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私の彼は、医官であります
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医務室の扉の前で、小さく溜息をつく。
今日は健康診断の日なのだが、正直憂鬱である。検便などの提出物は扉近くにいた看護師に渡しているし、採血やレントゲンなども終わっている。問診だけだからこそ、憂鬱なのだ。
そもそもの話、なぜその男が私を気に入ったのか、いまだに疑問が残る。
一回り年上の男――ジョーこと皆川 丈太郎は入間基地勤務の医官だ。たれ目で左目尻の下に泣きボクロがあり、眼鏡をかけた妙に色気のある男だ。当年とって三十八歳だというのに、三十前半にしか見えない不届き者だ。
で、私こと水島・メアリー・瑞希はこの基地に勤務している隊員であり、ジョーは年の離れた同期でもある。
同期だと知ったのは、先輩でありドルフィンライダーでもあるジッタこと藤田 章吾一尉の話からだった。まあ、最近の先輩は恋人ができて浮かれているようだが。
憧れていただけにショックではあるが、私より年下の彼女はとても明るく、表情がくるくる変わるとても可愛い女性で、猫目で少々きつい印象を与えてしまう私にも気さくに話しかけてくる素敵な人なのだ。
年が近いことから、友人になってくれた稀有な人でもある。
話を戻そう。
どうしてその男が私を気に入ったのか……。「なんで私なんだよぉぉぉぉぉっ!!」って何度叫んだことか!
私は日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフで、父はサラリーマン、母は軍人だ。どこで知り合ったのかは知らないが、未だにラブラブバカップルなんだから羨まけしからん。
ああ、また脱線した。
脱線しまくるのは、これから行われる健康診断が悪いのだ。
いや、健康診断が必要なことはわかってるし、義務だ。だからそれはいい。問題は、医官殿が『私に対してだけ』イタズラをすることだろうか……それも、性的なイタズラを。
「……行きたくないなぁ……」
そうぼやいたところで健康診断はなくならないし、サボれば隊長に怒られる。
はぁ……と溜息をつき、重い気持ちで医務室の扉をノックすると、中へと入った。
「先生、健康診断にきました」
「やあ、ミズキちゃん、いらっしゃい。ここに座ってこれを先に記入してくれるかな? 机はここを使ってくれていいから」
「……はい」
問診票を渡され、机ではなくクリップボードに挟めはすむことじゃないかと思いつつ、それを読みながら丸をつけたり記入していく。そこにわざわざ席を立って私の背後に回り、その手が伸びてきて制服の上から大して大きくもない乳房を撫で始めた。
「……先生、邪魔しないでくれませんか」
「乳がんの検診をしてるんだから、じゃましてるわけじゃないよ」
誰がそんな言葉を信じるというんだ! という言葉を飲み込み、我慢しながら続きをする。だというのに、医官殿はお構いなしと謂わんばかりに制服のボタンやシャツのボタンとあっという間に外し、Tシャツを捲くりあげていくではないか!
「ちょっ、先生!」
「やだなあ、ミズキ。いつも『ジョーって言って』っていっているじゃないか」
「そういうわけには、……っ」
胸の谷間を撫でられ、思わず息を呑む。それが伝わったのだろう……医官殿がクスリと笑ったような気がした。そしてそのままフロントにあったブラのホックを外すと乳房をあらわにし、乳房を揉んだり指先で乳首を擦り始めた。
「は……っ、先生、健康診断……っ」
「だから今、しているでしょう? 乳がんの検査と同時に、乳房と乳首の感度チェックしてるじゃない」
とてもエロい声で耳元でそう囁かれ、耳を舐めたり噛んだりしてくる医官殿に「それは違うでしょう!」と叫びたかったけど、キュッと乳首を摘まれて身体がビクリと跳ねた。
「あんっ」
「……今、医官殿って考えたでしょ」
「……そんなことは……」
「嘘つき。ジョーって言わないと、お仕置きするよ?」
なんでわかるんだよぉぉぉ! という私の内心の叫びを隠して否定したのに、なぜバレるんだ!
そう思っても医官殿は一向に乳房を揉んだり乳首を擦ったりするのを止めてくれない。それどころかまた医官殿と考えたのがバレたようで、行為が激しくなっていく。
「あっ、はっ、せんせ、あんっ」
「ジョーって呼ばなかったから、お仕置き決定。……うん、問診に問題はないね。じゃあ、心音を確かめようか。あ、そのままの格好でいてね」
「え……」
「椅子じゃなくベッドに行こうか。ついでに、乳がんと子宮がん検診もしてあげるね」
「先生は内科医じゃないですかーーーっ!!」
「何のこと?」
「惚けないでくださいよーーーっ!」
そう叫んだところで、医官殿はシレッとしているし、挙げ句にまたバレた。
「今日はたくさん『医官殿』って考えてるよね、ミズキちゃんは。お仕置き、覚悟しといてね」
そう言ってにっこりと笑った彼の目は、たれ目には見えない、猛禽類を思わせる鋭い目、だった。その視線に鼓動が跳ねる。
そんなことを考えている間に抱き上げられ、ベッドがあるほうへと歩き出す医官殿――ジョー。そこに辿りつくと私を下ろし、押し倒した。
「せ、先生?!」
「じゃあ、今から心音聞くから。あと検査もね。動いたら手を縛るよ?」
「ちょっ……」
なんでそうなる! と思っても、ジョーはそんなことはお構いなしだと謂わんばかりに私の上に跨った。
「はい、大きく息を吸ってー、吐いてー」
健康診断、相手はジョーではなく普通の医者! と言い聞かせ、胸を隠さないよう我慢する。聴診器があてられて声をかけられたので、言われた通りに息を吸ったり吐いたりする。
その度に聴診器が気道や気管支、心臓などの音を拾いながら移動する。
が、乳房のよこやわざとなのか乳首を掠め、肺の音を聞くジョー。
「ぁ……っ」
「ミズキちゃん……気持ちいいのかな? 乳首が勃ってきたよ?」
「は……っ」
「僕の指とどっちが気持ちいい?」
「あん……っ」
聴診器でクリクリと擦られ、背中がゾクリと震える。指がもう片方の乳首を捉え、捏ね回された。
「ねえ、どっち?」
「あ、せんせ、ぁっ」
「言わないとわからないよ?」
「せんせの、手……っ、んっ、んっ」
「よくできました。ご褒美をあげようね」
「あっ、あっ、ああんっ」
聴診器を胸ポケットに戻し、両手で乳房を掴んで揉み回したり、乳首を擦られた。そして乳首にキスをされ、そのまま舐められてしまった。
「あぅ、あ……っ、は……んっ」
「ホント、感度いいよねぇ、ミズキちゃんは。まあ、そう調教したのは僕だけどね」
僕好みにできて嬉しいよ、と宣うジョーに戦慄が走る。しょっちゅうそんなことをされた覚えはない。そんなことを考えている間にもジョーの手は止まらず、激しくなっていく。
「あ、あ、せんせ……っ、ん……っ」
ちゅっと音を立てて乳首にキスをしたジョーは手を止め、身体を起こす。それを寂しいと感じる私に驚くものの、これで終わりだとホッとしたのもつかの間、私のベルトやズボンのボタンなどをサッと外して緩め、下着ごと取り払うと秘部に指を這わせた。その手つきに痺れが走り、身体が震える。
「うん、いい感じで濡れてるね。じゃあ、今度は子宮がんの検診をしようか」
「え……っ、あ、あ、ひぅっ、あああんっ!」
くちゅりと鳴った卑猥な水音と同時に胎内に指を入れられて掻き回され、粒も一緒に擦られてしまったものだから子宮から快感が走り、思わずベッドのシーツを握って身を捩った。
