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おまけの東堂権三郎くん
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直樹と圭一郎が付き合う少し前の話
―――――――――――――――――――――――
俺の名前は東堂 権三郎。高校二年生で柔道部の主将をしている。
小さい頃から柔道をしていて、体格もデカく189cmの105Kgはあり、二年で一番デカいと思う。
俺は今、恋をしている。決して実るはずのない不毛な恋を・・・。
好きな人の名前は、巻島直樹くん。そう、男なんだ。
一年の三学期に突然話しかけられたんだ。それまで話した事なんて無かった。
「東堂くんって、ごんざぶろうって名前なんだな!!」
「お、おう。でも自分はあまり好きじゃない。ダサいだろ。」
「はぁぁ?全然ダサくねーよ!!めちゃくちゃカッコいいじゃんか!男らしくて。」
そう言って、女のように綺麗で可愛い顔をしている巻島くんが、大きな瞳を輝かせて屈託のない笑顔で俺を見上げてきたとき、一瞬にして心の全てを持っていかれた。
―――――好きだ。
それからは巻島くんを見かける度にドキドキして、もう一度あの笑顔を自分に向けて欲しいと思った。時々、廊下ですれ違うと話しかけてくれる。二言三言なのだが、話をできた日は、それだけで一日幸せだ。
二年になって同じクラスにはなれなかったが、合同体育では一緒になることが出来た。
巻島くんが着替えている姿を初めて見た時、息が止まるかと思う程の衝撃を受けた。
俺や部活仲間とは全く違う。華奢で白くて見るからにスベスベしていそうな綺麗な肌。そして・・・胸についている薄いピンク色の・・・駄目だ、駄目だ!邪な気持ちで見ては巻島くんが汚れてしまう!でも、正直言うと、あの肌に触れてみたい。駄目だと分かっているのに。
そして今日も巻島くんと一緒に体育だ。同じ空間に居られるだけで幸せを感じてしまう。今日も可愛い。巻島くん。
ドッジボールをするようだ。幸運な事に、巻島くんと同じチームになった!!
「あっ!ごんちゃん!同じチームだな。よろしく!」
ご・・・ごんちゃん・・・だと?俺の事をあだ名で呼んでくれるのか?その可愛い口で呼んでくれるのか?
―――――はぁ~。好きだ。
「お、おす。よろしく巻島くん。」
「巻島くんて。なおきでいいよ!なおきって呼んで。」
苗字呼びなんて寂しいだろぉ~と言って腹をグリグリしてきた。自分と比べるとすごく細くて小さな手で。思わず握りしめたくなったがグッと我慢した。
ああ、なんて幸せな日なんだ。・・・しかし奇跡はこれでは終わらなかった。
「お!ごんちゃん腹筋すげー!触らせて!」
そう言って体操服に手を突っ込んで俺の腹筋をワサワサしだした!
・・・そんなに触られると・・・よからぬ所が起き上がってしまうかもしれない。
「俺なんて筋トレしても全然ダメ!触ってみ?」
っ!ななななんのご褒美なんだ?目の前の、巻・・直樹くんが自ら体操服をペロッと捲って白い腹を俺の前に晒している。いいのか?触っても・・・いいんだよな?
直樹くんの肌は想像していた以上にスベスべで滑らかで・・・夢中で触り過ぎてしまった。「くすぐってーよ!」とケラケラ笑いながら俺の手を握ってきた。・・・こんなオプションも付いているのか!
まいったな・・・この右手は一生洗えないな。
ドッジボールでは俺が直樹くんを守ると決めていた。不自然にならないように気をつけながらも直樹くんの前に立ち、ボールが彼に当たらないように、それだけを考えて動いた。あんなに可愛く華奢な人にボールが当たるなんてあってはならない。
味方がどんどん当てられ減っていき四対二になってしまった時に自分の計算ミスに気付いた。
もし俺が当たってしまったら、直樹くんが一人になってしまう!!
その心配は的中して、直樹くんを一人コートに残す羽目になった。すまない。
しかし、俺の心配は無用だった。
直樹くんは強かった。バシバシとボールをとり、バンバンと相手を倒していった。その快進撃に体育館中が沸いた!!
あんなに小さくて可愛いのに強いなんて・・・とびきりの笑顔を見せている直樹くんに暫くの間、見惚れてしまった。
――――ああ。好きだ。
俺と目が合い、更にニカッと笑って「ごんちゃーん!」と叫びながら走ってくると
「勝ったぜ!」と抱きついてきた。
!!!!
