14 / 34
第14話 沈黙の時間
しおりを挟む
国と国の付き合いは目に見える部分では仲良く手を取り合い、時に固い握手を交わすものだが見えない部分は違う。より早く相手の弱みを掴んで取引を有利に進めようと間者を送りこんだり、王族間で姻戚関係となってより深い情報を得ようと試みる。
メッサーラ王国はダニエレ以外にも王宮内には何人も間者を送り込んでいる。
それは隣国も同じ。
莫大な鉱山の利益に胡坐をかいている間に、どうすれば利を産むかと考えた国は大きく差がついた。
ルドヴィカが折衝に向かった隣国の名はベトンス王国。
ベトンス王国が折衝で欲したのは国境を接する山の稜線付近に鉄塔を建てる事。
何の鉄塔かと言えば電波の中継をする為の鉄塔だった。
国王は最初その話を聞いた時に「櫓か?」と考えた。
電波と言う目に見えないものを何度文官が説明をしても理解出来なかった。
国王が理解をしたのは国境付近の櫓については穀物の関税。税収も毎年右肩下がりで回復が見込めないため隣国への輸出に関しては関税を引き下げることと枠の拡大、輸入については引き上げ。
そうすれば隣国で売られるこの国の穀物は安い価格で提供できるようになり、輸出量が増える。ベトンス王国からの品には高い関税となるので今よりも税収が見込める。
「櫓の設置を許可するんだ。それくらいは飲ませろ」
ルドヴィカに無茶苦茶な要求を飲ませろと指示はしたが、折衝は折り合いをつける場でもあるため「譲歩案」も国王はルドヴィカに指示をしていた。
――まさか今になってやはり折衷案は飲めないなどと言うのでは?――
そうなればこの場にルドヴィカがいないのは非常に不味い。
パレードに出ているからと逃げられるのは僅かな時間となる。パレードが終われば2人だけでなく国王たちも城に戻るのは当然のことで「ご一緒しましょう」と言われてしまえば逃げ場も無い。
「本日は誠に目出度いですな」
まだどうすべきか迷いがあり、方向性が定まらない国王の元にベトンス王国の大使夫妻が現れた。
「いえ、忙しい中参列を下さり感謝にたえません。ささ、どうぞお座りください」
「いや、確認のみですので結構」
強い固辞の言葉に国王の肩はビクリと跳ねた。
愛想笑いを浮かべながら大使の顔を見る。立場としては国王の方が圧倒的に上なのだが腹をすかせた蛇の前に飛び出したカエルになった心境。
「いやはや素晴らしい式だった。ご子息もさぞかしこの日を迎えられて感無量だったと見える」
「そ、そうですな・・・もう19年も婚約をしておりましたので」
「このように大事な式の間際まで一行を我が国に足止めをしてしまい申し訳ない」
「いやいや、これも王族となれば避けては通れない道。良い経験になった事でしょう」
「ははっ、なんと人が悪い」
「え?」
「成婚と同時に代替わりの戴冠式。他国の大使もこのサプライズには国への報告をどうするかとご子息とは違った意味で言葉を失っておりましたよ」
急場しのぎだとは言え、戴冠式でしか身につけないマントを引っ張り出したのは悪手だった。
戴冠式のマントはその国を背負うと言う意味があり、戴冠式以外で身に纏う事はない。各国の大使が「成婚の儀」だとしか思っていない所に代替わりを示す「戴冠式」の装いで登場すれば困惑は必須。
だが、その分インパクトは十分で豪奢なマントは全ての視線を集めた事で身に纏っているのがジェルマノの他にミレリーだと言う事はバレてはいない。
国王は胸を撫で下ろしそうになったが窮地は脱していなかった。
先ほどは固辞したのに「座っても?」と問う大使に国王はソファを勧めた。
どっかりと腰を下ろした大使夫妻の目の前に国王夫妻も腰を下ろすが生きた心地がしない。
「で?国王。いや…代替わりをしたので先王とお呼びした方が?いやいや失敬。それ以前の問題だった。貴殿は何処のどなただ?」
国王も王妃もハッときがついた。
大使は祝いの言葉を述べる際一言も「ジェルマノ」や「王太子」とは言っておらず国王の事も敢えて「国王」などと呼称をしなかった。
「我が国の勘違いかも知れないのだが・・・確か貴国の代替わりは国王の死去に伴うとなっていたと思うのだが?」
「・・・・」
「いつ、如何なる時も国王が2人と言う混乱を招く状況を防ぐため、死去の翌日に即位。と私は思っていたのだが不勉強なようで何時、切り替わったのかご教授願いたい」
