46 / 97
ANNIVERSARY
てばなし準備
しおりを挟む
お祭り後、お風呂で汗を流して信之を待ちながら洗濯物を畳んでいると非通知から電話がかかってきた。
私はいつも非通知に出る習慣がなかったので無視をしたら留守電が残されていたので聞いてみると、莉音の声で2分後にかける電話に絶対出ろと入っていた。
私はあと少しで帰ってくるはずの信之を頼りにして、またかかってきた非通知に出る。
明人「なに?」
莉音『付き合お。』
私はその一言で電話を切るとまたかかっきたので拒否ボタンを押すけれど、何度もかかってくるのでもう一度だけ出ることにした。
明人「なに?」
莉音『デートしよ。』
明人「やだよ。妥協で成くんいないと無理。」
なんなの?
今更デートしたいって言ってくるの腹立つ。
莉音『えー…。あっ♡いいよー♡』
と、莉音は何かを思いついたのか、嬉しそうな声でそう言った。
明人「やっぱりやだ。忙しいし、今日も無理して休みにしたし。」
莉音『それは嘘だろ。元は彼氏誘ってたんだし、俺にはまだ秋と冬がある。』
…そんな長いことまだ会わないといけないの?
だるい、だるい、だるすぎる。
なんで今頃になって私をかまいだしたのかと思ったら、お見合いしたくないって理由で私だったらわがまま放題出来るから連れて行こうとしてるんだよね?
昔のことがなかったら莉音との将来をちゃんと考えることもあったんだろうけど、ああいうことされたら考える時間さえ惜しいって思うよ。
明人「時間が合えばになるよ。それがいつになるか分からないし、来年になるかも。」
莉音『来年なら空き日多いってこと?』
明人「違う。来年の方が忙しい。」
莉音『どういうことー。』
こっちが聞きてぇよ。
なんでこんなに拒否ってるのに一度も引かねぇんだよ。
莉音『とりあえず、またカフェで会ったら日程決めよ。じゃあねー。』
と、莉音はいつも通り自分中心で話を進めて電話を終えた。
…MGRには行きたいけど、しばらくはなしかな。
私が朝ごはんに飢えることを確信していると、鍵が刺さる音が聞こえて軋む扉が開いた。
信之「ただいまー。」
仕事から帰ってきた信之はいつも通り私にただいまを言って靴も揃えず、1番に私の頬にキスにしてくれた。
明人「おかえり。」
信之「もうお風呂入ったんだね。俺も入っちゃおっかな。」
明人「うん。そのあとごはん食べて花火ね。」
信之「うん。サッと入ってくる。」
そう言って朝にいつも準備しておく部屋着を取って信之はお風呂に向かった。
私は信之とすぐにごはんを食べれるようにお祭りで買った焼きそばとたこ焼きを温めてテーブルの上に並べていると、信之はすぐにお風呂から上がってきた。
明人「温めたよ。」
信之「ありがとう。祭り、楽しかった?」
と、何も知らない信之はいつもの定位置に座ったので私もすぐに座る。
明人「お祭りは良かったけど、連れ人が嫌だった。」
信之「そっか。嫌なことされた?」
…成くんから聞いてないのかな。
護衛係だったのに、ちゃんと役目果たせなかったから伝えてないのかも。
明人「…莉音に水あめ取られてキスされた。」
信之「ごめん…。」
信之は少し歪む私の顔を見ると申し訳なさそうな顔をして、キスの上塗りをしてくれるようにうがい薬の舌で私の口の中を殺菌してくれる。
信之「祭りを楽しんでほしかっただけなのに…。本当にごめん。」
明人「いいよ。けど、来年は一緒に行こ?やっぱり信之がいないと楽しくない。」
信之「うん。行こう。ちゃんと休み調節するね。」
明人「ありがとう。来年が楽しみだなぁ。」
私はしっかりと来年の約束を取り付けて、信之と将来の約束をした。
けど、これをあと4回繰り返したら信之は『いいよ。』って言ってくれなくなるのかな。
そのときは今の信之が私と一緒にいたいと思ってる気持ちよりも、もっとそう思ってもらえるように頑張らなきゃ。
だからずっと夏祭りも、クリスマスも、お正月も、誕生日も、何回も同じ日が繰り返しても信之が私と一緒にいたいと思えるような人になろう。
私はその日から毎日明日の約束をして、信之との時間を増やしていくことにした。
…………
夜・たこ焼き 焼きそば
信之と一緒にいられる時間が私の幸せ。
それをちゃんと分かってもらおう。
おやすみ、信之・明人
…………
環流 虹向/エンディングノート
私はいつも非通知に出る習慣がなかったので無視をしたら留守電が残されていたので聞いてみると、莉音の声で2分後にかける電話に絶対出ろと入っていた。
私はあと少しで帰ってくるはずの信之を頼りにして、またかかってきた非通知に出る。
明人「なに?」
莉音『付き合お。』
私はその一言で電話を切るとまたかかっきたので拒否ボタンを押すけれど、何度もかかってくるのでもう一度だけ出ることにした。
明人「なに?」
莉音『デートしよ。』
明人「やだよ。妥協で成くんいないと無理。」
なんなの?
今更デートしたいって言ってくるの腹立つ。
莉音『えー…。あっ♡いいよー♡』
と、莉音は何かを思いついたのか、嬉しそうな声でそう言った。
明人「やっぱりやだ。忙しいし、今日も無理して休みにしたし。」
莉音『それは嘘だろ。元は彼氏誘ってたんだし、俺にはまだ秋と冬がある。』
…そんな長いことまだ会わないといけないの?
だるい、だるい、だるすぎる。
なんで今頃になって私をかまいだしたのかと思ったら、お見合いしたくないって理由で私だったらわがまま放題出来るから連れて行こうとしてるんだよね?
昔のことがなかったら莉音との将来をちゃんと考えることもあったんだろうけど、ああいうことされたら考える時間さえ惜しいって思うよ。
明人「時間が合えばになるよ。それがいつになるか分からないし、来年になるかも。」
莉音『来年なら空き日多いってこと?』
明人「違う。来年の方が忙しい。」
莉音『どういうことー。』
こっちが聞きてぇよ。
なんでこんなに拒否ってるのに一度も引かねぇんだよ。
莉音『とりあえず、またカフェで会ったら日程決めよ。じゃあねー。』
と、莉音はいつも通り自分中心で話を進めて電話を終えた。
…MGRには行きたいけど、しばらくはなしかな。
私が朝ごはんに飢えることを確信していると、鍵が刺さる音が聞こえて軋む扉が開いた。
信之「ただいまー。」
仕事から帰ってきた信之はいつも通り私にただいまを言って靴も揃えず、1番に私の頬にキスにしてくれた。
明人「おかえり。」
信之「もうお風呂入ったんだね。俺も入っちゃおっかな。」
明人「うん。そのあとごはん食べて花火ね。」
信之「うん。サッと入ってくる。」
そう言って朝にいつも準備しておく部屋着を取って信之はお風呂に向かった。
私は信之とすぐにごはんを食べれるようにお祭りで買った焼きそばとたこ焼きを温めてテーブルの上に並べていると、信之はすぐにお風呂から上がってきた。
明人「温めたよ。」
信之「ありがとう。祭り、楽しかった?」
と、何も知らない信之はいつもの定位置に座ったので私もすぐに座る。
明人「お祭りは良かったけど、連れ人が嫌だった。」
信之「そっか。嫌なことされた?」
…成くんから聞いてないのかな。
護衛係だったのに、ちゃんと役目果たせなかったから伝えてないのかも。
明人「…莉音に水あめ取られてキスされた。」
信之「ごめん…。」
信之は少し歪む私の顔を見ると申し訳なさそうな顔をして、キスの上塗りをしてくれるようにうがい薬の舌で私の口の中を殺菌してくれる。
信之「祭りを楽しんでほしかっただけなのに…。本当にごめん。」
明人「いいよ。けど、来年は一緒に行こ?やっぱり信之がいないと楽しくない。」
信之「うん。行こう。ちゃんと休み調節するね。」
明人「ありがとう。来年が楽しみだなぁ。」
私はしっかりと来年の約束を取り付けて、信之と将来の約束をした。
けど、これをあと4回繰り返したら信之は『いいよ。』って言ってくれなくなるのかな。
そのときは今の信之が私と一緒にいたいと思ってる気持ちよりも、もっとそう思ってもらえるように頑張らなきゃ。
だからずっと夏祭りも、クリスマスも、お正月も、誕生日も、何回も同じ日が繰り返しても信之が私と一緒にいたいと思えるような人になろう。
私はその日から毎日明日の約束をして、信之との時間を増やしていくことにした。
…………
夜・たこ焼き 焼きそば
信之と一緒にいられる時間が私の幸せ。
それをちゃんと分かってもらおう。
おやすみ、信之・明人
…………
環流 虹向/エンディングノート
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R18】優しい嘘と甘い枷~もう一度あなたと~
イチニ
恋愛
高校三年生の冬。『お嬢様』だった波奈の日常は、両親の死により一変する。
幼なじみで婚約者の彩人と別れなければならなくなった波奈は、どうしても別れる前に、一度だけ想い出が欲しくて、嘘を吐き、彼を騙して一夜をともにする。
六年後、波奈は彩人と再会するのだが……。
※別サイトに投稿していたものに性描写を入れ、ストーリーを少し改変したものになります。性描写のある話には◆マークをつけてます。
十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
和泉杏咲
恋愛
私は、もうすぐ結婚をする。
職場で知り合った上司とのスピード婚。
ワケアリなので結婚式はナシ。
けれど、指輪だけは買おうと2人で決めた。
物が手に入りさえすれば、どこでもよかったのに。
どうして私達は、あの店に入ってしまったのだろう。
その店の名前は「Bella stella(ベラ ステラ)」
春の空色の壁の小さなお店にいたのは、私がずっと忘れられない人だった。
「君が、そんな結婚をするなんて、俺がこのまま許せると思う?」
お願い。
今、そんなことを言わないで。
決心が鈍ってしまうから。
私の人生は、あの人に捧げると決めてしまったのだから。
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
東雲美空(28) 会社員 × 如月理玖(28) 有名ジュエリー作家
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました
せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。
舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。
専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。
そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。
さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。
その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。
海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。
会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。
一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。
再会の日は……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる