一なつの恋

環流 虹向

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なんで女の体って触り心地がいいんだろう。

俺は横に寝ている女の少し横に流れた胸をつつく。

きっと男が女に惹かれるのはないものねだりの延長線なんだろう。

俺は朝まで乱戦し疲れ切って寝ている女の胸を堪能して起き上がり、シャワーを浴びる。

忘れてしまったけどだいぶ体を動かしたらしく、珍しく筋肉痛になってしまった。

これは全部姐さんのせい。
今度お詫びしてもらおう。

俺は風呂の中で髪を最大限のタオルドライをして、前髪を整える。
外は暑いからすぐ乾くだろうから、音を立てずに外に出れる。

そのまま服を着替えていると女が起きたのか、いつの間にかTVがついた。

残念、寝てる間にいなくなろうと思ったのに。

一「おはよー。」

俺はすりガラスの仕切り越しに女に話しかける。

「もう行っちゃうの?」

起きたてでも潤目で見てくる女。
そんな顔しても意味ないのに。

一「うん。今日、友達と朝から遊ぶ約束だったの忘れてた。」

「そっかー…。残念。」

俺は服を着替え終え、女がいるベッドに向かいながら水を取り渡す。

「ありがと。」

一「そんな顔、ちないでぇ。可愛いお顔が台無しだよぉう。」

俺は女の顔を顎から優しく掴み、キスする。

一「また一緒に楽しもうね。」

「…うん。」

恥ずかしいと耳が赤くなる人って本当にいるんだな。

俺はその耳を食べて首から谷間の方へキスしていく。
この柔らかい肌最高だなぁ。
人肌の温かさに自分から触れていくと生きてる感じがする。

「いっくん、あそ…」

俺はうるさい女の口に指を突っ込んで喋らせないようにし、ベッドにゆっくりと沈ませる。

一「うん、ちょっと遊んでからいく。」

そのまま病院に行くまでの時間、女と遊んで退屈な時間を潰す。

せっかくシャワー浴びたけどしょうがない。
女が気を飛ばすほど楽しんでくれたのを見て、俺は体だけシャワーを浴びて外に出る。

今日は定期的に行ってる泌尿器科で性病の検診にいく。
いつもつけてるけど念には念をってことで。

遊ぶにしても体が悪かったから思う存分楽しめないからな。
将の教えを守ってる俺は偉いなと思いつつ、いつもの街並みを眺めながら歩く。

病院に行った後、何もすることがないので奏にメッセージを送りながら日記をつける。

『7/2→7/3 どっかで会った女とカラオケ屋でばったり。男と女でないものねだり。』

そんなことを書いていると驚く速さでレスがくる。
奏はいつでも携帯を見てるのかと思うほどレスが早い。

『今、起きた。何もない。』

んー…、何しようかな。

俺は街中をぐるっと見渡して目に入ったものを書き入れる。

『岩盤浴は?』

『暑いでしょ。』

『そのあとジェラート屋に直行。』

『OK。』

奏の好きな甘いもので釣って家を出てきてもらうことにした。
今から準備したら1時間くらいで着くだろう。

俺は看板で見た店を調べながら病院に向かった。



→ ないものねだり
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