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第三章『秘密の花園』

『The Secret garden』〜秘密の花園〜

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視察を終えて、用意された車に乗り込もうとすると、見た事のある黒服さんが車の前で俺を出迎えてくれた。


「ロサ・ラエウ……仁さん、お疲れ様です」

「いえ、こちらこそお疲れ様でございました。どうぞ此方へ」


車内に促されて、俺が中に入ると、仁さんが俺の為に、車内にあるバーカウンターで簡単なドリンクを手早く作って俺に渡してくれた。キョトンとしていると、仁さんが苦笑いを浮かべて、何故こんな事をしたのか、顛末を話し始めた。


「会議の席で、皆さまから冷たくされましたよね。あれには、深い激励が込められていたのです。『立場に甘んじる事なく、真摯に仕事に従事せよ』と。実績がなければ、評価には繋がりません。その一歩を踏み出された貴方様に、私からのお祝いでございます」


仁さんの労りの精神に胸がじんわりと温まる。俺の先輩でもあった仁さんは、後輩であった俺に対しても、いつだって敬語を使ってくれた。だから、俺は有り難くその一杯の水割りを飲みながら、達成感と、いや、まだこれからだ、という気持ちを胸にして、みんなが待つ真智さんのバーに向かった。


店に着いて、仁さんに扉を開けてもらうと、そこには割と出来上がっているみんなが勢揃いしていた。バーカウンターの中にいる真智さんに酒の蘊蓄を語っている祐樹先生。九條さんと二人飲み状態の雅之さん。何故か新庄さんに口説かれている蓮さん。ぐったりした表情を浮かべる慎也さんに恋愛相談している出雲さん。


これは、一体何処に混ざればいいのやら、と思って室内を見渡すと、二人掛けの席が一つだけ空いていた。カウンターは五人掛けなので空いていないし、二人掛けのもう一方は慎也さんと出雲さんが使っている。なら、そこに座るしかないよな、と考えて店内に入室すると、ドアベルの音でみんなに自分の存在がバレてしまった。みんな会話を辞めて、俺に視線を移す。なんとなくその視線に居心地の悪さを感じてたじろぐと、次の瞬間には、ドワッとみんなに話しかけられた。


「遅いよ。もうみんな出来あがっちゃった」 

「お疲れ様、私はこの一杯で出ようかと思っていたんだが、君の顔が見たくてね」

「初仕事お疲れ様、真司」

「次に生かせる様に、頑張りなさい」

「あ、はい!みなさん、有難うございます!」


「「「「じゃあ、俺達は、これで帰るよ」」」」


え、と思う間に、声を掛けてくれた、出雲さん、九條さん、新庄さん、蓮さんが、ぞろぞろと店を出て行った。俺の顔を、一度足りとも振り返らずに。


一気に静かになった店の中に残っているのは、カウンターの中にいる真智さんと、カウンターに座っている祐樹先生と雅之さん、出雲さんと親しげに話していた慎也さんだけだ。慎也さんは、一人で二人掛けのソファー席に座っている。こうなってしまうと、自分は一体何処に座れば良いのか分からなくなってしまう。俺が頭をぐるぐると悩ませていると、祐樹先生は雅之さんの隣に腰を下ろして、身体を雅之さんの方に向かって斜めにして軽く密着し、囁く様な会話をし始めた。あからさまに、口説いている。誰しもがそうと分かるそれに、きりきりと胸が痛んだ。


「ほーら、何してんの。どっか座れば?」


仁さんから紙袋に入った何かを、ありがとー、と言ってから受け取り、うきうきとコンロの前に持って行った真智さんは、戻ってくるなり不思議そうに俺に声を掛けてきた。


「あ、はい……じゃあ」 
 

俺は、すごすごと足を進め、一先ず、慎也さんのいる席に進んだ。そして、そこに座ると、はぁ、と思わず溜息を吐いてしまった。なんだか、妙に疲れた。バーに入る前は、軽快な足取りだったんだけど。なんだろう、考え過ぎかもしれないけど。


『お前が来たから、飲む気が失せた』みたいな空気を、みんなから感じてしまった。


「どうしたん。視察、そんなに大変だった?」


目の前にいる慎也さんが、何も言わずにいた俺に、乾き物として用意されているカシューナッツを齧りながら話し掛けてくれた。それに、俺は何故だが無性にホッとして、胸に沸いた疑問を吐露してしまった。


「俺、まだ全然、みなさんに受け入れて貰えてないんだなって……」

「そらまぁ、仕方ないよ。お前、いっちゃん新参だもん。俺だって最初は似た様なもんだったよ」

「ほ、本当ですか……?」  


目の前が、パッと明るくなる。正直な所、同じ様な境遇の人間に巡り会えると一気に共感してしまう。だから、前のめりになって、話の続きを促した。


「俺、基本的に雑用ばっかり押し付けられるんだよね。こんな立場に一度なっちゃうと、下からもなかなか入って来られないし。だから、万年下っ端。いやぁ、思えば苦労したもんだよ」

「て事は、今度はそのポジションに、俺がなるんですね?」

「お前が?なんでよ」

「なんでって、だって、俺が一番……」

「あー、無いない。お前がそう言う事する必要ないから」


慎也さんは、そんな事はありません、とすっぱりと否定した。俺はその様子を訝しんで、理由を尋ね返した。


「だって、お前は雅之様の物じゃん。だから、雅之様の側にいるのがお前の役割だよ。それ以上なんて、本来みんな求めてないんだから。雅之様を癒したり慰めたり、側で支えてやるのが、お前のする事だよ。後で、いっぱい雅之様に褒めて貰いな。それこそ、お前の気が済むまでさ」


暗喩にしては直球が過ぎる話に、一気に身体が熱くなって、ひたすらに喉が渇いた。そういえば、ここはバーなんじゃないか、と思い至ると、飲み物を注文する為に真智さんを探す。すると。


「はい、お待たせ。『ソルティードッグ』ね。外は寒くても、疲れただろ?よく頑張ったなぁ」


真智さんが、よしよし、と俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。まるで大型犬でも扱われている様なその手付きに、やめて下さいよ、もう、と膨れながらも、悪い気はしない。なんだか、漸く帰ってこれたな、という自覚が湧いてきて、出されたソルティードッグを、くすりと笑いながら口にした。相変わらず美味しい。塩も効いてるし、いまのちょっとだけ傷付いていた気持ちが回復していく。そうだよ、みんなから認められるには、結果を残さなくちゃ。だから、こんな事くらいで挫けちゃ駄目だぞ、と自分に喝を入れた。


「お前って、幸せ?」


突然、何の脈絡もなく慎也さんがサラトガ・クーラーのグラスを片手に聞いてくるので、え?と俺は聞き返した。すると、『幸せ?』と再び同じ質問をされる。いよいよ怪しくなって、何が言いたいんですか?と尋ねようとした時、ふと、俺は気掛かりな事があって、そちらを言葉にしてみることにした。


「………慎也さんは、違うんですか?」

「俺?質問に質問返すなよ」

「すみません……」

「まぁ、どうかな。俺、失恋したばっかりだし」

「は?」


え、何、それ、どういう意味?なんでこんな話をしてきたのか話が全く見えないけれど、聞き捨てならないぞ、いまのは。


「失恋って、……雅之さ……御方、ですよね?」

「違うよ。でも、そうかな」


どうなってるの、一体。この人と話してると、時々、頭がちんぷんかんぷんになってしまう。やっぱり何処か天然さんなのかなと呆れつつも、こんな人だからこそ、肩の力を抜いて話せる事もあるんだよな、とも思えた。歳は二つくらい違うみたいだけど、なんだろう。初めて出来た友達みたいな……恥ずかしいから、これ以上は言わないでおく。


「俺は幸せですよ。凹む事も勿論ありますけど、それが仕事ですから。でも、やり甲斐もありますし、好きな人と一緒に暮らしてるし、その人とは、とても上手くいっていますから。あ、そうだ、今日って、バレンタインじゃないですか。だから、俺、御方に、その……プロポーズしちゃいました」  


まだ誰かに話したりはしていないけど、さっき車で飲んだ水割りと、ウォッカの配分が高めなソルティードッグを飲んでいる内に、口がするすると滑っていってしまった。目の前に失恋したばかりの人間がいてする話じゃないし、しかもその人の好きだった相手は俺の恋人だ。どう考えても、話すタイミングを間違えてる。だけど、プロポーズが成功した喜びを、誰かと分かち合いたくて。俺は、徐々にヒートアップしていった。


「指輪のサイズが分からなかったので、寝てる時にこっそり測ったんです。それで、お店に何度か通って、デザインから考えて……御方は、あまり華美な物が好きじゃないから、シンプルな物にしてみました」

「受け取ったの」


透明な瞳が、俺をただ、見つめている。何の感情も浮かんでいないそれを見て、俺はしまった、話し過ぎたと、後悔に苛まれた。どう話せばいいか分からなくなって、あの……と言い淀んでいると、何故だか、その時、不意にカウンターに座っていた雅之さんと祐樹先生の会話が耳に飛び込んできた。


「お前、最近、俺が送った指輪付けてないだろ。どこにやったんだ?」

「二人で会う時は付けるでしょ?それに、石は大きいと目立つから、洋服選び大変なんだよ?」 

「何の為に送ったと思ってるんだよ」

「ふふ、祐樹先生の拗ねた顔見るため」

「………はぁ、お前って奴は」


狙い澄ましたかの様な会話に、胸が劈かれたかの様に、痛みを発する。喘ぐ様に呼吸をしていくと、慎也さんが、グラスに入った氷をカラン、と揺らした。


「雅之様は、受け取ったの」
 

再びの質問に、力無く首を横に振る。あのカーセックスの後、あの指輪は再び俺の懐に戻ってきた。受け取るに決まってるじゃないか、という雅之さんの言葉を胸に、いままで意気揚々と過ごしていたけれど。


雅之さんは、その指輪が、どんな意味を持つ物なのか、本当に分かった上で、喜んでくれたんだろうか?


