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第1話Part.2~初登校~
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俺たちが入った二等男子寮から中等部の校舎は非常に近い。10ミニーもかからずに俺たちは校舎に到着する。
大きな壁に覆われた校門を抜けると城を基調にした建物が姿を見せる。まず校門の真正面には大きな時計台が見える。おそらくこの時計台がシンボルなのだろう。
そしてその時計台の前に校舎の入り口があり、そこから左右に校舎が広がっている。二階建てで部屋1つごとに大きな窓が付けられており、鋭い三角の屋根と等間隔でまるで馬上槍のような円錐型に近い鋭く尖った屋根がある。
俺たちは中庭を通って校舎へ向かう。中庭は芝生が敷き詰められた単純なもので、通路はいくつもの石板が敷き詰められた涼し気な庭となっている。
校舎の入り口まで行くと皮用紙が張り出されていた。皮用紙に書かれているのは組分けのようだ。同級生たちが入り口に殺到して自分の入る組を確認している。シェーベリー戦闘大学校中等部は1学年400人で1クラス40人で10クラスだ。
「ファンデ~ン、見えるか~?」
「文字が小さくて見えん」
「前に行くしかないな」
同年代の平均身長から頭1つ2つ抜けている俺は上から皮用紙を覗き込むことはできた。ヨーゼフに読めるかと聞かれたが、文字が小さいためもっと近づかないと名前の判別までは難しいと答えると前に行くしかないという結論になり、確認した生徒が皮用紙の前を退いて行くのを待って少しずつ前へ進んでいった。
「1-2!」
「なんだお前もか」
「俺もだな」
俺たちは全員1-2組に配置されていた。いや、俺たちだけではなくリール・ア・リーフ初等学校時代からの友人であるセリオス、ルーク、ダニーも一緒。女子生徒のアリアとマリアも一緒だった。
そしてもう1つ気になっていたのはあのバルフォアのクラス。ヤツのクラスは1-1で俺たちとは別のクラス。ひとまず毎度毎度ヤツと顔を合わせる必要はなさそうで安心した。
クラスを確認できたので俺たちは校舎の中に入る。この校舎は入り口が真ん中にあり、そして左に向かうと1組から5組、右に向かうと6組から10組が並んでいるようだ。俺たちは当然左へ行く。
廊下は白を基調とした非常に幅広い廊下で10メラー弱ある。おそらく授業で使用する武器などを運んだりするためにこれだけのスペースを取っているのだろう。
1組を抜けると2組。俺たちは2組に入る。既に半数以上のクラスメイトが着いていると思われる。まあ何人かは別のクラスの子かもしれないが。
前の黒板に席順が書かれている。横に6列で縦も6列で左右の両端から2列ずつは縦7列となっておりこれで40人。そして名前を見る限りだと縦の列は男子列女子列交互になっているようだ。
俺の席は入り口側を左とするなら左端の最後尾。これは俺にとっては非常にありがたい。1番端の1番後ろは目立たないし、それに前だと後ろに座る子に毎度「ファンデンくんがデカすぎて見えませ~ん」と言われてしまう。
もしかするとおおよその身長順で選ばれたのかもしれない。おそらくクラスでも小さいほうであろうヨーゼフが最前列になっており、ぶー垂れている。
「あっ。みんな~」
知り合いに呼びかける声がする。俺たち3人や他のクラスメイトも一様に声がする方を向く。その視線の先には背伸びをして右手を振っている女子の姿があった。知り合いではない生徒はまた元向いていた方に向き直したりしているが、数人の男子の鼻の下が伸びている。
手を振っている女子は身長は小柄な様子だがおっとりと柔かそうな雰囲気と体型、そして歳の割にはかなり大きめな胸が彼女の腕に合わせてふよふよと柔らかそうに揺れている。
そしてこの女子だが俺たちの知り合いだった。俺たちと同じリール・ア・リーフ初等学校に通っていたマリア・シャンポリーンだった。
マリアは俺たちが彼女を視認したと見ると、おっとりとした笑顔でこちらに寄って来た。
「やあマリアさん。久しぶりだね」
「はい、久しぶりですね~。みんなも元気そうで良かったです」
「久しぶり」
「マリア~聞いてくれよぉ~。俺1番前だぁ……」
「ヨーゼフくんは私の隣ですねぇ。よろしくお願いします」
「え?ホントだ!よろしく!」
マリアはたれ目で甘い雰囲気を醸し出す容姿をしており、そして彼女の真っ直ぐで艶がある真っ黒な髪からも甘い香りが漂ってくる。
彼女のおっとりとした話し方とその雰囲気と当てられて俺たちも自然と和んでくる。そしてマリアの言でやはり身長の高さを参考にしているのではないかという説に信ぴょう性らしきものが付随されてくる。
