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第44話
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王城に戻られる殿下を見送って。
『すっかり遅くなってしまったわね、お食事にしましょう』そう言って、一足先に食堂へと向かった母に続いて姉も歩き出したので。
「なぁに? アグネス?」
私が後ろからいきなり肘を掴んだので、姉はとても驚いていました。
「これからは殿下ではなくて、フォード様と呼ぶ事になりました。
お姉様はお気付きになりました?
フォード様の左手」
「……左手、あぁ見たわ、黒い……」
「フォード様にトルラキアでいただいた、これです。
私もお返しにお贈りしたくて、お揃いを注文していたんですけれど、この前リーエが送ってくれたので、さっき温室でお渡し出来たんです」
自分だけの愛称呼びを報告して。
左手首に巻いた赤い組み紐を、姉に見せて。
温室で、お揃いのそれを殿下に渡した、と強調して。
それを聞いた姉の反応を見たかったのに。
……なんて、憎たらしいのだろう。
少しの動揺もなく。
ニコニコして、臆面もなく言うのです。
「お揃いなのね、いいわね。
凄く素敵で、羨ましいわ。
トルラキアって、そういうのが盛んなの?」
そういうの?
私が贈られたのは、そういうのとは違う、と仰りたいんじゃないの?
市井の民草が手作りした、そういうつまらない物じゃない。
王都のちゃんとした、高名なマダムアローズのドレスなの。
そう思っているんでしょう?
繰り返された告白。
殿下の瞳の色のドレス。
いつもの薄紫色のカードに綴られた愛の言葉。
それをいただいたのよ、と。
姉の微笑みが、優しげな物言いが。
勝者の余裕の様に感じられたのです。
「素人の手作りの品って、ひとつひとつ違う顔をしてる、と言うの?
お互いに、唯一だ、と誓っている様に思えるわ。
私もお付き合い出来たら、そういうのが欲しい」
そういうのが欲しいの?
嘘つき! これっぽっちも思っていないくせに!
クラリスの言葉が全て、嘘に思えました。
そんな風に持ち上げるのは、後ろめたいから?
それとも、これくらいで喜んでいる幼い私が哀れに見えるから?
私は身の丈に合ったプレゼントしか出来ないの、してはいけないの。
だから。
言う気はなかったのに……
口に出してしまったのです。
「さっき温室で、フォード様は私の前で泣きました。
理由はお話になりませんでしたが、お可哀想だったので許して差し上げる事に致しました。
……お姉様は、フォード様が泣かれた理由はご存知ですか?」
私を嗤っていた姉の顔から、余裕の微笑みが消えました。
ですから、私が代わりに笑ってみせたのです。
◇◇◇
「……貴女に話せていない事があるの。
殿下には、話さないでとお願いしていたから、あの御方は黙っていて……」
落ち着きなく、少し躊躇いながら。
そう言いかけた姉の話が遮られたのは、メイド長が
『奥様がお待ちです』と、私達ふたりを早くと呼びに来たからでした。
それで姉に食後に話を聞きたい、と言いました。
私は泣いた。
すごく泣いた。
息が出来ないくらい、胸が痛かった。
だからお姉様、貴女も。
食事の間に、私にどう話すか、どう誤魔化すか。
悩んで、胸を痛めればいい。
『裏切りの味は苦いのかしら、それとも甘いのかしら』
例の小説のヒロインのモノローグを思い出しました。
彼女は愛する夫と信頼する親友との浮気を疑い、徐々に心を壊していくのです。
小説は最終的に浮気の事実を描いていません。
読者の想像に任せる手法です。
『大人の小説よ』と、読書好きの同級生から借りて読んだ時には、ふたりに限って浮気はない、ヒロインが勝手に疑っているだけ。
そうとしか読めなかったのに。
多分これからの私は、ヒロインが信用していたふたりの態度や言葉の怪しさばかり目についてしまうのだ、と思いました。
昼食の間、母は陽気でした。
食事の間は話す事を止められている所もあるそうですが、我が家では父が、どんどん話すように推奨していました。
先代から『食事中は食べる以外に口を動かすな』と、育てられていて、食事の時間が苦痛だったそうなのです。
「お食事会にお招ばれしたのに、要らない事を敢えて耳に入れようとする人達まで来ていたのよ」
いつも母のお喋りに相槌を打つのは、姉の役目でしたのに。
お気の毒に姉はあれこれ算段しているのか、聞いてもいないようでした。
それを見た私は、とても気分が良くて。
姉の代わりに、母のお喋りに付き合う事にしたのです。
「要らない事とは?」
「つまらない噂よ。
今度の夜会はアシュフォード殿下とクラリスの婚約を披露する為か、とか」
私がまだ参加出来ない夜会。
確か来月に開かれるのだと殿下からは聞いていました。
『君がデビュタントするまでは、誰とも踊らない』
それをずっと信じていた。
「来週、クラリスの19の誕生日があるでしょう?
