ!」
口を噤んだ理由をラリリアに察知されたブルーがすかさず訴える。
「ったく。俺ゃ、しばらく研究室籠るからな!」
バツが悪そうに言ってフリールームを出て行ってしまった彼の背中にアストレイが笑いながら告げる。
「あら、泣かれてなくてもその場から逃げるのねぇ。その気になればアタシ達を言い包めるのなんか朝飯前でしょうに」
「ブルー、基本的に女の子には優しいからねー」
「そうね。ヴィゼン派のメイドの子にだって、ダメ出しこそしてたけど、否は突き付けなかったのものね」
「何の話しだい?」
心当たりのあることを口にしたアストレイにラリリアが尋ねて、デメトリオ子爵邸での出来事をスガルとフィリア、そしてアストレイが語って聞かせると黒薔薇女豹の5人は全員が全員、呆気に取られた表情をしていた。
「するってぇと何かい? “実は無力な神様教”の連中ってのは、目の前で見た訳でもない死者蘇生を信じて、一連のこんな馬鹿げたこと仕出かしてるってのかい?」
早速、知り得た事実に照らし合わせて彼等の呼称を変更したラリリアが問いかけてくる。
「ラリリアちゃん、貴女のその秀逸な渾名作成能力って凄いわね。マーベラーズの皇太子ちゃんも褒めてたわ」
「たまに褒められない場面で口にするので、仲間としてはハラハラものなのですけれど?」
「うん。でも端的な事実を呼称にしてるからね。これに関しては、いいんじゃないかな?」
質問の内容よりも彼女の言動の方に焦点が行ってしまって、そんな感想が交わされる。
「それが、勇者様方からお聞きした神様の成り立ち……特に今、世界副神様達がいらっしゃる管理界ではなく、神仏界と呼ばれる場所を対象に考えた場合、それが馬鹿げたことで済まされなくなりそうなんですの」
「どう言うことだい?」
「ちょっと長くなりそうだから、座って話そうか?」
訓練も一段落ついて、後はユリアーヤを交えたフォーメーションを残すだけになっていたのもあって、ラリリアの質問にそう答えたスガルは、テーブルと椅子のある部屋の奥へと足を向けた。
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