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2 夢みたい
しおりを挟む昨日、告白した。
やっとの思いで。
ドキドキドキドキ
ドキドキドキドキ
これって…本当なのかな?
ほっぺをつねってみる。
痛い…。
もう一度つねってみる。
やっぱり痛い…。
夢じゃないんだ!
飛び上がるほど嬉しい!
この喜びを…
大好きな彼女にありったけの気持ちを……
伝えたい。
伝えたい。
ドキドキドキドキ
ドキドキドキドキ
どのように彼女に伝えたらいいんだろう?
隣のクラスへ行って教室を覗いてみる。
あ……。
彼女と目が合う。
嬉しくて手を振ってみた。
あ……。
彼女の顔はみるみる真っ赤になって……
ちょこちょこ歩いて窓の端に行って、
カーテンの後ろに隠れてしまった。
なんて愛くるしいんだろう。
その仕草がとっても可愛かった。
でも、そこから動こうとしないみたい。
あ……。
オレはじっと彼女を待ってみる。
十秒…。
二十秒……。
三十秒…………。
カーテンが揺れることもない。
まるでそこには誰もいないかのように。
すっぽり彼女を隠したまま。
あと十秒……待ってみた。
彼女はそこから現れることはなかった。
嫌われた?
それとも昨日のことは……
やっぱり、夢だったのかな?
オレは昨日の出来事が嘘のように思えてしまい……
嬉しい気持ちが萎えてしまった。
そして、自分の教室に戻った。
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