6 / 56
ご意見伺います
しおりを挟む
今一つ腑に落ちないエレインは隣に座る陛下に直撃インタビューします。
「あの陛下聞いても良いですか?」
「なんだ?」
「どうして公爵って身分なのに辺境の領主なんです?普通公爵とかって領地は割と王都に近くていつも夜会でズンタッタって踊ってるんじゃないです?」
「ま、まぁ…その‥‥よくいるじゃないか。都会に疲れて自然豊かな地へIターンとか?」
「なるほど、なんかやらかして左遷組って事ですか」
「まぁ、ちょっと婿になるパトリックは揉め事を起こしてしまったんだよ」
「揉め事?事務所にダンプで突っ込んだとか?」
「それカチコミな」
「手っ取り早く言えばケンカだ。相手も公爵家でちっとばかりケガの度合いがな」
「手足の5本や6本でゴタゴタ言うなら首でも落とせば1個で済むのに」
「エレイン、手足は足しても4本だ」
ガタゴトと馬車は走ります。今日は王都にある公爵家でお泊りをして明日から3日かけて辺境の地へ移動。
そこで‥‥あのウェディングドレスの女性を見る限り1年で隣国へでも行こうかなと考えるエレイン。
王都にある公爵邸は広いと言えば広いんですが辺境の地にある屋敷は敷地も㎡じゃなくてヘクタールとかになるらしいと聞き、川でも流れてないかなとちょっと期待をする。
地理オタクの第二王子殿下に聞いてみます。
「東尋坊みたいな断崖絶壁とかないですかね」
「山の中だからな。海はないから間違いなくないな」
「じゃ、グランドキャニオンみたいな感じかな」
「木は茂っているからそれも違うだろう」
「川はあるのかな?アマゾン川くらいスペクタクルなのがいいんだけど」
「どうだろう。神田川くらいじゃないか?」
「えっ?地下にあるの?」
「それ一部の話な」
何かを言い難そうな陛下と王妃様はエレインの顔をチラチラと見ております。
ん?と気が付くエレインは言いたい事があるなら早く言えとばかりに発言を促します。
「陛下、王妃様、言いたい事あるんじゃないですか?」
「そうなんだけどぉ…」
「50代の語尾伸ばしは息子たちに惨いと思わないですか?」
「エレイン、オブラートに包め」
「王妃様の更年期と血圧と糖尿とかの薬、多すぎて包めませんもん」
「その…侯爵家には何も言わなくていいの?」
「いいです」
「義母、義姉は別として父親は…本当の父親でしょう?」
「えぇ。5歳までは。以降はただの同居人です」
「冷たいのぅ…キーファーも泣いてしまうぞ」
「そうですね。私がいなくなれば玉ねぎ刻む係ですから泣くでしょう」
エレインは5歳で母を亡くしてからはなんでも1人でやってきたのです。
侍女もメイドも義姉には総勢8人いますがエレインにはいません。
「まさかと思うけど荷物はそれだけ?」
「そうですよ。あとはいらないんで。侯爵家あととり私なんですよね。継がないんで潰してください」
「構わんのか?」
「構いません。ベチャっとやっちゃってください」
「未練もないの?育った家でしょう?」
「単に仕事してただけです。王宮の方が滞在時間長かったくらいですから」
エレインがいなくなれば侯爵家は風前の灯火。1年と持たないでしょう。
謁見室に行った時に縁切りも完了しているので身軽なエレインです。
公爵家に到着をするとウェディングドレスの女性以外は出迎えているようです。
「いないんだけど、あのウェディングドレスの人、王家側?」
「ないない。うち、女性は母上だけだから」
しかし、見渡すもその女性はいないようです。
ちなみに本日は初夜で御座いますが、エレインはブッチする予定です。
「陛下、本日はありがとうございました」
丁寧な挨拶をしていますが3兄弟らしくどの人だったかもエレイン思い出せません。
うーむと考えております。
するとやはりイイ人なのかも知れません。一歩前に出てくれます。
で、面倒なのが大嫌いなエレインは軽くロケット弾を発射します。
「えっと、離縁前提でお願いします。清い関係でいましょう!」
頭を抱える王家側、唖然とする公爵家側ですがエレインは証人は多ければ多いほど良いと文官に書記を頼んで契約をするようです。
「後出しは無しにしてくださいね?重要な事は今すぐここで確認しましょう」
ですが、流石に陛下と王妃様、2人の王子の前では不都合な事は言い出せないようです。
仕方なく…
「では、後出しの場合は1文字につき1億のペナルティでいいですかね?」
流石にそうなると、花婿さんの男性を両側の男性が突っつきます。
陛下も立ち合いなんですから後出しなんかすればヘタすると文字数で公爵家飛びますからね。