「お前、本当は、雅之様の事なんて、全然興味ないんだな」


呆れてもなく、ただ事実を突きつけてくる慎也さんの言葉に呆然として。俺は、それは一体どういう意味なのかを尋ね返した。


「その相手が大切なら、どんな考え方をして、どんな生き方をして、どうしていまここに居るのか尋ねるのが普通なのに。お前は、それを人からの又聞きだけで済ませるんだな」


確信を貫く様な指摘に、反論をする為の、なんの言葉も浮かんでこない。完全に頭がフリーズした俺に、慎也さんは続けた。


「今日は、雅之様の母親が、雅之様と一緒に、死のうとした日だよ」

「………は?」


衝撃的過ぎる話に、言われた意味が全く分からなくて、馬鹿みたいに聞き返した。


「雅之様にとって、最も忌むべき日だ。出雲は、だから術後の身体を引きずってでも、雅之様の側に居ようとしたんだ。みんなが集まったのも、本当は、一年のうち最も最悪なこの日を迎える雅之様を支えたかったからだ。この馬鹿騒ぎも全部、雅之様の為の、みんなの気遣いなんだよ。そんな日を態々選んじまう所が、いつまで経っても誰からも相手にされない理由の一つだって、分かれよ」


雅之さんの母親が、雅之さんと一緒に死のうとした?それって、前に祐樹先生や蓮さんから聞いた、元御方……出雲さんと、同じじゃないか。こんな偶然って、あるんだろうか。あの二人には、そんな共通点があったのか。だとしたら、あの深い結びつきも分からないでもないけれど……なんだか、違和感が拭いきれない。胸がモヤモヤとする。何か、とても重要な勘違いをしている様な気がして、混乱した頭を抱えたままその答えを導き出そうとしていた所で、真智さんの明るい声が俺達の緊迫した空気に割って入った。


「よぉ、時間掛かって悪かったな。ちょっとしたツテで、工場から出来立ての生ウィンナーが届いてさぁ。ボイルするの大変だったわ。でも、鮮度抜群だし、試しに食べてみな」

「え、あ……はい」


真智さんの人の良い笑顔に、俺は少しだけホッとして、勧められるままに、皿に乗せられた木のフォークを使ってウィンナーを突き刺し、脇にあったケチャップを少しだけ付けて、ぱくりと口にした。肉汁が、じゅわりと口の中一杯に広がる。肉自体は少し硬い気がするけれど、香辛料がピリッと効いていて美味しかった。


「美味しいです」

「そっかぁ、良かった。潰したばっかりで血抜きが上手くいってないかもって言われたけど、これだけ香辛料聞いてれば犬でも食えるだろ?」

「あはは、それは贅沢ですよ。こんな美味しいのに……それに、犬用のはもっと塩が効いて無い方が喜ぶと思いますよ?」

「なるほどなぁ、じゃあ、お前がいつか自分のを食う時の参考にさせて貰うよ。だから、喜んで食えよな?俺達は、酒飲みながらお前見て爆笑してやるから」


なんだか話が良く繋がらない。何故俺がウィンナーを食べたくらいで爆笑されないといけないんだ?と疑問に思った時には、真智さんは既に慎也さんと話をしていた。『お前も食う?』とにやにや笑いながら、ウィンナーを勧めている。慎也さんは、しきりに『いりませんって』と嫌そうな顔をして断っていた。真智さんは会話上手なのに、珍しい事もあるなぁと思いながらウィンナーをまた一口齧る。癖になる味と言われればそうかもしれない。また買うかと言われたら微妙なんだけど、何となく忘れられない味だった。


「これ、どこのですか?」


肉質自体はあまり食べた事がないけれど、味には覚えがある様に思えて、なんとなくブランド名を尋ねた。


「これか?雅之が気に入ってるブランドあるだろう?そこの奴だよ。鮮度の良い肉が手に入ったから、今日はちょっと工場を間借りしたんだ」

「あぁ、あそこの……ほんと、手広くやってますよね」 


ワインに始まり、チーズやウィンナー、最近ではローストビーフまで始めて、我が家のお酒やおつまみ事情の向上に一役も二役も買っている。真智さんもお世話になっている近所にある酒屋さんは、そのブランドの専門店の様相すら見せているし、店の店主の風格のあるおやっさんも、一押ししてくるワインやおつまみは、大抵がそのブランドの物だ。


価格は手頃だし、味は勿論言うまでもない。だから、俺も安心して雅之さんが選んでくれたそのブランドの食品を口にしている。しかも、最近では、服飾関係や建設業までにも手を出し始めているらしい。実を言えば今住んでいるうちのマンションも、その建設会社が作った物だし、俺がいま視察している病院の建設会社も同じブランドのロゴマークが入っていた。


服飾関係も値段には見合わない拘りが随所に現れていて、パジャマから普段着までそのブランドで固められていた。考えてみれば、俺と雅之さんの生活はそのブランドがないと成り立たないまでに、そのブランドに依存していた。とはいえ、金銭的には何ら負担にはなっていないし、普通の成人男性二人暮らしの生活費を凌駕するほどのスタイルで生活はしていなかった。 


それもこれも、超巨大ブランド『Secret garden』のおかげだなと思う。


顔や名前は知らないけれど、本当に、どんな経営者がトップに立っているんだろう。それにしても……


「御方、もっと贅沢したらいいのに……」 
 
「お前、これでもまだ贅沢したいの?」


慎也さんは呆れ、真智さんに至っては無表情になっている。カウンターにいる祐樹先生は、いつの間にか人を殺しても殺したりない様な恐ろしい目で、ギラッとこちらを睨み付けていた。こんな目でこの人に見られたのは二度目だ。相変わらずおっかない。


雅之さんはといえば、マイペースに真智さんが作ったカクテルをゆっくり楽しんでいる。そして、そのグラスを此方に見せながら、俺に向けて軽くウィンクをしてきた。その手元にあるカクテルは、『ビトウィーンザシーツ』……完全に、俺はこの人に夜を誘われている。俺は、生唾をごくっと飲み下してから、雅之さんにだけ伝わる様に小さく頷いた。


この人にとって、今日が一年で最も最悪な日なのだとしたら、俺がその日を今度は人生で最高の日にしてあげたかった。俺が悲しい記憶を、全部塗り替えてあげるから、待っていて。俺は、貴方の幸せの為にこそ存在しているのだから。


眼差しに愛しさと、抑えきれない興奮を込めていると、雅之さんは再びカウンターの向こうに視線を戻してしまった。そして、俺も今日の夜に待つ激しい営みに想いを馳せていた意識を袂に引き寄せると、これだけの男達が、雅之さんに夢中になっているのに、あの人が見ているのは、この俺だけなんだ、という優越感が頭をもたげて。


「贅沢なんて、望んでいません。美味しい食事を食べて、小さくても素敵な部屋に住んで、好きな人とずっと一緒にいられる、これ以上の贅沢は無いって知っていますから。だから……」


俺は、店内にいる男達を見渡してから爽やかに言い放った。



「俺はきっと、神様に愛されているんですよ」





◇◇◇◇




『………本当?真司が、俺を、ここから救い出してくれるの?』

『うん、だって、お兄ちゃんは俺の大切な友達だもん。何処にだって連れて行ってあげる。公園だって、いつか遊園地とか……俺も行ったことないけど、絶対行こう』

『遊園地って何?』

『俺もよく知らない』 

『ふふ、何それ、真司、面白い』

『あ、笑った。いま笑ったよね、お兄ちゃん』

『あ、ほんとだ』

『お兄ちゃんが笑うと、俺嬉しいな』

『俺が笑っただけで?』

『うん!だって、俺、お兄ちゃんが大好きだもん!』 

『だいすき?』

『そうだよ、ただ好きより、ずっと好きって事』

『それってさ、真司。それってつまりは、俺、真司の………『トクベツ?』』

『トクベツ?………うん、そうなのかな?たぶん』

『えへ、えへへ、本当?』

『あ、また笑った!凄いね、トクベツって、凄いや!』

『うん!トクベツってね、人を幸せにするんだよ!だから、凄い言葉なんだ!』

『トクベツだね、俺達!』

『うん!ずっと、ずっとトクベツだからね!忘れちゃ駄目だよ、真司!………あ、ねぇ、じゃあ、いつか俺の秘密の場所に連れて行ってあげるね!』

『秘密の場所?なにそれ』

『俺の『トクベツ』がいるところ!今はまだ住んでいる『トクベツ』も少ないんだけど、これからどんどん増やすんだって。薔薇のすっごく綺麗なお庭もあるんだ!真司も、気に入ってくれると嬉しいなぁ』

『ふぅん……なんだか、良さそうな所だね』

『あ、なら今度、俺の『トクベツ』達が集まる場所に、真司を招待してあげる!だから、絶対に来てね』

『へぇ、お兄ちゃんって、凄いんだねぇ』

『えへへ、ありがとう。真司大好き、だから………』







ずっと、ずっと一緒に居ようね。





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