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石の上にも3年ですって?
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慌ただしくなる城の玄関付近。門番もビックリしております。
1頭は公爵令息。1頭は元王子。2人ともボロボロの状態です。
途中公爵家に寄って着替えをしようと思っていたパトリックですが、王都に入る直前で1頭の馬が右側の街道を走ってくるのが目に入ります。
着ている服はボロボロで背中に何かを背負っているようで、馬もかなり疲れているように見えます。
ですが、ここでも貴族特有の勘が働きます。
「公爵邸に寄っていては間に合わない」
そんな気持ちになって馬を走らせました。その結果2頭の馬がほぼ同時に城の入り口に到着したのです。
門番が急ぎ知らせに走ると、パトリックもリスクーパー君も馬から下ります。
「すみません。馬に水を…出来れば休ませてあげたいのですが」
「でん…いえ、どこから来られたのです?」
「隣国から…もう4日この馬が休んでいないんです。なので…」
「判りました。良くここまで頑張ったな…どぅどぅ…」
門番は厩舎の係を呼ぶように伝えて、水まきように置いてあった桶に水をいれると2頭の馬に水を飲ませます。
「すまない。ありがとう。助かるよ」
「いえ、本日は公爵様は…」
「父は来ていない。陛下と…おそらく陛下の元にいる妻‥いや女性に会いたいのだ」
パトリックの言葉にピクリと反応するリスクーパー君は思わずパトリックの元に歩み寄ります。
2人とも手綱を握りしめていたため、手の皮は剥けて血まみれです。
しかしリスクーパー君はパトリックの胸ぐらを掴みあげます。
「なっ…なんだ、貴様は」
「何の用だ?エレインをあんなところに追いやって…まだ罵る気か!」
まだあとを継いでいないので遠目からしか見た事はないけれど目の前の王子が第三王子である事に気が付くパトリック。小さく笑います。
「あんなところ?申し訳ない。あれでも我が領なのだ。それに追いやったとは笑止千万。元はあなたが元凶なのではないですか?リスクーパー元第三王子殿下」
睨み合う2人の元に門番が走ってきます。2人を見て一瞬怯みますがお仕事優先です。
「へっ陛下がお会いになるそうです」
「どちらと?」
「えっと…お二方と…お聞きしておりますが、ケガの手当てをしてからという事です」
「ならばすまない。メッシュ公爵家に連絡をしてほしい」
「メッシュ公爵でしたらまだ王宮内で執務中のハズですが」
「ありがとう。では父の執務室に寄った後、陛下にお目通りを頼みたい」
「承知いたしました。執務室まで送ります」
「すまない」
パトリックが先に歩いていきますが、リスクーパー君はそのまま手当を受けるため医務室へ向かいます。
しかし、その途中、柱に背を預けて待っていたのはマードレイン第二王子。
「兄上…」
「なんとまぁ…凄いな。こっちこい」
「いや、でも汚れるから」
「世話のやける弟だなっ!いいからこいっ」
廊下を歩く2人。以前は同じように華奢な体つきでしたが、今ではリスクーパー君のほうが少し筋肉質な感じになっております。マードレイン君は観賞用の筋肉。リスクーパー君は実用的な筋肉という感じですね。
「今、何をしてるんだ」
「知ってるでしょう?隣国の船着き場で荷運人をしています」
「まさかと思うが…走って来たのか?」
「えぇ。馬で。エレインが以前に貸してくれたんですが…かなり走らせてしまいました」
「まぁ…よく馬がもったもんだな」
マードレイン君の執務室で簡単な湯あみをして手当てを受けます。
色々と着る服を物色しているマードレイン君ですが、王子様っぽいフリル付きばかりです。
しかし大問題が発生。どの服も肩幅が合わないのです。
王太子殿下よりマードレイン君の方が少しサイズが大きいのでマードレイン君のが着れないなら王太子殿下のは間違いなく着られません。
仕方なく護衛の騎士の着替えを貸してもらう事になってしまったリスクーパー君。
「あ、そのシャツと上着は捨てないで」
「なんでだ?ボロボロだろうが」
「いや…特に上着は…エレインが直してくれたんだ」
「ホント、お前は昔っから最後は持っていくんだよな」
「何の事?」
「ま、金を稼いだらエレインに宝石箱でも買ってやれよ」
「宝石箱?‥‥アハハ…無理かも」
「やる前から無理って言うな」
従者が呼びに来ます。【陛下がお待ちです】
リスクーパー君の背中をバンっと叩いてマードレイン君は気合を注入しました。
バゴっ!!
父の執務室で思いっきり殴られるのはパトリック君です。
40代をもう超えた父で、文官歴しかありませんが渾身のパンチで吹っ飛んでます。
「この痴れ者がっ!」
「ですが‥‥まだ間に合うかと!」
「間に合う?お前は1年の間に何をしていた?妻を辺境の中でも辺境に追いやり、本人が望んだとはいえ何度そこに通った?まさかと思うが閨も伴にしておらんなどと言うなよ?」
「ぐっ‥‥」
「まさか‥‥まだなのか?」
「はい…申し訳ありません」
「だが、別邸には何度も行ったのだろうが」
「いえ…一度も行っておりません」
魔法契約を知らないメッシュ公爵は机の上にあったものをガーっと床に落とし、ドンっと叩きます。
「バカか?あんな阿婆擦れに何億もつぎ込んだ挙句、娶った妻を…バカなのか!」
「リリシアとはもう別れました」
「当たり前だ!何度言った?あんな阿婆擦れは捨てろと何度!!」
「そうです!バカなんです。やっと気が付いた。でも‥‥会えなかった!!やりなおしたい!最初から!」
頭を抱えるメッシュ公爵。間違いなく白い結婚の判定を受けているだろうと思うと公爵家すら危ういと目の前の息子に手をかけてしまった自分を今更ながらに呪ってしまいそうです。
従者が呼びに来ます。【陛下がお待ちです】
行くぞと声をかけるメッシュ公爵の後を追うようにパトリック君は部屋を出ました。
「メッシュ公爵家のパトリックだったな」
「はい。この度は突然の…」
「よいよい。で?今日はあのウェディングドレスの女性はおらんようだが?」
「は、はい…お恥ずかしいのですがもう彼女とは道を違えまして…」
「儂の選んだ令嬢を蔑ろにしてまで臨んだ女ではなかったのか?お前の覚悟はその程度か」
「甘い考えでした。愚かだったと今は思っております」
「まぁ別れた女の事はどうこう言っても仕方あるまい」
「いえっ!陛下!畏れながら申し上げます。陛下の結んでくださったご縁、今度こそ!今度こそはこの身に変えても全うしたいと…間に合うのであればもう一度、領民も願っております。お願いいたします」
「ふむ…では、リスクーパー久しいの」
「父上、ご無沙汰をしておりました」
「で?本日は何用だ?」
「エレインを迎えに参りました」
「ほう、エレインを。可笑しなことが聞こえたなぁ。あの桃色娘はどうした」
「彼女は私が廃嫡となり準平民になった途端にいなくなりました。その程度の付き合いを見抜けなかったのです」
「で?今は何をしているのだ」
「隣国の船着き場で労働をしております」
「その給料でエレインを養えると思っておるのか?また愛があればとか真実の愛とぬかすか」
「そっそれは‥確かに金は必要です。でも…」
「だ、そうだが‥‥どうするエレイン」
陛下の声に前を見ると、2段ほど下の壇上にエレインが立っております。
思わず身を乗り出してしまう2人ですが、衛兵の長槍が目の前で交差します。
「本当に。いい加減になさいましな」
「エレイン。お前はどうしたい?」
「どうするもこうするも、わたくしは最初から隣国でのんびりしたいと申しております」
「だが、申し訳ないがエレイン。お前をこの国から出すことは出来んのだ」
「またですか?陛下もいい加減にしてくださいまし」
「儂としては、エレインはこの国から出したくはないし、メッシュ公爵家を潰す事も経済的な事もあるか、貴族間の力関係からそれも出来ん。その上廃嫡はしてもリスクーパーは息子だ」
「はいはい。そうですわね」
「なので、エレイン、そなたにはネルチャ侯爵という爵位を与える。その上メッシュ公爵領のパトリックが管轄している地はネルチャ侯爵領とする。3年であの地を立て直してはくれんか。そこの2人を補佐につけるから」
「いやです。わたくしがのんびりしたいのは隣国であって辺境ではないのです。それにその2人が補佐なんてどんな罰ゲームですの?ゲームは男と女のラブゲームだけで沢山ですわ!」
「そう言うな。儂の最後の頼みだ。引き受けてはくれんか?」
「また婚期が遅れるではありませんか。わたくし嫁かず後家になってしまいます」
「目の前におるではないか、婿候補が」
「えぇぇ?片方は12年も一緒にいてわたくしの事を碌に知らないのですよ?それにサイクロシプスごときにワーワーキャーキャーと!掃除は上手いんですけどビックリするほどのヘタレなのですよ?」
リスクーパー君…滝のような冷や汗が流れております
「もう片方は、私のキャプ●ンをタダ読みした癖に時間はルーズ、いい恰好しぃなんですよ?それに頭が致命的に悪いんですよ?領民の方にどんだけ迷惑をかけて生きている事やらってほどなんですよ?」
パトリック君…脱水起こす手前くらいの冷や汗が流れています。
「そう言うてやるな。そうだな石の上にも3年というであろう?3年でいいからこの2人の良いところを見つけてやれ」
「そんなの陛下がしてくださいまし。3年なんて!わたくし22になるではないですか!」
「大丈夫。3年経てば辛抱できない方は浮気するから」
「バカ言ってんじゃないですわぁ!」
「バカは言っておらんだろうが」
「わたくしで遊んでますのね!判っておりますわ!うわぁん」
陛下の度重なるお願いについに泣き出してしまうエレイン。
バッっと衛兵の長槍を押しのけてヨシヨシ…としたのは・・・
1頭は公爵令息。1頭は元王子。2人ともボロボロの状態です。
途中公爵家に寄って着替えをしようと思っていたパトリックですが、王都に入る直前で1頭の馬が右側の街道を走ってくるのが目に入ります。
着ている服はボロボロで背中に何かを背負っているようで、馬もかなり疲れているように見えます。
ですが、ここでも貴族特有の勘が働きます。
「公爵邸に寄っていては間に合わない」
そんな気持ちになって馬を走らせました。その結果2頭の馬がほぼ同時に城の入り口に到着したのです。
門番が急ぎ知らせに走ると、パトリックもリスクーパー君も馬から下ります。
「すみません。馬に水を…出来れば休ませてあげたいのですが」
「でん…いえ、どこから来られたのです?」
「隣国から…もう4日この馬が休んでいないんです。なので…」
「判りました。良くここまで頑張ったな…どぅどぅ…」
門番は厩舎の係を呼ぶように伝えて、水まきように置いてあった桶に水をいれると2頭の馬に水を飲ませます。
「すまない。ありがとう。助かるよ」
「いえ、本日は公爵様は…」
「父は来ていない。陛下と…おそらく陛下の元にいる妻‥いや女性に会いたいのだ」
パトリックの言葉にピクリと反応するリスクーパー君は思わずパトリックの元に歩み寄ります。
2人とも手綱を握りしめていたため、手の皮は剥けて血まみれです。
しかしリスクーパー君はパトリックの胸ぐらを掴みあげます。
「なっ…なんだ、貴様は」
「何の用だ?エレインをあんなところに追いやって…まだ罵る気か!」
まだあとを継いでいないので遠目からしか見た事はないけれど目の前の王子が第三王子である事に気が付くパトリック。小さく笑います。
「あんなところ?申し訳ない。あれでも我が領なのだ。それに追いやったとは笑止千万。元はあなたが元凶なのではないですか?リスクーパー元第三王子殿下」
睨み合う2人の元に門番が走ってきます。2人を見て一瞬怯みますがお仕事優先です。
「へっ陛下がお会いになるそうです」
「どちらと?」
「えっと…お二方と…お聞きしておりますが、ケガの手当てをしてからという事です」
「ならばすまない。メッシュ公爵家に連絡をしてほしい」
「メッシュ公爵でしたらまだ王宮内で執務中のハズですが」
「ありがとう。では父の執務室に寄った後、陛下にお目通りを頼みたい」
「承知いたしました。執務室まで送ります」
「すまない」
パトリックが先に歩いていきますが、リスクーパー君はそのまま手当を受けるため医務室へ向かいます。
しかし、その途中、柱に背を預けて待っていたのはマードレイン第二王子。
「兄上…」
「なんとまぁ…凄いな。こっちこい」
「いや、でも汚れるから」
「世話のやける弟だなっ!いいからこいっ」
廊下を歩く2人。以前は同じように華奢な体つきでしたが、今ではリスクーパー君のほうが少し筋肉質な感じになっております。マードレイン君は観賞用の筋肉。リスクーパー君は実用的な筋肉という感じですね。
「今、何をしてるんだ」
「知ってるでしょう?隣国の船着き場で荷運人をしています」
「まさかと思うが…走って来たのか?」
「えぇ。馬で。エレインが以前に貸してくれたんですが…かなり走らせてしまいました」
「まぁ…よく馬がもったもんだな」
マードレイン君の執務室で簡単な湯あみをして手当てを受けます。
色々と着る服を物色しているマードレイン君ですが、王子様っぽいフリル付きばかりです。
しかし大問題が発生。どの服も肩幅が合わないのです。
王太子殿下よりマードレイン君の方が少しサイズが大きいのでマードレイン君のが着れないなら王太子殿下のは間違いなく着られません。
仕方なく護衛の騎士の着替えを貸してもらう事になってしまったリスクーパー君。
「あ、そのシャツと上着は捨てないで」
「なんでだ?ボロボロだろうが」
「いや…特に上着は…エレインが直してくれたんだ」
「ホント、お前は昔っから最後は持っていくんだよな」
「何の事?」
「ま、金を稼いだらエレインに宝石箱でも買ってやれよ」
「宝石箱?‥‥アハハ…無理かも」
「やる前から無理って言うな」
従者が呼びに来ます。【陛下がお待ちです】
リスクーパー君の背中をバンっと叩いてマードレイン君は気合を注入しました。
バゴっ!!
父の執務室で思いっきり殴られるのはパトリック君です。
40代をもう超えた父で、文官歴しかありませんが渾身のパンチで吹っ飛んでます。
「この痴れ者がっ!」
「ですが‥‥まだ間に合うかと!」
「間に合う?お前は1年の間に何をしていた?妻を辺境の中でも辺境に追いやり、本人が望んだとはいえ何度そこに通った?まさかと思うが閨も伴にしておらんなどと言うなよ?」
「ぐっ‥‥」
「まさか‥‥まだなのか?」
「はい…申し訳ありません」
「だが、別邸には何度も行ったのだろうが」
「いえ…一度も行っておりません」
魔法契約を知らないメッシュ公爵は机の上にあったものをガーっと床に落とし、ドンっと叩きます。
「バカか?あんな阿婆擦れに何億もつぎ込んだ挙句、娶った妻を…バカなのか!」
「リリシアとはもう別れました」
「当たり前だ!何度言った?あんな阿婆擦れは捨てろと何度!!」
「そうです!バカなんです。やっと気が付いた。でも‥‥会えなかった!!やりなおしたい!最初から!」
頭を抱えるメッシュ公爵。間違いなく白い結婚の判定を受けているだろうと思うと公爵家すら危ういと目の前の息子に手をかけてしまった自分を今更ながらに呪ってしまいそうです。
従者が呼びに来ます。【陛下がお待ちです】
行くぞと声をかけるメッシュ公爵の後を追うようにパトリック君は部屋を出ました。
「メッシュ公爵家のパトリックだったな」
「はい。この度は突然の…」
「よいよい。で?今日はあのウェディングドレスの女性はおらんようだが?」
「は、はい…お恥ずかしいのですがもう彼女とは道を違えまして…」
「儂の選んだ令嬢を蔑ろにしてまで臨んだ女ではなかったのか?お前の覚悟はその程度か」
「甘い考えでした。愚かだったと今は思っております」
「まぁ別れた女の事はどうこう言っても仕方あるまい」
「いえっ!陛下!畏れながら申し上げます。陛下の結んでくださったご縁、今度こそ!今度こそはこの身に変えても全うしたいと…間に合うのであればもう一度、領民も願っております。お願いいたします」
「ふむ…では、リスクーパー久しいの」
「父上、ご無沙汰をしておりました」
「で?本日は何用だ?」
「エレインを迎えに参りました」
「ほう、エレインを。可笑しなことが聞こえたなぁ。あの桃色娘はどうした」
「彼女は私が廃嫡となり準平民になった途端にいなくなりました。その程度の付き合いを見抜けなかったのです」
「で?今は何をしているのだ」
「隣国の船着き場で労働をしております」
「その給料でエレインを養えると思っておるのか?また愛があればとか真実の愛とぬかすか」
「そっそれは‥確かに金は必要です。でも…」
「だ、そうだが‥‥どうするエレイン」
陛下の声に前を見ると、2段ほど下の壇上にエレインが立っております。
思わず身を乗り出してしまう2人ですが、衛兵の長槍が目の前で交差します。
「本当に。いい加減になさいましな」
「エレイン。お前はどうしたい?」
「どうするもこうするも、わたくしは最初から隣国でのんびりしたいと申しております」
「だが、申し訳ないがエレイン。お前をこの国から出すことは出来んのだ」
「またですか?陛下もいい加減にしてくださいまし」
「儂としては、エレインはこの国から出したくはないし、メッシュ公爵家を潰す事も経済的な事もあるか、貴族間の力関係からそれも出来ん。その上廃嫡はしてもリスクーパーは息子だ」
「はいはい。そうですわね」
「なので、エレイン、そなたにはネルチャ侯爵という爵位を与える。その上メッシュ公爵領のパトリックが管轄している地はネルチャ侯爵領とする。3年であの地を立て直してはくれんか。そこの2人を補佐につけるから」
「いやです。わたくしがのんびりしたいのは隣国であって辺境ではないのです。それにその2人が補佐なんてどんな罰ゲームですの?ゲームは男と女のラブゲームだけで沢山ですわ!」
「そう言うな。儂の最後の頼みだ。引き受けてはくれんか?」
「また婚期が遅れるではありませんか。わたくし嫁かず後家になってしまいます」
「目の前におるではないか、婿候補が」
「えぇぇ?片方は12年も一緒にいてわたくしの事を碌に知らないのですよ?それにサイクロシプスごときにワーワーキャーキャーと!掃除は上手いんですけどビックリするほどのヘタレなのですよ?」
リスクーパー君…滝のような冷や汗が流れております
「もう片方は、私のキャプ●ンをタダ読みした癖に時間はルーズ、いい恰好しぃなんですよ?それに頭が致命的に悪いんですよ?領民の方にどんだけ迷惑をかけて生きている事やらってほどなんですよ?」
パトリック君…脱水起こす手前くらいの冷や汗が流れています。
「そう言うてやるな。そうだな石の上にも3年というであろう?3年でいいからこの2人の良いところを見つけてやれ」
「そんなの陛下がしてくださいまし。3年なんて!わたくし22になるではないですか!」
「大丈夫。3年経てば辛抱できない方は浮気するから」
「バカ言ってんじゃないですわぁ!」
「バカは言っておらんだろうが」
「わたくしで遊んでますのね!判っておりますわ!うわぁん」
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