それに合わせて開くのね、って」
「……」
「それも、殿下からはドレスも贈られたでしょう、なんて。
マダムアローズで、ガードナー侯爵令嬢が殿下に頼まれて代理で来たと、お話されていたそうなの。
それが聞こえていたらしくて。
根も葉もない噂を信じるなんて、今まで親しくさせていただいていたけれど、気分が優れないからと、帰ってきたわ」
「殿下からお姉様に、ドレスを贈られたと噂に?」
ご自分で行かれずに第2王子殿下のご婚約者様に手配をお願いしたのね。
それがたまたま、母の留守に届けられた……
「アグネス、私は本当に貴女にも、殿下にも申し訳ないことをしたわ。
あれから、貴女達の仲睦まじい姿を見ていたら、あれこれ先回りして考えてしまった事を後悔していたの」
昼間なのに、ワインをたしなまれていて、余程気分が良いのでしょう。
既に私が返事していない事にも気付いていらっしゃらない。
「お父様に、そろそろ殿下とアグネスの婚約を、とお願いしていたのに、そんな噂があると聞かされて」
「……」
「帰ってきたら、アグネスが留守なのに、殿下が居らしていて、ついクラリスに用があるのかしら、と早合点してしまって、失礼な物言いをしてしまったの。
ちゃんとお詫びを申し上げないと、何と嫌な姑かと嫌われてしまうわね?
今度夕食に来ていただけるように、アグネスからもお願いして?」
そう言いながら、母は私の手を包む様に握ってきました。
母から触れられるのは、あの日以来でした。
母の裏切りから、その伸ばされた手を徹底的に避け続けてきました。
この時も、母の手を払い除けはしませんが、握り返す事はしませんでした。
私は頑固で、頑なで、素直な娘じゃなかった。
「愚かなお母様を許してね。
これからは一日でも早く、婚約を結んで貰うようにお父様にお願いするわ。
そうなれば、くだらない噂も直ぐに消えるでしょう。
貴女は殿下と幸せになるのよ」
そう言ってくれた母に答える事もせず。
母の手を。
母の言葉を。
ちゃんと受け取らなかった事を、今もずっと後悔しています。
ずっと心に刺さった棘のように。
抜けそうなのに、絶対に抜けない棘。
母との関係を修復する機会は、これが最後だったのに。
私の頭の中はそれよりも、これから聞かされる姉の言い訳をどう責めるかで、いっぱいだったのです。
『すっかり遅くなってしまったわね、お食事にしましょう』そう言って、一足先に食堂へと向かった母に続いて姉も歩き出したので。
「なぁに? アグネス?」
私が後ろからいきなり肘を掴んだので、姉はとても驚いていました。
「これからは殿下ではなくて、フォード様と呼ぶ事になりました。
お姉様はお気付きになりました?
フォード様の左手」
「……左手、あぁ見たわ、黒い……」
「フォード様にトルラキアでいただいた、これです。
私もお返しにお贈りしたくて、お揃いを注文していたんですけれど、この前リーエが送ってくれたので、さっき温室でお渡し出来たんです」
自分だけの愛称呼びを報告して。
左手首に巻いた赤い組み紐を、姉に見せて。
温室で、お揃いのそれを殿下に渡した、と強調して。
それを聞いた姉の反応を見たかったのに。
……なんて、憎たらしいのだろう。
少しの動揺もなく。
ニコニコして、臆面もなく言うのです。
「お揃いなのね、いいわね。
凄く素敵で、羨ましいわ。
トルラキアって、そういうのが盛んなの?」
そういうの?
私が贈られたのは、そういうのとは違う、と仰りたいんじゃないの?
市井の民草が手作りした、そういうつまらない物じゃない。
王都のちゃんとした、高名なマダムアローズのドレスなの。
そう思っているんでしょう?
繰り返された告白。
殿下の瞳の色のドレス。
いつもの薄紫色のカードに綴られた愛の言葉。
それをいただいたのよ、と。
姉の微笑みが、優しげな物言いが。
勝者の余裕の様に感じられたのです。
「素人の手作りの品って、ひとつひとつ違う顔をしてる、と言うの?
お互いに、唯一だ、と誓っている様に思えるわ。
私もお付き合い出来たら、そういうのが欲しい」
そういうのが欲しいの?
嘘つき! これっぽっちも思っていないくせに!
クラリスの言葉が全て、嘘に思えました。
そんな風に持ち上げるのは、後ろめたいから?
それとも、これくらいで喜んでいる幼い私が哀れに見えるから?
私は身の丈に合ったプレゼントしか出来ないの、してはいけないの。
だから。
言う気はなかったのに……
口に出してしまったのです。
「さっき温室で、フォード様は私の前で泣きました。
理由はお話になりませんでしたが、お可哀想だったので許して差し上げる事に致しました。
……お姉様は、フォード様が泣かれた理由はご存知ですか?」
私を嗤っていた姉の顔から、余裕の微笑みが消えました。
ですから、私が代わりに笑ってみせたのです。
◇◇◇
「……貴女に話せていない事があるの。
殿下には、話さないでとお願いしていたから、あの御方は黙っていて……」
落ち着きなく、少し躊躇いながら。
そう言いかけた姉の話が遮られたのは、メイド長が
『奥様がお待ちです』と、私達ふたりを早くと呼びに来たからでした。
それで姉に食後に話を聞きたい、と言いました。
私は泣いた。
すごく泣いた。
息が出来ないくらい、胸が痛かった。
だからお姉様、貴女も。
食事の間に、私にどう話すか、どう誤魔化すか。
悩んで、胸を痛めればいい。
『裏切りの味は苦いのかしら、それとも甘いのかしら』
例の小説のヒロインのモノローグを思い出しました。
彼女は愛する夫と信頼する親友との浮気を疑い、徐々に心を壊していくのです。
小説は最終的に浮気の事実を描いていません。
読者の想像に任せる手法です。
『大人の小説よ』と、読書好きの同級生から借りて読んだ時には、ふたりに限って浮気はない、ヒロインが勝手に疑っているだけ。
そうとしか読めなかったのに。
多分これからの私は、ヒロインが信用していたふたりの態度や言葉の怪しさばかり目についてしまうのだ、と思いました。
昼食の間、母は陽気でした。
食事の間は話す事を止められている所もあるそうですが、我が家では父が、どんどん話すように推奨していました。
先代から『食事中は食べる以外に口を動かすな』と、育てられていて、食事の時間が苦痛だったそうなのです。
「お食事会にお招ばれしたのに、要らない事を敢えて耳に入れようとする人達まで来ていたのよ」
いつも母のお喋りに相槌を打つのは、姉の役目でしたのに。
お気の毒に姉はあれこれ算段しているのか、聞いてもいないようでした。
それを見た私は、とても気分が良くて。
姉の代わりに、母のお喋りに付き合う事にしたのです。
「要らない事とは?」
「つまらない噂よ。
今度の夜会はアシュフォード殿下とクラリスの婚約を披露する為か、とか」
私がまだ参加出来ない夜会。
確か来月に開かれるのだと殿下からは聞いていました。
『君がデビュタントするまでは、誰とも踊らない』
それをずっと信じていた。
「来週、クラリスの19の誕生日があるでしょう?
それに合わせて開くのね、って」
「……」
「それも、殿下からはドレスも贈られたでしょう、なんて。
マダムアローズで、ガードナー侯爵令嬢が殿下に頼まれて代理で来たと、お話されていたそうなの。
それが聞こえていたらしくて。
根も葉もない噂を信じるなんて、今まで親しくさせていただいていたけれど、気分が優れないからと、帰ってきたわ」
「殿下からお姉様に、ドレスを贈られたと噂に?」
ご自分で行かれずに第2王子殿下のご婚約者様に手配をお願いしたのね。
それがたまたま、母の留守に届けられた……
「アグネス、私は本当に貴女にも、殿下にも申し訳ないことをしたわ。
あれから、貴女達の仲睦まじい姿を見ていたら、あれこれ先回りして考えてしまった事を後悔していたの」
昼間なのに、ワインをたしなまれていて、余程気分が良いのでしょう。
既に私が返事していない事にも気付いていらっしゃらない。
「お父様に、そろそろ殿下とアグネスの婚約を、とお願いしていたのに、そんな噂があると聞かされて」
「……」
「帰ってきたら、アグネスが留守なのに、殿下が居らしていて、ついクラリスに用があるのかしら、と早合点してしまって、失礼な物言いをしてしまったの。
ちゃんとお詫びを申し上げないと、何と嫌な姑かと嫌われてしまうわね?
今度夕食に来ていただけるように、アグネスからもお願いして?」
そう言いながら、母は私の手を包む様に握ってきました。
母から触れられるのは、あの日以来でした。
母の裏切りから、その伸ばされた手を徹底的に避け続けてきました。
この時も、母の手を払い除けはしませんが、握り返す事はしませんでした。
私は頑固で、頑なで、素直な娘じゃなかった。
「愚かなお母様を許してね。
これからは一日でも早く、婚約を結んで貰うようにお父様にお願いするわ。
そうなれば、くだらない噂も直ぐに消えるでしょう。
貴女は殿下と幸せになるのよ」
そう言ってくれた母に答える事もせず。
母の手を。
母の言葉を。
ちゃんと受け取らなかった事を、今もずっと後悔しています。
ずっと心に刺さった棘のように。
抜けそうなのに、絶対に抜けない棘。
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