俺は緊張のあまりよろけてしまい、直樹くんを抱え込む形で床に倒れてしまった。
その時・・・頬に柔らかい感触が・・・
「あっ!やべっ。ごんちゃんにチューしちゃった!へへっ」
神様。俺は今日死ぬのでしょうか。否、死にたくない。
こんなにも幸せな一日があっても良いのだろうか。
まいったな。顔も一生洗えないな。
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俺の名前は東堂 権三郎。高校二年生で柔道部の主将をしている。
小さい頃から柔道をしていて、体格もデカく189cmの105Kgはあり、二年で一番デカいと思う。
俺は今、恋をしている。決して実るはずのない不毛な恋を・・・。
好きな人の名前は、巻島直樹くん。そう、男なんだ。
一年の三学期に突然話しかけられたんだ。それまで話した事なんて無かった。
「東堂くんって、ごんざぶろうって名前なんだな!!」
「お、おう。でも自分はあまり好きじゃない。ダサいだろ。」
「はぁぁ?全然ダサくねーよ!!めちゃくちゃカッコいいじゃんか!男らしくて。」
そう言って、女のように綺麗で可愛い顔をしている巻島くんが、大きな瞳を輝かせて屈託のない笑顔で俺を見上げてきたとき、一瞬にして心の全てを持っていかれた。
―――――好きだ。
それからは巻島くんを見かける度にドキドキして、もう一度あの笑顔を自分に向けて欲しいと思った。時々、廊下ですれ違うと話しかけてくれる。二言三言なのだが、話をできた日は、それだけで一日幸せだ。
二年になって同じクラスにはなれなかったが、合同体育では一緒になることが出来た。
巻島くんが着替えている姿を初めて見た時、息が止まるかと思う程の衝撃を受けた。
俺や部活仲間とは全く違う。華奢で白くて見るからにスベスベしていそうな綺麗な肌。そして・・・胸についている薄いピンク色の・・・駄目だ、駄目だ!邪な気持ちで見ては巻島くんが汚れてしまう!でも、正直言うと、あの肌に触れてみたい。駄目だと分かっているのに。
そして今日も巻島くんと一緒に体育だ。同じ空間に居られるだけで幸せを感じてしまう。今日も可愛い。巻島くん。
ドッジボールをするようだ。幸運な事に、巻島くんと同じチームになった!!
「あっ!ごんちゃん!同じチームだな。よろしく!」
ご・・・ごんちゃん・・・だと?俺の事をあだ名で呼んでくれるのか?その可愛い口で呼んでくれるのか?
―――――はぁ~。好きだ。
「お、おす。よろしく巻島くん。」
「巻島くんて。なおきでいいよ!なおきって呼んで。」
苗字呼びなんて寂しいだろぉ~と言って腹をグリグリしてきた。自分と比べるとすごく細くて小さな手で。思わず握りしめたくなったがグッと我慢した。
ああ、なんて幸せな日なんだ。・・・しかし奇跡はこれでは終わらなかった。
「お!ごんちゃん腹筋すげー!触らせて!」
そう言って体操服に手を突っ込んで俺の腹筋をワサワサしだした!
・・・そんなに触られると・・・よからぬ所が起き上がってしまうかもしれない。
「俺なんて筋トレしても全然ダメ!触ってみ?」
っ!ななななんのご褒美なんだ?目の前の、巻・・直樹くんが自ら体操服をペロッと捲って白い腹を俺の前に晒している。いいのか?触っても・・・いいんだよな?
直樹くんの肌は想像していた以上にスベスべで滑らかで・・・夢中で触り過ぎてしまった。「くすぐってーよ!」とケラケラ笑いながら俺の手を握ってきた。・・・こんなオプションも付いているのか!
まいったな・・・この右手は一生洗えないな。
ドッジボールでは俺が直樹くんを守ると決めていた。不自然にならないように気をつけながらも直樹くんの前に立ち、ボールが彼に当たらないように、それだけを考えて動いた。あんなに可愛く華奢な人にボールが当たるなんてあってはならない。
味方がどんどん当てられ減っていき四対二になってしまった時に自分の計算ミスに気付いた。
もし俺が当たってしまったら、直樹くんが一人になってしまう!!
その心配は的中して、直樹くんを一人コートに残す羽目になった。すまない。
しかし、俺の心配は無用だった。
直樹くんは強かった。バシバシとボールをとり、バンバンと相手を倒していった。その快進撃に体育館中が沸いた!!
あんなに小さくて可愛いのに強いなんて・・・とびきりの笑顔を見せている直樹くんに暫くの間、見惚れてしまった。
――――ああ。好きだ。
俺と目が合い、更にニカッと笑って「ごんちゃーん!」と叫びながら走ってくると
「勝ったぜ!」と抱きついてきた。
!!!!
俺は緊張のあまりよろけてしまい、直樹くんを抱え込む形で床に倒れてしまった。
その時・・・頬に柔らかい感触が・・・
「あっ!やべっ。ごんちゃんにチューしちゃった!へへっ」
神様。俺は今日死ぬのでしょうか。否、死にたくない。
こんなにも幸せな一日があっても良いのだろうか。
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