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第11話 茶会は長い溜息と共に
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――これはどういうことなのかしら――
ゼスト公爵家にやってきたヘリンと侍女は顔を見合わせた。
今回の茶会。主催はスナーチェなのだが場所はゼスト公爵家の庭園。
そこに間違いは無いかとヘリンは何度もゼスト公爵家に使いを出し確認をした。
本来なら誘ってきたスカッドに確認をするところなのだが、何度ボーン子爵家から使いを送っても、ヘリンが直接問い合わせにやってきてもスカッドは留守だったのだ。
判っているのは「2週間後に4人で茶会を開く」というだけで詳しい日時も場所も不明。
参加者が誰であるかはさして問題ではない。
人数は全く違うけれど、茶会や夜会に呼ばれ出席する面子など行ってみなければ判らないので事前に知っておくべきなのはムウトン伯爵家の商売などなのでそこは助かった。
だが、スカッドが留守でゼスト公爵家の者も「今日、明日ではないと思う」と曖昧な返事。
明日に「2週間後」を控えて「明日で良いのか」来ない連絡に業を煮やし、やって来たヘリンの目の前に現れたのは驚くスカッドだった。
「リン?茶会は明日だけど…何かあったのか?」
「明日なのですか?」
「2週間後だと前に使いをやっただろう?」
どうやら〇月〇日と指定をしていなかっただけで、使者がやってきた日から「2週間後」は決まっていたようだ。
「申し訳ございません。失念しておりました。時間は何時に?」
「時間?・・・あ、すまない。時間の連絡を頼もうと思っていたんだ。明日の13時だ」
「13時に公爵家にお邪魔すれば良いでしょうか?お手伝いする事があればもう少し早く?」
「えーっと…13時だから…」
やはりスカッドはいつもとは様子が違う。今までこんなにだらしのない仕事をした記憶がない。ヘリンは思ったのだが、通りかかったゼスト公爵家の執事が「坊ちゃま?」と疑問符をつけて話しかけてきた。
「明日は旦那様はご出仕、奥様も王妃殿下との詩の朗読が御座いますので私兵は送迎に配備出来ませんよ?」
「そうなのか?しまった!もっと早く母上に言っておけば!」
「奥様の詩の朗読に出向かれる日は数年前から毎月決まっておりますよ?」
スカッドは結婚後もスナーチェの家庭とも良い関係で続くよう。特にスナーチェの婚約者であるフェルメルのムウトン伯爵家が羊牧場を営み、羊毛や羊肉を出荷する家なのでボーン子爵家にとっても知り合いになる事は悪い事ではないと考えていた。
スナーチェとスカッドで打ち合わせを繰り返していたので、留守ばかりだったスカッド。道理でなかなか会えなかったハズである。
「時間は明日の13時で場所はゼスト公爵家の庭園・・・でよろしいのかしら?」
「そうなんだが…すまない。何時ものように護衛の兵が出せないみたいだ。時間が決まったのもさっきでさぁ。今夜は徹夜でセッティングになりそうだから急いで帰って来たんだ」
――時間もさっき決まったって…大丈夫なのかしら――
茶会はただテーブルについて茶を飲んで話をすれば良いものではない。
スカッドはスナーチェといとこ同士で幼馴染なので多少の不備があっても自分たちが考えた事でもあるし納得するだろうが、スナーチェの婚約者には最悪「バカにしてるのか?」と思われる可能性もある。
何度も開催し手慣れた公爵夫人ですら茶会の1カ月前からはピリピリと緊張感を感じるというのに。
ヘリンは再度、手伝う事は無いかとスカッドに聞くも「大丈夫だから」と固辞された。
たった4人の茶会とは言え、スカッドは「場を貸すだけ」なのにどうしてそこまで入れ込むのか。ヘリンはまた胸にモヤモヤを抱えて王都にあるボーン子爵家のタウンハウスに帰った。
そして1夜明け、13時の開催に間に合うようゼスト公爵家にやってきた。
時間には遅れていない。早く来すぎるのも失礼に当たるので12時40分にやってきた。
公爵夫妻とスカッドの弟スペリアーズが今の時間は留守とは言え、到着した馬車を出迎える者はいない。ボーン子爵家の御者ですら「ステップ・・・出していいですか?」といつもと違う勝手にヘリンに問う始末。
私的な外出の時は御者がステップを出し入れして主を乗下車させるが、他家に来た時は他家の使用人が行うのが当たり前。早速1つ目の失態に遭遇してしまったヘリンは御者に頼んでステップを出してもらい、1人で下車した。
「大丈夫なんでしょうか」
侍女の心配も当然だ。いつもなら付き添いの侍女は控室が用意されているのにそれもない。どうしたものかと附近を見回すとヘリンと同じく「立往生」している男性が3人いた。
そのうちの1人が気が付き、周囲をキョロキョロとしながら駆け足で近づいて来た。
「先ずは突然の非礼、お詫び申し上げます」
ヘリンと侍女の数歩前まで来て男性は頭を下げた。
「わたくしムウトン伯爵家で執事をしておりますラマーと申します。実は今朝がたですね…本日茶会だと伺い急ぎ参ったのですが勝手が判らず。案内係も見当たらずでして、どうしたものかと」
ヘリンと侍女は執事の言葉に驚いて顔を見合わせた。
2週間後と言う予定も「嘘よね?」と思ったヘリンだったが、彼らに知らされたのは「今朝」だという。
色々と眩暈がしそうな事の連続。ヘリンはこめかみが痛くなった。
困っているのはヘリンも同じ。手伝いを申し出たが固辞された。それは今回「ゲスト」なので勝手な事はするなと言われたに等しく、ゼスト公爵家の庭園までの順路は知っていても案内するどころか、自分たちでさえ案内係を待たねばならない。
彼らも公爵家に来たはいいが、ステップを出すための使用人もおらず御者がごそごそとしていたへリンたちを見て「同類」だと思い声を掛けてきたのだろう。
男性執事の背の向こう。ヘリンと執事を心配そうに見ている男性の片方がムウトン伯爵子息だとすれば紹介もされていない今の状態で話しかけてしまうのも「ホスト」に対しては失礼に当たってしまうし、スナーチェの婚約者だと判っているからこそ紹介される前に会話をするのは、大問題になってしまう。
ヘリンの侍女が一歩前に出て、男性執事と話を始めようとした時、13時を知らせる教会の鐘の音が遠くから聞えた。
「まだこんなところにいたの?!」
鐘の音に被せるように女性の声が響いた。スナーチェだ。
腰に手を当てて「こっちは待ってるって言うのに」と怒りを含んだ声をヘリンと、もう1人のゲストに向かって浴びせる。
遅れてやってきたスカッドまでヘリンに「は?」と思わせる言葉を掛けた。
「場所が判らない訳じゃないのにどうして来ないんだ?屋敷の配置は知ってるだろう?」
勿論知っている。
ただ今の状況は「ゲスト」だからここに留まっていただけだ。
そして会場となる庭園に到着して、ヘリンは「ヒュッ」と息を飲んだ。
手前で待つことになった侍女の息を飲む声と重なる。
長方形のテーブルを挟んで配置された椅子は個別ではなく2人掛けのベンチ。
王都公演にあるような3人が間隔を置いて腰掛けるモノではなく、2人の距離がかなり近くなる長さしかないベンチ。
いくら婚約者同士だと言ってもこれはない。
だが、息を飲むだけでは済まないのだとヘリンはスナーチェの言葉に意識も飛びそうだった。
「向かい合ってお茶しましょう」
そう言ってスナーチェは【婚約者同士が向かい合う】状態に4人の腰掛ける位置を指定した。
つまり、ヘリンの目の前にはスカッドがいるが、スカッドの隣には仔犬すらスペースが取れない隙間しかない。その様子を「当たり前」だとは思えない。
ヘリンの隣にはスナーチェの婚約者であるムウトン伯爵子息という配置。
「申し訳ないです」と小さくなってムウトン伯爵子息は腰掛けてくれたが、ムウトン伯爵子息はスカッドよりも幅のある体躯。残されたスペースに腰をおろせるのは4、5歳児くらいだろうか。
ひじ掛けいっぱいに体を寄せてくれてはいるが、体が密着する事になってしまう。
そんなヘリンにスカッドはムウトン伯爵子息を思い切り睨みつけている。
――怒るのは筋違いじゃないの?――
茶器を伸ばすだけでなく、小さな動作をする度に「申し訳ございません」と断りを入れねばならない苦行の茶会。ヘリンは人生で一番疲れるであろう時間の始まりに腹の底から長い溜息を吐き出した。
