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第26話 気が付いてない?
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勢いよく執務室の扉を開けたミレリーを部屋にいた従者が一斉に注視した。
人数があれば仕事も捗るので、今日はいつもよりも早めとなるが全員が切り上げて帰ろうとしていた所だった。
「ジェルマノは?ジェルマノは何処?」
「殿下でしたら、今日片付ける執務はもうありませんので部屋に戻られたかと」
「終わった?執務がもう終わったと言うの?」
「は、はい」
「見せなさい」
「え?」
「やったと言う執務を見せなさいと言ってるの!」
従者達の顔色が少しだけ悪くなったのをミレリーは見逃さなかった。
片付けられた書類をファイルに纏めた棚から無造作に数冊を抜き取り、机に腰掛けてぱらぱらと捲る。
20行以上になった計算は細かい部分までは直ぐに計算は出来なかったが金額として「加減算」は合っているだろうとミレリーは思ったが、何気にタイトルに目が向いてしまった。
「どう言う事?」
「どう言うとは・・・」
「この事業!予定では・・・そっちも見せて!」
無造作に机に叩きつけた数冊のファイルを揃えようと手を出した従者からミレリーはファイルをひったくった。ここで見るのは金額ではない。事業の概要だ。
次々にファイルを捲り始めて概要に目を走らせ、腰掛けた腰を浮かせて立ち上がると棚に残ったファイルを1冊1冊確認をして終わった順に床に投げていく。
「どれもこれも‥‥どういう事?説明をして!」
「説明と言われましても・・・殿下はもう承認をされ――」
「五月蠅いっ!何故これで承認なの?おかしいじゃない!」
ミレリーがジェルマノに大量の執務をさせ始めてからは税収も上向きの傾向にあった。国の事業として行うので滞りがちだった経済が多くの労働者に金が支払われるようになり、月を追うごとに好転し始めていたのだ。
だが、手にしたファイルにある事業内容はどれもこれも軽微な事業ばかりになっていて、これら全てが上手く回っても今以上の伸び率は見込めず、良くて横ばい。
ミレリーの描いた絵の通りにはならない事を示していた。
「大規模な事業の筈よ。これは羊毛事業(バンッ!)羊の飼育数は倍増させるはずだったでしょう?こっちは湾内の養殖を更に増やすために稚魚を卵から浮かさせる仕組みを一新する筈だった!(バンッ)それから!こんな限界集落の崩落をどうのこうのする前に大街道の拡張を指示したはずよ!」
「あの・・・畏れながら・・・」
「何よ!」
「それらの事業ですが、この3カ月・・・4カ月になるのですが他国からの輸入に制限が掛かりましたので縮小の方向で見直しをするしかなかったのです。材料が入って来ないのに計画をしても何も出来ませんから」
「だったら輸入の量を増やせばいいでしょう!そんな事も判らないの?その頭には何が詰まってるの?ヘドロ?」
「輸入を増やそうにも相手の国が輸出量の制限をしています。枠を目一杯使っていて・・・」
「何が言いたいの?」
「さっ。昨年まではルドヴィカ様がその都度大使などと面会をして限定的な増減を話し合ってくれたのです。今年度はどうするのかと問い合わせは大使からは来ていたようですけど、殿下がその時は膨大な執務に追われて返事をするのも後回しとせざるを得ず、期限が切れた物から――」
「こんな時に居なくなった役立たずの名前を出すんじゃないわよ!どうにかするのがアンタたちの仕事でしょう?事業縮小する前に大使館に行って頭の一つでも下げて来なさいよ!」
「それをするのが今までは王族・・・ルドヴィカ様だったんですッ!」
バシッ!!ガターン!!
