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午前中に音己ねぇ誕生祭の買い物を終えて、愛子ちゃんレシピのケーキとクッキーの生地を作り、あとは焼くだけ。
まずはケーキのスポンジを焼いてからクッキーの生地を焼いていくことになり、俺と海斗はホラー映画を見る準備を始める。
今日見るのは少し前に話題になったピエロのホラー映画。
2本あるけどどっちも見たら夜飯が作れないので、とりあえず1本見ながらオーブンが空くのを待つ。
明「この量食べたらウサギになれそう。」
将「俺はなるなら馬かな。」
奏「ゾウもあり。」
と、奏・明・将は夜飯のご馳走に備えて昼は野菜てんこ盛りのサラダボウルを作る。
その野菜は車でたまたま通りかかった道の駅で見つけた規格外の野菜で、顔の大きさに近いトマトもあった。
一「夢衣、この間食ったトマト食べたい。」
俺は少し前、仕事終わりに夢衣が教えてくれた甘いトマトを思い出してお願いする。
夢衣「いいよー。」
夢衣は夜飯に使う寿司桶を洗いながら答えてくれる。
一「あのトマトだったら2個くらい使っても食べられる。」
俺はみんなの分も考えて特大トマト2つを夢衣に調理してもらうことにした。
夢衣「分かった!奏くん、トマト2個ちょうだい。」
夢衣は寿司桶を洗い終えてトマトを水洗いする奏にトマトを貰い、手際よく切って砂糖をふりかける。
明「砂糖…?」
夢衣「うん!甘々で美味しんだー♡」
明「へー!初めて知った!」
と、楽しそうに話す夢衣を見て、俺は安心して音己ねぇが待つ大きいTVがあるリビングに飲みものとグラスを持っていく。
シアタールームだと、迫力がありすぎて明と将がうるさそうと奏が言って日差しがある明るいリビングルームになった。
一「サイダーとジンジャーどっちがいい?」
音己「サイダー。」
俺は言われた通り、ソファーの中心に座りTVを見て暇つぶししている音己ねぇにサイダーを渡し、いつも通りその隣に座る。
2人でみんなが来るのをTVを見ながら待っていると、ボウル1つにポップコーンをこんもりに入れた海斗がDVDを脇に挟んでやって来た。
海斗「2人は絶対1番なんだな。」
一「他が遅いだけだろ。」
海斗「昼飯作ってもらってんだからそんな事言うな。」
そう言って、海斗は俺たちの前にあるローテーブルにポップコーンを置いてDVDをレーコーダーに入れる。
そういえばこの間もこんな感じだったような…。
「ごまドレとフレンチどっちがいいー?」
と、後ろから奏が2つのトレイを持って音己ねぇに見せるように手元を下げる。
音己「ツナは?」
奏「入ってない。」
音己「キッチンは?」
奏「なかった気がする。」
音己ねぇはそれを聞くと仕方なさそうに自分の手元から1番近い、ごまドレのサラダを取った。
奏「食べたいなら買い物行く前に言ってくれればいいのに。」
音己「今食べたくなった。」
そう言って、音己ねぇは野菜とごまドレを和え始めた。
奏は気分屋の音己ねぇに呆れながら俺の隣に座り、自分の持ってたサラダボとドレッシングを和え始める。
一「俺のはー?」
奏「夢衣さんと明が特製の作ってる。」
一「不味いの食えない。」
奏「不味くなるのものは作業台の上になかったから大丈夫なはず。」
と、不安しかない答えを言って笑う奏。
俺はまともな昼飯にありつけなさそうなことに落ち込んでいると、両手にサラダボウル乗ったトレイを持ってやってきた明と将はローテーブルに昼飯を置いていく。
一「俺のどれ?」
「これだよぉ♡」
と、最後にやってきた夢衣が俺にボウルを渡してくる。
その中身は葉物野菜だらけのみんなと違って、満天トマトと気持ち程度のミックスベジタブルが散りばめられてるだけのサラダボウル。
一「トマト食べたいって言ったけど、こういうことじゃない。」
夢衣「好きって言ったじゃん。」
明「好きって言ったじゃぁんっ。」
明は夢衣の後ろで潤目になって可愛い子ぶりながら呆れる俺のことを見る。
一「全部は無理。」
そう俺が言うと夢衣はまた拗ね始める。
けど、絶対食べきれない量を胃には入れられない。
一「夢衣と半分こ。」
夢衣「…ひーくんのだもんっ。」
数回交渉してもそう言い続けるから俺はしょうがなく夜飯に回すかと思っていると、急に夢衣は俺の前にしゃがみボウルに入ってるトマトを食べ出す。
一「一緒に食べるのか?」
夢衣「全部食べるし。」
夢衣は若干怒りながら自分の口に放り込んでいく。
一「…俺にも食わせて。」
夢衣「自分で食べればいいじゃん。」
一「夢衣の手で食べるのが1番美味い。」
そう言うと、夢衣はずっとボウルに下げていた目線を俺に向ける。
夢衣「大きいから口の傷、痛いよ。」
一「それでも夢衣の美味いトマト食べたい。」
俺は友達と幼馴染の音己ねぇの前で恥ずかしげもなく、夢衣のご機嫌を取るために嘘をつく。
これだから俺は嫌われるんだよなと思いながらも、今は1番機嫌を損ねてはいけない夢衣のご機嫌を取ることに専念する。
すると夢衣はまだ心から納得しない様子だったけれど、トマトを指でつまみ俺の口に入れる。
一「やっぱ美味いな。」
俺がそう言うと夢衣は嬉しそうに笑い、やっと機嫌が直った。
明「俺も1個食べていい?」
と、後ろで俺たちの様子を心配そうに見ていた明が作り笑顔で夢衣に話しかける。
夢衣「1個だけね!」
夢衣はそのまま笑顔で明の口にトマトを飛び込ませる。
すると明は目を輝かせて落ちかける頬を両手で抑える。
明「うまし!夜飯の時作って!?」
夢衣「いいよー♡」
夢衣は明の反応を見て嬉しそうに答えてソファーに座ってる俺の足元の間に座った。
そして夢衣は自分のサラダボウルを食べ始めるが、俺がトマトを胃に入れた頃合いを見計らってどんどん口に入れてくるので、映画鑑賞と言うよりフードファイトしてる気分の昼飯になってしまった。
→ なんだかんだ
まずはケーキのスポンジを焼いてからクッキーの生地を焼いていくことになり、俺と海斗はホラー映画を見る準備を始める。
今日見るのは少し前に話題になったピエロのホラー映画。
2本あるけどどっちも見たら夜飯が作れないので、とりあえず1本見ながらオーブンが空くのを待つ。
明「この量食べたらウサギになれそう。」
将「俺はなるなら馬かな。」
奏「ゾウもあり。」
と、奏・明・将は夜飯のご馳走に備えて昼は野菜てんこ盛りのサラダボウルを作る。
その野菜は車でたまたま通りかかった道の駅で見つけた規格外の野菜で、顔の大きさに近いトマトもあった。
一「夢衣、この間食ったトマト食べたい。」
俺は少し前、仕事終わりに夢衣が教えてくれた甘いトマトを思い出してお願いする。
夢衣「いいよー。」
夢衣は夜飯に使う寿司桶を洗いながら答えてくれる。
一「あのトマトだったら2個くらい使っても食べられる。」
俺はみんなの分も考えて特大トマト2つを夢衣に調理してもらうことにした。
夢衣「分かった!奏くん、トマト2個ちょうだい。」
夢衣は寿司桶を洗い終えてトマトを水洗いする奏にトマトを貰い、手際よく切って砂糖をふりかける。
明「砂糖…?」
夢衣「うん!甘々で美味しんだー♡」
明「へー!初めて知った!」
と、楽しそうに話す夢衣を見て、俺は安心して音己ねぇが待つ大きいTVがあるリビングに飲みものとグラスを持っていく。
シアタールームだと、迫力がありすぎて明と将がうるさそうと奏が言って日差しがある明るいリビングルームになった。
一「サイダーとジンジャーどっちがいい?」
音己「サイダー。」
俺は言われた通り、ソファーの中心に座りTVを見て暇つぶししている音己ねぇにサイダーを渡し、いつも通りその隣に座る。
2人でみんなが来るのをTVを見ながら待っていると、ボウル1つにポップコーンをこんもりに入れた海斗がDVDを脇に挟んでやって来た。
海斗「2人は絶対1番なんだな。」
一「他が遅いだけだろ。」
海斗「昼飯作ってもらってんだからそんな事言うな。」
そう言って、海斗は俺たちの前にあるローテーブルにポップコーンを置いてDVDをレーコーダーに入れる。
そういえばこの間もこんな感じだったような…。
「ごまドレとフレンチどっちがいいー?」
と、後ろから奏が2つのトレイを持って音己ねぇに見せるように手元を下げる。
音己「ツナは?」
奏「入ってない。」
音己「キッチンは?」
奏「なかった気がする。」
音己ねぇはそれを聞くと仕方なさそうに自分の手元から1番近い、ごまドレのサラダを取った。
奏「食べたいなら買い物行く前に言ってくれればいいのに。」
音己「今食べたくなった。」
そう言って、音己ねぇは野菜とごまドレを和え始めた。
奏は気分屋の音己ねぇに呆れながら俺の隣に座り、自分の持ってたサラダボとドレッシングを和え始める。
一「俺のはー?」
奏「夢衣さんと明が特製の作ってる。」
一「不味いの食えない。」
奏「不味くなるのものは作業台の上になかったから大丈夫なはず。」
と、不安しかない答えを言って笑う奏。
俺はまともな昼飯にありつけなさそうなことに落ち込んでいると、両手にサラダボウル乗ったトレイを持ってやってきた明と将はローテーブルに昼飯を置いていく。
一「俺のどれ?」
「これだよぉ♡」
と、最後にやってきた夢衣が俺にボウルを渡してくる。
その中身は葉物野菜だらけのみんなと違って、満天トマトと気持ち程度のミックスベジタブルが散りばめられてるだけのサラダボウル。
一「トマト食べたいって言ったけど、こういうことじゃない。」
夢衣「好きって言ったじゃん。」
明「好きって言ったじゃぁんっ。」
明は夢衣の後ろで潤目になって可愛い子ぶりながら呆れる俺のことを見る。
一「全部は無理。」
そう俺が言うと夢衣はまた拗ね始める。
けど、絶対食べきれない量を胃には入れられない。
一「夢衣と半分こ。」
夢衣「…ひーくんのだもんっ。」
数回交渉してもそう言い続けるから俺はしょうがなく夜飯に回すかと思っていると、急に夢衣は俺の前にしゃがみボウルに入ってるトマトを食べ出す。
一「一緒に食べるのか?」
夢衣「全部食べるし。」
夢衣は若干怒りながら自分の口に放り込んでいく。
一「…俺にも食わせて。」
夢衣「自分で食べればいいじゃん。」
一「夢衣の手で食べるのが1番美味い。」
そう言うと、夢衣はずっとボウルに下げていた目線を俺に向ける。
夢衣「大きいから口の傷、痛いよ。」
一「それでも夢衣の美味いトマト食べたい。」
俺は友達と幼馴染の音己ねぇの前で恥ずかしげもなく、夢衣のご機嫌を取るために嘘をつく。
これだから俺は嫌われるんだよなと思いながらも、今は1番機嫌を損ねてはいけない夢衣のご機嫌を取ることに専念する。
すると夢衣はまだ心から納得しない様子だったけれど、トマトを指でつまみ俺の口に入れる。
一「やっぱ美味いな。」
俺がそう言うと夢衣は嬉しそうに笑い、やっと機嫌が直った。
明「俺も1個食べていい?」
と、後ろで俺たちの様子を心配そうに見ていた明が作り笑顔で夢衣に話しかける。
夢衣「1個だけね!」
夢衣はそのまま笑顔で明の口にトマトを飛び込ませる。
すると明は目を輝かせて落ちかける頬を両手で抑える。
明「うまし!夜飯の時作って!?」
夢衣「いいよー♡」
夢衣は明の反応を見て嬉しそうに答えてソファーに座ってる俺の足元の間に座った。
そして夢衣は自分のサラダボウルを食べ始めるが、俺がトマトを胃に入れた頃合いを見計らってどんどん口に入れてくるので、映画鑑賞と言うよりフードファイトしてる気分の昼飯になってしまった。
→ なんだかんだ
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