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全ての起因のパーティー会場8

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「まず停電時を振り返ります。停電時、遠島社長の隣に田中さんが、後ろのテーブルに俺と君江さんが。舞台袖に薙澤さんがいました。薙澤さんは停電のあとに舞台袖から降りてきたので、停電中ずっと舞台袖にいた薙澤さんはまず容疑者から外れます。」蘭が説明すると、薙澤ははぁ、と安堵の溜息をついた。豊島は蘭に「ではやはり凶器のナイフが自分のいたテーブルに置かれていた秘書の田中に違いない!」と言う。「田中さんが犯人であろう要素は隣にいたことと、凶器のナイフ、買収しようとしていた計画しかありません。だが遺体には刺し傷なんて1つもなく、口から吐血しているのは明らかだ。」蘭が説明する最中も薙澤が横槍を入れる。「じゃあ嫌がらせしたのは誰なんだよ!口の奥にガッと刺したら出来るだろう!」薙澤の横槍に蘭は「それもあの停電している短時間でナイフ一本で成し遂げるのは無理だ。しかもハンカチで吹くところまでなんて叶うはずがない。それに、ナイフに包まっていたハンカチについていたのは鑑識の結果で血でもなくワインだった事が判明した。」蘭が淡々と話す中、君江は瞳を震わせていた。「じゃ、じゃあ!!!!」田中と薙澤は後ろを振り返り、君江に視線を向ける。「そうです、犯人は遠島社長の実の娘でホステスの君江さん!貴方だ!」蘭が指さした先で、君江はビクッと肩を震わせた。「嘘よ!私は蘭さんとずっと一緒にいたじゃない!?それだけでアリバイにはなるわ!」蘭は、「証拠はその白手袋だ」と自信満々に語り出す。豊島警部は、「白手袋が?」と首を傾げる。男性刑事は「まさか」と目を見開いた。男性刑事に蘭は「そのまさかです」と説明を続ける。「遺体に傷が見つからなかったトリックはこうです。凶器はナイフでは無く、毒だった。ワイングラスに猛毒を塗ったんですよ、証拠品に入っているハンカチでね」蘭が説明すると、鑑識が「確かに毒性物質反応が検査キットに現れました。」と目を疑った。豊島警部は「でもどうやって…ワイングラスに?入れた状態で渡されるはずでは…」と考え込む。「本来ならワインをついだ状態で手に取るところを、会場のスタッフにこんな風に言ったんでしょう。父に渡すから空のグラスをくれ。と。そうして空のグラスを手に入れた遠島君江は、父にワインを渡す時、猛毒をハンカチで塗ったんだ。停電の前にね」蘭の言葉の後、薙澤はまだ納得がいかないのか「犯人は田中だ!田中でも停電前ならできるだろう!」と横槍を入れる。
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