知らない感覚なのに、知っている……それがとても怖い。
「やっ、せんせ、怖い、ああっ!」
「大丈夫だから。……いつもそう言ってるよね?」
「知ら、な……、あうんっ」
「……ああ、そうだっけ。なぜか覚えてないんだよなあ、ミズキちゃんは。なんか癪に障るなあ……」
「ああっ、きたなっ、ひゃあんっ、ああんっ!」
秘部に顔を埋めて粒を舐められた途端、背中に甘い痺れが走る。身を捩ろうとしても腰をがっちり捕まれていて動くことができない。それにいつの間にか指が胎内から粒に移動していて、彼の舌は秘部や胎内の入口を舐めていた。
「ひうっ、ああんっ! せ、んせっ、なんか、くるのぉっ!」
「いいよ、イって。ほら、ミズキちゃんはこうすると……」
「あっ、あっ! ああぁぁぁっ!」
「ほら、イった」
粒と乳首を同時に捏ねられ、胎内に舌を入れられてある部分を舐められたらいきなり視界が白く弾けた。つまり私はイッたのだ。でも、それだけでは終わらず、手を変え品を変えて私を何度もイかせるジョー。
「……うん、そろそろいいかな」
「はあっ、はぁっ、ああ……、あん」
あまりにもイかされすぎて、意識が朦朧としながら荒い息を整えていると、ジョーは自身の下半身だけをあらわにして私の足を大きく広げ、アレを擦りつけてきた。何度もイかされて敏感になった身体はその刺激だけで震え、全身に痺れが走る。
「挿れるよ、ミズキちゃん」
「まっ、あっ、あっ、あああああっ!」
「う……っく、相変わらず狭いね、ミズキちゃんのナカは。それに熱くて気持ちイイよ」
「ああんっ、あっ、せんせ、ああっ!」
「名前で呼んでよ、ミズキ」
「んぅ、ん、んっ、は……っ、んんんんんっ!」
私の肩を抱えるように抱き、耳元でそんなことを囁くジョー。そして私にキスをし、乳首を指で挟みながら乳房を揉む彼。胎内のある場所を擦られて、さっき以上に身体が震え、快感が私を支配する。
「ミズキ……言って……」
「あっ、あっ、ジョー、ああ……っ」
「ふ……っ、よく、でき、まし、たっ!」
ぐちゅ、ずちゅ、と卑猥な水音と肌がぶつかる乾いた音が室内に響く。そして私の嬌声と、二人の荒い息も……。
ゆっくりだったその音が早くなり、私を高みへと追い詰める。
「ひあっ、あっ、あああぁぁーーーっ」
また視界が白く弾けたあと胎内に暖かいものが広がり、中出しされたと思ったときにはもう終わっていた。
***
「この、エロ医官! なんてことしてくれたんですか!」
「なんてことって……僕たちは恋人同士なのに、なんでそんなことを言うのさ」
行為が終わって着替えたあと。ジョーに抱きしめられたので胸をポカポカと叩いてそんなことを言ったのだが、思ってもみない言葉が帰ってきて動きを止めた。
「……へっ?! い、いいい、いつからっ?! 私、全然覚えてないんですけど!」
「はぁ……そんなことだろうと思ってたけどさ……」
溜息をつきながら教えてくれた話は、こんなものだった。
ちょうど一年くらい前、宴会があったそうだ。そこで私は散々飲まされて酔っ払い、ジョーが介抱してくれたらしい。その時に私から告白して、付合い始めたんだそうだ。
そして酔っ払うたびに私が抱いてくれと言っていたらしくその都度抱いてきたけれど、行為が終わるとさっさと帰っていた私は、次の日にはすっかりそれを忘れて過ごしていたらしい。
おーまいがっ! …………ぜんっぜん覚えてないんですがっ!!
