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子猫の雨月と男の子の雨月2

☆7 んんん?!

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みみをふさいでても

なんどもなんどもきこえてくるこえ。

あたまからはなれない

おにーさんがいったことばのかず。

そのことばのいみなんて、

わかりたくないのに

わかっちゃうんだ。

すこししかことばをつかうことが

できないぼくにさえ

わかっちゃうんだ。



ぼくはきえなきゃいけないの?



ききたくない!
ききたくない!



ぼくはいらない子?

おにーさんにとってきらいな子?

『うそ』っていって……!

いつもみたいに『だいすき』っていって!

すきってことば、いっぱいほしいの。

ゆめのなかのぼくは
ぼくじゃないもん!

おっきなぼくだもん!

だから……ぼくじゃない……
ぼくじゃないの!

でも、きこえてくるこえもことばも

ぼくにいってることば……なんだよね?

おにーさん、

ぼくのこときらいになったの?





みみをふさいで……

ずーっとずっと
ふさいでたのに……



んん?



いつのまにか

おにーさんとだれかのこえがきこえる。

きのうもきいたこえのぬしはだれ?



しばらくしたら、

そのこえのぬしがぼくにそっとはなしかけてきたんだ。



『うーちゃん、おれ、ほしのとつきあっていいかな?』



ぼくのみみがピクリとはんのうしちゃった。

おにーさんとつきあっていいかな?ってぼくにきいたの?

『うーちゃん』ってだれ?っておもっていたけど

おにーさん、『ほしの』っていうの?ってききたかったけど。

それよりも、それよりも……

この、こえのぬし!

そのことばのいみは……なに?





ん?

んんん?





ぼくのおにーさんをぼくからうばおうとしてるの?



これって……

ききずてならない!


ぼくのおにーさんなのに……

ぼくだけのおにーさんなのに!



やだやだやだやだっ!


ぼくのおにーさんを

うばわないでぇーーー!



ぼくはまだまだうごけないからだにむちをうって

ひっしにひっしにおきだして……ひとこえさけんだんだ。

とどいて、

とどいて、

とどいてって



ぼくのことばがとどきますように!って

もがくようにあがくように、

ぜんしんのぼくでとどけなきゃ!





「やぁああああああっーーー!」





ぼく、いえたよ。

おにいさんをとっちゃ、いやだって。

おにいさん。

ぼくのおもいに

はやくきづいてね。

ぼくの……おにいさん



だよね?












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