「あの‥‥陛下…本当に申し訳ないのですが・・・」
「なんだ。申してみよ」
「王命でしたので結婚しました。愛する自信がありません」
「別にいいんですけど、愛人がいるとか彼女いるなら先にいった方がいいですよ?不利になるんで」
「あ、あの‥‥付き合っている女性がいます」
「だ、そうですよー!陛下。1年でいいですよね?」
完全に顔を潰された陛下。プルプルしていますね。
あ、お肌じゃありませんよ?お腹でもないです。
「先に言っておきますね。私はあなたが寝泊まりする屋敷からは一番遠いところがいいんですけど地図とかあります?」
呆気にとられる公爵家ご一同。広げた地図の説明を受けると一番遠くではありませんがかなり離れたところにある別邸で1年生活する事に決めたようです。
「夜会とか茶会とかその彼女と行ってください。私は引きこもりますんで。えっとここって馬で片道10日くらいです?」
<<えぇぇぇ? ※公爵家一同>>
「エレイン、辺境の地まで3日だ。10日って何往復する気だ」
「えっ?じゃぁめちゃくちゃ近いじゃないですか?そんなん嫌だな」
<<えぇぇぇ? ※公爵家一同>>
「道が悪いので多分半日はゆうにかかると思います」
「たった半日かぁ‥‥もっと遠いところないんですか?」
男性が指で地図をトントンします
「ここなら早馬でも1日と少しです。途中はどうしても馬を引かねば通れないところもありますから」
「じゃ、ここでいいです。決まりで」
婿様の住む屋敷から山を2つ超えた所にある辺境の中の辺境。
エレインは1年間籠って仙人にでもなるつもりなのでしょうか。
「あの陛下聞いても良いですか?」
「なんだ?」
「どうして公爵って身分なのに辺境の領主なんです?普通公爵とかって領地は割と王都に近くていつも夜会でズンタッタって踊ってるんじゃないです?」
「ま、まぁ…その‥‥よくいるじゃないか。都会に疲れて自然豊かな地へIターンとか?」
「なるほど、なんかやらかして左遷組って事ですか」
「まぁ、ちょっと婿になるパトリックは揉め事を起こしてしまったんだよ」
「揉め事?事務所にダンプで突っ込んだとか?」
「それカチコミな」
「手っ取り早く言えばケンカだ。相手も公爵家でちっとばかりケガの度合いがな」
「手足の5本や6本でゴタゴタ言うなら首でも落とせば1個で済むのに」
「エレイン、手足は足しても4本だ」
ガタゴトと馬車は走ります。今日は王都にある公爵家でお泊りをして明日から3日かけて辺境の地へ移動。
そこで‥‥あのウェディングドレスの女性を見る限り1年で隣国へでも行こうかなと考えるエレイン。
王都にある公爵邸は広いと言えば広いんですが辺境の地にある屋敷は敷地も㎡じゃなくてヘクタールとかになるらしいと聞き、川でも流れてないかなとちょっと期待をする。
地理オタクの第二王子殿下に聞いてみます。
「東尋坊みたいな断崖絶壁とかないですかね」
「山の中だからな。海はないから間違いなくないな」
「じゃ、グランドキャニオンみたいな感じかな」
「木は茂っているからそれも違うだろう」
「川はあるのかな?アマゾン川くらいスペクタクルなのがいいんだけど」
「どうだろう。神田川くらいじゃないか?」
「えっ?地下にあるの?」
「それ一部の話な」
何かを言い難そうな陛下と王妃様はエレインの顔をチラチラと見ております。
ん?と気が付くエレインは言いたい事があるなら早く言えとばかりに発言を促します。
「陛下、王妃様、言いたい事あるんじゃないですか?」
「そうなんだけどぉ…」
「50代の語尾伸ばしは息子たちに惨いと思わないですか?」
「エレイン、オブラートに包め」
「王妃様の更年期と血圧と糖尿とかの薬、多すぎて包めませんもん」
「その…侯爵家には何も言わなくていいの?」
「いいです」
「義母、義姉は別として父親は…本当の父親でしょう?」
「えぇ。5歳までは。以降はただの同居人です」
「冷たいのぅ…キーファーも泣いてしまうぞ」
「そうですね。私がいなくなれば玉ねぎ刻む係ですから泣くでしょう」
エレインは5歳で母を亡くしてからはなんでも1人でやってきたのです。
侍女もメイドも義姉には総勢8人いますがエレインにはいません。
「まさかと思うけど荷物はそれだけ?」
「そうですよ。あとはいらないんで。侯爵家あととり私なんですよね。継がないんで潰してください」
「構わんのか?」
「構いません。ベチャっとやっちゃってください」
「未練もないの?育った家でしょう?」
「単に仕事してただけです。王宮の方が滞在時間長かったくらいですから」
エレインがいなくなれば侯爵家は風前の灯火。1年と持たないでしょう。
謁見室に行った時に縁切りも完了しているので身軽なエレインです。
公爵家に到着をするとウェディングドレスの女性以外は出迎えているようです。
「いないんだけど、あのウェディングドレスの人、王家側?」
「ないない。うち、女性は母上だけだから」
しかし、見渡すもその女性はいないようです。
ちなみに本日は初夜で御座いますが、エレインはブッチする予定です。
「陛下、本日はありがとうございました」
丁寧な挨拶をしていますが3兄弟らしくどの人だったかもエレイン思い出せません。
うーむと考えております。
するとやはりイイ人なのかも知れません。一歩前に出てくれます。
で、面倒なのが大嫌いなエレインは軽くロケット弾を発射します。
「えっと、離縁前提でお願いします。清い関係でいましょう!」
頭を抱える王家側、唖然とする公爵家側ですがエレインは証人は多ければ多いほど良いと文官に書記を頼んで契約をするようです。
「後出しは無しにしてくださいね?重要な事は今すぐここで確認しましょう」
ですが、流石に陛下と王妃様、2人の王子の前では不都合な事は言い出せないようです。
仕方なく…
「では、後出しの場合は1文字につき1億のペナルティでいいですかね?」
流石にそうなると、花婿さんの男性を両側の男性が突っつきます。
陛下も立ち合いなんですから後出しなんかすればヘタすると文字数で公爵家飛びますからね。
「あの‥‥陛下…本当に申し訳ないのですが・・・」
「なんだ。申してみよ」
「王命でしたので結婚しました。愛する自信がありません」
「別にいいんですけど、愛人がいるとか彼女いるなら先にいった方がいいですよ?不利になるんで」
「あ、あの‥‥付き合っている女性がいます」
「だ、そうですよー!陛下。1年でいいですよね?」
完全に顔を潰された陛下。プルプルしていますね。
あ、お肌じゃありませんよ?お腹でもないです。
「先に言っておきますね。私はあなたが寝泊まりする屋敷からは一番遠いところがいいんですけど地図とかあります?」
呆気にとられる公爵家ご一同。広げた地図の説明を受けると一番遠くではありませんがかなり離れたところにある別邸で1年生活する事に決めたようです。
「夜会とか茶会とかその彼女と行ってください。私は引きこもりますんで。えっとここって馬で片道10日くらいです?」
<<えぇぇぇ? ※公爵家一同>>
「エレイン、辺境の地まで3日だ。10日って何往復する気だ」
「えっ?じゃぁめちゃくちゃ近いじゃないですか?そんなん嫌だな」
<<えぇぇぇ? ※公爵家一同>>
「道が悪いので多分半日はゆうにかかると思います」
「たった半日かぁ‥‥もっと遠いところないんですか?」
男性が指で地図をトントンします
「ここなら早馬でも1日と少しです。途中はどうしても馬を引かねば通れないところもありますから」
「じゃ、ここでいいです。決まりで」
婿様の住む屋敷から山を2つ超えた所にある辺境の中の辺境。
エレインは1年間籠って仙人にでもなるつもりなのでしょうか。
76
お気に入りに追加
4,346
あなたにおすすめの小説
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
私は王子のサンドバッグ
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のローズは第二王子エリックの婚約者だった。王子の希望によって成された婚約のはずであったが、ローズは王子から冷たい仕打ちを受ける。
学園に入学してからは周囲の生徒も巻き込んで苛烈なイジメに発展していく。
伯爵家は王家に対して何度も婚約解消を申し出るが、何故か受け入れられない。
婚約破棄を言い渡されるまでの辛抱と我慢を続けるローズだったが、王子が憂さ晴らしの玩具を手放すつもりがないことを知ったローズは絶望して自殺を図る。
私も貴方を愛さない〜今更愛していたと言われても困ります
せいめ
恋愛
『小説年間アクセスランキング2023』で10位をいただきました。
読んでくださった方々に心から感謝しております。ありがとうございました。
「私は君を愛することはないだろう。
しかし、この結婚は王命だ。不本意だが、君とは白い結婚にはできない。貴族の義務として今宵は君を抱く。
これを終えたら君は領地で好きに生活すればいい」
結婚初夜、旦那様は私に冷たく言い放つ。
この人は何を言っているのかしら?
そんなことは言われなくても分かっている。
私は誰かを愛することも、愛されることも許されないのだから。
私も貴方を愛さない……
侯爵令嬢だった私は、ある日、記憶喪失になっていた。
そんな私に冷たい家族。その中で唯一優しくしてくれる義理の妹。
記憶喪失の自分に何があったのかよく分からないまま私は王命で婚約者を決められ、強引に結婚させられることになってしまった。
この結婚に何の希望も持ってはいけないことは知っている。
それに、婚約期間から冷たかった旦那様に私は何の期待もしていない。
そんな私は初夜を迎えることになる。
その初夜の後、私の運命が大きく動き出すことも知らずに……
よくある記憶喪失の話です。
誤字脱字、申し訳ありません。
ご都合主義です。
婚約者と義妹に裏切られたので、ざまぁして逃げてみた
せいめ
恋愛
伯爵令嬢のフローラは、夜会で婚約者のレイモンドと義妹のリリアンが抱き合う姿を見てしまった。
大好きだったレイモンドの裏切りを知りショックを受けるフローラ。
三ヶ月後には結婚式なのに、このままあの方と結婚していいの?
深く傷付いたフローラは散々悩んだ挙句、その場に偶然居合わせた公爵令息や親友の力を借り、ざまぁして逃げ出すことにしたのであった。
ご都合主義です。
誤字脱字、申し訳ありません。
婚約解消したら後悔しました
せいめ
恋愛
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者と婚約解消した。
婚約解消したことで、ずっと後悔し続ける令息の話。
ご都合主義です。ゆるい設定です。
誤字脱字お許しください。
巻き戻り令嬢は長生きしたい。二度目の人生はあなた達を愛しません
せいめ
恋愛
「アナ、君と私の婚約を解消することに決まった」
王太子殿下は、今にも泣きそうな顔だった。
「王太子殿下、貴方の婚約者として過ごした時間はとても幸せでした。ありがとうございました。
どうか、隣国の王女殿下とお幸せになって下さいませ。」
「私も君といる時間は幸せだった…。
本当に申し訳ない…。
君の幸せを心から祈っているよ。」
婚約者だった王太子殿下が大好きだった。
しかし国際情勢が不安定になり、隣国との関係を強固にするため、急遽、隣国の王女殿下と王太子殿下との政略結婚をすることが決まり、私との婚約は解消されることになったのだ。
しかし殿下との婚約解消のすぐ後、私は王命で別の婚約者を決められることになる。
新しい婚約者は殿下の側近の公爵令息。その方とは個人的に話をしたことは少なかったが、見目麗しく優秀な方だという印象だった。
婚約期間は異例の短さで、すぐに結婚することになる。きっと殿下の婚姻の前に、元婚約者の私を片付けたかったのだろう。
しかし王命での結婚でありながらも、旦那様は妻の私をとても大切にしてくれた。
少しずつ彼への愛を自覚し始めた時…
貴方に好きな人がいたなんて知らなかった。
王命だから、好きな人を諦めて私と結婚したのね。
愛し合う二人を邪魔してごめんなさい…
そんな時、私は徐々に体調が悪くなり、ついには寝込むようになってしまった。後で知ることになるのだが、私は少しずつ毒を盛られていたのだ。
旦那様は仕事で隣国に行っていて、しばらくは戻らないので頼れないし、毒を盛った犯人が誰なのかも分からない。
そんな私を助けてくれたのは、実家の侯爵家を継ぐ義兄だった…。
毒で自分の死が近いことを悟った私は思った。
今世ではあの人達と関わったことが全ての元凶だった。もし来世があるならば、あの人達とは絶対に関わらない。
それよりも、こんな私を最後まで見捨てることなく面倒を見てくれた義兄には感謝したい。
そして私は死んだはずだった…。
あれ?死んだと思っていたのに、私は生きてる。しかもなぜか10歳の頃に戻っていた。
これはもしかしてやり直しのチャンス?
元々はお転婆で割と自由に育ってきたんだし、あの自分を押し殺した王妃教育とかもうやりたくたい。
よし!殿下や公爵とは今世では関わらないで、平和に長生きするからね!
しかし、私は気付いていなかった。
自分以外にも、一度目の記憶を持つ者がいることに…。
一度目は暗めですが、二度目の人生は明るくしたいです。
誤字脱字、申し訳ありません。
相変わらず緩い設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる