正義を履き違えた悪魔

名刑事 黒濤琢也 ＶＳ 殺し屋 Ｍ 時計台殺人大作戦4

夜は更け、予告時間。北嶋に付きっきりだった蘭は、北嶋が見ているにも関わらず、ｽﾄｯとその場で服を下ろし着替え、黒フードを中心としたMのコーデになる。「えぇ！？」予想外の展開に、北嶋は目を見開いた。一室だけ電気が消えた後、ホテル全体の電気が消される。黒濤は、「はじまりやがったか！！！」と叫んでは、ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ…とホテルの中に入っていく。「蘭くん！！！！！！！大丈夫かね！！！！！蘭くん！！！！」中から鍵を閉められ、入れなくなってしまった日暮は、合鍵を取りに行こうと管理室まで走っている途中に、黒濤と遭遇する。「探偵は！？」と黒濤が聞くと日暮は「それよりも鍵だ！！！蘭くんと北嶋さんが危ない！！！管理室まで行け！！！！」と黒濤を怒鳴った。「でも暗すぎて進むのは危険です警部！Mがどこにいるかも分からないのに！！！」警察が混乱する中、Mとなった蘭は静かに語る。「…御前の事業のまだ公表されてない賄賂、博打、闇営業、全ての不祥事を事細かに警察に説明されたくなかったら観念しろ」北嶋の首を絞めた蘭は、白手袋をはめた手で銃を北嶋に向ける。「やめろ、命だけは、命だけは！」北嶋は計算通り背を向けた。蘭が口角を上げ、赤いライトを持ちながら右手を上げる。「オイ、なんか一瞬光ったぞ」「北嶋がいる部屋じゃないか！？」報道陣がガヤガヤ叫ぶ中、報道陣達が向けたカメラのフラッシュで窓が鮮明に、点滅する。その点滅する間に銃が北嶋の背中を貫通した。蘭は屈み、小さくなりながら着替え、Mが脱ぎ散らかして去っていたように演出しながら、銃弾に伏せたような姿勢を取り。電気がついては、蘭はわざとらしく震える。「蘭くん、！！！大丈夫かね！！！！」日暮達が駆けつけては、「北嶋さん！？」と蘭は叫び、北嶋の横たわる身体を揺らす。黒濤は、驚きながらも、まさか…とすぐさま蘭に疑いの視線を向ける。視線に気づいた蘭は、守れなかった事を悔やんでいる風に、「……」と黙り込んで下を向いていた。「……俺の技量不足だ」そう日暮に謝っては、日暮は「あんな中、守るなんて誰であっても無理があっただろう…君一人に責任を押し付ける形になって済まない」とこちらも謝り、蘭の肩を優しく叩いた。鑑識達が合流しては、「状況整理といきましょうか、」と黒濤が口を開いた。