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初デートで明かされる読書歴(ざまぁ?)
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わたくしたちは婚約期間が短かったので、恋人という期間も当然短かったのです。
「アル様、わたくしやっぱりカフェに行きたいですわ!」
「カフェ…だがカフェは甘いものばかりだろう」
「そんな事はありません。レモンティーに添えられているレモンは甘くありません」
添え物だけで我慢をさせるつもりは御座いませんが、さほど甘くないケーキもあるはずです。
それにブラックの珈琲もメニューには御座います。
通いとは言え使用人さん達もよく働いてくれております。
疲れた時には甘いものが良いと聞きます。
「うーん…ではデートでにも出かけるか」
で、お出かけをしたのは良いのです。ですが‥‥正直な所わたくしはそんなに美人でもなく可愛いかと聞かれれば両親と祖父母、アル様は可愛いと仰いますがそうでもありません。
逆にアルベルト様は眉目秀麗。王族の血もお父様が王弟(三男なので婿入りをされて王籍は抜けておられます)と言う事もあり濃く受け継がれております。
少しばかり残念な所はございますが、優しいのとお若いのにしっかりと稼がれていますので夫としては申し分ないとは思うのです。
公園で少しお散歩をしてお花摘みに行って戻ってみるとアルベルト様は逆ナンをされているのです。
今も数人のご令嬢に前後左右を囲まれて四面楚歌状態。
声をかけようにもご令嬢方のお喋りを遮る訳にもいかず、かといって巻き込まれるのも面倒と木陰にあるベンチに腰を下ろしましたところ、会いたくもない方と再会を果たしたのでございます。
ちらりと見るとまだご令嬢に囲まれておられるアルベルト様。仕方ないのでバッグから本を出し開いて読み始めたばかりなのにどなたかがわたくしの目の前に立たれたのです。
顔をあげてみると。
「ディッシュ伯爵令息…」
以前のような爽快さは微塵もなく、背中に大きな網籠を背負われて手にはトング。
お召しになっている衣類は最近のお洒落なのか、よく言えば模様、悪く言えば汗や汚れ染み。
あら、お顔も美白をされておられるのかと思ったのですが日にも焼けていらっしゃる。
「お前のせいで‥‥お前のせいで俺は追い出されたんだ!」
「まぁ!ですが、愛するサマンサ様とお幸せなのでしょう?」
「サマンサ‥‥あいつは俺が貴族籍をはく奪されて平民になると知ると逃げた」
――えっ?サマンサ様は赤い鳥でしたの?だから逃げてしまわれたの?――
「ミ・アモーレの歌詞違い。お探しするのも大変ですわね」
「はっ?何を言ってるんだ?」
「いえ、ですからそれは12インチシングルを探せば見つかりますよ」
「12インチシングル?」
まさか!ギルバート様はご存じないと仰るのかしら。
あのアルバムを買ったら、リミックスと言う名で販売されて買ってみたら無駄に前奏や間奏だけがDJの技の如くズルズルと時間を食っていて、歌詞が始まったっと思えば出だしの一言を何度も繰り返すだけの12インチシングル。いえ、シングルならまだ悔しいですがアルバムと同額の物を購入したら後悔の嵐に襲われますのよ?
それを曲だけが同じで歌詞が全く違うバージョンで出してくれているだけありがたいですのに。
「とにかく!お前と婚約破棄したせいで腹が減ってるんだ!どうしてくれる!」
――お腹が減っていると苛立つというのは本当ですのね――
「判りました。足しにはならないと思いますが…パンもケーキも持ち合わせておりませんので、マリーアントワネット様のようにも成れないのですが、これをどうぞ」
わたくしは結構お気に入りだったのでカバーもお手製でしたが仕方ありません。
手にしていた本を差し出したのです。
「何だこれは」
「サラダ記念日です」
しばし流れる沈黙。
――どうされたのかしら。あ!そう言えばあまりお野菜は好きではなかったかも――
本ですので味はしないし、野菜がメインではないエッセイ集のようなものだったのですがおきに召さなかったようですので、仕方なく知人の侯爵令嬢、あ、元侯爵令嬢から頂いた本を差し出しました。
「何だこれは!」
「きのう、な●食べた。でございます」
――これでしたら歌劇にもなっておりますしご存じでしょう――
再度流れる沈黙。
「俺をバカにしているのか!」
「いえ、そんなつもりは‥‥ただ本日はデートでしたのでクッキング●パも美味し●ぼも持ち合わせていないのです。せめて家に行けばミスター味●こがあったとおもいますが」
パンっと弾かれて地面に落ちてしまう【きのう、●に食べた】
どうしましょう…折角頂いた本ですのに。
「エトランゼの分際で…」
あ、これはグーパンで殴られてしまうかも‥と目を固く閉じた時でございました。
「何をしている」
「ヒュッ‥‥」
恐る恐る目を開けると、アルベルト様が切れ味も輝きも凄そうな剣をギルバート様の首の真横にピタリと当てておられます。
「何をしていると聞いている」
「そ、その‥‥こいつが…」
「こいつ?まさかとは思うが私の妻をこんな場で裸にひん剥いて、後ろから手を回して恥ずかしい部分を弄りながらハァハァ奥さん、ここが良いんだろ♡などとするつもりだったのではないだろうな?」
「ち、違います…その…昔婚約をしていて…」
「ほぅ‥‥そう言えば覚えのあるツラだな…で?その昔の婚約者に何の用だ」
「見かけたので話をしようと…」
「私の許可なく妻に話しかけたというのだな」
「き、許可??」
「あぁ、半径250キロ以内で妻に話しかける時は私の許可が必要だ」
――半径250キロ?成層圏も軽く突きぬけてしまいますよ?――
「も、申し訳ありませんっ」
「今日のところは妻との初デートに免じて皿カッパで許してやろう」
皿カッパ…なんでしょうか?と思っているとアルベルト様はそれは見事にギルバート様の頭頂部の髪の毛を一振りの剣で剃られてしまいました。
スッキリと頭頂部から以前のような肌のお色が見えます。頭頂部は日焼けをされてなかったのですね。
「大丈夫だったか」
「はい。あ、エレイン様から頂いた本が‥」
拾い上げた【きのう、●に食べた】をパラパラとめくられるアルベルト様。
「アルベルト様は本はお好きですの?」
「最近は読んでいないな‥‥ここ10年ほどはエトランゼの日記を盗み読みしていたくらいだ」
さらりと犯罪者のような事を仰るアルベルト様。
ですが以前はよく本を読まれていたようです。一緒に昼下がりに本を読む楽しみが出来ました。
「初めてお読みになられた本はなんですの?」
「エマニエル夫人だ。4巻を読破した。7歳の時だったな」
しかし、立ち止まると空を見上げて、少し寂しそうな顔をされます。
「母上に白いポストへ入れられてしまったがな」
セピア色の思い出なのでしょう。
その後は、仲良くカフェでケーキを頂きました。
わたくしの食べかけだけは美味しいとおっしゃるアルベルト様。
ちょっと頼もしい一面が見られた初デートでした。
「アル様、わたくしやっぱりカフェに行きたいですわ!」
「カフェ…だがカフェは甘いものばかりだろう」
「そんな事はありません。レモンティーに添えられているレモンは甘くありません」
添え物だけで我慢をさせるつもりは御座いませんが、さほど甘くないケーキもあるはずです。
それにブラックの珈琲もメニューには御座います。
通いとは言え使用人さん達もよく働いてくれております。
疲れた時には甘いものが良いと聞きます。
「うーん…ではデートでにも出かけるか」
で、お出かけをしたのは良いのです。ですが‥‥正直な所わたくしはそんなに美人でもなく可愛いかと聞かれれば両親と祖父母、アル様は可愛いと仰いますがそうでもありません。
逆にアルベルト様は眉目秀麗。王族の血もお父様が王弟(三男なので婿入りをされて王籍は抜けておられます)と言う事もあり濃く受け継がれております。
少しばかり残念な所はございますが、優しいのとお若いのにしっかりと稼がれていますので夫としては申し分ないとは思うのです。
公園で少しお散歩をしてお花摘みに行って戻ってみるとアルベルト様は逆ナンをされているのです。
今も数人のご令嬢に前後左右を囲まれて四面楚歌状態。
声をかけようにもご令嬢方のお喋りを遮る訳にもいかず、かといって巻き込まれるのも面倒と木陰にあるベンチに腰を下ろしましたところ、会いたくもない方と再会を果たしたのでございます。
ちらりと見るとまだご令嬢に囲まれておられるアルベルト様。仕方ないのでバッグから本を出し開いて読み始めたばかりなのにどなたかがわたくしの目の前に立たれたのです。
顔をあげてみると。
「ディッシュ伯爵令息…」
以前のような爽快さは微塵もなく、背中に大きな網籠を背負われて手にはトング。
お召しになっている衣類は最近のお洒落なのか、よく言えば模様、悪く言えば汗や汚れ染み。
あら、お顔も美白をされておられるのかと思ったのですが日にも焼けていらっしゃる。
「お前のせいで‥‥お前のせいで俺は追い出されたんだ!」
「まぁ!ですが、愛するサマンサ様とお幸せなのでしょう?」
「サマンサ‥‥あいつは俺が貴族籍をはく奪されて平民になると知ると逃げた」
――えっ?サマンサ様は赤い鳥でしたの?だから逃げてしまわれたの?――
「ミ・アモーレの歌詞違い。お探しするのも大変ですわね」
「はっ?何を言ってるんだ?」
「いえ、ですからそれは12インチシングルを探せば見つかりますよ」
「12インチシングル?」
まさか!ギルバート様はご存じないと仰るのかしら。
あのアルバムを買ったら、リミックスと言う名で販売されて買ってみたら無駄に前奏や間奏だけがDJの技の如くズルズルと時間を食っていて、歌詞が始まったっと思えば出だしの一言を何度も繰り返すだけの12インチシングル。いえ、シングルならまだ悔しいですがアルバムと同額の物を購入したら後悔の嵐に襲われますのよ?
それを曲だけが同じで歌詞が全く違うバージョンで出してくれているだけありがたいですのに。
「とにかく!お前と婚約破棄したせいで腹が減ってるんだ!どうしてくれる!」
――お腹が減っていると苛立つというのは本当ですのね――
「判りました。足しにはならないと思いますが…パンもケーキも持ち合わせておりませんので、マリーアントワネット様のようにも成れないのですが、これをどうぞ」
わたくしは結構お気に入りだったのでカバーもお手製でしたが仕方ありません。
手にしていた本を差し出したのです。
「何だこれは」
「サラダ記念日です」
しばし流れる沈黙。
――どうされたのかしら。あ!そう言えばあまりお野菜は好きではなかったかも――
本ですので味はしないし、野菜がメインではないエッセイ集のようなものだったのですがおきに召さなかったようですので、仕方なく知人の侯爵令嬢、あ、元侯爵令嬢から頂いた本を差し出しました。
「何だこれは!」
「きのう、な●食べた。でございます」
――これでしたら歌劇にもなっておりますしご存じでしょう――
再度流れる沈黙。
「俺をバカにしているのか!」
「いえ、そんなつもりは‥‥ただ本日はデートでしたのでクッキング●パも美味し●ぼも持ち合わせていないのです。せめて家に行けばミスター味●こがあったとおもいますが」
パンっと弾かれて地面に落ちてしまう【きのう、●に食べた】
どうしましょう…折角頂いた本ですのに。
「エトランゼの分際で…」
あ、これはグーパンで殴られてしまうかも‥と目を固く閉じた時でございました。
「何をしている」
「ヒュッ‥‥」
恐る恐る目を開けると、アルベルト様が切れ味も輝きも凄そうな剣をギルバート様の首の真横にピタリと当てておられます。
「何をしていると聞いている」
「そ、その‥‥こいつが…」
「こいつ?まさかとは思うが私の妻をこんな場で裸にひん剥いて、後ろから手を回して恥ずかしい部分を弄りながらハァハァ奥さん、ここが良いんだろ♡などとするつもりだったのではないだろうな?」
「ち、違います…その…昔婚約をしていて…」
「ほぅ‥‥そう言えば覚えのあるツラだな…で?その昔の婚約者に何の用だ」
「見かけたので話をしようと…」
「私の許可なく妻に話しかけたというのだな」
「き、許可??」
「あぁ、半径250キロ以内で妻に話しかける時は私の許可が必要だ」
――半径250キロ?成層圏も軽く突きぬけてしまいますよ?――
「も、申し訳ありませんっ」
「今日のところは妻との初デートに免じて皿カッパで許してやろう」
皿カッパ…なんでしょうか?と思っているとアルベルト様はそれは見事にギルバート様の頭頂部の髪の毛を一振りの剣で剃られてしまいました。
スッキリと頭頂部から以前のような肌のお色が見えます。頭頂部は日焼けをされてなかったのですね。
「大丈夫だったか」
「はい。あ、エレイン様から頂いた本が‥」
拾い上げた【きのう、●に食べた】をパラパラとめくられるアルベルト様。
「アルベルト様は本はお好きですの?」
「最近は読んでいないな‥‥ここ10年ほどはエトランゼの日記を盗み読みしていたくらいだ」
さらりと犯罪者のような事を仰るアルベルト様。
ですが以前はよく本を読まれていたようです。一緒に昼下がりに本を読む楽しみが出来ました。
「初めてお読みになられた本はなんですの?」
「エマニエル夫人だ。4巻を読破した。7歳の時だったな」
しかし、立ち止まると空を見上げて、少し寂しそうな顔をされます。
「母上に白いポストへ入れられてしまったがな」
セピア色の思い出なのでしょう。
その後は、仲良くカフェでケーキを頂きました。
わたくしの食べかけだけは美味しいとおっしゃるアルベルト様。
ちょっと頼もしい一面が見られた初デートでした。
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