「よう!集まってんな!」
俺たち4人が話しているとまだ来ていない知り合いの内の1人であるセリオス・レンツォが到着したようだ。彼は黒板の席順を見た後に俺たちの姿を探して、俺たちの姿を見つけて駆け寄ってきた。
彼はリール・ア・リーフ初等学校時代、クラスでも俺たちの中でもムードメーカー的存在だった。特に社交的な性格で、俺にこれだけ友人ができたのは彼のお陰と言ってもいいくらいだ。
「同じクラスになれてよかったな!2年からは別々のコースに行くわけだし。」
セリオスの言う通り、1年は一律同じ教育を施されるが、2年からはより専門的な教育に移行するのでクラスは必ず別れる。現時点で明確に進む目標が決まっているのは俺の将官組、ルークの近衛・
親衛隊組、ダニーの騎士組、マリアの回復術師組辺りか。それぞれのクラスに定員があるため好成績を上げた生徒が優先して希望の組に入れるようだ。
「みんな~久しぶり~」
次に現れたのはダニー・コラレス。ぽっちゃりとした体型の少年でおっとりとのっそりとした性格。だが父は剛力の強者として鳴らした戦士だそうで、ダニーとよく似た人らしい。故に彼は相当期待されているようだ。大食漢で俺もそれなりに食べる方だが彼には全く歯が立たない。
「おはよう~」
次に来たのがアリア。彼女とは制服を取りに行った服飾店で会って以来だ。アリアはニコニコと笑顔を見せながら俺の方へと歩いて来る。そして
「ファンデンくん。私の隣みたいだねぇ。よろしくねぇ」
「……あぁホントだ。よろしくね」
そう言った。俺はそうだったかなと思い黒板の方に目を向ける。たしかに俺の隣にある名前はアリア・クラルティだった。彼女もこの年代の女子としてはかなり長身な方なので、やはり席順は身長の高さで決まっていそうな感じがする。
「やあ、僕が最後みたいだ。おはようみんな」
シェーベリー戦闘大学校に通う俺の友人たちで1番最後に到着したのがルーク・アバーテ。リール・ア・リーフの伯爵家の出身。兄が2人おり、彼自身は王直属である近衛部隊に入ることを志している。
首の後ろ辺りまで伸びた金髪と碧眼で物腰柔らか、誰にでも優しいが特に女性に対して優しい。細身でしなやかな体躯の貴公子然とした少年だ。
こうしてリール・ア・リーフ初等学校で友人だった生徒との久しぶりの再会を喜び合っているところで先生が入ってくる。若い男性の先生だ。時計はもう集合の時間に近い。そのため俺たちはまた後でと言って自分たちの席へ着くことにした。
大きな壁に覆われた校門を抜けると城を基調にした建物が姿を見せる。まず校門の真正面には大きな時計台が見える。おそらくこの時計台がシンボルなのだろう。
そしてその時計台の前に校舎の入り口があり、そこから左右に校舎が広がっている。二階建てで部屋1つごとに大きな窓が付けられており、鋭い三角の屋根と等間隔でまるで馬上槍のような円錐型に近い鋭く尖った屋根がある。
俺たちは中庭を通って校舎へ向かう。中庭は芝生が敷き詰められた単純なもので、通路はいくつもの石板が敷き詰められた涼し気な庭となっている。
校舎の入り口まで行くと皮用紙が張り出されていた。皮用紙に書かれているのは組分けのようだ。同級生たちが入り口に殺到して自分の入る組を確認している。シェーベリー戦闘大学校中等部は1学年400人で1クラス40人で10クラスだ。
「ファンデ~ン、見えるか~?」
「文字が小さくて見えん」
「前に行くしかないな」
同年代の平均身長から頭1つ2つ抜けている俺は上から皮用紙を覗き込むことはできた。ヨーゼフに読めるかと聞かれたが、文字が小さいためもっと近づかないと名前の判別までは難しいと答えると前に行くしかないという結論になり、確認した生徒が皮用紙の前を退いて行くのを待って少しずつ前へ進んでいった。
「1-2!」
「なんだお前もか」
「俺もだな」
俺たちは全員1-2組に配置されていた。いや、俺たちだけではなくリール・ア・リーフ初等学校時代からの友人であるセリオス、ルーク、ダニーも一緒。女子生徒のアリアとマリアも一緒だった。
そしてもう1つ気になっていたのはあのバルフォアのクラス。ヤツのクラスは1-1で俺たちとは別のクラス。ひとまず毎度毎度ヤツと顔を合わせる必要はなさそうで安心した。
クラスを確認できたので俺たちは校舎の中に入る。この校舎は入り口が真ん中にあり、そして左に向かうと1組から5組、右に向かうと6組から10組が並んでいるようだ。俺たちは当然左へ行く。
廊下は白を基調とした非常に幅広い廊下で10メラー弱ある。おそらく授業で使用する武器などを運んだりするためにこれだけのスペースを取っているのだろう。
1組を抜けると2組。俺たちは2組に入る。既に半数以上のクラスメイトが着いていると思われる。まあ何人かは別のクラスの子かもしれないが。
前の黒板に席順が書かれている。横に6列で縦も6列で左右の両端から2列ずつは縦7列となっておりこれで40人。そして名前を見る限りだと縦の列は男子列女子列交互になっているようだ。
俺の席は入り口側を左とするなら左端の最後尾。これは俺にとっては非常にありがたい。1番端の1番後ろは目立たないし、それに前だと後ろに座る子に毎度「ファンデンくんがデカすぎて見えませ~ん」と言われてしまう。
もしかするとおおよその身長順で選ばれたのかもしれない。おそらくクラスでも小さいほうであろうヨーゼフが最前列になっており、ぶー垂れている。
「あっ。みんな~」
知り合いに呼びかける声がする。俺たち3人や他のクラスメイトも一様に声がする方を向く。その視線の先には背伸びをして右手を振っている女子の姿があった。知り合いではない生徒はまた元向いていた方に向き直したりしているが、数人の男子の鼻の下が伸びている。
手を振っている女子は身長は小柄な様子だがおっとりと柔かそうな雰囲気と体型、そして歳の割にはかなり大きめな胸が彼女の腕に合わせてふよふよと柔らかそうに揺れている。
そしてこの女子だが俺たちの知り合いだった。俺たちと同じリール・ア・リーフ初等学校に通っていたマリア・シャンポリーンだった。
マリアは俺たちが彼女を視認したと見ると、おっとりとした笑顔でこちらに寄って来た。
「やあマリアさん。久しぶりだね」
「はい、久しぶりですね~。みんなも元気そうで良かったです」
「久しぶり」
「マリア~聞いてくれよぉ~。俺1番前だぁ……」
「ヨーゼフくんは私の隣ですねぇ。よろしくお願いします」
「え?ホントだ!よろしく!」
マリアはたれ目で甘い雰囲気を醸し出す容姿をしており、そして彼女の真っ直ぐで艶がある真っ黒な髪からも甘い香りが漂ってくる。
彼女のおっとりとした話し方とその雰囲気と当てられて俺たちも自然と和んでくる。そしてマリアの言でやはり身長の高さを参考にしているのではないかという説に信ぴょう性らしきものが付随されてくる。
「よう!集まってんな!」
俺たち4人が話しているとまだ来ていない知り合いの内の1人であるセリオス・レンツォが到着したようだ。彼は黒板の席順を見た後に俺たちの姿を探して、俺たちの姿を見つけて駆け寄ってきた。
彼はリール・ア・リーフ初等学校時代、クラスでも俺たちの中でもムードメーカー的存在だった。特に社交的な性格で、俺にこれだけ友人ができたのは彼のお陰と言ってもいいくらいだ。
「同じクラスになれてよかったな!2年からは別々のコースに行くわけだし。」
セリオスの言う通り、1年は一律同じ教育を施されるが、2年からはより専門的な教育に移行するのでクラスは必ず別れる。現時点で明確に進む目標が決まっているのは俺の将官組、ルークの近衛・
親衛隊組、ダニーの騎士組、マリアの回復術師組辺りか。それぞれのクラスに定員があるため好成績を上げた生徒が優先して希望の組に入れるようだ。
「みんな~久しぶり~」
次に現れたのはダニー・コラレス。ぽっちゃりとした体型の少年でおっとりとのっそりとした性格。だが父は剛力の強者として鳴らした戦士だそうで、ダニーとよく似た人らしい。故に彼は相当期待されているようだ。大食漢で俺もそれなりに食べる方だが彼には全く歯が立たない。
「おはよう~」
次に来たのがアリア。彼女とは制服を取りに行った服飾店で会って以来だ。アリアはニコニコと笑顔を見せながら俺の方へと歩いて来る。そして
「ファンデンくん。私の隣みたいだねぇ。よろしくねぇ」
「……あぁホントだ。よろしくね」
そう言った。俺はそうだったかなと思い黒板の方に目を向ける。たしかに俺の隣にある名前はアリア・クラルティだった。彼女もこの年代の女子としてはかなり長身な方なので、やはり席順は身長の高さで決まっていそうな感じがする。
「やあ、僕が最後みたいだ。おはようみんな」
シェーベリー戦闘大学校に通う俺の友人たちで1番最後に到着したのがルーク・アバーテ。リール・ア・リーフの伯爵家の出身。兄が2人おり、彼自身は王直属である近衛部隊に入ることを志している。
首の後ろ辺りまで伸びた金髪と碧眼で物腰柔らか、誰にでも優しいが特に女性に対して優しい。細身でしなやかな体躯の貴公子然とした少年だ。
こうしてリール・ア・リーフ初等学校で友人だった生徒との久しぶりの再会を喜び合っているところで先生が入ってくる。若い男性の先生だ。時計はもう集合の時間に近い。そのため俺たちはまた後でと言って自分たちの席へ着くことにした。
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