81 / 101
第2章~2回目の小学生~
第13話Part.2~パーティーってどうやって誘うんだ?~
しおりを挟む
「やあ、おはよう。」
「おはよう~。」
今ちょうど4人固まっているところなので俺は彼女らに声を掛けてみた。挨拶を返してくれる4人だったが、そう言えばペイツの誘い方ってどうすればいいんだろうと思った。
現代日本ならスマートフォンか何かで調べれば答えらしきものが出てくれるのだが、生憎そんなものはないしあっても接続できない。
「珍しいねぇ。ファンデンくんから挨拶に来るなんて。」
「えぇっ?あぁ、いや。ハハハ。」
アリアに自分から声を掛けに来るなんて珍しいと言われてしまった。たしかにそうだ。普段は女子と話す時は大体向こう側から声を掛けてきてやっと話すという感じだった。
東亜として生きていた時も学生時代は女子とほとんど話した事など無かったくらいだ。社会人になって必要に迫られたので話せるようになったが、今も得意というわけでは無く今日のような有様となる。
学生時代のメンタルで来ていたらおそらくは彼女らに話しかけても大丈夫だと思える程度の関係性は築けていなかっただろうから、昔よりはマシではあると思うが。
「何か困りごとですか?」
「私たちにできることなら何でも。」
マリアとペティに困りごとがあるのかと尋ねられた。何か困りごとでもなければ声を掛けてこないと思われているのも中々考え物な気はするが、2人は真っ直ぐな目で俺を見ている。
たしかに深刻な困りごとではあるのだが、ド忘れしていてダンスパーティーのパートナーが決まっていないという中々しょうもない困りごとでもあるので少し申し訳ない気持ちとなる。
「実は……ペイツってあるでしょ?」
このままモジモジして切り出さないままだと本当に深刻な悩みだと受け取られてしまいそうなので、俺は意を決して話を切り出した。俺の口からペイツという単語が出ると何故か4人の様子が変わった。目の色が変わったというか、ともかく何かいつもとは違う雰囲気を感じる。
「俺、まだパートナーが決まってなくて、みんななら誰かパートナーを探してる子を知らないかなって。」
俺は両手を合わせながら彼女らにお願いする。こんなことをお願いするのは中々恥ずかしいのだが仕方がない。別に強制参加ではないらしいのだが、おそらく参加しないとなると両親に何故かと言われてしまうような気がする。
何か様子がどんどん変わっていく。お願いした4人は目を輝かせ始めているし、周囲も聞き耳を立てているような様子だ。さっきから俺の後ろをチョロチョロ動いていたヨーゼフはもうほとんど俺のすぐ後ろくらいで聞いている。よく考えてみれば今の状態、俺が4人の誰かをペイツに誘っているように見えるのかもしれない。
衝動的な行動になってしまった事を後悔する。これでは却って目立ってしまっている。慌てると今ある問題を解決することしか考えられなくなり、その行動によって起こる影響を全く考えられない。そして事態を悪化させてしまうという悪癖がまた出てしまった。
だがこうなってしまってはもう後にも引けないので、俺は彼女らの答えを待つより他は無かった。
「おはよう~。」
今ちょうど4人固まっているところなので俺は彼女らに声を掛けてみた。挨拶を返してくれる4人だったが、そう言えばペイツの誘い方ってどうすればいいんだろうと思った。
現代日本ならスマートフォンか何かで調べれば答えらしきものが出てくれるのだが、生憎そんなものはないしあっても接続できない。
「珍しいねぇ。ファンデンくんから挨拶に来るなんて。」
「えぇっ?あぁ、いや。ハハハ。」
アリアに自分から声を掛けに来るなんて珍しいと言われてしまった。たしかにそうだ。普段は女子と話す時は大体向こう側から声を掛けてきてやっと話すという感じだった。
東亜として生きていた時も学生時代は女子とほとんど話した事など無かったくらいだ。社会人になって必要に迫られたので話せるようになったが、今も得意というわけでは無く今日のような有様となる。
学生時代のメンタルで来ていたらおそらくは彼女らに話しかけても大丈夫だと思える程度の関係性は築けていなかっただろうから、昔よりはマシではあると思うが。
「何か困りごとですか?」
「私たちにできることなら何でも。」
マリアとペティに困りごとがあるのかと尋ねられた。何か困りごとでもなければ声を掛けてこないと思われているのも中々考え物な気はするが、2人は真っ直ぐな目で俺を見ている。
たしかに深刻な困りごとではあるのだが、ド忘れしていてダンスパーティーのパートナーが決まっていないという中々しょうもない困りごとでもあるので少し申し訳ない気持ちとなる。
「実は……ペイツってあるでしょ?」
このままモジモジして切り出さないままだと本当に深刻な悩みだと受け取られてしまいそうなので、俺は意を決して話を切り出した。俺の口からペイツという単語が出ると何故か4人の様子が変わった。目の色が変わったというか、ともかく何かいつもとは違う雰囲気を感じる。
「俺、まだパートナーが決まってなくて、みんななら誰かパートナーを探してる子を知らないかなって。」
俺は両手を合わせながら彼女らにお願いする。こんなことをお願いするのは中々恥ずかしいのだが仕方がない。別に強制参加ではないらしいのだが、おそらく参加しないとなると両親に何故かと言われてしまうような気がする。
何か様子がどんどん変わっていく。お願いした4人は目を輝かせ始めているし、周囲も聞き耳を立てているような様子だ。さっきから俺の後ろをチョロチョロ動いていたヨーゼフはもうほとんど俺のすぐ後ろくらいで聞いている。よく考えてみれば今の状態、俺が4人の誰かをペイツに誘っているように見えるのかもしれない。
衝動的な行動になってしまった事を後悔する。これでは却って目立ってしまっている。慌てると今ある問題を解決することしか考えられなくなり、その行動によって起こる影響を全く考えられない。そして事態を悪化させてしまうという悪癖がまた出てしまった。
だがこうなってしまってはもう後にも引けないので、俺は彼女らの答えを待つより他は無かった。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる