エンディングノート

環流 虹向

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TICKTACK

ゆったり買物

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今日はお腹が大きくなった織華と一緒に運動がてら、ベビー用品の下見に少し遠出にあるショッピングモールに来た。

明人「疲れたらすぐ言ってね。ここいっぱいベンチあるからいつでも休憩できる。」

織華「ありがとう。でも運動しに来たからいつもより多めに歩くよ。」

明人「分かった。無理しないでね。」

私は友達で初めて妊娠した織華の対応がイマイチ分からないまま、一緒にショッピングやたまたま開催されていたお笑いイベントを見てゆったりとその日を楽しむ。

体調が落ち着いた織華に仕事を辞めたことを電話で伝えたけど、私と一緒だと立ち仕事仲間としてお疲れ様と言ってくれた。

私は周りの環境に恵まれてるなと感じ、そろそろ仕事を探そうかなと思ったけど信之はもうちょっとゆっくりしていいよと言ってくれたのでそれに甘えることにした。

織華「プレゼント?」

と、私が男物の洋服を見ていると織華が聞いてきた。

明人「うん。今度の花火大会行く時に渡せたらいいなって思って。」

織華「あー!ピンキーリングもらったんだよね。アクセサリーにしないの?」

明人「信之ってアクセサリーつけてるところ見たことないし、ピアスの穴も開けたことなさそうだから違うものがいいかなって。」

織華「それか初めてのアクセサリーをプレゼントするのもありだよね。」

明人「…確かに。ありかも。」

なんだかんだその人に合わせたプレゼントを選んでたけど、普段貰わないものの方が印象に残っていいかも。

私は今までになかった選択肢も増やし、信之に似合いそうなものを織華と一緒に選んでちょっと奮発させてもらった。

明人「いっぱい歩いていい運動したね。」

織華「だね。ご飯食べよー。」

私たちはショッピングをひと段落させて温かい鍋屋さんに入り、休憩することにした。

織華「いい買い物したね。お互いプレゼントするの楽しみだね。」

と、織華は相変わらずのサプライズを決行するらしく、分かりやすく心が踊っている。

明人「うん。 晴大さんって意外と美容好きなんだね。」

織華「年取ってから乾燥肌になってシワ増えたって言ってたんだー。そんな変わらない気がするんだけどね。」

明人「分かるかも…。この間、私シミ見つけちゃったし…。」

織華「え!?どこ…?」

明人「このこめかみの所。小さい時にちゃんと日焼け止めしてなかったせいかも。」

私は織華にこの間気づいたシミを見せて、いない晴大さんと一緒に老いを感じる。

織華「今度フェイシャルエステ一緒に行く?私、子ども出来てからそういうの行けてないから行きたんだ。」

明人「確かに、いつも2人で行ってたもんね。もう予約しちゃおっか?」

織華「うん!来週あたり空いてたらいいなぁ。」

はぁぁ…、織華といると落ち着く…。

最近の織華は前よりも物腰が柔らかい気がして、お母さんになる準備を進めているのが目でも肌でも感じる。

私もそうなれる日がいつか来たらいいなと思ったけど、今のところ体に変化はない。

ただちょっと眠いのと、胃のだるさ、生理痛が一定の周期でやってくるこの体に飽き飽きする。

仕事がなくて自由になった私なのに、まだ胃のだるさと眠気があるのは体たらくをしているせいなのかな。

私は自分の今後について未来のお母さんと過ごしながら、頭端でぐるぐると考えた。


…………
朝・ピカイチサンド
昼・織華とお鍋

久しぶりの織華。
やっぱり、気持ちが安らぐのはオアシスさんと同じで物腰が柔らかいからかな。
…………


環流 虹向/エンディングノート
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