そう言ったら、デコピンされた。
「いたっ!」
「もう言ったからね? 知らないとは言わせない」
「う……」
「ということで……」
そこまで言うとジョーは一旦私から離れて机に行くと、引き出しを開けて何かを持ってきた。そして跪くと蓋を開け、中身を私に見せるように差し出してきた。
そこにあったのは、ダイヤの指輪。その意味がわからないほど子供じゃないし、ボケてもいない。
「水島・メアリー・瑞希さん」
「……はい」
「僕はもう四十になるし、ミズキとは一回りも違う。それでも、僕と――皆川 丈太郎と結婚してくださいますか?」
たれ目を真剣な目に変えて、眼鏡の奥から私を見るジョー……丈太郎。
確かに私は、彼が好きだったことを、今になって思い出した。
だから、私は。
「……はい」
そう返事をした。
どこかホッとしたように息を吐いた彼に抱きしめられ、指輪が私の左薬指に嵌められ、キスをされた。
――そしてその半年後、私は彼の妻となった。
今日は健康診断の日なのだが、正直憂鬱である。検便などの提出物は扉近くにいた看護師に渡しているし、採血やレントゲンなども終わっている。問診だけだからこそ、憂鬱なのだ。
そもそもの話、なぜその男が私を気に入ったのか、いまだに疑問が残る。
一回り年上の男――ジョーこと皆川 丈太郎は入間基地勤務の医官だ。たれ目で左目尻の下に泣きボクロがあり、眼鏡をかけた妙に色気のある男だ。当年とって三十八歳だというのに、三十前半にしか見えない不届き者だ。
で、私こと水島・メアリー・瑞希はこの基地に勤務している隊員であり、ジョーは年の離れた同期でもある。
同期だと知ったのは、先輩でありドルフィンライダーでもあるジッタこと藤田 章吾一尉の話からだった。まあ、最近の先輩は恋人ができて浮かれているようだが。
憧れていただけにショックではあるが、私より年下の彼女はとても明るく、表情がくるくる変わるとても可愛い女性で、猫目で少々きつい印象を与えてしまう私にも気さくに話しかけてくる素敵な人なのだ。
年が近いことから、友人になってくれた稀有な人でもある。
話を戻そう。
どうしてその男が私を気に入ったのか……。「なんで私なんだよぉぉぉぉぉっ!!」って何度叫んだことか!
私は日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフで、父はサラリーマン、母は軍人だ。どこで知り合ったのかは知らないが、未だにラブラブバカップルなんだから羨まけしからん。
ああ、また脱線した。
脱線しまくるのは、これから行われる健康診断が悪いのだ。
いや、健康診断が必要なことはわかってるし、義務だ。だからそれはいい。問題は、医官殿が『私に対してだけ』イタズラをすることだろうか……それも、性的なイタズラを。
「……行きたくないなぁ……」
そうぼやいたところで健康診断はなくならないし、サボれば隊長に怒られる。
はぁ……と溜息をつき、重い気持ちで医務室の扉をノックすると、中へと入った。
「先生、健康診断にきました」
「やあ、ミズキちゃん、いらっしゃい。ここに座ってこれを先に記入してくれるかな? 机はここを使ってくれていいから」
「……はい」
問診票を渡され、机ではなくクリップボードに挟めはすむことじゃないかと思いつつ、それを読みながら丸をつけたり記入していく。そこにわざわざ席を立って私の背後に回り、その手が伸びてきて制服の上から大して大きくもない乳房を撫で始めた。
「……先生、邪魔しないでくれませんか」
「乳がんの検診をしてるんだから、じゃましてるわけじゃないよ」
誰がそんな言葉を信じるというんだ! という言葉を飲み込み、我慢しながら続きをする。だというのに、医官殿はお構いなしと謂わんばかりに制服のボタンやシャツのボタンとあっという間に外し、Tシャツを捲くりあげていくではないか!
「ちょっ、先生!」
「やだなあ、ミズキ。いつも『ジョーって言って』っていっているじゃないか」
「そういうわけには、……っ」
胸の谷間を撫でられ、思わず息を呑む。それが伝わったのだろう……医官殿がクスリと笑ったような気がした。そしてそのままフロントにあったブラのホックを外すと乳房をあらわにし、乳房を揉んだり指先で乳首を擦り始めた。
「は……っ、先生、健康診断……っ」
「だから今、しているでしょう? 乳がんの検査と同時に、乳房と乳首の感度チェックしてるじゃない」
とてもエロい声で耳元でそう囁かれ、耳を舐めたり噛んだりしてくる医官殿に「それは違うでしょう!」と叫びたかったけど、キュッと乳首を摘まれて身体がビクリと跳ねた。
「あんっ」
「……今、医官殿って考えたでしょ」
「……そんなことは……」
「嘘つき。ジョーって言わないと、お仕置きするよ?」
なんでわかるんだよぉぉぉ! という私の内心の叫びを隠して否定したのに、なぜバレるんだ!
そう思っても医官殿は一向に乳房を揉んだり乳首を擦ったりするのを止めてくれない。それどころかまた医官殿と考えたのがバレたようで、行為が激しくなっていく。
「あっ、はっ、せんせ、あんっ」
「ジョーって呼ばなかったから、お仕置き決定。……うん、問診に問題はないね。じゃあ、心音を確かめようか。あ、そのままの格好でいてね」
「え……」
「椅子じゃなくベッドに行こうか。ついでに、乳がんと子宮がん検診もしてあげるね」
「先生は内科医じゃないですかーーーっ!!」
「何のこと?」
「惚けないでくださいよーーーっ!」
そう叫んだところで、医官殿はシレッとしているし、挙げ句にまたバレた。
「今日はたくさん『医官殿』って考えてるよね、ミズキちゃんは。お仕置き、覚悟しといてね」
そう言ってにっこりと笑った彼の目は、たれ目には見えない、猛禽類を思わせる鋭い目、だった。その視線に鼓動が跳ねる。
そんなことを考えている間に抱き上げられ、ベッドがあるほうへと歩き出す医官殿――ジョー。そこに辿りつくと私を下ろし、押し倒した。
「せ、先生?!」
「じゃあ、今から心音聞くから。あと検査もね。動いたら手を縛るよ?」
「ちょっ……」
なんでそうなる! と思っても、ジョーはそんなことはお構いなしだと謂わんばかりに私の上に跨った。
「はい、大きく息を吸ってー、吐いてー」
健康診断、相手はジョーではなく普通の医者! と言い聞かせ、胸を隠さないよう我慢する。聴診器があてられて声をかけられたので、言われた通りに息を吸ったり吐いたりする。
その度に聴診器が気道や気管支、心臓などの音を拾いながら移動する。
が、乳房のよこやわざとなのか乳首を掠め、肺の音を聞くジョー。
「ぁ……っ」
「ミズキちゃん……気持ちいいのかな? 乳首が勃ってきたよ?」
「は……っ」
「僕の指とどっちが気持ちいい?」
「あん……っ」
聴診器でクリクリと擦られ、背中がゾクリと震える。指がもう片方の乳首を捉え、捏ね回された。
「ねえ、どっち?」
「あ、せんせ、ぁっ」
「言わないとわからないよ?」
「せんせの、手……っ、んっ、んっ」
「よくできました。ご褒美をあげようね」
「あっ、あっ、ああんっ」
聴診器を胸ポケットに戻し、両手で乳房を掴んで揉み回したり、乳首を擦られた。そして乳首にキスをされ、そのまま舐められてしまった。
「あぅ、あ……っ、は……んっ」
「ホント、感度いいよねぇ、ミズキちゃんは。まあ、そう調教したのは僕だけどね」
僕好みにできて嬉しいよ、と宣うジョーに戦慄が走る。しょっちゅうそんなことをされた覚えはない。そんなことを考えている間にもジョーの手は止まらず、激しくなっていく。
「あ、あ、せんせ……っ、ん……っ」
ちゅっと音を立てて乳首にキスをしたジョーは手を止め、身体を起こす。それを寂しいと感じる私に驚くものの、これで終わりだとホッとしたのもつかの間、私のベルトやズボンのボタンなどをサッと外して緩め、下着ごと取り払うと秘部に指を這わせた。その手つきに痺れが走り、身体が震える。
「うん、いい感じで濡れてるね。じゃあ、今度は子宮がんの検診をしようか」
「え……っ、あ、あ、ひぅっ、あああんっ!」
くちゅりと鳴った卑猥な水音と同時に胎内に指を入れられて掻き回され、粒も一緒に擦られてしまったものだから子宮から快感が走り、思わずベッドのシーツを握って身を捩った。
知らない感覚なのに、知っている……それがとても怖い。
「やっ、せんせ、怖い、ああっ!」
「大丈夫だから。……いつもそう言ってるよね?」
「知ら、な……、あうんっ」
「……ああ、そうだっけ。なぜか覚えてないんだよなあ、ミズキちゃんは。なんか癪に障るなあ……」
「ああっ、きたなっ、ひゃあんっ、ああんっ!」
秘部に顔を埋めて粒を舐められた途端、背中に甘い痺れが走る。身を捩ろうとしても腰をがっちり捕まれていて動くことができない。それにいつの間にか指が胎内から粒に移動していて、彼の舌は秘部や胎内の入口を舐めていた。
「ひうっ、ああんっ! せ、んせっ、なんか、くるのぉっ!」
「いいよ、イって。ほら、ミズキちゃんはこうすると……」
「あっ、あっ! ああぁぁぁっ!」
「ほら、イった」
粒と乳首を同時に捏ねられ、胎内に舌を入れられてある部分を舐められたらいきなり視界が白く弾けた。つまり私はイッたのだ。でも、それだけでは終わらず、手を変え品を変えて私を何度もイかせるジョー。
「……うん、そろそろいいかな」
「はあっ、はぁっ、ああ……、あん」
あまりにもイかされすぎて、意識が朦朧としながら荒い息を整えていると、ジョーは自身の下半身だけをあらわにして私の足を大きく広げ、アレを擦りつけてきた。何度もイかされて敏感になった身体はその刺激だけで震え、全身に痺れが走る。
「挿れるよ、ミズキちゃん」
「まっ、あっ、あっ、あああああっ!」
「う……っく、相変わらず狭いね、ミズキちゃんのナカは。それに熱くて気持ちイイよ」
「ああんっ、あっ、せんせ、ああっ!」
「名前で呼んでよ、ミズキ」
「んぅ、ん、んっ、は……っ、んんんんんっ!」
私の肩を抱えるように抱き、耳元でそんなことを囁くジョー。そして私にキスをし、乳首を指で挟みながら乳房を揉む彼。胎内のある場所を擦られて、さっき以上に身体が震え、快感が私を支配する。
「ミズキ……言って……」
「あっ、あっ、ジョー、ああ……っ」
「ふ……っ、よく、でき、まし、たっ!」
ぐちゅ、ずちゅ、と卑猥な水音と肌がぶつかる乾いた音が室内に響く。そして私の嬌声と、二人の荒い息も……。
ゆっくりだったその音が早くなり、私を高みへと追い詰める。
「ひあっ、あっ、あああぁぁーーーっ」
また視界が白く弾けたあと胎内に暖かいものが広がり、中出しされたと思ったときにはもう終わっていた。
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「この、エロ医官! なんてことしてくれたんですか!」
「なんてことって……僕たちは恋人同士なのに、なんでそんなことを言うのさ」
行為が終わって着替えたあと。ジョーに抱きしめられたので胸をポカポカと叩いてそんなことを言ったのだが、思ってもみない言葉が帰ってきて動きを止めた。
「……へっ?! い、いいい、いつからっ?! 私、全然覚えてないんですけど!」
「はぁ……そんなことだろうと思ってたけどさ……」
溜息をつきながら教えてくれた話は、こんなものだった。
ちょうど一年くらい前、宴会があったそうだ。そこで私は散々飲まされて酔っ払い、ジョーが介抱してくれたらしい。その時に私から告白して、付合い始めたんだそうだ。
そして酔っ払うたびに私が抱いてくれと言っていたらしくその都度抱いてきたけれど、行為が終わるとさっさと帰っていた私は、次の日にはすっかりそれを忘れて過ごしていたらしい。
おーまいがっ! …………ぜんっぜん覚えてないんですがっ!!
そう言ったら、デコピンされた。
「いたっ!」
「もう言ったからね? 知らないとは言わせない」
「う……」
「ということで……」
そこまで言うとジョーは一旦私から離れて机に行くと、引き出しを開けて何かを持ってきた。そして跪くと蓋を開け、中身を私に見せるように差し出してきた。
そこにあったのは、ダイヤの指輪。その意味がわからないほど子供じゃないし、ボケてもいない。
「水島・メアリー・瑞希さん」
「……はい」
「僕はもう四十になるし、ミズキとは一回りも違う。それでも、僕と――皆川 丈太郎と結婚してくださいますか?」
たれ目を真剣な目に変えて、眼鏡の奥から私を見るジョー……丈太郎。
確かに私は、彼が好きだったことを、今になって思い出した。
だから、私は。
「……はい」
そう返事をした。
どこかホッとしたように息を吐いた彼に抱きしめられ、指輪が私の左薬指に嵌められ、キスをされた。
――そしてその半年後、私は彼の妻となった。
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