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仁義を切るマードレイン
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この国の王子様、実は3人いたのです。
1人は大失態を犯してしまって準平民となり、今は隣国の船着き場で肉体労働に従事しております。
残ったのは2人の王子。勉学的な優秀さで言えばお兄ちゃんな分だけ少し秀でた王太子殿下がリード。
しかし、第二王子もそんなに差は付いておりません。
年齢的には王太子殿下は22歳。パトリックと同じ年齢です。
第二王子は20歳。成人式でワイワイガヤガヤで県知事から「うるさいっ」ってお叱りを受ける年齢。
でもまぁ、そこは一応王子ですのでそんな席では良い子の着ぐるみを着ております。
つまらない事で目立っても後で「ごめんなさい」なんてミットモナイだけと知っています。
2人の王子様とも実はエレインが大好きなのです。
好きゆえに、婚約者を未だに決めておりません。一時期決めようとしたことはありましたが、第三王子と結婚したら諦めようと思っていたようです。
しかし!天は我を見捨てなかった!とフリーになったエレインに申し込もうとしましたが、王子がやらかしたばかりで別の王子なんてのは醜聞以外何ものでもないですし、対面ってものがあります。
本人はオールオケっ!と思っていても、押し付けられたと諸外国から見られるのはやはり良くないのです。
押せば何とでもなると思われてしまいますのでね。
グッと我慢。ほとぼりが冷めるまで我慢!と思っていたらやらかした初日に陛下がトンデモナイ提案するもんだからかなりド派手な親子喧嘩もございました。
陛下としては、2人の息子にはエレイン以外の貴族令嬢を娶らせるつもりなのですが…。
肝心のパトリックにもしてやられたーっと陛下も頭を抱えます。
こいつさえ!こいつさえ!ちゃんとしてくれれば安泰だったのに!と後悔先に立たず。
そして離縁の日が近くなると動きだした王子が1人。
積極的なイケイケ派は第二王子。王太子殿下は果報は寝て待てタイプです。
コンコン
「なんだ~」
「父上、お話がございます」
やってきたのはイケイケなマードレイン第二王子。地理オタクで黒い事も平気でやっちゃうデンジャラスな王子。
「どうしたんだ?マードレイン」
「面倒なので先に結論を言いますけど、僕は継承権を放棄しますので公爵にしてください」
一応王太子はもう決まっているのでほぼ揺るぎませんが、王太子に子が出来ない場合や暗殺なども考えて第二王子は後継者の出来る頃までは王族で置いておきたい国王陛下。
しかし、第二王子マードレインにも考えがあるようです。
「父上、僕は妻にするならエレインと決めているんです」
「う、ウーム‥‥しかしエレインは今…」
「知っています。ですが期間限定ですからね。離縁まであと60日ほどです」
「それはそうなんだが…」
「で、王族特に僕は王弟となるわけですが離縁経験のある女性を娶るのは問題が多いんです」
「確かにな。王弟と言えど妃の処女性は求められる。離縁経験があると言う事は白い結婚でも問題視されるな」
「ですから早々に王籍から抜けて、離縁したら早々に婚約をしたいのです。公爵、もしくは侯爵でしたら問題もない。問題となるなら王弟であると言う事、それを放棄したいんです」
そう、つまり‥‥王太子殿下はエレインを娶りたくても問題が多いって事です。
第三王子がいない今、先手を打って王籍から抜ければ王太子はもう抜ける事が出来なくなるので自然とエレイン獲得レースから脱落してしまうと言う事です。
まぁ、可能性があるとすれば公的な側妃でしょうか。
「父上っ!僕は公爵、侯爵になったら暗部を請け負っても良いんです。だから…」
「マードレイン。気持ちは判るがそれは性急過ぎないか?」
「いえ、もう日がないんです。エレインを妻に出来ないのなら…」
「でっ出来ないのなら??」
「僕、色々…殺っちゃうかも知れません」
「ヒュッ!!」
陛下も息子とはいえ、第二王子の黒い部分は知っております。
ただ、今まで行っていた事は嫌でも目を潰らねばならない事もあったので言わないだけです。
コイツは有言実行型という事も知っております。
エレインの父をわいせつ罪だけの罪状で当初斬首刑にしようとしていたのを、収賄や脱税、育児放棄、不貞などいろいろつけて絞首刑に格下げしたのは陛下でもあるのです(判決は第二王子でしたが)
「今すぐの返事は待ってくれ。わかるであろう?」
「えぇ、でも仁義は切ったんだから通してくださいよ?」
「えっ?そんな怖い事言わない。仮にも王子だろう?」
「とにかく時間がないんですよ?桃次郎でも運べないかも知れないくらいに!8時間の道のりを3時間で走る桃次郎でも間に合わないくらい時間がないんですよ!」
「桃次郎?なんだそれは?」
「知らないんですか?子分にやもめのジョナサンがいる桃次郎ですよ!」
「まっまさかそれは…トラッ●野郎ではないかっ!」
「ふふっご意見無用!!」
陛下の部屋を歌いながら出ていく第二王子。
「惚れたはれたが交差点~♪」
地理オタクの第二王子マードレイン。新婚旅行の日程、行程は決まっています。三桁国道(酷道)をエレインと爆走するプランが既に議会に提出されているのでした。
1人は大失態を犯してしまって準平民となり、今は隣国の船着き場で肉体労働に従事しております。
残ったのは2人の王子。勉学的な優秀さで言えばお兄ちゃんな分だけ少し秀でた王太子殿下がリード。
しかし、第二王子もそんなに差は付いておりません。
年齢的には王太子殿下は22歳。パトリックと同じ年齢です。
第二王子は20歳。成人式でワイワイガヤガヤで県知事から「うるさいっ」ってお叱りを受ける年齢。
でもまぁ、そこは一応王子ですのでそんな席では良い子の着ぐるみを着ております。
つまらない事で目立っても後で「ごめんなさい」なんてミットモナイだけと知っています。
2人の王子様とも実はエレインが大好きなのです。
好きゆえに、婚約者を未だに決めておりません。一時期決めようとしたことはありましたが、第三王子と結婚したら諦めようと思っていたようです。
しかし!天は我を見捨てなかった!とフリーになったエレインに申し込もうとしましたが、王子がやらかしたばかりで別の王子なんてのは醜聞以外何ものでもないですし、対面ってものがあります。
本人はオールオケっ!と思っていても、押し付けられたと諸外国から見られるのはやはり良くないのです。
押せば何とでもなると思われてしまいますのでね。
グッと我慢。ほとぼりが冷めるまで我慢!と思っていたらやらかした初日に陛下がトンデモナイ提案するもんだからかなりド派手な親子喧嘩もございました。
陛下としては、2人の息子にはエレイン以外の貴族令嬢を娶らせるつもりなのですが…。
肝心のパトリックにもしてやられたーっと陛下も頭を抱えます。
こいつさえ!こいつさえ!ちゃんとしてくれれば安泰だったのに!と後悔先に立たず。
そして離縁の日が近くなると動きだした王子が1人。
積極的なイケイケ派は第二王子。王太子殿下は果報は寝て待てタイプです。
コンコン
「なんだ~」
「父上、お話がございます」
やってきたのはイケイケなマードレイン第二王子。地理オタクで黒い事も平気でやっちゃうデンジャラスな王子。
「どうしたんだ?マードレイン」
「面倒なので先に結論を言いますけど、僕は継承権を放棄しますので公爵にしてください」
一応王太子はもう決まっているのでほぼ揺るぎませんが、王太子に子が出来ない場合や暗殺なども考えて第二王子は後継者の出来る頃までは王族で置いておきたい国王陛下。
しかし、第二王子マードレインにも考えがあるようです。
「父上、僕は妻にするならエレインと決めているんです」
「う、ウーム‥‥しかしエレインは今…」
「知っています。ですが期間限定ですからね。離縁まであと60日ほどです」
「それはそうなんだが…」
「で、王族特に僕は王弟となるわけですが離縁経験のある女性を娶るのは問題が多いんです」
「確かにな。王弟と言えど妃の処女性は求められる。離縁経験があると言う事は白い結婚でも問題視されるな」
「ですから早々に王籍から抜けて、離縁したら早々に婚約をしたいのです。公爵、もしくは侯爵でしたら問題もない。問題となるなら王弟であると言う事、それを放棄したいんです」
そう、つまり‥‥王太子殿下はエレインを娶りたくても問題が多いって事です。
第三王子がいない今、先手を打って王籍から抜ければ王太子はもう抜ける事が出来なくなるので自然とエレイン獲得レースから脱落してしまうと言う事です。
まぁ、可能性があるとすれば公的な側妃でしょうか。
「父上っ!僕は公爵、侯爵になったら暗部を請け負っても良いんです。だから…」
「マードレイン。気持ちは判るがそれは性急過ぎないか?」
「いえ、もう日がないんです。エレインを妻に出来ないのなら…」
「でっ出来ないのなら??」
「僕、色々…殺っちゃうかも知れません」
「ヒュッ!!」
陛下も息子とはいえ、第二王子の黒い部分は知っております。
ただ、今まで行っていた事は嫌でも目を潰らねばならない事もあったので言わないだけです。
コイツは有言実行型という事も知っております。
エレインの父をわいせつ罪だけの罪状で当初斬首刑にしようとしていたのを、収賄や脱税、育児放棄、不貞などいろいろつけて絞首刑に格下げしたのは陛下でもあるのです(判決は第二王子でしたが)
「今すぐの返事は待ってくれ。わかるであろう?」
「えぇ、でも仁義は切ったんだから通してくださいよ?」
「えっ?そんな怖い事言わない。仮にも王子だろう?」
「とにかく時間がないんですよ?桃次郎でも運べないかも知れないくらいに!8時間の道のりを3時間で走る桃次郎でも間に合わないくらい時間がないんですよ!」
「桃次郎?なんだそれは?」
「知らないんですか?子分にやもめのジョナサンがいる桃次郎ですよ!」
「まっまさかそれは…トラッ●野郎ではないかっ!」
「ふふっご意見無用!!」
陛下の部屋を歌いながら出ていく第二王子。
「惚れたはれたが交差点~♪」
地理オタクの第二王子マードレイン。新婚旅行の日程、行程は決まっています。三桁国道(酷道)をエレインと爆走するプランが既に議会に提出されているのでした。
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