ミレリーが手にしていたファイルで従者を思い切り叩き、従者は尻もちをついて倒れ込んだ。
「私に頭を下げて来いと?どの口が言ってるの?」
床に散らばったファイルを踏みつけたミレリーは従者に「やり直しなさい」と命じた。
しかし、やり直しをするにも限られた予算の中で買える物は少なく、計画の4分の1も購入できない。予算を増やせば買えるかも知れないがその予算にも限りがある。
その上、既に終わった事業の支払いの期日も近かった。
その中には他国に「ツケ」で購入している費用の支払いも含まれていてそれらは全て数週間のうちに支払日が来るものばかり。
支払いをするのは当たり前だが、労働者に分配する前に国庫が底を突く。
当面は自転車操業でも仕方がないと税収をあてにしていたが、その税収も上手く回っていたのはジェルマノが書類に囲まれる前の話。
勿論従者達は敢えてジェルマノには伝えていないし、税収が急激に先細るように仕組んだ。
大きな税収が見込めるものは先送りか廃案。
事が足りている様に見せるのも間者であり従者の仕事。
対象を騙し信用させる技量がなければ懐には入り込めない。
余りにも急激に税収が減ればバレる可能性は高まるので女をあてがった。
ニコレッタにジェルマノが堕ちるかどうかは賭けの面があった事は否めなかった。ジェルマノが可愛さ余って憎さ100倍と長期間見つからないルドヴィカへの思いが反転していればニコレッタには見向きもしなかっただろう。
が、見事までにジェルマノは自らガッツリと嵌ってくれて今や恋に溺れる男と化した。
早めに執務を終えればニコレッタの元にいそいそと通っていく。
事業が縮小したことよりも執務を早く終えてニコレッタの事しか考えられなくなる。
本国からの指示通り、順調に弱体化進めて行った従者。
ミレリーも人にやらせるだけで自身は動こうとはしないので楽勝の筈だった。
間者でもある従者達の心に少し焦りが生まれた。
「妃殿下、先ずは・・・殿下と両陛下と話し合って頂いて・・・各国と折衝を持つのが先決かと」
「だったらどうして先に期限が来ますと私に言わないのよ。私はね!一声でベトンス王国の期日を伸ばす事が出来るのよ?期限が切れたものまでどうして私がいちいち出張ってやらないといけないのよ。どこまで人をこき使うきなのかしらねッ!」
従者は顔を見合わせる。ミレリーの言っているのがルドヴィカがベトンス王国まで出向いて結んで来た条約だと言う事は解るのだが、ベトンス王国は「間もなく期日」としか連絡をしてきていない。
(あ、やっぱりこの女、気が付いてない)
従者達はホッと胸を撫でおろした。
この場で怒りの声をあげるのがルドヴィカなら「THE END」だったが、ミレリーなら何とでも誤魔化せる。
「解りました。では数日のうちに我々で各国の大使に連絡を取り、輸出量の時限的増枠、支払いの延期を話し合ってきます。その時にどうしても・・・と言う場合は妃殿下のお力を借りることになるかも知れません」
「判ればいいのよ。まぁ…どうにもならない時は言ってきなさい。一声でどうとでもしてあげるわ。でもね?いい?最新のドレスは夜会で来てこそドレスなのよ。夜会が終わった後に仕上がったドレスなんて誰も着る人なんかいないのよ?お判り?期日が来てどうにもならないなんてくだらない話は二度としないで」
「えぇ。肝に銘じて。殿下も妃殿下ほど聡明なら我々も妃殿下のお手を煩わせる事はないのですが」
「仕方ないわよ。未だに居なくなった人間の影を追う愚か者なんだから」
気をよくしたミレリーは部屋から出て行ったが、従者達は予定通りこの後は休暇を満喫する。
心にあるのは「もしかすると帰国の日が早まる?」と家族に会える日が予定より早くなるかも?という幸福感だった。
★~★
読んでくださってありがとうございます。
ゆっくりと夕食を召し上がって頂きたいので、次の話は20時10分です(*^-^*)
その先は…第4コーナーを回った猫大爆走!写真判定になるのでご注意を(;^_^A
人数があれば仕事も捗るので、今日はいつもよりも早めとなるが全員が切り上げて帰ろうとしていた所だった。
「ジェルマノは?ジェルマノは何処?」
「殿下でしたら、今日片付ける執務はもうありませんので部屋に戻られたかと」
「終わった?執務がもう終わったと言うの?」
「は、はい」
「見せなさい」
「え?」
「やったと言う執務を見せなさいと言ってるの!」
従者達の顔色が少しだけ悪くなったのをミレリーは見逃さなかった。
片付けられた書類をファイルに纏めた棚から無造作に数冊を抜き取り、机に腰掛けてぱらぱらと捲る。
20行以上になった計算は細かい部分までは直ぐに計算は出来なかったが金額として「加減算」は合っているだろうとミレリーは思ったが、何気にタイトルに目が向いてしまった。
「どう言う事?」
「どう言うとは・・・」
「この事業!予定では・・・そっちも見せて!」
無造作に机に叩きつけた数冊のファイルを揃えようと手を出した従者からミレリーはファイルをひったくった。ここで見るのは金額ではない。事業の概要だ。
次々にファイルを捲り始めて概要に目を走らせ、腰掛けた腰を浮かせて立ち上がると棚に残ったファイルを1冊1冊確認をして終わった順に床に投げていく。
「どれもこれも‥‥どういう事?説明をして!」
「説明と言われましても・・・殿下はもう承認をされ――」
「五月蠅いっ!何故これで承認なの?おかしいじゃない!」
ミレリーがジェルマノに大量の執務をさせ始めてからは税収も上向きの傾向にあった。国の事業として行うので滞りがちだった経済が多くの労働者に金が支払われるようになり、月を追うごとに好転し始めていたのだ。
だが、手にしたファイルにある事業内容はどれもこれも軽微な事業ばかりになっていて、これら全てが上手く回っても今以上の伸び率は見込めず、良くて横ばい。
ミレリーの描いた絵の通りにはならない事を示していた。
「大規模な事業の筈よ。これは羊毛事業(バンッ!)羊の飼育数は倍増させるはずだったでしょう?こっちは湾内の養殖を更に増やすために稚魚を卵から浮かさせる仕組みを一新する筈だった!(バンッ)それから!こんな限界集落の崩落をどうのこうのする前に大街道の拡張を指示したはずよ!」
「あの・・・畏れながら・・・」
「何よ!」
「それらの事業ですが、この3カ月・・・4カ月になるのですが他国からの輸入に制限が掛かりましたので縮小の方向で見直しをするしかなかったのです。材料が入って来ないのに計画をしても何も出来ませんから」
「だったら輸入の量を増やせばいいでしょう!そんな事も判らないの?その頭には何が詰まってるの?ヘドロ?」
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「何が言いたいの?」
「さっ。昨年まではルドヴィカ様がその都度大使などと面会をして限定的な増減を話し合ってくれたのです。今年度はどうするのかと問い合わせは大使からは来ていたようですけど、殿下がその時は膨大な執務に追われて返事をするのも後回しとせざるを得ず、期限が切れた物から――」
「こんな時に居なくなった役立たずの名前を出すんじゃないわよ!どうにかするのがアンタたちの仕事でしょう?事業縮小する前に大使館に行って頭の一つでも下げて来なさいよ!」
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ミレリーが手にしていたファイルで従者を思い切り叩き、従者は尻もちをついて倒れ込んだ。
「私に頭を下げて来いと?どの口が言ってるの?」
床に散らばったファイルを踏みつけたミレリーは従者に「やり直しなさい」と命じた。
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従者は顔を見合わせる。ミレリーの言っているのがルドヴィカがベトンス王国まで出向いて結んで来た条約だと言う事は解るのだが、ベトンス王国は「間もなく期日」としか連絡をしてきていない。
(あ、やっぱりこの女、気が付いてない)
従者達はホッと胸を撫でおろした。
この場で怒りの声をあげるのがルドヴィカなら「THE END」だったが、ミレリーなら何とでも誤魔化せる。
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気をよくしたミレリーは部屋から出て行ったが、従者達は予定通りこの後は休暇を満喫する。
心にあるのは「もしかすると帰国の日が早まる?」と家族に会える日が予定より早くなるかも?という幸福感だった。
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読んでくださってありがとうございます。
ゆっくりと夕食を召し上がって頂きたいので、次の話は20時10分です(*^-^*)
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