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元婚約者の謝罪
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ビョービョーと風が吹く中、リスクーパー君はいく所もないので軒下でコートを頭からかぶって雨を避けています。
深夜になって更に強く吹く風です。
眠気もありますが、濡れてしまって寒いのでちょっと震えていますね。
「困った人ですね。失せ物を見つけたと喜んでおられたのに」
「あれは!あれは違うんだ!」
「弁解などよろしいのです。さ、お入りなさいな。風邪をひきます」
「ありがとう‥‥エレイン」
「素直なら可愛いのにねぇ…全く本当に困った人ですわ」
エレインも悪徳代官見習いではありますが本物の悪にも鬼にもなれませんので、びしょ濡れの上、辺境の中の辺境で台風の中、帰れとは本気で思っていません。
部屋に入ると、湯あみをしてこいと言われ濡れて冷えた体を温めるリスクーパー。
肩までどっぷりと湯船に沈めて温まっております。
「お着替えはここに置きますので使ってくださいまし」
「ありがとう。エレイン」
湯からあがって、縦ストライプのパジャマに着替えるとリスクーパーはエレインのいる居間にやってきます。
「お座りになって」
床にちょこんと正座をすると、【申し訳ありませんでしたー!】っと土下座をしております。
「わたくし、あなたのやらかしでこんな辺境に嫁がされたのですよ?」
「はいっ!大変申しわけなくっ!」
「どこでここにいるとお知りになられましたの?」
「その‥‥噂を聞いて‥‥この領主のいる隣村のやつからここを聞いた、いや聞きました」
「それで?謝りにきたんですの?あの女性はどうされたの?」
「あいつは俺が廃嫡になって準平民になるとどっかに行った」
「そうでしょうねぇ。殿下、いえリスクーパー君はそういう所が甘いのですわ」
ホットヤギミルクに少しレンゲ蜂蜜をいれたのをすすめると、ぐすっと泣きながら飲んでおります。
はぁ、この方は昔からこうなんですわよねぇ。自分に甘いから浸け込まれるし。素直なのはいいところなんですが騙されやすいんですわよねぇ
「エレイン。その…君の夫は…愛人がいるって聞いたんだけど」
「そうですわね。陛下の前でも仰ってましたわよ」
「エレインはそれでいいのか?」
「イイも悪いも、わたくしがどうにか出来るモノではないですわ。1人の男性をシェアするなんて真っ平ですもの」
「そうだよなぁ…でも俺のせいなんだよね」
「そうですわね。だけどここも結構面白いんですのよ?」
「永住するのか?」
「いいえ?あと4か月くらいですから出ていきますわよ。さて寝ましょうか。リスクーパー君は向こうの部屋を使ってくださいまし。言っておきますが夜這いなんかしようものなら‥‥お判りね?」
「そんなつもりで来たんじゃないよ。安心して」
「わかりましたわ。そうそう。早めにおタバコはおやめなさい。体に悪いし値上がりしたら馬車たまりでシケモク拾って楊枝ブっさして、歯槽膿漏のオッサンと関節キスになりますわよ?」
「そうだな。やめるよ」
「そうなさいまし。ではおやすみなさいませ」
「あの‥‥」
「なんですの?枕はセブンス●ローですわよ?そば殻が良かったんですの?」
「あ、うん‥‥枕は大丈夫だ。おやすみ」
フカフカの布団なんて何時ぶりだろう‥とまた涙ぐむリスクーパー君。
夢の中で3連になった森●の森の動物たちプリンを食べる夢をみます。
裏返してポッチを折るとなかなか出てこないプリン。カラメルのパンダを崩さないように食べる夢でした。
翌朝、台風一過となり青空が広がる辺境の中の辺境。
エレインよりも早く起きて、別邸の周りをウロウロすると昨夜は気が付かなかった厩舎に気が付きます。
馬とヤギを放牧して、鴨を池に連れていきます。
「なんだ?お前ケガしてて飛べないのか」
「グワグワ」
飛んできた枝などで壊れかけた厩舎を直そうとしますが工作の類は苦手なようです。
厩舎の隅から工具箱を見つけてきてのこぎりで木を切ろうとしますが上手くできません。
