あみdan

わらいしなみだし

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女人禁制の☆あみだん☆開始!

74 練習試合のあとで…… 2

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「な……なんのこと?」

 言葉がどもる。智さんの言葉が胸に刺さってどうしようもなく辛い。
 目を少し逸らす、智さんが気がつかない程度、だったらいいな……なんて思いつつ。
 手に変な汗が出てきたみたい。
 でも智さんが掴んでいるのはありがたいことに俺の手首だ。
 だから俺の動揺は……バレない筈だと思いたい。

「翔琉の友達の神崎川を大きな声で応援してたでしょ?彼女、学校に来たことがあるんだよ」

「え……?」

 なにそれ……。
 そんなの知らない……。

 俺が完全に固まっているのを知ってか知らずか智さんは話を続ける。
 その顔は優しそうに見えてるのに冷たい温度を感じるのは俺が聞きたいと思っていないからなのだろう。

 この先なんて……知りたくない!って。

「校門前にいたのを見たよ。神崎川がそれに気がついて……部活を休んで彼女と帰っちゃったよ。それから三日間くらい?部活無断で休んでたし?」

 あ……。

 あの頃だ。
 じょうちゃんが無断欠席してたのって、彼女のせいだったんだ……。

 そっかぁ……。

 俺は納得した。
 じょうちゃんは中学の頃、最後に付き合ってた彼女とは別れずにずーっと続いてたってことを。

 わかってたじゃん……。

 それでも諦められない想いを……マフラーに込めて……。
 じょうちゃんに渡してこの想いから『さよなら』するんだって……。
 決めてたじゃないか?

 高校に入って同じクラスになって、たった数日間学校で仲良くしてもらったからって、それが心地よかったからって……。

 いったい俺は何を期待してたというのだろう?

 ははは……。

 バカだ……俺……。

 痛む想いに現実を忘れて完全に智さんを視界から外してしまった時、智さんが掴んでた手首を解放して俺の肩に手を回して抱き寄せる。
 俺の顔を覗き込んでウインクまで見せる。

 どうして……?

 俺は智さんがわからない。
 智さんは俺が智さんを好きにはならないって……言った筈なのに?
 でも一緒にいるって約束をした。

 どちらがキタナイノダロウ?

 脅迫から始まった関係なのに……。
 俺はそれを利用することに決めたのに……。

「僕たちつきあってるんだから……いいよね?」

 俺を抱き寄せる力加減が……羽にくるまれたかのように優しくて、その行為が俺を介抱しているみたいで……。

 正直、それが心地よく、胸の痛みを忘れさせてくれるかのよう。

 今は……いっかぁ……。

 俺はその優しさに身を任せた。
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