71 / 339
『編み物男子部』?ができるまで。
47 決戦は金曜日? 1 ★神崎川side2
しおりを挟む
「翔琉ー!」
突然高めの明るい声がして、そこからひょいっと顔が出た。
えっ?! こ……この声……?
聞き覚えがある……!
な、なんで?
こんな場所に来てるんだ……?
翔琉って……呼んだ……よな?
「こんなところまで来ないで下さい」
その声に振り向いた翔琉が冷たい声で言い捨てながら朔田を抱き締めていた手をゆっくり下ろすのを見た。
目もちょっと睨んでいるように見える。
朔田は朔田で先程よりぎゅっと強く翔琉に抱きついていて、目を思いっきり閉じている。
何も見たくないって言う態度を示すかのようだった。
「だって……約束の日だもん。翔琉、キミをいち早く見ていたくって。僕、今日が本当に待ち遠しかったんだよ。ごめんね。ダメだった?ね……忘れてない……よね?」
「……忘れてない……です。そして、ここまで来ないで下さい!」
翔琉は思いっきり相手の男、サッカー部のキャプテンを睨んで言い放っていた。
朔田は翔琉に抱きついたままだ。
「ごめん……。そんな約束出来ないよ。だって…翔琉に会いたいんだもん」
「はぁ……」 翔琉からため息が聞こえてくる。
な、なんなんだ?
この会話は……。
キャプテン……
部活と違ってめっちゃめちゃ甘いんですけど……。
何をしに此処へ?
約束の日って?
何?それって……どういう意味だ?
それよりも、こんなにはっきりキャプテンに物申す生徒を見たことがない……。
って、いうことは……特別な、仲なのか?
「あ、神崎川もいたんだね。翔琉と同じクラスだったんだね!今日は部活……来るよね?」
「は……はい。村瀬キャプテン……」
「翔琉の顔を見られたし。僕は行くね!愛妻レモン待ってるねー!じゃあ、部活終わりでね、か・け・る!」
翔琉に投げキッスまでして村瀬キャプテンは嬉しそうな顔をしてそんな言葉を言い捨てて颯爽と去って行った。
ヒューヒュー
と、囃し立てる声・声・声。
翔琉が俺の方に向き直って笑顔で話しかけて来た。
「あ、神崎川。俺が作ったはちみつ漬けレモン……サッカー部の部員全員に分けてあげてたんだね。知らなかったよ。……なんかね、あの人に催促されちゃって……作ってあげてるんだ。ホント…。図々しい先輩だよね」
笑顔で言う翔琉に……心がズキンと痛んだ。
待てよ、ちきしょう!
翔琉が作ったもん……誰にもあげる訳ねーだろうが!
何が『愛妻レモン』なんだ?
何で催促されてんだ?
「鳴海……まさか……つきあってる……のか?」
「さぁ……どうなんだろうね」
笑顔で答えられてしまった……。
肯定も否定もせず……。
朔田が俺をキッと睨む。
翔琉に抱きついたまま。
朔田が顔を戻して心配そうに翔琉を見上げる。
「もう……大丈夫だから……大丈夫だから」
翔琉が朔田を宥めている。
朔田の態度が異様だった。
翔琉を守るように必死になって抱き締めているようだった。
俺に対して……
村瀬キャプテンに対して……も?!
俺にはそのように見えた。
それが……きっと答え……なのか?
訳がわからないうちに始業のベルが鳴った……。
突然高めの明るい声がして、そこからひょいっと顔が出た。
えっ?! こ……この声……?
聞き覚えがある……!
な、なんで?
こんな場所に来てるんだ……?
翔琉って……呼んだ……よな?
「こんなところまで来ないで下さい」
その声に振り向いた翔琉が冷たい声で言い捨てながら朔田を抱き締めていた手をゆっくり下ろすのを見た。
目もちょっと睨んでいるように見える。
朔田は朔田で先程よりぎゅっと強く翔琉に抱きついていて、目を思いっきり閉じている。
何も見たくないって言う態度を示すかのようだった。
「だって……約束の日だもん。翔琉、キミをいち早く見ていたくって。僕、今日が本当に待ち遠しかったんだよ。ごめんね。ダメだった?ね……忘れてない……よね?」
「……忘れてない……です。そして、ここまで来ないで下さい!」
翔琉は思いっきり相手の男、サッカー部のキャプテンを睨んで言い放っていた。
朔田は翔琉に抱きついたままだ。
「ごめん……。そんな約束出来ないよ。だって…翔琉に会いたいんだもん」
「はぁ……」 翔琉からため息が聞こえてくる。
な、なんなんだ?
この会話は……。
キャプテン……
部活と違ってめっちゃめちゃ甘いんですけど……。
何をしに此処へ?
約束の日って?
何?それって……どういう意味だ?
それよりも、こんなにはっきりキャプテンに物申す生徒を見たことがない……。
って、いうことは……特別な、仲なのか?
「あ、神崎川もいたんだね。翔琉と同じクラスだったんだね!今日は部活……来るよね?」
「は……はい。村瀬キャプテン……」
「翔琉の顔を見られたし。僕は行くね!愛妻レモン待ってるねー!じゃあ、部活終わりでね、か・け・る!」
翔琉に投げキッスまでして村瀬キャプテンは嬉しそうな顔をしてそんな言葉を言い捨てて颯爽と去って行った。
ヒューヒュー
と、囃し立てる声・声・声。
翔琉が俺の方に向き直って笑顔で話しかけて来た。
「あ、神崎川。俺が作ったはちみつ漬けレモン……サッカー部の部員全員に分けてあげてたんだね。知らなかったよ。……なんかね、あの人に催促されちゃって……作ってあげてるんだ。ホント…。図々しい先輩だよね」
笑顔で言う翔琉に……心がズキンと痛んだ。
待てよ、ちきしょう!
翔琉が作ったもん……誰にもあげる訳ねーだろうが!
何が『愛妻レモン』なんだ?
何で催促されてんだ?
「鳴海……まさか……つきあってる……のか?」
「さぁ……どうなんだろうね」
笑顔で答えられてしまった……。
肯定も否定もせず……。
朔田が俺をキッと睨む。
翔琉に抱きついたまま。
朔田が顔を戻して心配そうに翔琉を見上げる。
「もう……大丈夫だから……大丈夫だから」
翔琉が朔田を宥めている。
朔田の態度が異様だった。
翔琉を守るように必死になって抱き締めているようだった。
俺に対して……
村瀬キャプテンに対して……も?!
俺にはそのように見えた。
それが……きっと答え……なのか?
訳がわからないうちに始業のベルが鳴った……。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
開発されに通院中
浅上秀
BL
医者×サラリーマン
体の不調を訴えて病院を訪れたサラリーマンの近藤猛。
そこで医者の真壁健太に患部を触られ感じてしまう。
さらなる快楽を求めて通院する近藤は日に日に真壁に調教されていく…。
開発し開発される二人の変化する関係の行く末はいかに?
本編完結
番外編あり
…
連載 BL
なお作者には専門知識等はございません。全てフィクションです。
※入院編に関して。
大腸検査は消化器科ですがフィクション上のご都合主義ということで大目に見ながらご覧ください。
…………
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる