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カリメルラへの言葉
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「さぁて。本日のメインディィーッシュを捌くとすっかぁ!」
ヴァレリオの声が部屋に響いた。
騒めく貴族たちは、これ以上の衝撃がまだあるのかと注目する。
「さて、アベラルドの兄ちゃん、座ってもらおうか。そこの姉ちゃんもな」
椅子の背に腕を乗せ、本来とは後ろ向きに座り2人にヴァレリオは向き合う。
「で?姉ちゃんはその兄ちゃんに言いたいことがあるんだろ?言ってみろよ」
カリメルラはどうしたものかと周りを伺った。
野次馬と化した貴族たちの目に映るのは好奇心。
しかし肝心のアベラルドは顔を背けたままだった事に苛立った。
「この男が!勘違いをしたせいで私はジージルを失ったのよ!」
カリメルラは座ったばかりの椅子から立ち上がって怒りを込めてアベラルドを指差した。
「なんの勘違いだよ。ハッキリさせようや」
「いいわ。私は悪戯のつもりで…でもやめようとしたの!でもそこにいる従者が水を…水差しを持っていってしまった。私は悪くないの。やめようとし――」
「何が起こったか。先ずはそれを言え。感情論はその後だ。水差しとは何だ」
「薬よ。薬を溶かしたの。それをこの従者が酔っ払ったこの男に飲ませた。掃除もしたの…でもその日はステファニアに午前中に客が来て、忙しくて…疲れて寝たのよ。もう目の前に寝台があれば普通寝るでしょ?ちょっとだけ寝て先に起きて帰るつもりだった。でも寝過ごして…この男がヤモリも勘違いしてッ!」
「おいおい。起こった順に話せ。勘違いかどうかじゃなく何があったか。それが先だと言っただろう」
「と、兎に角!掃除して、水差しの水を入れ替えて疲れたの!この男が嘔吐するから臭くって開けた窓からヤモリが入って来てたのよ。それを本で退治した。その血が破瓜の血と間違われたのよ!」
「間違いねぇのか?でも孕んでたんだろ?」
「ジージルの子よ。私は娼婦じゃないの。母は娼婦もしてたけど私は違う。ジージルの子に間違いないわ。後にも先にも関係を持ったのはジージルだけだもの。あの時はお腹にジゼルがいたなんて気が付かなかった…なのに‥全部っ!この男とステファニアがいけないのよ!私を王宮に付き人にしたステファニアが悪いの!私は何も悪くないっ!托卵しようなんて思ってもなかった!」
「じゃぁ、なんでその事を言わなかった?こいつの子供じゃないと言えるチャンスは何度かあったんじゃないのか?」
「だって、叱られるじゃない。そんなの嫌。兎に角!婚約がなくなったというのは悪いと思ってる。でもね!元々はステファニアが話を聞きに来なかったのがいけないの!この男が勘違いした上に話をしに来ないのがいけないの!」
肩で息をしながら、涙と鼻水が顔を濡らすカリメルラに同情する者は一人もいなかった。
ヴァレリオでさえ呆れてしまった。
「他人に頼るのもいい加減にしとけ?」
「頼ってなんかいないわ。周りが勝手にしただけだもの」
「よく考えてみろ。お前がゲーロ公爵…違うな…えぇっと‥」
「リオ、ゲール!ゲールだ」
「お、おぅ!今言おうとした。そのゲール公爵に引き取られて数年、何故学ばなかった?」
「貴族でいる気はなかったし‥‥勉強なんて面倒だもの」
「勉強が面倒なのは解るが、ステファニアにも教えて貰ったんだろう」
「勝手に何か喋ってたわね。何一つ覚えてないわ」
「なら、何故ステファニアを頼った」
「勝手にいろいろしてくれるから都合が良かったの。夜会や茶会ではステファニアと入れば虐められないし、王宮に来ている間も部屋にいればお菓子も食べられたもの」
「だがな?そこで一つでも二つでも貴族の考えを学んでいたら薬を王族に仕掛ける事がどんな事なのか、部屋に忍び込むのがどんな事なのか、結果的に托卵になったこの状況がどんな事なのか判ったはずだ。少なくともゲール公爵に引き取られ、見て盗む事もしなかったのか?それを怠慢と言うんだ」
「だって!字が読めないんだから仕方ないでしょう!こんな事になるなんて!」
「だからだ。薬は使い方を間違えば人は簡単に死ぬ。同じ植物でも飲み薬なら効果があるが、溶かして皮膚に塗れば壊死するものもある。その逆もだ。人は死んだら生き返らない。爺さんの生まれ変わりなんてよく言うが爺さんは爺さん、その子はその子。死んだらそれまでなんだ。ステファニアは辺境に来て半年でそれを学んだ。字が読めない?読めるように学べばいいだろう。ステファニアは崖に登れるようになったぞ?何故何もしなくて誰かがしてくれるなんて思えるんだ?して欲しければ先ず自分でどうして動かない」
「私は公爵令嬢だったし!第二王子妃だもの!何がいけないの!」
「全部だな」
「えっ…」
「全部だと言ったんだ。お前もこの男も。ただ…しいて言えばお前のした事は色々と鑑みても重罪だ。托卵が意図的でないにしろそれに享受してるし…未遂でも王族に薬を混ぜた水を飲ませようとした罪は消えない。先王が飲んだら、幼い王子たちが飲んだらどうなっていたと思う。出来心の悪戯でしたでは済まない重罪だ。例えそれが王族でなくても、だ!」
「嫌っ!嫌よ。お願い。本当に謝る。謝るから許してぇぇ」
カリメルラは泣きじゃくったが、兵士に連れられて暴れながらも連行された。
「この男も」その言葉にアベラルドの肩がビクリと揺れた。
カリメルラの愚行が暴かれているとばかり思っていたアベラルドは自分にまで火の粉が降りかかるなど微塵も思っていなかった。
「私が何をしたと言うんだ。間もなく国王になる私が!」
「お前は国王にはなれねぇよ」
「なんだと?!貴様‥‥」
「貴様、先様、真っ逆さまってね。何もかも人任せなお前に国が動かせる訳がないだろ。お前が国王になるってんなら、ファッジン辺境伯。この日を限りに独立をさせてもらう」
周辺の貴族がガタリと椅子の音をさせる。
半年前に終戦となった30年戦争の傷跡は大きく、戦勝国とは言え復興の最中なのだ。ハルメルは領土に取り込めてもファミル王国の周辺には虎視眈々と侵攻を目論む国も4つある。
そこにファッジン辺境領まで独立を求め反旗を掲げられれば、他国に攻め込まれても守ってくれる者はいない。
「国王は他人の担ぐ御輿に乗らねば何も出来ない木偶の坊。王妃は反省どころか責任転嫁で人生謳歌。こんな国、誰が命を賭して守りたいなんて思うかよ。鳥の巣を蛇から守ってたほうがずっと意味がある。ヒナが孵ればスティが笑うからな」
「ファニーが…笑う?」
「あぁ、笑うぜ。トンビの鳴き声真似したらケラケラと大口開けて腹抱えて笑うぜ」
アベラルドは思い出せなかった。貴族令嬢が口を開けて笑うなど見た事も無いが、それ以前にアベラルドの記憶の中にステファニアの笑顔などなかった。
そんなアベラルドの肩をポンと叩いた男がいた。カルロだ。
「殿下…もう殿下をやめましょうよ?」
「カル…ロ…」
「俺、疲れました。殿下も疲れたでしょう?顔色良くない…から‥んぐっ‥」
アベラルドには初めてだった。
何かをしようと提案をされた事も、カルロが涙を流すのを見たのも。
ずっと、決められた中からこれにすると事業計画書などを選ぶ事はあった。
だが、これにしましょう、しませんか?と言われた事はなかった。
――何もかも人任せ…そうだったのか――
アベラルドもまたステファニアと同じく自分の中に小さな変化を感じた。
「だが、やめたら何を……そうだな、伯爵領でイチゴでも作るか。アハハ」
「イチゴは素人には無理ですから、芋かハーブにしましょう。ぐすっ…」
「カルロ、顔の汗が酷いぞ。これで拭いておけ」
涙でぐしゅぐしゅのカルロ。
手が震えて胸ポケットからハンカチが上手く取り出せないアベラルドを見かねてヴァレリオがカルロにハンカチを手渡した。
「臭‥‥」
「しっ失礼な奴だな!まだ5日しか使ってないわ!」
アベラルドはようよう取り出したハンカチをヴァレリオに手渡した。
それはずっと昔。ステファニアが刺繍を覚えたての頃にくれたハンカチだった。
ヴァレリオの声が部屋に響いた。
騒めく貴族たちは、これ以上の衝撃がまだあるのかと注目する。
「さて、アベラルドの兄ちゃん、座ってもらおうか。そこの姉ちゃんもな」
椅子の背に腕を乗せ、本来とは後ろ向きに座り2人にヴァレリオは向き合う。
「で?姉ちゃんはその兄ちゃんに言いたいことがあるんだろ?言ってみろよ」
カリメルラはどうしたものかと周りを伺った。
野次馬と化した貴族たちの目に映るのは好奇心。
しかし肝心のアベラルドは顔を背けたままだった事に苛立った。
「この男が!勘違いをしたせいで私はジージルを失ったのよ!」
カリメルラは座ったばかりの椅子から立ち上がって怒りを込めてアベラルドを指差した。
「なんの勘違いだよ。ハッキリさせようや」
「いいわ。私は悪戯のつもりで…でもやめようとしたの!でもそこにいる従者が水を…水差しを持っていってしまった。私は悪くないの。やめようとし――」
「何が起こったか。先ずはそれを言え。感情論はその後だ。水差しとは何だ」
「薬よ。薬を溶かしたの。それをこの従者が酔っ払ったこの男に飲ませた。掃除もしたの…でもその日はステファニアに午前中に客が来て、忙しくて…疲れて寝たのよ。もう目の前に寝台があれば普通寝るでしょ?ちょっとだけ寝て先に起きて帰るつもりだった。でも寝過ごして…この男がヤモリも勘違いしてッ!」
「おいおい。起こった順に話せ。勘違いかどうかじゃなく何があったか。それが先だと言っただろう」
「と、兎に角!掃除して、水差しの水を入れ替えて疲れたの!この男が嘔吐するから臭くって開けた窓からヤモリが入って来てたのよ。それを本で退治した。その血が破瓜の血と間違われたのよ!」
「間違いねぇのか?でも孕んでたんだろ?」
「ジージルの子よ。私は娼婦じゃないの。母は娼婦もしてたけど私は違う。ジージルの子に間違いないわ。後にも先にも関係を持ったのはジージルだけだもの。あの時はお腹にジゼルがいたなんて気が付かなかった…なのに‥全部っ!この男とステファニアがいけないのよ!私を王宮に付き人にしたステファニアが悪いの!私は何も悪くないっ!托卵しようなんて思ってもなかった!」
「じゃぁ、なんでその事を言わなかった?こいつの子供じゃないと言えるチャンスは何度かあったんじゃないのか?」
「だって、叱られるじゃない。そんなの嫌。兎に角!婚約がなくなったというのは悪いと思ってる。でもね!元々はステファニアが話を聞きに来なかったのがいけないの!この男が勘違いした上に話をしに来ないのがいけないの!」
肩で息をしながら、涙と鼻水が顔を濡らすカリメルラに同情する者は一人もいなかった。
ヴァレリオでさえ呆れてしまった。
「他人に頼るのもいい加減にしとけ?」
「頼ってなんかいないわ。周りが勝手にしただけだもの」
「よく考えてみろ。お前がゲーロ公爵…違うな…えぇっと‥」
「リオ、ゲール!ゲールだ」
「お、おぅ!今言おうとした。そのゲール公爵に引き取られて数年、何故学ばなかった?」
「貴族でいる気はなかったし‥‥勉強なんて面倒だもの」
「勉強が面倒なのは解るが、ステファニアにも教えて貰ったんだろう」
「勝手に何か喋ってたわね。何一つ覚えてないわ」
「なら、何故ステファニアを頼った」
「勝手にいろいろしてくれるから都合が良かったの。夜会や茶会ではステファニアと入れば虐められないし、王宮に来ている間も部屋にいればお菓子も食べられたもの」
「だがな?そこで一つでも二つでも貴族の考えを学んでいたら薬を王族に仕掛ける事がどんな事なのか、部屋に忍び込むのがどんな事なのか、結果的に托卵になったこの状況がどんな事なのか判ったはずだ。少なくともゲール公爵に引き取られ、見て盗む事もしなかったのか?それを怠慢と言うんだ」
「だって!字が読めないんだから仕方ないでしょう!こんな事になるなんて!」
