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今日こそ天のことを迎えに行かないと将に申し訳ないな。
けど、夜には永海と合コンをするから今日も遅くなると天にメッセージを送ると電話がかかってきてしまった。
天『ひぃ兄の家に取りに行きたいのあるんだけど。』
一「何?」
天『たくさん!いつ家に帰っていいの?』
一「今日はちゃんと夜に家帰るから待っててくれ。」
天『分かったよーぅ。絶対ね!』
俺は天に約束して夢衣と約束しているカフェに行くと、モモちゃんも一緒に来ていた。
桃汰「ひーくん、おはよー。」
夢衣「おはよー。」
2人して体全身を使って俺に手を振ってくるのでちょっと恥ずかしくなり、早く止めてもらうために駆け寄る。
一「おはよう。モモちゃんもいるんだ。」
夢衣「うん!ちょっとお膝借りた!」
桃汰「夢衣ちゃんの夢見が悪かったらしいから。」
…そうだったのか。
俺じゃなくてモモちゃんを呼んだのはきっと夢衣も俺と距離を置こうって思ってくれてるからなんだろうな。
一「寝不足?」
夢衣「ううん。ちゃんと寝れたよ!」
一「なら良かった。店入るか。」
俺たちは店に入り、看板メニューの具だくさんスープと焼きたて全粒粉パンを一緒に食べ進める。
その中でモモちゃんはずっと隣にいる夢衣のことを我が子のように見つめて、少しでも口が汚れると自分のナフキンを使って口を拭き満足そうにする。
俺が心配しなくても元からいい人を見つけられてたんだと思っていると、夢衣をずっと見ていたモモちゃんと目が合い笑顔を向けられる。
桃汰「ひーくんは夢衣ちゃんと付き合わないの?」
と、モモちゃんは俺たちの仲を遠慮なしに聞いてきた。
一「俺は元彼とは付き合わないです。」
夢衣「私も元彼とは付き合わない。」
2人してそう言ったけれど、夢衣の顔は少し寂しそうに見えてしまって思わず目を逸らしてしまった。
桃汰「そうなんだー?じゃあさ…」
モモちゃんは隣にいる夢衣に体を向けて両手を掴み、自分の胸に抱えると満面の笑みで夢衣に微笑みかけて、
「夢衣ちゃん。僕と付き合おう。」
と、夢衣の鼻先まで顔を近づけて言った。
夢衣「…え?でも、モモちゃん男の子が好きなんじゃないの?」
桃汰「どっちも好きだよ。僕、男の子“だけ”好きって言った覚えないよ?」
夢衣「あれ…?そうだっけ。」
桃汰「…ひーくんがいい?」
モモちゃんはだんだんと夢衣の顔に近づき、キスする寸前まで顔を近づけてしまう。
…俺は、俺はどうすればいいんだ?
友達として夢衣の恋愛を応援すべきか?
元彼として少し嫉妬を見せた方がいいのか?
俺として得体の知れない人間は辞めておけと言うべきか?
俺が夢衣に思うことで頭の中がぐちゃぐちゃになっていると、夢衣と一瞬目が合う。
けれど、その目は俺との想いを切るようにまぶたを閉じ、そのままモモちゃんと唇を重ねた。
夢衣「モモちゃん、恋人としてこれからもよろしく。」
桃汰「…え!?やったぁ♡♡♡」
そう言ってモモちゃんは夢衣に抱きつき、顔にいっぱいキスをする。
それを見て周りにいた客が2人の幸せそうな姿を見て小さく拍手を送る中、俺はどうしても祝福を送ることができなかった。
けど、夢衣の中でモモちゃんがいいなと思ったのなら俺はなにも口出ししない。
ただ、色々タイミングがずれただけできっとモモちゃんと付き合う事は決まっていたんだ。
桃汰「今からモモちゃんじゃなくて桃汰って夢衣ちゃんには呼んでほしいな。」
モモちゃんは嬉しそうにこれからの付き合い方を話す。
それは夢衣が求めていた彼氏像そのままで、夢衣は全てにOKを出していく。
桃汰「ひーくんと遊ぶ時は俺も呼んでね。」
夢衣「お仕事も…?」
桃汰「お仕事って1人で出来るでしょ?これから同棲するから働かなくてもいいけど。」
なんだかモモちゃんの言葉に胸がざわつく。
全部モモちゃんが決めて夢衣が頷くだけの様子が高校生の時、俺が夢衣と話していた様子に見えてしょうがない。
一「…好きなもの買えなくなるから働いた方がいいと思います。」
俺は今日の夜から一緒に寝ようねと話すモモちゃんの会話を割る。
桃汰「どうして?自分、結構稼ぎあるから大丈夫だよ?」
一「夢衣は大人だから自分で稼いだ方がいいと思います。」
桃汰「僕は夢衣ちゃんと過ごせる時間がいっぱい欲しいの。だってひーくんより夢衣ちゃんのこと好きだもん。」
…そう、だよな。
もう、彼氏になったモモちゃんに元彼でセフレだった俺は好きの量で勝てないよな。
だって、付き合うのはその人のことを自分の手で大切に守っていきたいって思うからそうするはずなんだ。
一「…そうですね。口出ししてごめんなさい。」
桃汰「謝らないでよー。ちょっとした考えの違いは誰にでもあるもん。」
そうモモちゃんは笑うけれど、その笑顔がどうしても父親が俺を殴った後の顔にそっくりで嫌だ。
俺はモモちゃんがどうしても好きになれないけど、夢衣にとってはいい相談相手だったんだよな。
俺はモモちゃんの隣にいる夢衣をふと見ると、何か言いたげだけど押し込んでいるような母さんの顔に見えてしょうがない。
なあ、夢衣。
本当に桃汰さんのこと好きなのか?
もし当てつけや気休め、寂しいものを埋めるためだったらまだ俺に頼ってほしいよ。
そいつよりも長い付き合いなんだから夢衣の嫌なことたくさん知ってるよ。
人目を寄せてしまう雨降るようなキスも、物を口まで運ばれて自分のペースで食べられないことも、友達の前で公開告白したりされるのも嫌いだろ?
なのになんで今は受け入れてるんだよ。
俺には嫌だって言ったくせに。
俺は夢衣の脆い表情を見てもう変わってしまったんだなと、そう思うようにした。
→ Hug
けど、夜には永海と合コンをするから今日も遅くなると天にメッセージを送ると電話がかかってきてしまった。
天『ひぃ兄の家に取りに行きたいのあるんだけど。』
一「何?」
天『たくさん!いつ家に帰っていいの?』
一「今日はちゃんと夜に家帰るから待っててくれ。」
天『分かったよーぅ。絶対ね!』
俺は天に約束して夢衣と約束しているカフェに行くと、モモちゃんも一緒に来ていた。
桃汰「ひーくん、おはよー。」
夢衣「おはよー。」
2人して体全身を使って俺に手を振ってくるのでちょっと恥ずかしくなり、早く止めてもらうために駆け寄る。
一「おはよう。モモちゃんもいるんだ。」
夢衣「うん!ちょっとお膝借りた!」
桃汰「夢衣ちゃんの夢見が悪かったらしいから。」
…そうだったのか。
俺じゃなくてモモちゃんを呼んだのはきっと夢衣も俺と距離を置こうって思ってくれてるからなんだろうな。
一「寝不足?」
夢衣「ううん。ちゃんと寝れたよ!」
一「なら良かった。店入るか。」
俺たちは店に入り、看板メニューの具だくさんスープと焼きたて全粒粉パンを一緒に食べ進める。
その中でモモちゃんはずっと隣にいる夢衣のことを我が子のように見つめて、少しでも口が汚れると自分のナフキンを使って口を拭き満足そうにする。
俺が心配しなくても元からいい人を見つけられてたんだと思っていると、夢衣をずっと見ていたモモちゃんと目が合い笑顔を向けられる。
桃汰「ひーくんは夢衣ちゃんと付き合わないの?」
と、モモちゃんは俺たちの仲を遠慮なしに聞いてきた。
一「俺は元彼とは付き合わないです。」
夢衣「私も元彼とは付き合わない。」
2人してそう言ったけれど、夢衣の顔は少し寂しそうに見えてしまって思わず目を逸らしてしまった。
桃汰「そうなんだー?じゃあさ…」
モモちゃんは隣にいる夢衣に体を向けて両手を掴み、自分の胸に抱えると満面の笑みで夢衣に微笑みかけて、
「夢衣ちゃん。僕と付き合おう。」
と、夢衣の鼻先まで顔を近づけて言った。
夢衣「…え?でも、モモちゃん男の子が好きなんじゃないの?」
桃汰「どっちも好きだよ。僕、男の子“だけ”好きって言った覚えないよ?」
夢衣「あれ…?そうだっけ。」
桃汰「…ひーくんがいい?」
モモちゃんはだんだんと夢衣の顔に近づき、キスする寸前まで顔を近づけてしまう。
…俺は、俺はどうすればいいんだ?
友達として夢衣の恋愛を応援すべきか?
元彼として少し嫉妬を見せた方がいいのか?
俺として得体の知れない人間は辞めておけと言うべきか?
俺が夢衣に思うことで頭の中がぐちゃぐちゃになっていると、夢衣と一瞬目が合う。
けれど、その目は俺との想いを切るようにまぶたを閉じ、そのままモモちゃんと唇を重ねた。
夢衣「モモちゃん、恋人としてこれからもよろしく。」
桃汰「…え!?やったぁ♡♡♡」
そう言ってモモちゃんは夢衣に抱きつき、顔にいっぱいキスをする。
それを見て周りにいた客が2人の幸せそうな姿を見て小さく拍手を送る中、俺はどうしても祝福を送ることができなかった。
けど、夢衣の中でモモちゃんがいいなと思ったのなら俺はなにも口出ししない。
ただ、色々タイミングがずれただけできっとモモちゃんと付き合う事は決まっていたんだ。
桃汰「今からモモちゃんじゃなくて桃汰って夢衣ちゃんには呼んでほしいな。」
モモちゃんは嬉しそうにこれからの付き合い方を話す。
それは夢衣が求めていた彼氏像そのままで、夢衣は全てにOKを出していく。
桃汰「ひーくんと遊ぶ時は俺も呼んでね。」
夢衣「お仕事も…?」
桃汰「お仕事って1人で出来るでしょ?これから同棲するから働かなくてもいいけど。」
なんだかモモちゃんの言葉に胸がざわつく。
全部モモちゃんが決めて夢衣が頷くだけの様子が高校生の時、俺が夢衣と話していた様子に見えてしょうがない。
一「…好きなもの買えなくなるから働いた方がいいと思います。」
俺は今日の夜から一緒に寝ようねと話すモモちゃんの会話を割る。
桃汰「どうして?自分、結構稼ぎあるから大丈夫だよ?」
一「夢衣は大人だから自分で稼いだ方がいいと思います。」
桃汰「僕は夢衣ちゃんと過ごせる時間がいっぱい欲しいの。だってひーくんより夢衣ちゃんのこと好きだもん。」
…そう、だよな。
もう、彼氏になったモモちゃんに元彼でセフレだった俺は好きの量で勝てないよな。
だって、付き合うのはその人のことを自分の手で大切に守っていきたいって思うからそうするはずなんだ。
一「…そうですね。口出ししてごめんなさい。」
桃汰「謝らないでよー。ちょっとした考えの違いは誰にでもあるもん。」
そうモモちゃんは笑うけれど、その笑顔がどうしても父親が俺を殴った後の顔にそっくりで嫌だ。
俺はモモちゃんがどうしても好きになれないけど、夢衣にとってはいい相談相手だったんだよな。
俺はモモちゃんの隣にいる夢衣をふと見ると、何か言いたげだけど押し込んでいるような母さんの顔に見えてしょうがない。
なあ、夢衣。
本当に桃汰さんのこと好きなのか?
もし当てつけや気休め、寂しいものを埋めるためだったらまだ俺に頼ってほしいよ。
そいつよりも長い付き合いなんだから夢衣の嫌なことたくさん知ってるよ。
人目を寄せてしまう雨降るようなキスも、物を口まで運ばれて自分のペースで食べられないことも、友達の前で公開告白したりされるのも嫌いだろ?
なのになんで今は受け入れてるんだよ。
俺には嫌だって言ったくせに。
俺は夢衣の脆い表情を見てもう変わってしまったんだなと、そう思うようにした。
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