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序章 旅の始まり、終わり
第三話 彼を治癒
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目の前には腕を犠牲にしてフォイアヴォルフを倒している人が目に入った。
倒し方は単純で、水魔法を絶え間なく浴びせている。
それだけでフォイアヴォルフは死に絶えた。
ええええええ!?
わたしたちの努力は何だったのかというほどあっけなかった。
あの、いつもしていた、剣を何本も使って倒したあの倒し方は、無駄だったの??
そう思っていたら彼はこちらに振り向いた。
その見た目を見てわたしはまじまじと見つめてしまった。
顔は左右対称で、透き通るような黒髪に、透き通るような黒色の目をしていた。
そんな見た目にわたしは見惚れていた。
「大丈夫ですか?」
わたしを見て、彼はそう聞いてきた。
「え、っと、はい。大丈夫です」
そう言って立ち上がるとわたしは頭を下げてお礼を言った。
「ありがとうございます!
その腕、って、わたしのせいですよねぇ……ごめんなさい……大丈夫ですか?」
そういえば腕を犠牲にしていたなと思い、そう聞いてみる。多分だが彼はわたしが怪我を負わないように腕を犠牲にしたのではないのだろうか?
わたしのせいじゃない!?やばい!早く治癒してあげないと!!!
多分だがあれは火傷だ。わたしのレベルカンストした大火傷専用の治癒魔法を使う時がきた!
「あぁ、あとで治癒室に行くので大丈夫ですよ……!?って、!何してるんですか!?」
わたしが魔法の杖に魔力を込め始めたのを見て、彼は焦ったように聞いてくる。その言葉を無視して魔力を魔法の杖に込めていく。
「癒しの女神様、彼のために、貴方様の癒しの力の一部を使わせてください!重症の火傷よ、治れ!」
魔力をちょうどよく込め終わったころ、わたしは魔法の杖を上に掲げてそう唱える。この想いが神様にも届くように祈る。
すると魔法の杖から薄い赤色の光が飛び出していく。
わたしは彼に大火傷専用の治癒魔法を使う。助けてもらったし、これくらいはしないとダメだろう。
なぜ神に祈ったのかというと、この世界の治癒魔法の基本は癒しの神様に祈るということだから。その治癒魔法は癒しの神様の力を使っているとされているからだ。
彼は目を見開いて光を見ている。
薄い赤色の光が宙を舞い、彼へと向かって行く。
そして赤色の光が彼の火傷を治していく。
「うわあ、!すごい、治っていく……!って、治療室に行くからよかったのに……」
彼が言っている治癒室とはお金を払って治癒してくれる所なのだが……すっごく高いのである。だから大体の人は治癒魔法師とパーティーを組んでいる。
わたしは思わず叫んだ。
「ダメです!」
「わあ!いきなり叫ばなって、なんですか!?近づかないでくださいよ!」
わたしは魔法の杖を地面に置くと彼に近づき彼の手を握る。
彼とわたしの身長はほぼ同じなため、彼の顔がよく見えた。
なんだか彼の顔が赤い気がする。
「治療室ってすごーく高いんですよ!知らないんですか!!!
それに貴方には関係ないかもしれませんが、わたしが治癒魔法使えるのにわたしが治さずに治療室へ治させに行かせるなんて、治癒魔法師として名乗れません!!」
「はい!わかりました!わかりましたので、離してください!」
「わかったならいいんですよ!」
わたしは彼の手を離す。
すると彼はほっとしたように息を吐いた。
わたしは何か無くしているものがないか確認するためにポケットの中に手を入れた。
「あれ!?ない!!」
そう叫んでアタフタしはじめたのはわたしではなく、彼だった。
倒し方は単純で、水魔法を絶え間なく浴びせている。
それだけでフォイアヴォルフは死に絶えた。
ええええええ!?
わたしたちの努力は何だったのかというほどあっけなかった。
あの、いつもしていた、剣を何本も使って倒したあの倒し方は、無駄だったの??
そう思っていたら彼はこちらに振り向いた。
その見た目を見てわたしはまじまじと見つめてしまった。
顔は左右対称で、透き通るような黒髪に、透き通るような黒色の目をしていた。
そんな見た目にわたしは見惚れていた。
「大丈夫ですか?」
わたしを見て、彼はそう聞いてきた。
「え、っと、はい。大丈夫です」
そう言って立ち上がるとわたしは頭を下げてお礼を言った。
「ありがとうございます!
その腕、って、わたしのせいですよねぇ……ごめんなさい……大丈夫ですか?」
そういえば腕を犠牲にしていたなと思い、そう聞いてみる。多分だが彼はわたしが怪我を負わないように腕を犠牲にしたのではないのだろうか?
わたしのせいじゃない!?やばい!早く治癒してあげないと!!!
多分だがあれは火傷だ。わたしのレベルカンストした大火傷専用の治癒魔法を使う時がきた!
「あぁ、あとで治癒室に行くので大丈夫ですよ……!?って、!何してるんですか!?」
わたしが魔法の杖に魔力を込め始めたのを見て、彼は焦ったように聞いてくる。その言葉を無視して魔力を魔法の杖に込めていく。
「癒しの女神様、彼のために、貴方様の癒しの力の一部を使わせてください!重症の火傷よ、治れ!」
魔力をちょうどよく込め終わったころ、わたしは魔法の杖を上に掲げてそう唱える。この想いが神様にも届くように祈る。
すると魔法の杖から薄い赤色の光が飛び出していく。
わたしは彼に大火傷専用の治癒魔法を使う。助けてもらったし、これくらいはしないとダメだろう。
なぜ神に祈ったのかというと、この世界の治癒魔法の基本は癒しの神様に祈るということだから。その治癒魔法は癒しの神様の力を使っているとされているからだ。
彼は目を見開いて光を見ている。
薄い赤色の光が宙を舞い、彼へと向かって行く。
そして赤色の光が彼の火傷を治していく。
「うわあ、!すごい、治っていく……!って、治療室に行くからよかったのに……」
彼が言っている治癒室とはお金を払って治癒してくれる所なのだが……すっごく高いのである。だから大体の人は治癒魔法師とパーティーを組んでいる。
わたしは思わず叫んだ。
「ダメです!」
「わあ!いきなり叫ばなって、なんですか!?近づかないでくださいよ!」
わたしは魔法の杖を地面に置くと彼に近づき彼の手を握る。
彼とわたしの身長はほぼ同じなため、彼の顔がよく見えた。
なんだか彼の顔が赤い気がする。
「治療室ってすごーく高いんですよ!知らないんですか!!!
それに貴方には関係ないかもしれませんが、わたしが治癒魔法使えるのにわたしが治さずに治療室へ治させに行かせるなんて、治癒魔法師として名乗れません!!」
「はい!わかりました!わかりましたので、離してください!」
「わかったならいいんですよ!」
わたしは彼の手を離す。
すると彼はほっとしたように息を吐いた。
わたしは何か無くしているものがないか確認するためにポケットの中に手を入れた。
「あれ!?ない!!」
そう叫んでアタフタしはじめたのはわたしではなく、彼だった。
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