「だからだ。薬は使い方を間違えば人は簡単に死ぬ。同じ植物でも飲み薬なら効果があるが、溶かして皮膚に塗れば壊死するものもある。その逆もだ。人は死んだら生き返らない。爺さんの生まれ変わりなんてよく言うが爺さんは爺さん、その子はその子。死んだらそれまでなんだ。ステファニアは辺境に来て半年でそれを学んだ。字が読めない?読めるように学べばいいだろう。ステファニアは崖に登れるようになったぞ?何故何もしなくて誰かがしてくれるなんて思えるんだ?して欲しければ先ず自分でどうして動かない」
「私は公爵令嬢だったし!第二王子妃だもの!何がいけないの!」
「全部だな」
「えっ…」
「全部だと言ったんだ。お前もこの男も。ただ…しいて言えばお前のした事は色々と鑑みても重罪だ。托卵が意図的でないにしろそれに享受してるし…未遂でも王族に薬を混ぜた水を飲ませようとした罪は消えない。先王が飲んだら、幼い王子たちが飲んだらどうなっていたと思う。出来心の悪戯でしたでは済まない重罪だ。例えそれが王族でなくても、だ!」
「嫌っ!嫌よ。お願い。本当に謝る。謝るから許してぇぇ」
カリメルラは泣きじゃくったが、兵士に連れられて暴れながらも連行された。
「この男も」その言葉にアベラルドの肩がビクリと揺れた。
カリメルラの愚行が暴かれているとばかり思っていたアベラルドは自分にまで火の粉が降りかかるなど微塵も思っていなかった。
「私が何をしたと言うんだ。間もなく国王になる私が!」
「お前は国王にはなれねぇよ」
「なんだと?!貴様‥‥」
「貴様、先様、真っ逆さまってね。何もかも人任せなお前に国が動かせる訳がないだろ。お前が国王になるってんなら、ファッジン辺境伯。この日を限りに独立をさせてもらう」
周辺の貴族がガタリと椅子の音をさせる。
半年前に終戦となった30年戦争の傷跡は大きく、戦勝国とは言え復興の最中なのだ。ハルメルは領土に取り込めてもファミル王国の周辺には虎視眈々と侵攻を目論む国も4つある。
そこにファッジン辺境領まで独立を求め反旗を掲げられれば、他国に攻め込まれても守ってくれる者はいない。
「国王は他人の担ぐ御輿に乗らねば何も出来ない木偶の坊。王妃は反省どころか責任転嫁で人生謳歌。こんな国、誰が命を賭して守りたいなんて思うかよ。鳥の巣を蛇から守ってたほうがずっと意味がある。ヒナが孵ればスティが笑うからな」
「ファニーが…笑う?」
「あぁ、笑うぜ。トンビの鳴き声真似したらケラケラと大口開けて腹抱えて笑うぜ」
アベラルドは思い出せなかった。貴族令嬢が口を開けて笑うなど見た事も無いが、それ以前にアベラルドの記憶の中にステファニアの笑顔などなかった。
そんなアベラルドの肩をポンと叩いた男がいた。カルロだ。
「殿下…もう殿下をやめましょうよ?」
「カル…ロ…」
「俺、疲れました。殿下も疲れたでしょう?顔色良くない…から‥んぐっ‥」
アベラルドには初めてだった。
何かをしようと提案をされた事も、カルロが涙を流すのを見たのも。
ずっと、決められた中からこれにすると事業計画書などを選ぶ事はあった。
だが、これにしましょう、しませんか?と言われた事はなかった。
――何もかも人任せ…そうだったのか――
アベラルドもまたステファニアと同じく自分の中に小さな変化を感じた。
「だが、やめたら何を……そうだな、伯爵領でイチゴでも作るか。アハハ」
「イチゴは素人には無理ですから、芋かハーブにしましょう。ぐすっ…」
「カルロ、顔の汗が酷いぞ。これで拭いておけ」
涙でぐしゅぐしゅのカルロ。
手が震えて胸ポケットからハンカチが上手く取り出せないアベラルドを見かねてヴァレリオがカルロにハンカチを手渡した。
「臭‥‥」
「しっ失礼な奴だな!まだ5日しか使ってないわ!」
アベラルドはようよう取り出したハンカチをヴァレリオに手渡した。
それはずっと昔。ステファニアが刺繍を覚えたての頃にくれたハンカチだった。
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