「リスクーパー君。何してるの?」
「うわっ!‥‥あ、おはようエレイン」
「はい。おはようございますですわ。で?何を?」
「いや厩舎が壊れてるところがあるんで直そうかなと思って」
「なるほど。のこぎりは引く時に力をいれるんですのよ。押す時は弛めるんですの」
「よく知ってるなぁ」
「よく、バラしますからね」
「バ、バラす?‥‥何を‥‥」
エレイン鉈を手に持って、ウフフと笑います。
「色々と♡」
その後は馬を全てガッシガッシと綺麗に洗ったあと、屋根の修理に高いところの掃除とこき使われるリスクーパー君。
お昼もご馳走になり、午後も倒木で塞がった道をのこぎり片手に整備していきます。
ぶら下がったサイクロシプスに再度驚きつつも、結構な距離を歩きやすいようにするともう夕方です。
帰り道に野イチゴを見つけたのでエレインに持って帰ろうと手にします。
別邸ではエレインが外で肉を焼いているのに驚いて駆け寄ってきます。
「危ないだろう?火傷するぞ」
「大丈夫ですわよ?もう慣れましたし」
「中の厨房は使わないのか?」
「えぇ。未使用のままで返そうと思ってますもの」
手際よくリスクーパー君の分も肉をこんがりと焼いていきます。
星がちらほらと見え始めたテラスで向かい合って食事をします。
「旨っ!旨いな」
「そうでしょう?かなり上手にできるようになりましたのよ」
「侯爵令嬢だったのにな。ホントにごめん」
「いえ、このくらいは屋敷でもしてましたのよ?ただ均等に焼くのはここで鍛えましたの!」
「そうか‥‥」
何かを考えているリスクーパー君は食後エレインに切り出します。
「エレイン。離縁が成立して1人になった時、平民の俺だけど真面目に働くから迎えに来てもいいか?」
ホットヤギミルクを飲みながらエレインはニッコリと応えます。
「それ、ヘビイチゴですわ」
軽くスルーされてしまったリスクーパー君は翌朝、エレインにお弁当を作ってもらって隣国に旅立ちます。
ギリギリ別邸が見えるところまで来たリスクーパー君は叫びます。
【世界一の平民王に俺はなる!!!!!】
ま、更生の第一歩でしょう。とエレイン大目に見るようです。
リスクーパー君は禁煙したそうです。
深夜になって更に強く吹く風です。
眠気もありますが、濡れてしまって寒いのでちょっと震えていますね。
「困った人ですね。失せ物を見つけたと喜んでおられたのに」
「あれは!あれは違うんだ!」
「弁解などよろしいのです。さ、お入りなさいな。風邪をひきます」
「ありがとう‥‥エレイン」
「素直なら可愛いのにねぇ…全く本当に困った人ですわ」
エレインも悪徳代官見習いではありますが本物の悪にも鬼にもなれませんので、びしょ濡れの上、辺境の中の辺境で台風の中、帰れとは本気で思っていません。
部屋に入ると、湯あみをしてこいと言われ濡れて冷えた体を温めるリスクーパー。
肩までどっぷりと湯船に沈めて温まっております。
「お着替えはここに置きますので使ってくださいまし」
「ありがとう。エレイン」
湯からあがって、縦ストライプのパジャマに着替えるとリスクーパーはエレインのいる居間にやってきます。
「お座りになって」
床にちょこんと正座をすると、【申し訳ありませんでしたー!】っと土下座をしております。
「わたくし、あなたのやらかしでこんな辺境に嫁がされたのですよ?」
「はいっ!大変申しわけなくっ!」
「どこでここにいるとお知りになられましたの?」
「その‥‥噂を聞いて‥‥この領主のいる隣村のやつからここを聞いた、いや聞きました」
「それで?謝りにきたんですの?あの女性はどうされたの?」
「あいつは俺が廃嫡になって準平民になるとどっかに行った」
「そうでしょうねぇ。殿下、いえリスクーパー君はそういう所が甘いのですわ」
ホットヤギミルクに少しレンゲ蜂蜜をいれたのをすすめると、ぐすっと泣きながら飲んでおります。
はぁ、この方は昔からこうなんですわよねぇ。自分に甘いから浸け込まれるし。素直なのはいいところなんですが騙されやすいんですわよねぇ
「エレイン。その…君の夫は…愛人がいるって聞いたんだけど」
「そうですわね。陛下の前でも仰ってましたわよ」
「エレインはそれでいいのか?」
「イイも悪いも、わたくしがどうにか出来るモノではないですわ。1人の男性をシェアするなんて真っ平ですもの」
「そうだよなぁ…でも俺のせいなんだよね」
「そうですわね。だけどここも結構面白いんですのよ?」
「永住するのか?」
「いいえ?あと4か月くらいですから出ていきますわよ。さて寝ましょうか。リスクーパー君は向こうの部屋を使ってくださいまし。言っておきますが夜這いなんかしようものなら‥‥お判りね?」
「そんなつもりで来たんじゃないよ。安心して」
「わかりましたわ。そうそう。早めにおタバコはおやめなさい。体に悪いし値上がりしたら馬車たまりでシケモク拾って楊枝ブっさして、歯槽膿漏のオッサンと関節キスになりますわよ?」
「そうだな。やめるよ」
「そうなさいまし。ではおやすみなさいませ」
「あの‥‥」
「なんですの?枕はセブンス●ローですわよ?そば殻が良かったんですの?」
「あ、うん‥‥枕は大丈夫だ。おやすみ」
フカフカの布団なんて何時ぶりだろう‥とまた涙ぐむリスクーパー君。
夢の中で3連になった森●の森の動物たちプリンを食べる夢をみます。
裏返してポッチを折るとなかなか出てこないプリン。カラメルのパンダを崩さないように食べる夢でした。
翌朝、台風一過となり青空が広がる辺境の中の辺境。
エレインよりも早く起きて、別邸の周りをウロウロすると昨夜は気が付かなかった厩舎に気が付きます。
馬とヤギを放牧して、鴨を池に連れていきます。
「なんだ?お前ケガしてて飛べないのか」
「グワグワ」
飛んできた枝などで壊れかけた厩舎を直そうとしますが工作の類は苦手なようです。
厩舎の隅から工具箱を見つけてきてのこぎりで木を切ろうとしますが上手くできません。
「リスクーパー君。何してるの?」
「うわっ!‥‥あ、おはようエレイン」
「はい。おはようございますですわ。で?何を?」
「いや厩舎が壊れてるところがあるんで直そうかなと思って」
「なるほど。のこぎりは引く時に力をいれるんですのよ。押す時は弛めるんですの」
「よく知ってるなぁ」
「よく、バラしますからね」
「バ、バラす?‥‥何を‥‥」
エレイン鉈を手に持って、ウフフと笑います。
「色々と♡」
その後は馬を全てガッシガッシと綺麗に洗ったあと、屋根の修理に高いところの掃除とこき使われるリスクーパー君。
お昼もご馳走になり、午後も倒木で塞がった道をのこぎり片手に整備していきます。
ぶら下がったサイクロシプスに再度驚きつつも、結構な距離を歩きやすいようにするともう夕方です。
帰り道に野イチゴを見つけたのでエレインに持って帰ろうと手にします。
別邸ではエレインが外で肉を焼いているのに驚いて駆け寄ってきます。
「危ないだろう?火傷するぞ」
「大丈夫ですわよ?もう慣れましたし」
「中の厨房は使わないのか?」
「えぇ。未使用のままで返そうと思ってますもの」
手際よくリスクーパー君の分も肉をこんがりと焼いていきます。
星がちらほらと見え始めたテラスで向かい合って食事をします。
「旨っ!旨いな」
「そうでしょう?かなり上手にできるようになりましたのよ」
「侯爵令嬢だったのにな。ホントにごめん」
「いえ、このくらいは屋敷でもしてましたのよ?ただ均等に焼くのはここで鍛えましたの!」
「そうか‥‥」
何かを考えているリスクーパー君は食後エレインに切り出します。
「エレイン。離縁が成立して1人になった時、平民の俺だけど真面目に働くから迎えに来てもいいか?」
ホットヤギミルクを飲みながらエレインはニッコリと応えます。
「それ、ヘビイチゴですわ」
軽くスルーされてしまったリスクーパー君は翌朝、エレインにお弁当を作ってもらって隣国に旅立ちます。
ギリギリ別邸が見えるところまで来たリスクーパー君は叫びます。
【世界一の平民王に俺はなる!!!!!】
ま、更生の第一歩でしょう。とエレイン大目に見るようです。
リスクーパー君は禁煙したそうです。
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