26 / 41
♡お兄様がやって来た
しおりを挟む
のんびりとした日々を過ごしておりました。
朝は目覚めると、マクシム様に顔を拭いて頂いた後、水で顔も洗います。
と、言いましても非常に難しいのです。
両手の手のひらの小指側を合わせて、そっと水をすくってバシャっと顔に当てるのですがどうしても零れてしまうのです。最初のうちは桶に汲んだ水の水面まで顔を寄せましたが、そうすると手が入らないのです。
手を入れれば水が零れてしまいます。
わたくしは【技を見て盗む】と仰った講師の言葉を思い出し、マクシム様にお顔をお手本に洗って頂きました。
――水が手から零れてもいいんですのね!――
その結果、バッシャバッシャと洗いますが何故か全身がびしょ濡れ。
「風邪ひくから着替えるか。こっちこい」
失敗でしたのね。マクシム様は上手にお顔を洗われますのに。これでは戦力外通告をされても致し方ありません。なので、マクシム様が山に食材を獲りに行かれている間や、滝壺に水を汲みに行かれている間に練習を致しました。
「なんでまたびしょ濡れになってるんだ?あれ?昼飯を作るように桶に入れた水がない?!なんでだ?」
「さ、さぁ??何故で御座いましょう。オホホ」
鍛錬をしている最中を他人様に見せる事は出来ません。
しかし、練習をすること10日目。わたくしはびしょ濡れにならずに顔を洗う技を習得致しました。千里の道も一歩より起こる。先人は偉大ですわ。
と、そんなある日。
マクシム様が山にキノコを採りに行かれましたのでお留守番をしておりますと、遠くに聞きなれない音がいたします。いえ、聞いた事は御座いますがここの生活にはない音と申しましょうか。
それは馬車が走って来るような音で御座いました。
山の方から馬車が走って来る事は御座いませんので、平坦なほうを見ていると土煙が見えます。ユーリス様が来たのかと思っておりましたら違いました。
黒い車体に付いているエンブレムは紛れもなくガルティネ公爵家の紋章。
そして扉が開き降りてきたのは。
「お兄様っ!」
「プリエラッ!!」
ギュウギュウに抱きしめられてしまい、喉にはなにも詰まっておりませんのに背をバンバンと叩かれてしまいました。なのに、お兄様は紳士としてあり得ません!
「フンフン‥‥クンクン‥‥お前、臭くないな」
「なっ!何を仰るのです!お天気の良い日は必ず木の箱湯殿で洗っております!」
「洗うって…ここには従者も侍女もいないのだろう?」
「マクシム様が洗ってくださいます。髪を洗うのはとても上手なんですの」
「は、はぁぁぁ?!‥‥そんな事まで…絶対に許さんッ」
何をそんなに怒っていらっしゃるのでしょう。
そして、わたくしの二の腕を掴み、グラグラと揺すっております。
「お兄様、何ですの…いったい…」
「まさかと思うが後ろの小屋が小屋で小屋なのか」
なんて失礼な。確かにわたくしも小屋だと思いましたが小屋では御座いません。間違ったままを認識すると大きく道を外すのですよ。教えて差し上げます。
「コホン。お兄様、あちらは小屋に見えますが小屋に非ず。家屋で御座います。広さに事情があり湯殿と御不浄は屋外に御座いますが、竈とテーブル、寝台の揃う立派な家屋で御座いますわ」
「はっ?いや、小屋だとは聞いていた。だがしかし!限度と言うものがあるだろう」
――小屋に限度?内部の広さの限界ではなく?――
「ん?ちょっと待てよ。プリエラは自分で服を着られるようになったのか」
「まさか。服は自分で着るものでは御座いません。お兄様も学びましたでしょう?」
「では誰に?!侍女を雇ったのか?」
「いいえ?マクシム様が着せてくださいます。最近では櫛を作ってくださって髪をすくこともしてくださいますの。ほら、見てくださいませ。手櫛もすんなりと通りますの」
「そう言う事ではない!お、お前っ!男に湯あみも着替えも…」
「何を仰ってますの?男性ではありますが、わたくし身代わり妻から妻に昇格も致しましてマクシム様はわたくしの夫ですの。ジョルジュ殿下に投獄をされましたから、身分はどうなっているか判りませんが、これで嫁ぎ先に悩まずとも済むのです。良かったですわね。あら?お父様はこちらには?」
「あんな奴は父ではない。今の公爵は私だ」
「まぁ!お兄様が?!それはおめでとうございます。猶更よかったですわ。お兄様の最初の仕事が冤罪投獄であっても犯罪人となったわたくしの嫁ぎ先探しでなくて」
「ちっとも良くはないわっ!許さん。夫だと?あまつさえお前の裸体を…」
「大丈夫です。木の箱湯殿から出る時も着替える時もマクシム様は何故か目を閉じておられますのよ?ですがお兄様、ご安心くださいませ。夜の営みもちゃんと妻としてのお勤めは果たしております」
「なっなっなんだとっ!!」
顔を赤くしたり青くしたり忙しいお兄様ですが、何を驚いているのでしょう。夫婦としての大事な務めを果たしたかどうかは其々の家長に報告をせねばなりませんでしょう?
そこに麻袋に半分ほどのキノコを収穫したマクシム様が戻ってこられました。
ですが、失敗でした。
お兄様が来られるとは思っておりませんでしたので、マクシム様は動きやすい腰布一枚のいでたち。あら?どうされたのでしょう。マクシム様も顔を真っ赤にされてこちらに全力疾走ですわ。
「プリエラっ!!大丈夫かっ」
――えぇ!今日もびしょ濡れにならずに顔も洗えましたの!――
「お前は誰だっ!その手を放せ!」
グイっと手を引かれて、マクシム様の腕にホールドをされてしまいました。
何故でしょう。険しい顔でマクシム様とお兄様が睨み合っております。
あぁ、お兄様とは初見なのですわね。ご紹介をせねばと思った時で御座いました。
ジャキンッ!!
――ヒャッ!お兄様!?何故抜刀なさいますの?!――
「なんだ。貴様‥‥どこの貴族か知らんがプリエラの美しさを聞いて奪いに来たのか?残念だな。引退し10年経っていたとしてもかつてはアルメイテの奇襲神と呼ばれた俺だ。そんな鈍に怯むほど落ちぶれては居らぬっ」
「半裸獣人を斬るのは初めてだが、久しぶりにこの剣に血を吸わせるのも面白い」
――なにが、どうなってますの?!――
「お待ちくださいませっ!お兄様もマクシム様も!!」
<< は? >>
お二人とも何を呆けた顔をされておられるのです。
そうでした!そうでしたわ!初見なのですわね。そうそう。わたくしが紹介をせねば。
「お兄様、こちらがわたくしの夫のマクシム様でございます。マクシム様、こちらはわたくしの兄でラウールと申しますの」
「お兄様って…え?あぁそう言えば手紙を頼んだよな。そうか、あぁビックリした。プリエラは美人だから街に行った時に目を付けられてしまったのかと思ったよ」
「何を仰るのです。美醜などで人は動きませんわよ」
しかし、力の抜けたマクシム様とは違い、お兄様は更に目を充血させて怒っていらっしゃいます。きっとマクシム様の装いが客人を迎えるものではないからでしょう。
お兄様はそう言うところは厳しい方ですもの。
「貴殿がネイチュア伯爵家当主マクシム殿か」
「はい。先程は失礼をいた――」
「妹が世話になった。礼は後程。プリエラ!帰るぞ」
「え?お兄様っ…キャゥ!」
グイっと腕を掴まれてお兄様に引かれますが、反対の腕をマクシム様が放してくださらないどころか、更に力を入れて引っ張っておられます。
「兄上殿!いったい何をされる!」
「貴様に兄と呼ぶ許しは出していない。その手を放せ」
「では兄と呼ぶのはやめよう、貴様こそその手を放せ」
グイグイと両側に引っ張られております。このままでは腕が千切れそうです。
「痛いですわぁ!!お二人とも手を放してくださいまし!!」
パッと離れたお兄様とマクシム様の手。
わたくしドスンと尻もちをついてしまいました。
――放せと言ったからと、同時に離すなんて!!――
「痛たたた‥‥」
<< 大丈夫か!プリエラッ >>
お尻は痛いのですが、何故睨み合っておりますの?
駆け寄るタイミングも声も同時でまるで双子のようですのに!!
朝は目覚めると、マクシム様に顔を拭いて頂いた後、水で顔も洗います。
と、言いましても非常に難しいのです。
両手の手のひらの小指側を合わせて、そっと水をすくってバシャっと顔に当てるのですがどうしても零れてしまうのです。最初のうちは桶に汲んだ水の水面まで顔を寄せましたが、そうすると手が入らないのです。
手を入れれば水が零れてしまいます。
わたくしは【技を見て盗む】と仰った講師の言葉を思い出し、マクシム様にお顔をお手本に洗って頂きました。
――水が手から零れてもいいんですのね!――
その結果、バッシャバッシャと洗いますが何故か全身がびしょ濡れ。
「風邪ひくから着替えるか。こっちこい」
失敗でしたのね。マクシム様は上手にお顔を洗われますのに。これでは戦力外通告をされても致し方ありません。なので、マクシム様が山に食材を獲りに行かれている間や、滝壺に水を汲みに行かれている間に練習を致しました。
「なんでまたびしょ濡れになってるんだ?あれ?昼飯を作るように桶に入れた水がない?!なんでだ?」
「さ、さぁ??何故で御座いましょう。オホホ」
鍛錬をしている最中を他人様に見せる事は出来ません。
しかし、練習をすること10日目。わたくしはびしょ濡れにならずに顔を洗う技を習得致しました。千里の道も一歩より起こる。先人は偉大ですわ。
と、そんなある日。
マクシム様が山にキノコを採りに行かれましたのでお留守番をしておりますと、遠くに聞きなれない音がいたします。いえ、聞いた事は御座いますがここの生活にはない音と申しましょうか。
それは馬車が走って来るような音で御座いました。
山の方から馬車が走って来る事は御座いませんので、平坦なほうを見ていると土煙が見えます。ユーリス様が来たのかと思っておりましたら違いました。
黒い車体に付いているエンブレムは紛れもなくガルティネ公爵家の紋章。
そして扉が開き降りてきたのは。
「お兄様っ!」
「プリエラッ!!」
ギュウギュウに抱きしめられてしまい、喉にはなにも詰まっておりませんのに背をバンバンと叩かれてしまいました。なのに、お兄様は紳士としてあり得ません!
「フンフン‥‥クンクン‥‥お前、臭くないな」
「なっ!何を仰るのです!お天気の良い日は必ず木の箱湯殿で洗っております!」
「洗うって…ここには従者も侍女もいないのだろう?」
「マクシム様が洗ってくださいます。髪を洗うのはとても上手なんですの」
「は、はぁぁぁ?!‥‥そんな事まで…絶対に許さんッ」
何をそんなに怒っていらっしゃるのでしょう。
そして、わたくしの二の腕を掴み、グラグラと揺すっております。
「お兄様、何ですの…いったい…」
「まさかと思うが後ろの小屋が小屋で小屋なのか」
なんて失礼な。確かにわたくしも小屋だと思いましたが小屋では御座いません。間違ったままを認識すると大きく道を外すのですよ。教えて差し上げます。
「コホン。お兄様、あちらは小屋に見えますが小屋に非ず。家屋で御座います。広さに事情があり湯殿と御不浄は屋外に御座いますが、竈とテーブル、寝台の揃う立派な家屋で御座いますわ」
「はっ?いや、小屋だとは聞いていた。だがしかし!限度と言うものがあるだろう」
――小屋に限度?内部の広さの限界ではなく?――
「ん?ちょっと待てよ。プリエラは自分で服を着られるようになったのか」
「まさか。服は自分で着るものでは御座いません。お兄様も学びましたでしょう?」
「では誰に?!侍女を雇ったのか?」
「いいえ?マクシム様が着せてくださいます。最近では櫛を作ってくださって髪をすくこともしてくださいますの。ほら、見てくださいませ。手櫛もすんなりと通りますの」
「そう言う事ではない!お、お前っ!男に湯あみも着替えも…」
「何を仰ってますの?男性ではありますが、わたくし身代わり妻から妻に昇格も致しましてマクシム様はわたくしの夫ですの。ジョルジュ殿下に投獄をされましたから、身分はどうなっているか判りませんが、これで嫁ぎ先に悩まずとも済むのです。良かったですわね。あら?お父様はこちらには?」
「あんな奴は父ではない。今の公爵は私だ」
「まぁ!お兄様が?!それはおめでとうございます。猶更よかったですわ。お兄様の最初の仕事が冤罪投獄であっても犯罪人となったわたくしの嫁ぎ先探しでなくて」
「ちっとも良くはないわっ!許さん。夫だと?あまつさえお前の裸体を…」
「大丈夫です。木の箱湯殿から出る時も着替える時もマクシム様は何故か目を閉じておられますのよ?ですがお兄様、ご安心くださいませ。夜の営みもちゃんと妻としてのお勤めは果たしております」
「なっなっなんだとっ!!」
顔を赤くしたり青くしたり忙しいお兄様ですが、何を驚いているのでしょう。夫婦としての大事な務めを果たしたかどうかは其々の家長に報告をせねばなりませんでしょう?
そこに麻袋に半分ほどのキノコを収穫したマクシム様が戻ってこられました。
ですが、失敗でした。
お兄様が来られるとは思っておりませんでしたので、マクシム様は動きやすい腰布一枚のいでたち。あら?どうされたのでしょう。マクシム様も顔を真っ赤にされてこちらに全力疾走ですわ。
「プリエラっ!!大丈夫かっ」
――えぇ!今日もびしょ濡れにならずに顔も洗えましたの!――
「お前は誰だっ!その手を放せ!」
グイっと手を引かれて、マクシム様の腕にホールドをされてしまいました。
何故でしょう。険しい顔でマクシム様とお兄様が睨み合っております。
あぁ、お兄様とは初見なのですわね。ご紹介をせねばと思った時で御座いました。
ジャキンッ!!
――ヒャッ!お兄様!?何故抜刀なさいますの?!――
「なんだ。貴様‥‥どこの貴族か知らんがプリエラの美しさを聞いて奪いに来たのか?残念だな。引退し10年経っていたとしてもかつてはアルメイテの奇襲神と呼ばれた俺だ。そんな鈍に怯むほど落ちぶれては居らぬっ」
「半裸獣人を斬るのは初めてだが、久しぶりにこの剣に血を吸わせるのも面白い」
――なにが、どうなってますの?!――
「お待ちくださいませっ!お兄様もマクシム様も!!」
<< は? >>
お二人とも何を呆けた顔をされておられるのです。
そうでした!そうでしたわ!初見なのですわね。そうそう。わたくしが紹介をせねば。
「お兄様、こちらがわたくしの夫のマクシム様でございます。マクシム様、こちらはわたくしの兄でラウールと申しますの」
「お兄様って…え?あぁそう言えば手紙を頼んだよな。そうか、あぁビックリした。プリエラは美人だから街に行った時に目を付けられてしまったのかと思ったよ」
「何を仰るのです。美醜などで人は動きませんわよ」
しかし、力の抜けたマクシム様とは違い、お兄様は更に目を充血させて怒っていらっしゃいます。きっとマクシム様の装いが客人を迎えるものではないからでしょう。
お兄様はそう言うところは厳しい方ですもの。
「貴殿がネイチュア伯爵家当主マクシム殿か」
「はい。先程は失礼をいた――」
「妹が世話になった。礼は後程。プリエラ!帰るぞ」
「え?お兄様っ…キャゥ!」
グイっと腕を掴まれてお兄様に引かれますが、反対の腕をマクシム様が放してくださらないどころか、更に力を入れて引っ張っておられます。
「兄上殿!いったい何をされる!」
「貴様に兄と呼ぶ許しは出していない。その手を放せ」
「では兄と呼ぶのはやめよう、貴様こそその手を放せ」
グイグイと両側に引っ張られております。このままでは腕が千切れそうです。
「痛いですわぁ!!お二人とも手を放してくださいまし!!」
パッと離れたお兄様とマクシム様の手。
わたくしドスンと尻もちをついてしまいました。
――放せと言ったからと、同時に離すなんて!!――
「痛たたた‥‥」
<< 大丈夫か!プリエラッ >>
お尻は痛いのですが、何故睨み合っておりますの?
駆け寄るタイミングも声も同時でまるで双子のようですのに!!
42
お気に入りに追加
1,919
あなたにおすすめの小説
もう二度と、愛さない
蜜迦
恋愛
エルベ侯爵家のリリティスは、婚約者であるレティエ皇太子に長年想いを寄せていた。
しかし、彼の側にはいつも伯爵令嬢クロエの姿があった。
クロエを疎ましく思いながらも必死に耐え続ける日々。
そんなある日、クロエから「謝罪がしたい」と記された手紙が届いて──
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。
火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。
しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。
数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。
戦場の悪魔将校の妻は今日も微笑む
cyaru
恋愛
エバブ伯爵家には2人の令嬢がいる。異母姉妹の姉シンシア、妹レティシア。
シンシアの婚約者は美丈夫な近衛騎士ウィンストン。但し極貧伯爵家の嫡男で次期当主。嫁げば間違いなく苦労しかない生活になる。
レティシアの婚約者はマザコンなケイン。但し潤沢な公爵家の末っ子で嫁げば姑とは同居だが金に困るような生活とは無縁。
婚約して3年目。ウィンストンの前でレティシアが口にした小さな不満。
ウィンストンはレティシアを抱きしめ、秘密裏に一線を越えない逢瀬を重ねる。
そんな時、事件が起きた。以前から激しく反発してきた過激派が王太子フェリペを襲撃。強力な毒素を持つ魔獣をフェリペに放つ。ウィンストンはフェリペの盾となり魔獣の毒を浴びた。
混乱する治療院に駆け付けたレティシア。情報収集にやってきたケインにレティシアは「ウィンの事を愛しているの!」と叫んだ。
ウィンストンは九死に一生を得、王太子を身を挺し守った事で多額の報奨金ももらえる事になったのだが、変わり果てた容貌になったウィンストンを見てレティシアは「化け物!」と叫び逃げ出した。
生きてはいるが魔獣の毒素を抜かねば余命幾ばく。器はあっても魔力が殆どないシンシアはウィンストンの毒素を抜く際に一旦ウィンストンの魔力を預かる役を否応なく命ぜられた。
無事に完治したウィンストン。目を覚ました時手を握っていたのはレティシア。
化け物呼ばわりされた事でウィンストンのレティシアへの気持ちは消え失せていたが、レティシアは美しいかんばせを取り戻したウィンストンに「夢を見たのね」と微笑む。
危険を承知でウィンストンの魔力を一旦預かったシンシアは生死の境を彷徨う。目覚めないシンシアの代わりにレティシアがウィンストンの婚約者となったがケインを裏切っていた事も明るみに出てシンシアの治療費も出せなくなるエバブ伯爵家。
一連の取り調べから事の次第を知った王太子は腹心の部下であり、戦場の悪魔と二つ名を持つローレンスにシンシアを託すことにした。
↑かなり省略してます。
注意事項~この話を読む前に~
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。舞台は異世界の創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
【完結】無能な虐められ婚約者は、婚約破棄された悪役令嬢に生まれ変わりました。もうお城にいるのはやめて楽しく暮らすことにします!
五月ふう
恋愛
「ヴァンブリート伯爵家令嬢アリーチと婚約破棄し、ラウラ・アップルと婚約することをここに宣言する!」
皇太子リッカルドの宣言が広間に響き渡った。人々は信じられない思いで二人の令嬢を見つめる。令嬢アリーチは幼いころから皇太子の婚約者であった。美しい容姿と、完璧な立ち振る舞いをするアリーチが皇太子の妃になる日を、皆が心待ちにしていた。
「僕はラウラを愛しているんだ。」
だが、皇太子リッカルドが愛していたのは、ラウラ・アップル。ラウラは、この国の人間ではなく、ただの踊り子に過ぎなかった。礼儀作法どころか、読み書きさえできないラウラ。皆がこの婚約に反対していた。
「私が王妃になんてなれるはずないでしょ!」
一番、皇太子との婚約を反対しているのは、ラウラ自身だった。彼女は、皇太子リッカルドとの婚約を望んではいなかった。だが、彼女には拒否権がない。孤児であったラウラはお金で皇太子に売られている。
「これは決まったことだよ。ラウラ。」
リッカルドに一目ぼれされてしまったせいでラウラは命を狙われ続けていた。令嬢たちからは、激しいいじめを受け、いつも独りぼっちだった。だが、皇太子リッカルドは、ラウラを守ろうとはしない。
そしてついに、ラウラは何者かに襲われ命を落としてしまう。
ねぇ、リッカルド。貴方はこうなるって気が付かなかった?
愛して入ればすべて解決するとおもった?
再び目を覚ました時、ラウラは令嬢アリーチに生まれ変わっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる