90 / 112
第2章 いつか、あなたに会う日まで
39(モニカ視点)
しおりを挟む
当主夫人の部屋はノックスヒルで一番日当たりも風通しもいい部屋。
だけど、夜はひとり。
わたし以外は廊下の角を曲がった並びの4部屋を使っていた。
広い部屋の立派なベッド。
膝を抱えて丸くなって。
わたしはひとりの夜を、そこで過ごした。
雷が鳴り、風が吹き荒れる嵐の夜も、ひとりだった。
丘の上に一軒だけ建つ邸は、嵐が来れば最悪。
遮るものが何もなく、雨風が直撃して、邸を軋ませる。
生まれ育ったノックスヒルだけど、13年住んでいても、怖いものは怖かった。
幼い頃から嵐の夜は、お母様に抱き締めて貰って眠ったのよ。
嵐が来た翌日、起こしに来てくれたエマに貴女達の様子を尋ねた。
2つ年下の11のジェリーと、7つ年下の6歳のリアン。
リアンはさすがに雷に驚いて、叔母様の部屋で一晩過ごしたそうだけれど、ジェリーは平気で眠っていた、と聞いて。
2つ年上のわたしが怖いと言って、叔母様の部屋へ逃げ込まなくて正解だった、と思った。
その他にも叔母様は、物事をどんどん変えていかれたわね。
お祖父様より優しかったお医者のマクレガーのおじいちゃん先生が来なくなった。
貰っていた沢山の飲み薬も無くなって、『お日様に当たらなくっちゃ、それが一番よ』と言って、外に連れ出されることが増えた。
叔母様と貴女達とエマ、それに新しく入ってきた4つ年上のモンドが時々加わって、領内の森を散策したり、湖で釣りをしたりしたの覚えてる?
森で兎を見掛けて、可愛いねって貴女に言ったら、兎って美味しいよね、なんて言ったでしょ。
兎を食べるなんて信じられなくて、つい泣いてしまったら、叔母様が食べるのを止しましょう、と仰るから。
貴女が好きだったのに、泣かなければ良かった、とずっと後悔してた。
……それで貴女に嫌われて『あんな子追い出して』と叔母様にお願いされるのが怖かったの。
それ以降は嫌なものを言うより、好きなものだけを大袈裟に言おうと決めたの。
『鴨が好き』って言ったら、叔母様も叔父様も嬉しそうな顔をなさったから、それが正解だと分かった。
それから外国語の先生が来ることになって。
お試しだからと、わたしと貴女がふたりで授業を受けたけれど、モリッツ先生はこの国の言葉を一言も話してくださらないので、ふたりで顔を見合わせて、混乱するだけだったわね。
本当に苦痛な授業を2回受けさせられて、叔母様が『続けてみない?』と聞くので、お断りしたの。
貴女には聞いてくれなかったんでしょ?
嫌々続けさせられていて、可哀想に思ってたのよ。
『他には何か習いたいものはない?』と聞かれたので、特に無かったけれど、叔母様が焼くお菓子は美味しかったから、それを教えて貰うことにしたの。
叔母様がとても喜んでくださったので、帝国語のことではがっかりさせたけれど、これは正解だった。
帝国語を習い始めて半年が過ぎた頃、辛そうだった貴女がいきなり片言で話せるようになりだしたわね。
流暢にではなかったけれど、とうとう先生と意思の疎通が出来るようになったの、と嬉しそうに言っていたのを、今でも覚えてる。
その時初めて、わたしは失敗したのかも、と思った……
わたしも同じ様に、諦めないで半年続けていたら?
話せるようになった?
同じ頃叔父様から中等学校卒業後の進路として、王都の高等学院の話を聞いたの。
昔とは違って淑女科や騎士科は廃止されて、普通科しかないこと。
入学試験を受けなくてはいけないことや、学生寮に入ること。
王都に住んでる自宅通学組は、中等部からの内部進学だけど成績は大したことないから、恐れなくていいこと。
地方から来ている寮生は、地元の秀才が来ているから、切磋琢磨して成績があがること。
女性だからと言って、男子生徒に遠慮などしなくていいこと。
叔父様は素晴らしいことのように仰ったけれど、わたしには無理だと思った。
だから、隣の領地のマナースクールに通いたいと伝えたの。
クレイトンでお家に余裕がある女の子は、皆そこへ通うから。
遠慮は要らない、と言われたけれど、遠慮などしていない。
ここに居たい、と言い続けたの。
毎週土曜の帝国語のレッスンが同じ邸内で行われているのが苦痛だった。
10歳を過ぎたら、リアンも参加していて、習得のスピードは貴女より早いらしいし。
それから逃げたくて第1土曜は孤児院、第3土曜は病院の慰問。
第2第4は刺繍のレッスンを入れて、なるべく邸には居ないようにしていたの。
ムーアの親戚が時々来たり、反対に招待されることもあったわね。
皆さん親切で最初は楽しいのだけれど、宴も半ばを過ぎれば、大人達は商売の話を始める。
そしてその中に、わたしと同じ年頃の子供達も混ざりだして意見を言ったりする。
ムーアの子供達が優秀過ぎて怖かった。
わたしはそれに参加出来ないの。
入るな、と言われたことはないけれど、理解出来ないから。
ぼろを出さずに済むように、余計なことは言わないで、微笑んでみせた。
小さい子供達の面倒を見る、女らしくて優しい子だと思って貰えるなら、それでいい。
それだけでいいから……ムーアじゃなくても、ここに居ても良いですか、って皆さんの前で言いたかった。
皆さんからいただくプレゼントもそうだった。
わたしには、素敵なドレスやアクセサリー、最新の恋愛小説。
ジェリーには、訳の分からない分厚い本や望遠鏡。
邸に設置された電話。
叔父様から使用方法を説明された。
叔母様が時間に気を付けて、ってわたしにも注意したけれど。
わたしは電話を使ったことはなかったの。
貴女には王都からお祖父様や従兄弟達から電話が来るし、掛けていたし。
だけど、わたしには誰も掛けてこない。
わたしには掛ける相手も居ない。
ずっと一緒に居たのに、わたしと貴女の世界は離れてしまった。
貴女が欲しいと願うものを、わたしも欲しい、と今度こそ努力すれば。
わたし達はまた近付ける?
段々意味もないのに笑うのに疲れてきて、ここはわたしの家だったのに、どうしてこんなに怯えなければいけないの。
ずっと愛想を振りまかないといけないの、理不尽じゃないの、って。
そんな鬱憤が貯まると、外で吐き出した。
だけど後から聞かれても『そんなこと、言ってません』って逃げられるように言葉や相手は選んでいたつもりだった。
そんな大事になると思わなかったの。
ちょっと可哀想に、って存在を認識して欲しかっただけ。
その結果リアンに怪我をさせるなんて。
叔父様にも叔母様にも、クリフォード達からも見棄てられて、ここでひとりぼっちになるなんて。
皆に……今まで聞かせた話は違うんです、と言えば変わるの?
誰に、どこまで回ったのか、分からない。
もうわたしには、何が正解なのか分からない。
分かっているのは。
ムーアの子供じゃなくて、ごめんなさい。
それだけは、確か……
だけど、夜はひとり。
わたし以外は廊下の角を曲がった並びの4部屋を使っていた。
広い部屋の立派なベッド。
膝を抱えて丸くなって。
わたしはひとりの夜を、そこで過ごした。
雷が鳴り、風が吹き荒れる嵐の夜も、ひとりだった。
丘の上に一軒だけ建つ邸は、嵐が来れば最悪。
遮るものが何もなく、雨風が直撃して、邸を軋ませる。
生まれ育ったノックスヒルだけど、13年住んでいても、怖いものは怖かった。
幼い頃から嵐の夜は、お母様に抱き締めて貰って眠ったのよ。
嵐が来た翌日、起こしに来てくれたエマに貴女達の様子を尋ねた。
2つ年下の11のジェリーと、7つ年下の6歳のリアン。
リアンはさすがに雷に驚いて、叔母様の部屋で一晩過ごしたそうだけれど、ジェリーは平気で眠っていた、と聞いて。
2つ年上のわたしが怖いと言って、叔母様の部屋へ逃げ込まなくて正解だった、と思った。
その他にも叔母様は、物事をどんどん変えていかれたわね。
お祖父様より優しかったお医者のマクレガーのおじいちゃん先生が来なくなった。
貰っていた沢山の飲み薬も無くなって、『お日様に当たらなくっちゃ、それが一番よ』と言って、外に連れ出されることが増えた。
叔母様と貴女達とエマ、それに新しく入ってきた4つ年上のモンドが時々加わって、領内の森を散策したり、湖で釣りをしたりしたの覚えてる?
森で兎を見掛けて、可愛いねって貴女に言ったら、兎って美味しいよね、なんて言ったでしょ。
兎を食べるなんて信じられなくて、つい泣いてしまったら、叔母様が食べるのを止しましょう、と仰るから。
貴女が好きだったのに、泣かなければ良かった、とずっと後悔してた。
……それで貴女に嫌われて『あんな子追い出して』と叔母様にお願いされるのが怖かったの。
それ以降は嫌なものを言うより、好きなものだけを大袈裟に言おうと決めたの。
『鴨が好き』って言ったら、叔母様も叔父様も嬉しそうな顔をなさったから、それが正解だと分かった。
それから外国語の先生が来ることになって。
お試しだからと、わたしと貴女がふたりで授業を受けたけれど、モリッツ先生はこの国の言葉を一言も話してくださらないので、ふたりで顔を見合わせて、混乱するだけだったわね。
本当に苦痛な授業を2回受けさせられて、叔母様が『続けてみない?』と聞くので、お断りしたの。
貴女には聞いてくれなかったんでしょ?
嫌々続けさせられていて、可哀想に思ってたのよ。
『他には何か習いたいものはない?』と聞かれたので、特に無かったけれど、叔母様が焼くお菓子は美味しかったから、それを教えて貰うことにしたの。
叔母様がとても喜んでくださったので、帝国語のことではがっかりさせたけれど、これは正解だった。
帝国語を習い始めて半年が過ぎた頃、辛そうだった貴女がいきなり片言で話せるようになりだしたわね。
流暢にではなかったけれど、とうとう先生と意思の疎通が出来るようになったの、と嬉しそうに言っていたのを、今でも覚えてる。
その時初めて、わたしは失敗したのかも、と思った……
わたしも同じ様に、諦めないで半年続けていたら?
話せるようになった?
同じ頃叔父様から中等学校卒業後の進路として、王都の高等学院の話を聞いたの。
昔とは違って淑女科や騎士科は廃止されて、普通科しかないこと。
入学試験を受けなくてはいけないことや、学生寮に入ること。
王都に住んでる自宅通学組は、中等部からの内部進学だけど成績は大したことないから、恐れなくていいこと。
地方から来ている寮生は、地元の秀才が来ているから、切磋琢磨して成績があがること。
女性だからと言って、男子生徒に遠慮などしなくていいこと。
叔父様は素晴らしいことのように仰ったけれど、わたしには無理だと思った。
だから、隣の領地のマナースクールに通いたいと伝えたの。
クレイトンでお家に余裕がある女の子は、皆そこへ通うから。
遠慮は要らない、と言われたけれど、遠慮などしていない。
ここに居たい、と言い続けたの。
毎週土曜の帝国語のレッスンが同じ邸内で行われているのが苦痛だった。
10歳を過ぎたら、リアンも参加していて、習得のスピードは貴女より早いらしいし。
それから逃げたくて第1土曜は孤児院、第3土曜は病院の慰問。
第2第4は刺繍のレッスンを入れて、なるべく邸には居ないようにしていたの。
ムーアの親戚が時々来たり、反対に招待されることもあったわね。
皆さん親切で最初は楽しいのだけれど、宴も半ばを過ぎれば、大人達は商売の話を始める。
そしてその中に、わたしと同じ年頃の子供達も混ざりだして意見を言ったりする。
ムーアの子供達が優秀過ぎて怖かった。
わたしはそれに参加出来ないの。
入るな、と言われたことはないけれど、理解出来ないから。
ぼろを出さずに済むように、余計なことは言わないで、微笑んでみせた。
小さい子供達の面倒を見る、女らしくて優しい子だと思って貰えるなら、それでいい。
それだけでいいから……ムーアじゃなくても、ここに居ても良いですか、って皆さんの前で言いたかった。
皆さんからいただくプレゼントもそうだった。
わたしには、素敵なドレスやアクセサリー、最新の恋愛小説。
ジェリーには、訳の分からない分厚い本や望遠鏡。
邸に設置された電話。
叔父様から使用方法を説明された。
叔母様が時間に気を付けて、ってわたしにも注意したけれど。
わたしは電話を使ったことはなかったの。
貴女には王都からお祖父様や従兄弟達から電話が来るし、掛けていたし。
だけど、わたしには誰も掛けてこない。
わたしには掛ける相手も居ない。
ずっと一緒に居たのに、わたしと貴女の世界は離れてしまった。
貴女が欲しいと願うものを、わたしも欲しい、と今度こそ努力すれば。
わたし達はまた近付ける?
段々意味もないのに笑うのに疲れてきて、ここはわたしの家だったのに、どうしてこんなに怯えなければいけないの。
ずっと愛想を振りまかないといけないの、理不尽じゃないの、って。
そんな鬱憤が貯まると、外で吐き出した。
だけど後から聞かれても『そんなこと、言ってません』って逃げられるように言葉や相手は選んでいたつもりだった。
そんな大事になると思わなかったの。
ちょっと可哀想に、って存在を認識して欲しかっただけ。
その結果リアンに怪我をさせるなんて。
叔父様にも叔母様にも、クリフォード達からも見棄てられて、ここでひとりぼっちになるなんて。
皆に……今まで聞かせた話は違うんです、と言えば変わるの?
誰に、どこまで回ったのか、分からない。
もうわたしには、何が正解なのか分からない。
分かっているのは。
ムーアの子供じゃなくて、ごめんなさい。
それだけは、確か……
32
お気に入りに追加
641
あなたにおすすめの小説

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス

さようなら、わたくしの騎士様
夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。
その時を待っていたのだ。
クリスは知っていた。
騎士ローウェルは裏切ると。
だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる