あみdan

わらいしなみだし

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『編み物男子部』?ができるまで。

145 楽しい日曜日 ★神崎川side4

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 買い物を済ませてスーパーの前で待っていると相沢と坂口が戻ってきた。
 相沢の手にはケーキの箱が。

「ロールケーキにしたんだよ」

 そう笑顔で言うのは坂口だ。

「ケーキを見てたんだけどな、種類多いし、好みわかんねーし」

「かなり揉めたけど……これにしたんだ。シンプルでいいかなって……」

「いいんじゃねーか?」

 俺はそっけなく答えた。

「皆で一緒にお茶タイムなんだね!」

 朔田が生き生きした口調で嬉しそうに言うけど……さ。
 そこは『ティータイム』って言えよ……。

 俺は買い物した袋を持って鳴海の家へ三人を連れていった。

 途中で相沢が俺に質問してきた。

「な、なぁ。なんで皇帝様は鳴海の家知ってんの?」

 気になって仕方がない顔をしてて興味津々だ。
 朔田も目が輝いてるし、二人して嫉妬か?
 坂口は違うみてーだけど。
 最近、相沢と朔田は『様』つけて呼ぶんだよな……。
 つけるな!ってあれほど言ったのに、マジうぜぇ。

「ま、俺と鳴海は『ダチ』だし」

「僕たちは小・中と同じ学校だったんだよ。鳴海君と神崎川君と僕は小学生の五・六年の時、同じクラスだったんだよ!鳴海君はね、誰からも愛されてたんだよ」

 坂口は誇らし気に話す。

「じゃあ、じゃあ、中学の時は?」

 俺と坂口はその言葉に固まる。

「僕は……同じクラスになれなかった……。神崎川君は?」

「俺も、隣のクラスにさえなってない。相沢、朔田、よく聞け。中学の話は鳴海にはぜってー聞くな!」

 俺は二人に淡々とそう告げた。

「なんでだよー?聞いたっていいじゃんかよー!」

 相沢ならそういうと思ったぜ。ウザい。
 俺が言葉を発する前に坂口が重そうに口を開いた。

「鳴海君はね……やっと、やっと……本来の鳴海君らしくなったんだ。戻ってきたんだ……鳴海君が、元の誰からも愛されてた鳴海君に……戻りそうなんだ!だから、だから……お願いだから……そっとしておいて!」

 相沢は苦々しそうに唇を噛んで問い詰めてきた。

「だから、そこんとこをはっきり言えって!じゃねーとわかんねーじゃんかよー」

 朔田も困惑した顔で小さく頷く。
 俺はため息をひとつついて話すことにした。





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