ゼスト公爵家にやってきたヘリンと侍女は顔を見合わせた。
今回の茶会。主催はスナーチェなのだが場所はゼスト公爵家の庭園。
そこに間違いは無いかとヘリンは何度もゼスト公爵家に使いを出し確認をした。
本来なら誘ってきたスカッドに確認をするところなのだが、何度ボーン子爵家から使いを送っても、ヘリンが直接問い合わせにやってきてもスカッドは留守だったのだ。
判っているのは「2週間後に4人で茶会を開く」というだけで詳しい日時も場所も不明。
参加者が誰であるかはさして問題ではない。
人数は全く違うけれど、茶会や夜会に呼ばれ出席する面子など行ってみなければ判らないので事前に知っておくべきなのはムウトン伯爵家の商売などなのでそこは助かった。
だが、スカッドが留守でゼスト公爵家の者も「今日、明日ではないと思う」と曖昧な返事。
明日に「2週間後」を控えて「明日で良いのか」来ない連絡に業を煮やし、やって来たヘリンの目の前に現れたのは驚くスカッドだった。
「リン?茶会は明日だけど…何かあったのか?」
「明日なのですか?」
「2週間後だと前に使いをやっただろう?」
どうやら〇月〇日と指定をしていなかっただけで、使者がやってきた日から「2週間後」は決まっていたようだ。
「申し訳ございません。失念しておりました。時間は何時に?」
「時間?・・・あ、すまない。時間の連絡を頼もうと思っていたんだ。明日の13時だ」
「13時に公爵家にお邪魔すれば良いでしょうか?お手伝いする事があればもう少し早く?」
「えーっと…13時だから…」
やはりスカッドはいつもとは様子が違う。今までこんなにだらしのない仕事をした記憶がない。ヘリンは思ったのだが、通りかかったゼスト公爵家の執事が「坊ちゃま?」と疑問符をつけて話しかけてきた。
「明日は旦那様はご出仕、奥様も王妃殿下との詩の朗読が御座いますので私兵は送迎に配備出来ませんよ?」
「そうなのか?しまった!もっと早く母上に言っておけば!」
「奥様の詩の朗読に出向かれる日は数年前から毎月決まっておりますよ?」
スカッドは結婚後もスナーチェの家庭とも良い関係で続くよう。特にスナーチェの婚約者であるフェルメルのムウトン伯爵家が羊牧場を営み、羊毛や羊肉を出荷する家なのでボーン子爵家にとっても知り合いになる事は悪い事ではないと考えていた。
スナーチェとスカッドで打ち合わせを繰り返していたので、留守ばかりだったスカッド。道理でなかなか会えなかったハズである。
「時間は明日の13時で場所はゼスト公爵家の庭園・・・でよろしいのかしら?」
「そうなんだが…すまない。何時ものように護衛の兵が出せないみたいだ。時間が決まったのもさっきでさぁ。今夜は徹夜でセッティングになりそうだから急いで帰って来たんだ」
――時間もさっき決まったって…大丈夫なのかしら――
茶会はただテーブルについて茶を飲んで話をすれば良いものではない。
スカッドはスナーチェといとこ同士で幼馴染なので多少の不備があっても自分たちが考えた事でもあるし納得するだろうが、スナーチェの婚約者には最悪「バカにしてるのか?」と思われる可能性もある。
何度も開催し手慣れた公爵夫人ですら茶会の1カ月前からはピリピリと緊張感を感じるというのに。
ヘリンは再度、手伝う事は無いかとスカッドに聞くも「大丈夫だから」と固辞された。
たった4人の茶会とは言え、スカッドは「場を貸すだけ」なのにどうしてそこまで入れ込むのか。ヘリンはまた胸にモヤモヤを抱えて王都にあるボーン子爵家のタウンハウスに帰った。
そして1夜明け、13時の開催に間に合うようゼスト公爵家にやってきた。
時間には遅れていない。早く来すぎるのも失礼に当たるので12時40分にやってきた。
公爵夫妻とスカッドの弟スペリアーズが今の時間は留守とは言え、到着した馬車を出迎える者はいない。ボーン子爵家の御者ですら「ステップ・・・出していいですか?」といつもと違う勝手にヘリンに問う始末。
私的な外出の時は御者がステップを出し入れして主を乗下車させるが、他家に来た時は他家の使用人が行うのが当たり前。早速1つ目の失態に遭遇してしまったヘリンは御者に頼んでステップを出してもらい、1人で下車した。
「大丈夫なんでしょうか」
侍女の心配も当然だ。いつもなら付き添いの侍女は控室が用意されているのにそれもない。どうしたものかと附近を見回すとヘリンと同じく「立往生」している男性が3人いた。
そのうちの1人が気が付き、周囲をキョロキョロとしながら駆け足で近づいて来た。
「先ずは突然の非礼、お詫び申し上げます」
ヘリンと侍女の数歩前まで来て男性は頭を下げた。
「わたくしムウトン伯爵家で執事をしておりますラマーと申します。実は今朝がたですね…本日茶会だと伺い急ぎ参ったのですが勝手が判らず。案内係も見当たらずでして、どうしたものかと」
ヘリンと侍女は執事の言葉に驚いて顔を見合わせた。
2週間後と言う予定も「嘘よね?」と思ったヘリンだったが、彼らに知らされたのは「今朝」だという。
色々と眩暈がしそうな事の連続。ヘリンはこめかみが痛くなった。
困っているのはヘリンも同じ。手伝いを申し出たが固辞された。それは今回「ゲスト」なので勝手な事はするなと言われたに等しく、ゼスト公爵家の庭園までの順路は知っていても案内するどころか、自分たちでさえ案内係を待たねばならない。
彼らも公爵家に来たはいいが、ステップを出すための使用人もおらず御者がごそごそとしていたへリンたちを見て「同類」だと思い声を掛けてきたのだろう。
男性執事の背の向こう。ヘリンと執事を心配そうに見ている男性の片方がムウトン伯爵子息だとすれば紹介もされていない今の状態で話しかけてしまうのも「ホスト」に対しては失礼に当たってしまうし、スナーチェの婚約者だと判っているからこそ紹介される前に会話をするのは、大問題になってしまう。
ヘリンの侍女が一歩前に出て、男性執事と話を始めようとした時、13時を知らせる教会の鐘の音が遠くから聞えた。
「まだこんなところにいたの?!」
鐘の音に被せるように女性の声が響いた。スナーチェだ。
腰に手を当てて「こっちは待ってるって言うのに」と怒りを含んだ声をヘリンと、もう1人のゲストに向かって浴びせる。
遅れてやってきたスカッドまでヘリンに「は?」と思わせる言葉を掛けた。
「場所が判らない訳じゃないのにどうして来ないんだ?屋敷の配置は知ってるだろう?」
勿論知っている。
ただ今の状況は「ゲスト」だからここに留まっていただけだ。
そして会場となる庭園に到着して、ヘリンは「ヒュッ」と息を飲んだ。
手前で待つことになった侍女の息を飲む声と重なる。
長方形のテーブルを挟んで配置された椅子は個別ではなく2人掛けのベンチ。
王都公演にあるような3人が間隔を置いて腰掛けるモノではなく、2人の距離がかなり近くなる長さしかないベンチ。
いくら婚約者同士だと言ってもこれはない。
だが、息を飲むだけでは済まないのだとヘリンはスナーチェの言葉に意識も飛びそうだった。
「向かい合ってお茶しましょう」
そう言ってスナーチェは【婚約者同士が向かい合う】状態に4人の腰掛ける位置を指定した。
つまり、ヘリンの目の前にはスカッドがいるが、スカッドの隣には仔犬すらスペースが取れない隙間しかない。その様子を「当たり前」だとは思えない。
ヘリンの隣にはスナーチェの婚約者であるムウトン伯爵子息という配置。
「申し訳ないです」と小さくなってムウトン伯爵子息は腰掛けてくれたが、ムウトン伯爵子息はスカッドよりも幅のある体躯。残されたスペースに腰をおろせるのは4、5歳児くらいだろうか。
ひじ掛けいっぱいに体を寄せてくれてはいるが、体が密着する事になってしまう。
そんなヘリンにスカッドはムウトン伯爵子息を思い切り睨みつけている。
――怒るのは筋違いじゃないの?――
茶器を伸ばすだけでなく、小さな動作をする度に「申し訳ございません」と断りを入れねばならない苦行の茶会。ヘリンは人生で一番疲れるであろう時間の始まりに腹の底から長い溜息を吐き出した。
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