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はれのちはるくん
213:02:28
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あもんさんはまた3人で遊ぶ約束をしっかり取り付けて、夜からの仕事に向かった。
私と春馬くんはそのまま遊ぶ気もなかったので流れでなんとなく春馬くんの家に帰ってしまったけれど、春馬くんは全く気にする様子なくうたた寝し始めた。
暇になった私はソファーでごろつきながら本当なら今頃時音に会いに行ってたなと考えながら心臓にチクチク刺す痛みを感じていると、今日のブログが更新された。
今日の時音は大人数で焼肉を食べたらしい。
しかも本場のキムチや石焼ビビンバも楽しんだみたい。
同じものを食べたはずなのに体の中が満たされていない感じがするのは、隣にいるのが時音じゃなくて春馬くんだからなのかなと思っているとその空気の揺らぎに気づいたのか寝ていた春馬くんが起きた。
春馬「…きょう、とまってく?」
と、寝ぼけ半分で春馬くんは聞いてきた。
幸来未「んー…、泊まってこうかな。」
春馬「じゃ…、さきに風呂いいよ…。」
そう言って春馬くんはベッド下の収納から部屋着を取り出し、床に投げ捨ててまた寝だした。
久しぶりに体を動かして疲れてしまったのか私がシャワーを終えても春馬くんは寝ていて、相当あもんさんとはしゃいだことが分かる。
私はベッド横に座り、うつ伏せで寝ている春馬くんのふくらはぎをズボン上からグリグリとツボを押していると、春馬くんは久しぶりに甘い吐息を漏らし少し不服そうな顔を私に見せた。
春馬「…ひまなの?」
幸来未「疲れてるっぽいからマッサージしよっかなって。」
春馬「いい。こっちきて。」
と、春馬くんは壁側のベッドスペースを叩き、私を呼んだ。
私は誘われるがまま、ベッドに横になりずっと寝ぼけた顔をする春馬くんと一緒に布団を被る。
春馬「片想いの人ってあもん?」
そう聞いてきた春馬くんと目を合わせると、さっきまで垂れていた目がしっかりと張って私を一直線に見ていた。
幸来未「違うよ。」
春馬 「そっか…。」
それを聞いて春馬くんはどうするのって感じだし、それを聞くってことは“友達”って思ってくれてないってことなのかな。
春馬「今度2人で楠木坂のイルミネーション見にいかない?」
幸来未「…なんで。」
なんで、そんなとこに改まって誘うの…?
私、そういう春馬くんなら駆け落ちした後も会おうだなんて思わなかったんだけど。
春馬「あそこら辺に西宮が好きなケーキ屋がたくさんあるからさ、ケーキ屋巡りつつイルミネーション見て夜飯にさっぱり系のレモン鍋とかどう?」
…そんなしっかりデートプラン組んじゃってるんだ。
幸来未「レモン鍋、食べたことない。」
春馬「酸味が効いてるけど少し甘みもあって美味しいよ。行く?」
幸来未「うん。」
春馬「じゃあ来週の木曜でいい?」
幸来未「うん。」
春馬「分かった。楽しみ。」
そう言って春馬くんは私に背を向けてまた眠り出した。
私は布団の中に少し冷気が入ってくる隙間を感じながらベッド脇に寄り、寝相で春馬くんに触れないように気を張りながら眠りについた。
環流 虹向/23:48
私と春馬くんはそのまま遊ぶ気もなかったので流れでなんとなく春馬くんの家に帰ってしまったけれど、春馬くんは全く気にする様子なくうたた寝し始めた。
暇になった私はソファーでごろつきながら本当なら今頃時音に会いに行ってたなと考えながら心臓にチクチク刺す痛みを感じていると、今日のブログが更新された。
今日の時音は大人数で焼肉を食べたらしい。
しかも本場のキムチや石焼ビビンバも楽しんだみたい。
同じものを食べたはずなのに体の中が満たされていない感じがするのは、隣にいるのが時音じゃなくて春馬くんだからなのかなと思っているとその空気の揺らぎに気づいたのか寝ていた春馬くんが起きた。
春馬「…きょう、とまってく?」
と、寝ぼけ半分で春馬くんは聞いてきた。
幸来未「んー…、泊まってこうかな。」
春馬「じゃ…、さきに風呂いいよ…。」
そう言って春馬くんはベッド下の収納から部屋着を取り出し、床に投げ捨ててまた寝だした。
久しぶりに体を動かして疲れてしまったのか私がシャワーを終えても春馬くんは寝ていて、相当あもんさんとはしゃいだことが分かる。
私はベッド横に座り、うつ伏せで寝ている春馬くんのふくらはぎをズボン上からグリグリとツボを押していると、春馬くんは久しぶりに甘い吐息を漏らし少し不服そうな顔を私に見せた。
春馬「…ひまなの?」
幸来未「疲れてるっぽいからマッサージしよっかなって。」
春馬「いい。こっちきて。」
と、春馬くんは壁側のベッドスペースを叩き、私を呼んだ。
私は誘われるがまま、ベッドに横になりずっと寝ぼけた顔をする春馬くんと一緒に布団を被る。
春馬「片想いの人ってあもん?」
そう聞いてきた春馬くんと目を合わせると、さっきまで垂れていた目がしっかりと張って私を一直線に見ていた。
幸来未「違うよ。」
春馬 「そっか…。」
それを聞いて春馬くんはどうするのって感じだし、それを聞くってことは“友達”って思ってくれてないってことなのかな。
春馬「今度2人で楠木坂のイルミネーション見にいかない?」
幸来未「…なんで。」
なんで、そんなとこに改まって誘うの…?
私、そういう春馬くんなら駆け落ちした後も会おうだなんて思わなかったんだけど。
春馬「あそこら辺に西宮が好きなケーキ屋がたくさんあるからさ、ケーキ屋巡りつつイルミネーション見て夜飯にさっぱり系のレモン鍋とかどう?」
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幸来未「うん。」
春馬「じゃあ来週の木曜でいい?」
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春馬「分かった。楽しみ。」
そう言って春馬くんは私に背を向けてまた眠り出した。
私は布団の中に少し冷気が入ってくる隙間を感じながらベッド脇に寄り、寝相で春馬くんに触れないように気を張りながら眠りについた。
環流 虹向/23:48
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