オレの彼女は初々しすぎる…

６ まだ無理みたい

どうつきあえばいいのか、わからない。
つきあうって難しい。
両想いにはなれたけど。
次は何をすればいいのかな？

はじめてのことだし。
いつも一緒にいたいけど。
クラスは隣だし。
いつも両隣にはお友だちがいるし。
なかなか近づけない。

休憩時間に隣のクラスを覗いても、
一人でいることはあまりない彼女。
とっても楽しそうにお友だちとお喋りしてるから。
オレはそれを邪魔することは出来ない。

早く会いたい。
隣にいたい。
一緒にお話しして。
一緒に笑いあいたい。

昼休み、勇気を出して彼女に声をかけた。

「あの、いいかな？」

彼女は友達に断ってこっちに来てくれる。

「なぁに？」

ちょっと舌っ足らずな言い方もオレのお気に入り。

「キミとお話がしたくって」

素直に言ってみた。

「ふたりっきりで？」
「うん。できれば」
「まだ……無理」

え？
どうして？

「どうしても無理なの……ごめんなさい」
「オレのこと……嫌いじゃないんだよね？」
「嫌いじゃないよ。とても恥ずかしいの」

キミはオレの方をジッと見ながら
何とか言葉を紡いでくれた。

「ドキドキしすぎて……心がもたないの。逃げたいほど恥ずかしいの」

ビックリするくらい真っ赤だよ。
それって、病気じゃないよね？
赤くなりすぎだよ。
オレまで感染したように赤くなってきたよ。

「だから……もうちょっと……待ってて……」

彼女は溶けそうな笑顔をオレに向けながら
そう言って去っていった。

うわぁあああ！

やっぱり君はかわいいよ。
こんなはにかんだ笑顔、
誰にも見せたくないほどだよ。

オレは心まで真っ赤になった気分。

好きってたくさん言いたい！
抱きしめたい！

……まだまだ、先は遠いけど。

オレはキミのペースに合わせるから。

だから。
だからいつかは一緒にいようね。