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第2章~2回目の小学生~

第13話Part.2~パーティーってどうやって誘うんだ?~

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「やあ、おはよう。」
「おはよう~。」

 今ちょうど4人固まっているところなので俺は彼女らに声を掛けてみた。挨拶を返してくれる4人だったが、そう言えばペイツの誘い方ってどうすればいいんだろうと思った。
 現代日本ならスマートフォンか何かで調べれば答えらしきものが出てくれるのだが、生憎そんなものはないしあっても接続できない。

「珍しいねぇ。ファンデンくんから挨拶に来るなんて。」
「えぇっ?あぁ、いや。ハハハ。」

 アリアに自分から声を掛けに来るなんて珍しいと言われてしまった。たしかにそうだ。普段は女子と話す時は大体向こう側から声を掛けてきてやっと話すという感じだった。
 東亜として生きていた時も学生時代は女子とほとんど話した事など無かったくらいだ。社会人になって必要に迫られたので話せるようになったが、今も得意というわけでは無く今日のような有様となる。
 学生時代のメンタルで来ていたらおそらくは彼女らに話しかけても大丈夫だと思える程度の関係性は築けていなかっただろうから、昔よりはマシではあると思うが。

「何か困りごとですか?」
「私たちにできることなら何でも。」

 マリアとペティに困りごとがあるのかと尋ねられた。何か困りごとでもなければ声を掛けてこないと思われているのも中々考え物な気はするが、2人は真っ直ぐな目で俺を見ている。
 たしかに深刻な困りごとではあるのだが、ド忘れしていてダンスパーティーのパートナーが決まっていないという中々しょうもない困りごとでもあるので少し申し訳ない気持ちとなる。

「実は……ペイツってあるでしょ?」

 このままモジモジして切り出さないままだと本当に深刻な悩みだと受け取られてしまいそうなので、俺は意を決して話を切り出した。俺の口からペイツという単語が出ると何故か4人の様子が変わった。目の色が変わったというか、ともかく何かいつもとは違う雰囲気を感じる。

「俺、まだパートナーが決まってなくて、みんななら誰かパートナーを探してる子を知らないかなって。」

 俺は両手を合わせながら彼女らにお願いする。こんなことをお願いするのは中々恥ずかしいのだが仕方がない。別に強制参加ではないらしいのだが、おそらく参加しないとなると両親に何故かと言われてしまうような気がする。

 何か様子がどんどん変わっていく。お願いした4人は目を輝かせ始めているし、周囲も聞き耳を立てているような様子だ。さっきから俺の後ろをチョロチョロ動いていたヨーゼフはもうほとんど俺のすぐ後ろくらいで聞いている。よく考えてみれば今の状態、俺が4人の誰かをペイツに誘っているように見えるのかもしれない。
 衝動的な行動になってしまった事を後悔する。これでは却って目立ってしまっている。慌てると今ある問題を解決することしか考えられなくなり、その行動によって起こる影響を全く考えられない。そして事態を悪化させてしまうという悪癖がまた出てしまった。

 だがこうなってしまってはもう後にも引けないので、俺は彼女らの答えを待つより他は無かった。
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