あみdan

わらいしなみだし

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『編み物男子部』?ができるまで。

189 その頃二人は…… ☆3ー1

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★坂口side vs ファンクラブ

 僕たちは先程居た喫茶店へUターンすることになった。

 彼らは喫茶店に入ったかと思えば、店員さんにひとこと声を掛けて人差し指で上を指した。

「かしこまりました。お好きな席へどうぞ」

 背の高い店員さんが笑顔でお辞儀をした。
 僕たちも小さくお辞儀を返して僕は二人の後を追った。

 さっき入った時には気づかなかったけど、どうやら二階席があるみたいだ。



 さっき注文したのにコーラをまた注文する。
 二人も同じものを注文した。

 僕たちは『鳴海ファンクラブ』の仲間で、一人は小学五・六年の時のクラスメートだった。もう一人も見覚えがある。
 ということは同じ小学校出身だと思う。

 中学生になってから他校の出身者が『鳴海ファンクラブ』に入ったのは後にも先にも一人だったから。

 ファミレスでちょっとした食べ物を注文してドリンクバーでもよかったような気もするけど、ここは僕にとっては知らない領域。
 なのでUターンすることになっても文句を言うことなくついてきたのだが……。

 学生、それも男三人が入るような雰囲気の喫茶店ではない。
 女性が好きそうな小洒落た雰囲気の落ち着いた喫茶店なのだ。

「ねぇ、僕たち浮いてない?」

 我慢できずに僕は二人に話しかけた。

「ここ、穴場だから」
「坂口君の彼女もわかってたから此処に来たんだと思うよ」
「そうそう!」
「内緒話にはもってこいなんだよね……」
「特に二階は……」

 一人がそこから見える喫茶店の入り口の方を見やった。

「で、僕に何か用なの?」

 とりあえずこの状況を聞くことにした。

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