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おうちデート1
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ジナなんていう思わぬ敵が生まれてしまった蘭は、その後探偵事務所で暫く考え事をしていた。正体を知らされずとも、少しでも自身の味方を増やしたい。【夏樹奏】と記されたLINEに、メッセージを1つ入れてみることにした。半分以上は仲間になってくれないかな、という欲だ。自分の殺しを肯定するような人間が現れるはずなんて無いのに。[どないしたん。まさか君から連絡入るなんて思わんかったわ]奏からメッセージが来ては、数分返事を考える。考えた末、[空いた時間に探偵事務所に来い、拒否権はない]と初対面から2回目にしては怖すぎる文面を送った。これで大丈夫だろうかと、蘭は考え込む。デートの誘いなら、御前はAiチャットの広告かと殴りたくなるような誘い文句のクオリティだ。きっと近頃、ハエでももっとマシな誘い文句が言えるだろう。文句だけに、文文(ブーンブーン)。さて場が凍りついたところで。蘭は探偵事務所に呼び出した奏が来るのを心待ちにしていた。ピンポン。チャイムが響けば、トモダチコレクションの交友関係イベントのようにすぐさま扉を開く。「本当に来るんだな…」感心しながら呟くと奏は、「俺も会いたかったんやもん、来てしもたわ」と蘭に言った。「拒否権は無いとは言ったが俺でいいのか?」蘭の問いに、奏は「あまりに君から連絡が来ないもんやから、連投でもしたろ思ってたわ、まあ。冗談やけどな」と答えた。第一回、お家デート。はじまりはじまり。カンカンカン。蘭の頭の中でプロレスの試合開始のような鐘が響く。互いを知るにはいい機会だろう。まだ、彼にも謎が多い。奏も、普通の男では無いとこのときには睨んでいた。精々こいつだけ遊ぶだけ遊んで捨ててやろう。好き好んで俺に近づく人間なんてそうそういないんだから。と、頭では思うものの、同業者であれ。ととんでもない確率の願望を心では考えていた。
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