「・・・・」
大使の言う通りなのだ。無駄な混乱もあるが、午前中は先王、午後は新国王となれば各種の書類が差し戻しなどになった経緯があり、この国では先王の死去の翌日から新国王の体勢になる。
国王が同日に2人存在する日はあり得ないのだ。
そして、弱小国となっていても一国の国王。崩御に伴い葬儀も行わず慶事の成婚の儀を行うのもおかしな話。
戴冠式で使うマントならミレリーの腹が隠せる。
それだけしか頭になく、見た者がどう受け取るか間では考えていなかった。
「仮に先王だとしてもだ。代替わりは昨日、今日で決まるような事柄ではない、それは御承知されておられよう」
「勿論だ。緊急な事でもない限りどの国でも同じだ」
「では、先ごろの条約。これは如何様にお考えで?」
「あの条約は正規のものだ。見直しをする事はあれど覆る事はない」
「えぇ…王太子妃が名代で御座いましたからな」
大使の目がキラっと光る。
「我々は王太子妃だからと希望した先王、貴方や王太子が来ない事も譲歩して話し合いを重ね条約を結んだ。しかしそれでは前提がおかしなことになりませんかね?」
「いや、それは!」
「我々は王太子妃だから条約を結んだ。その際にこの国の継承の形がどうなろうとそれは口出しをする気はない。ただ将来的に王妃になる事は予測は出来ても帰国し僅か1か月で王妃にとなれば・・・その事もお伝え頂かねば今後の対応というものもあります。よもや・・・我が国に失態を犯させ瑕疵を問うおつもりで秘匿されていたと?」
国王は何と答えればこの場を脱するのか。
隣に座る王妃に救いの目を向けるが王妃は視線を逸らせた。
戴冠式用のマントは王太子妃がルドヴィカではなくミレリーだと言う事を隠すためだったと言えば、結んだ条約は反故になる。ベトンス王国を騙して条約を結んだことになってしまうからである。
継承する際の形式が変わり生前に譲位する事になったのだとその件を突っぱねても、ベトンス王国に帰国後すぐに王妃となる事を告げず、王太子妃として扱わせたことになる。
自国でもそうだが他国でも王族が来たとして、それが継承権のない王子や王女なのか、王太子クラスなのか、国王クラスなのかで当然扱いは変わる。
そこに「失態」を思わせるよう動いたと思われてもおかしくない。
前者を正とすれば戦争は免れない。後者を正とすれば戦争にはならずとも国交断絶は不可避。
あと1つ大使は国王に道を残してはいる。
双方の都合の良い部分だけを組み合わせたように見える答えだが一番選んではいけない答えだ。
「隠し子に王位を継がせた」という答えだが、その場合国王は譲位をしたとなり国王ではなくなるし王太子はジェルマノではないと認める事にもなる。当然ルドヴィカが結んで来た条約も白紙。完全に詰みの答え。
いずれも選ぶ事が出来ない国王に大使は口角を上げた。
「答えて頂こう!」
大使の声に国王も王妃も沈黙する事しか出来なかった。
メッサーラ王国はダニエレ以外にも王宮内には何人も間者を送り込んでいる。
それは隣国も同じ。
莫大な鉱山の利益に胡坐をかいている間に、どうすれば利を産むかと考えた国は大きく差がついた。
ルドヴィカが折衝に向かった隣国の名はベトンス王国。
ベトンス王国が折衝で欲したのは国境を接する山の稜線付近に鉄塔を建てる事。
何の鉄塔かと言えば電波の中継をする為の鉄塔だった。
国王は最初その話を聞いた時に「櫓か?」と考えた。
電波と言う目に見えないものを何度文官が説明をしても理解出来なかった。
国王が理解をしたのは国境付近の櫓については穀物の関税。税収も毎年右肩下がりで回復が見込めないため隣国への輸出に関しては関税を引き下げることと枠の拡大、輸入については引き上げ。
そうすれば隣国で売られるこの国の穀物は安い価格で提供できるようになり、輸出量が増える。ベトンス王国からの品には高い関税となるので今よりも税収が見込める。
「櫓の設置を許可するんだ。それくらいは飲ませろ」
ルドヴィカに無茶苦茶な要求を飲ませろと指示はしたが、折衝は折り合いをつける場でもあるため「譲歩案」も国王はルドヴィカに指示をしていた。
――まさか今になってやはり折衷案は飲めないなどと言うのでは?――
そうなればこの場にルドヴィカがいないのは非常に不味い。
パレードに出ているからと逃げられるのは僅かな時間となる。パレードが終われば2人だけでなく国王たちも城に戻るのは当然のことで「ご一緒しましょう」と言われてしまえば逃げ場も無い。
「本日は誠に目出度いですな」
まだどうすべきか迷いがあり、方向性が定まらない国王の元にベトンス王国の大使夫妻が現れた。
「いえ、忙しい中参列を下さり感謝にたえません。ささ、どうぞお座りください」
「いや、確認のみですので結構」
強い固辞の言葉に国王の肩はビクリと跳ねた。
愛想笑いを浮かべながら大使の顔を見る。立場としては国王の方が圧倒的に上なのだが腹をすかせた蛇の前に飛び出したカエルになった心境。
「いやはや素晴らしい式だった。ご子息もさぞかしこの日を迎えられて感無量だったと見える」
「そ、そうですな・・・もう19年も婚約をしておりましたので」
「このように大事な式の間際まで一行を我が国に足止めをしてしまい申し訳ない」
「いやいや、これも王族となれば避けては通れない道。良い経験になった事でしょう」
「ははっ、なんと人が悪い」
「え?」
「成婚と同時に代替わりの戴冠式。他国の大使もこのサプライズには国への報告をどうするかとご子息とは違った意味で言葉を失っておりましたよ」
急場しのぎだとは言え、戴冠式でしか身につけないマントを引っ張り出したのは悪手だった。
戴冠式のマントはその国を背負うと言う意味があり、戴冠式以外で身に纏う事はない。各国の大使が「成婚の儀」だとしか思っていない所に代替わりを示す「戴冠式」の装いで登場すれば困惑は必須。
だが、その分インパクトは十分で豪奢なマントは全ての視線を集めた事で身に纏っているのがジェルマノの他にミレリーだと言う事はバレてはいない。
国王は胸を撫で下ろしそうになったが窮地は脱していなかった。
先ほどは固辞したのに「座っても?」と問う大使に国王はソファを勧めた。
どっかりと腰を下ろした大使夫妻の目の前に国王夫妻も腰を下ろすが生きた心地がしない。
「で?国王。いや…代替わりをしたので先王とお呼びした方が?いやいや失敬。それ以前の問題だった。貴殿は何処のどなただ?」
国王も王妃もハッときがついた。
大使は祝いの言葉を述べる際一言も「ジェルマノ」や「王太子」とは言っておらず国王の事も敢えて「国王」などと呼称をしなかった。
「我が国の勘違いかも知れないのだが・・・確か貴国の代替わりは国王の死去に伴うとなっていたと思うのだが?」
「・・・・」
「いつ、如何なる時も国王が2人と言う混乱を招く状況を防ぐため、死去の翌日に即位。と私は思っていたのだが不勉強なようで何時、切り替わったのかご教授願いたい」
「・・・・」
大使の言う通りなのだ。無駄な混乱もあるが、午前中は先王、午後は新国王となれば各種の書類が差し戻しなどになった経緯があり、この国では先王の死去の翌日から新国王の体勢になる。
国王が同日に2人存在する日はあり得ないのだ。
そして、弱小国となっていても一国の国王。崩御に伴い葬儀も行わず慶事の成婚の儀を行うのもおかしな話。
戴冠式で使うマントならミレリーの腹が隠せる。
それだけしか頭になく、見た者がどう受け取るか間では考えていなかった。
「仮に先王だとしてもだ。代替わりは昨日、今日で決まるような事柄ではない、それは御承知されておられよう」
「勿論だ。緊急な事でもない限りどの国でも同じだ」
「では、先ごろの条約。これは如何様にお考えで?」
「あの条約は正規のものだ。見直しをする事はあれど覆る事はない」
「えぇ…王太子妃が名代で御座いましたからな」
大使の目がキラっと光る。
「我々は王太子妃だからと希望した先王、貴方や王太子が来ない事も譲歩して話し合いを重ね条約を結んだ。しかしそれでは前提がおかしなことになりませんかね?」
「いや、それは!」
「我々は王太子妃だから条約を結んだ。その際にこの国の継承の形がどうなろうとそれは口出しをする気はない。ただ将来的に王妃になる事は予測は出来ても帰国し僅か1か月で王妃にとなれば・・・その事もお伝え頂かねば今後の対応というものもあります。よもや・・・我が国に失態を犯させ瑕疵を問うおつもりで秘匿されていたと?」
国王は何と答えればこの場を脱するのか。
隣に座る王妃に救いの目を向けるが王妃は視線を逸らせた。
戴冠式用のマントは王太子妃がルドヴィカではなくミレリーだと言う事を隠すためだったと言えば、結んだ条約は反故になる。ベトンス王国を騙して条約を結んだことになってしまうからである。
継承する際の形式が変わり生前に譲位する事になったのだとその件を突っぱねても、ベトンス王国に帰国後すぐに王妃となる事を告げず、王太子妃として扱わせたことになる。
自国でもそうだが他国でも王族が来たとして、それが継承権のない王子や王女なのか、王太子クラスなのか、国王クラスなのかで当然扱いは変わる。
そこに「失態」を思わせるよう動いたと思われてもおかしくない。
前者を正とすれば戦争は免れない。後者を正とすれば戦争にはならずとも国交断絶は不可避。
あと1つ大使は国王に道を残してはいる。
双方の都合の良い部分だけを組み合わせたように見える答えだが一番選んではいけない答えだ。
「隠し子に王位を継がせた」という答えだが、その場合国王は譲位をしたとなり国王ではなくなるし王太子はジェルマノではないと認める事にもなる。当然ルドヴィカが結んで来た条約も白紙。完全に詰みの答え。
いずれも選ぶ事が出来ない国王に大使は口角を上げた。
「答えて頂こう!」
大使の声に国王も王妃も沈黙する事しか出来なかった。
82
お気に入りに追加
2,623
あなたにおすすめの小説
転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します
真理亜
恋愛
気合いを入れて臨んだ憧れの第二王子とのお茶会。婚約者に選ばれようと我先にと飛び出した私は、将棋倒しに巻き込まれて意識を失う。目が覚めた時には前世の記憶が蘇っていた。そしてこの世界が自分が好きだった小説の世界だと知る。どうやら転生したらしい。しかも死亡エンドしかない悪役令嬢に! これは是が非でも王子との婚約を回避せねば! だけどなんだか知らないけど、いくら断っても王子の方から近寄って来るわ、ヒロインはヒロインで全然攻略しないわでもう大変! 一体なにがどーなってんの!? 長くなって来たんで短編から長編に変更しました。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
婚約者はわたしよりも、病弱で可憐な実の妹の方が大事なようです。
ふまさ
恋愛
「ごめん、リア。出かける直前に、アビーの具合が急に悪くなって」
これが、公爵家令嬢リアの婚約者である、公爵家令息モーガンがデートに遅刻したときにする、お決まりの言い訳である。
モーガンは病弱な妹のアビーを異常なまでにかわいがっており、その言葉を決して疑ったりはしない。
リアが怒っていなくても、アビーが怒っていると泣けば、モーガンはそれを信じてリアを責める。それでもリアはモーガンを愛していたから、ぐっとたえていた。
けれど。ある出来事がきっかけとなり、リアは、モーガンに対する愛情が一気に冷めてしまう。
「──わたし、どうしてあんな人を愛していたのかしら」
この作品は、小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】あなたにすべて差し上げます
野村にれ
恋愛
コンクラート王国。王宮には国王と、二人の王女がいた。
王太子の第一王女・アウラージュと、第二王女・シュアリー。
しかし、アウラージュはシュアリーに王配になるはずだった婚約者を奪われることになった。
女王になるべくして育てられた第一王女は、今までの努力をあっさりと手放し、
すべてを清算して、いなくなってしまった。
残されたのは国王と、第二王女と婚約者。これからどうするのか。
婚約破棄した相手が付き纏ってきます。
沙耶
恋愛
「どうして分かってくれないのですか…」
最近婚約者に恋人がいるとよくない噂がたっており、気をつけてほしいと注意したガーネット。しかし婚約者のアベールは
「友人と仲良くするのが何が悪い!
いちいち口うるさいお前とはやっていけない!婚約破棄だ!」
「わかりました」
「え…」
スッと婚約破棄の書類を出してきたガーネット。
アベールは自分が言った手前断れる雰囲気ではなくサインしてしまった。
勢いでガーネットと婚約破棄してしまったアベール。
本当は、愛していたのに…
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる