饕餮的短編集

饕餮

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コンビニスイーツが結んだ恋

私と彼とセーラー服

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「おーい、装飾が足んねえぞー? 残りはどこやったー?」
「あ、残りは後ろにあるダンボール箱の……」

 病院の敷地内のベンチで日向ぼっこをしながら本を読んでいたら、フェンスの向こうからそんな声が聞こえて来た。ふとそちらに視線を向ければ、ラフな格好をした男性達が何やらいろいろと準備をしていた。

(……私もあの中に入りたかったな……)

 目の前の光景を見て溜息をつく。元気だったならば、私も一緒に楽しめるはずだったのだから。

 三ヶ月前まで、私は目の前にいる人たちと同じ会社で働いていた。
 四ヶ月前の健康診断で異常が見つかるまでは。

 最初は不整脈があることから『要再検査』だった。今までそんなことはなかったから、その健康診断の結果に首を捻った。
 でも、そんな結果を受け取ってしまった以上、また検査に行かなければならない。仕方がないので指定された病院で再検査を受けたら、心臓に問題があると言われてしまったのだ。
 確かに、痛いなと思う日もあったし、ほんの少し階段を登り降りしただけで妙に息苦しいなとは思っていた。その時は運動不足なのかな、くらいにしか思っていなかったのだけど、軽く考えた結果がこれだった。
 そして、交代で取る予定だった夏休みが延びに延び、やっと取れた連休初日。いい加減独り暮らしをしようかどうしようかとか、どこか食事にでも行くかと家族と話している時に家で軽い発作を起こして病院に運ばれたのだ。
 この時ほど、実家住まいで良かったと思ったことはなかった。
 独り暮らしだったと思うと、今でもゾッとする。

 いつまた発作が起こるかわからない状況で仕事などできるはずもなく、良かったのか悪かったのか、父も兄も小さいながらも会社を持っていたから『治るまでは仕事をしなくていい』と言われ、『どうしても仕事がしたいなら自宅でできる仕事にしろ』と兄夫婦や妹や父にまで言われしまった挙げ句、『心配だから』と母に泣かれる始末。
 そこまで言われてしまってはどうしようもないので、『一旦帰宅していい』と主治医に言われた翌日に、まだ夏休み中にも拘わらずに上司に連絡して会社に行ったあと、あれこれと話しながら病気を理由に辞めることを伝えた。
 休み明けに辞表を提出し、仕事の引き継ぎに身体に負担がかからないよう奔走し、引き継ぎが終わったあとは菓子折を渡し、残っていた有給を使って会社を辞めた。
 私物はボールペンなどの筆記具と給湯室にあったマグカップくらいで、スティックコーヒーは「欲しい」と言った先輩にあげた。

 様子見の通院をしながら先生と相談し、「少し悪化しているから」と入院したのが今週の初めだった。手術は来週だと先生に言われたのが午前中で、少し憂鬱になった気分を変えたくて日向ぼっこしながら本を読んでいたら、フェンスの向こうにあるグラウンドで何かを準備していたのが、前の会社の人たちだったのだ。

「あ……」

 フェンスの向こうに見えた人たちの中に好きだった人の顔が見えて、小さく声をあげる。その横には彼の恋人だと会社で噂になっていた女性が、彼に纏わりつくようにくっつきながら、彼や他の人たちの手伝いをしていた。

「やっぱり失恋かぁ……」

 はあ、と溜息をついてその光景をぼんやりと眺める。
 小さな会社だったとはいえ、彼は営業のエースで外を飛び回り、私は社内で事務仕事。そんな彼とはあまり接点のない人だ。
 あっても、会社の飲み会で偶々隣同士になったとか、会社の運動会の借り物競争で、妹が行ったネズミの国のお土産の携帯ストラップのネズミとかを貸した程度だ。
 あとは来客にお茶出しを頼まれてお茶を持って行ったら、彼が担当者だったとか。

 年に数回あるかないかの、些細な偶然。

 それでも、彼はその度に笑ってお礼を言ってくれたし、運動会の時は「お礼だ」と言ってお菓子をくれたりした。
 たったそれだけだったけど憧れて、いつしか恋になっていった。
 でもそれは、最初から実らない恋だった。

「あの花……ペーパーフラワーっぽいってことは、明日は運動会かな……」

 今日は土曜日で会社は休みだ。準備するなら、今だけだ。

「何で、今年に限ってあのグラウンドかなぁ……。参加できないのに、窓から知ってる人たちが見えたら虚しいだけじゃない……」

 はあ、ともう一度溜息を吐いてもう一度準備をしている人たちを見ていたら、誰かが近付いて来た。振り向けば、そこには兄がいた。

紗和さわ、ここにいたのか……探したぞ」
「兄さん……ごめんなさい。ちょっと落ち着きたくて……」

 そう言うと、兄は子供にするように頭をポンポンと軽く叩く。

「寒くなって来たから、とりあえず病室に戻ろう。話はそれからだ」
「うん……」

 兄にそう言われ、本を持ってベンチから立ち上がると兄の後をついていく。
 そっと後ろを振り返ってもう一度準備している彼の楽しそうな姿を見る。「どうした?」と聞いた兄に首を振り、「何でもない」と言ってそのまま兄の後を追った。


 ***


「――来週?」
「うん……。先生が言うには、再来週手術をする予定だったんだけど、急に空きができたから予定を早めたんだって」
「そうか……それでナーバスになってたのか」

 兄に手術が早まったと言う話をしたら、苦笑されてしまった。

「まあ、そのぶん早く治るんだからいいじゃないか」
「そうなんだけど……」
「不安か?」
「うん……」
「なら、手術前に外出許可をもらって、気晴らしでもするか?」
「え……?」

 そんなことが可能なのだろうか……。でも、もし可能なら外に出たい、という気持ちが湧いてくる。

「と言うか、許可を無理矢理もらっちゃった」
「『もらっちゃった』って……!」

(兄さーん! 何をしてるの!)

 そう突っ込みを入れたところで、兄は知らん顔を通すだろう。

「いいじゃないか。な? 行こう?」
「うん……!」

 兄の言葉が嬉しくて頷けば、待ってましたとばかりにあれこれと話し始める。私はそれに頷きながら、何となく不安が消えて行く感じがした。

 兄が外出許可をもらって来たのは翌日だった。兄は車で迎えに来て、義姉と一緒にショッピングしたり、食事したり、雑貨を見たりした。
 早めに病院に戻って来た兄は「ちょっと行きたいところがあるんだ」と歩き始めた。行った先は、昨日準備していたグラウンド。

「え……ここ?」
「ああ。紗和が勤めてた会社」
「でも……」
「ああ、違うよ。外から見るだけなんだが、ここでやる催し物が面白くて、その時間だけ毎年見てるんだよ。紗和なら知ってるだろ?」

 そう言われて微妙な顔をする。確かに毎年、競技の合間にやる催し物はいろいろあって面白い。
 今年は何をやるのか聞いてないから、私もその内容は知らないのだ。

「今年は何をやるのかな……」

 そんなことを言いながら、兄は義姉と話している。なんだかなあ、と思っていたら、フェンスの向こうから「香川さん?」と声をかけられた。
 そっちを見れば、失恋したばかりの彼――真鍋さんが怖い顔をしながら立っていた。その隣には、やっぱり噂の彼女。
 だけど、真鍋さんは彼女を無視して、そのことに怒った彼女が離れていった。

「……こんにちは」
「久しぶり。香川さんの隣にいるのは恋人?」
「いえ、兄です。その隣にいるのが、兄の奥様です」

 そう紹介すると、兄夫婦は軽く会釈をし、真鍋さんも軽く会釈をした後でなぜかホッとした顔をした。

「そうか。……会社、辞めたんだってな。どうしてだ?」
「病気で。今入院してるんです」
「どこに?」
「隣です」

 病院を指差すと、真鍋さんはびっくりした顔をしたあとで、心配そうな顔を向けてくれた。

「どこが悪いんだ?」
「心臓です。来週、手術をする予定なんです。それで、不安になっていた私を兄が連れ出してくれたんです」

 ここに来るとは思わなかったけどね。でも、それは言わなかった。
 私の話を聞いていた真鍋さんは、ちょっと考えた後で兄に目を向けた。

「あの、妹さんをお借りしていいでしょうか?」
「何をするつもりだ?」
「元気付けしたいな、と思いまして。十五分程でいいんですが……」
「一緒に行ってもいいのなら」
「構いません。じゃあ……香川さん、こっちに来て」

 そう言って真鍋さんは近くにあったグラウンドの入口を指差して手招きする。
 彼に元気付けしてもらえるのは嬉しいけど、とっくに会社を辞めた人間だし……と迷っていると、兄が私の手を引いて歩き始める。

「兄さん……?」
「不安で仕方がないんだろ? だったら、一人でも多くの顔見知りに元気をもらえばいいじゃないか」
「でも……」
「一緒に行くんだから大丈夫だ。な?」
「そうよ。そのほうがいいわ。私も一緒に行くし」

 にこにこしながら、義姉まで私の手を引いて歩き始める。
 どのみち、彼の顔を見ることは二度とないのだ。心に彼の顔と声を焼き付けたい……。
 それくらいの我儘を言ってもいいような気がして、素直に歩いて行く。

 舞台では音楽を流しながらジャグリングをしている人がいたけど、ドーランを塗っているから、誰がやっているのかわからなかった。

 それを横目で見ながら彼の案内で連れて来られたのは、催し物をやる舞台の裏にある大きなテント。「ちょっと待ってて」と言われてしばらく待っていると、彼の声で「入って来て」と言われて中に入る。
 中には黒いセーラー服を着た背の高い人が十五人くらいいたんだけど、顔を見てびっくりする。

 セーラー服を着ていたのは、真鍋さんを始めとしてお世話になった部署の部長や課長や先輩、営業部の人たちと、社長の息子である専務たちだった。しかも、丁寧に化粧をされているだけでなく、髪も女性っぽく見えるようにセットされ、恐る恐る下を見れば、脛毛まで綺麗に剃られていて絶句してしまった。

「な……!」
「まあ!」
「……やるな」

 義姉は手を叩いて喜び、兄は唇をピクピクさせながら笑いを堪えていた。

「な、なんでそんな格好を……」
「ん? 今年の目玉が俺たちなんだよ。しかも、曲がなあ……」

 教えてくれた曲は80年代の曲で、セーラー服を脱がして欲しいのかそうじゃないのか、耳年増な女の子の心情を歌った曲だった。しかも、セーラー服を着ているのは真鍋さんと専務、先輩たち三十代前半組を除けば、他の人は皆四十代後半の人ばかりなのだ。
 下手すると、二十五の私から見ても、真鍋さんたちもおじさんの部類に入るかも知れないのだ。

(セーラー服姿のおっさんに囲まれるって……!)

 ネットをうろうろしていて見つけた、少し前にやったSNSのお題を思い出す。その時はネタとしては面白いよね、と家族みんなで笑っていたのに、実際に見ることになるとは思わなかった。
 唖然としているうちに小さめの音量で曲が流れ始め、それに合わせて踊り始める真鍋さんたち。見ているうちに可笑しくなって来て、最後は笑いっぱなしだった。

(うん……元気をもらった気がする)

 笑ったことで出た涙を拭きながら、何となく不安が消えて行く。頑張って元気になって、また仕事をして、真鍋さん以上に素敵な人を見つけたい。
 彼を諦めることは寂しいし、今は無理でも、いつかきっと……。

 そう思うことができたから。

 曲が終わって拍手をして。話をしようと思ったら病院に帰る時間が来てしまった。

「後でお見舞いに行ってもいいか?」

 真鍋さんにそう言われて頷くと病室を教える。彼はそれに頷いて舞台のほうへと歩いて行った。
 私も兄たちに連れられてグラウンドをあとにする。

 その後ろでは、あの曲と、囃し立てるような口笛と、笑い声と拍手が起こっていて楽しそうだった。


 ***


 夕食のあとでジュースを飲もうと思ったらペットボトルの中身がカラだった。

(そう言えば、病室に帰って来てから飲みきったんだっけ)

 それを思い出して財布を出し、上にカーディガンを羽織ると病院内にあるコンビニへと向かう。父曰く

『昔は売店だったんだがなあ……。今や売店はコンビニか……』

 と苦笑していた。
 コンビニの中に入ってペットボトルが置いてあるコーナーへ行く。何を買おうか悩んでいたら、後ろから「香川さん?」と声をかけられた。
 振り向くと、真鍋さんがいた。本当に来るとは思ってなかったから、かなり嬉しい。

「買い物?」
「はい。病室に置いておくジュースが無くなってしまって……」
「何買うの?」
「実は何を買おうか悩んでいて……。お薬のこともあるから、あまり変なのは飲めないですし」

 どうしようかな、と思ってパックのほうを見たら100%のリンゴジュースを見つけた。これでいいかと思って手に取ったら、彼がそれを取り上げた。

「あの……?」
「奢ってやるよ。実は飯がまだなんだ。付き合ってよ」

 彼が指差したのは、コンビニ内にあるイートイン。「座って待ってて」と言ってくれたので、それに甘えて座る。

(なんだかデートみたい……)

 私の想像の中のデート。二度とないデート。
 但し、場所は病院だ。
 そんなことを考えてクスリと笑えば、買い物を終え、温めてもらったらしいお弁当をテーブルに置いて座った真鍋さんが不思議そうな顔をしていた。それに「何でもないです」と答え、渡された袋を受けとる。

「あー……腹へった……いただきます!」

 食べ始めた真鍋さんを眺めたあとで袋を覗くと、ジュースが二本に増えていた。彼が飲むのかと思えば、「二本とも持っていけ」と言ったので、それに甘えて一本取り出し、ストローを抜いたところで中にまだ何か入っているのに気付く。
 何だろうと思って手を突っ込み、中から取り出しで出て来たのは、何種類かあるマカロンの一つだった。

「え……? マカロン?」

 このコンビニに売ってたっけ、と思いながら包装を見て固まる。それは、『初恋ショコラ』のCMをやっていたアイドルが単独でのCMをやっている人気のコンビニスイーツの『君想いマカロン 』だったからだ。

『君に会いたい……だから君を想う』

 そのキャッチコピーを思い出して顔を上げると、真鍋さんが箸を止め、真剣な顔と……そして、切なそうな顔をして私を見ていた。

「真鍋さん……?」
「俺と香川さんの接点はほとんどない。だが、接点がある時に見た君は、周りが気付いていようがいまいが、ほんの些細なことではあったが、いつも気遣いと心遣いをしていた」

 彼がそんなこと見ていたなんて思わなかった。私がやっていたのは、本当に些細なことだ。飲み会なら空いたビール瓶やグラスや食器を下げ、お店の人が回収しやすい場所に置いただけだ。
 もちろんそれは、他の人もやっていた。

「そんな君を見ているうちに、俺はいつの間にか君が好きになっていた」
「でも、真鍋さんには彼女がいるじゃないですか」
「彼女? ああ、勝手に纏わりついてベラベラ喋ってる女が俺の彼女? あり得ない」
「え? でも、『彼女だ』って噂になってましたよ? それに、今日もくっついてましたし、昨日も……」
「何度言っても聞かないんだよ、あの女。しかも、ここだけの話だけど、あの女は会社中の男から嫌われてるんだよ……馴れ馴れしくベタベタ触るから。やっぱ、ストーカーとして警察に言うかな……他にもノッてくれそうな奴はいるし」

 真鍋さんは何かを思い出したのか、ブツブツ何かを呟きながら本当に嫌そうな顔をしたあとで、思い出したようにまたお弁当を食べ始めた。
 確かにあの女性は『ベタベタしすぎる』と噂になっていたし、女性の間でも嫌われていた気がする。

「だからあの女は彼女じゃない。俺が好きなのは香川さんだ」
「でも……私……私は……」
「今すぐ返事がほしいわけじゃない。それに、お互いに知らないことばかりだ。だから……まずは友達から始めないか? 話をして、一緒に出掛けて……いろんなことをしてお互いを知ればいい。その中で俺を好きになってくれたら嬉しい。そこから始めるために付き合ってくれないか?」

 そう言った真鍋さんは、いつの間にかお弁当を食べ終えていてお茶を飲んでいた。
 本当は私も彼が好きだ。でも、手術が終わるまではどうにもできないし、私でいいのか、という気持ちもある。

「あの……来週、手術があるんです。返事は……」
「返事は今のほうがいいんじゃないのか?」
「え……?」
「本当は不安なんだろ? 手術が巧くいかなかったらとか、生きて戻ってこれないんじゃないかとか思ってるんじゃないのか?」
「それは……」

 真鍋さんの言葉に俯く。元気をもらったとは言え、それがすごく不安だった。

「俺が香川さんの枷になる。俺に返事して、俺のために戻って来い。俺と出掛けるために病気に勝って戻って来い」

 なんて俺様な発言なんだろう、と思う。でも、それが今は嬉しくて、少しだけ不安が軽くなる。だから、決めた。

「俺と付き合ってくれ、香川さん」
「……はい。病気に勝って、戻って来ます。そしたら、いろいろ連れて行ってくださいね?」
「もちろんだ」

 私の答えに嬉しそうに笑った彼は、ゴミを捨てたあとで「病室まで送る」と言ってくれたので、手を繋いで一緒にエレベーターまで歩く。エレベーターに乗った途端彼に抱き寄せられてキスをされた。

「あ……」
「真っ赤になって可愛い……。今のはおまじないだ」
「おまじない……?」
「そう。俺のところに戻ってこれるおまじない」

 私たち、友達から始めるんじゃなかったっけ? そんなおまじないがあるわけないじゃないと思っていても、思いがけないキスは嬉しくて。
 病室についてからまた話をして。面会時間ギリギリまでいてくれた真鍋さんは、「明日また来るから」と帰って行った。

 ……私の唇にキスを落として。

 二度と会えないと……失恋したと思っていた人と会えて、話もして。明日また会えるのが夢じゃないのかと頬をつねったあとで彼の唇の感触を思い出してまた頬をつねった。

 これからどうなるかはわからないけど、とりあえず手術から生還しようと決めた。私の心臓次第だけどね。

 ふと思い出してマカロンを一つ取り出し、それを食べるとチョコレート味のマカロンだった。その味を噛みしめ、ジュースを飲んで布団に潜る。

(明日もまた会えますように……)

『君に会いたい……だから君を想う』

 そう願っているうちに、いつの間にか眠っていた。

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