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母を経由した遺産になりそうなもの
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ですが、何故こうなったのでしょう。
椅子に腰を下ろしているのはわたくしと父。クリス様とジョイスさんはその前に跪いておられます。その上、どうしてわたくしの前にクリス様、父の前にジョイスさんなのでしょう。
父に話でしたら逆だと思うのです。
「突然押しかけてしまい申し訳ない。しかし事は急を要するためご理解頂きたい」
「それは良いのですが、殿下が椅子にお座りください。私と娘は――」
「何を仰られる。無理を言うのはこちらなのだからこのままで。先程も申したように私とジョイスはレオパス子爵、貴方とご息女を探すためにこの国へ来たのだ。その日から既に半年。残っている時間は少ないのだ」
「と、申されますと…」
「レオパス子爵はニレイナ夫人をご存じでしょう?」
「はい、妻、亡くなった妻の伯母だったと…。妻の母とニレイナ夫人は姉妹ですがそのニレイナ夫人がどうかいたしましたでしょうか。妻の葬儀以来20年近くお会いしておりませんから。お元気でしょうか」
「ニレイナ夫人は現在病の床に伏せておられる。高齢でもある上の病。侍医からも余命幾ばくもないと宣告を受け、今…レオパス子爵。貴方のご息女であるエルシー嬢が来られるのを待っている」
「え?何故娘を?いえいえ、お待ちください。ニレイナ夫人の子がエルシーならまだ判りますがエルシーは間違いなく私と妻の子。それにエルシーの上と下にも息子がおりますが?」
「存じている。イプシロン殿とシグマ殿であろう?お2方には使いの者を向かわせトマフィー国にて爵位と屋敷、色々と用意するようにと指示を出したところだ。ニレイナ夫人との関係は口頭にて確認が取れた。その上でお願いが2つあるのだが」
「お願い…いや、その前に意味が…」
「判っている。頼みを聞いて頂ければご理解頂けると思っているが…どちらを先に言うべきか悩んでいるのだ」
「どちらをって…」
「1つはトマフィー国の王弟して、そしてもう一つはクリストファー個人としての頼みだが、1人で暴走をしそうなので手順を踏んでからにしたい。求婚もしないうちに父上に許しを得るなど外堀を埋めるなんてそんな事は出来ない。先ずは健全な付き合いを申し込んでお互いを知っていきたいのだ」
<< えぇっ? >>
「父上が驚かれるのも無理はない。この気持ちはまだ知られてはならない」
――目の前に居りますけれど?――
「この3か月の間、私の体を構成する血や肉、骨、そしてこの繊細で壊れそうなのに温かな気持ちを育んでくれたのは紛れもなくレオパス子爵!貴方の娘であり、私の最愛、エルシー嬢だ」
――わたくしの手を握りながら何故お父様に熱弁されているの?――
「私は王弟という立場ゆえ、不安材料も払拭して全てを整えて求婚をしたいと思っているのだが、父上!申し訳ない。仮に返事がNOだったとしても手放すつもりはないのだ。胸いっぱいに溢れる気持ちを抑えながらの任務遂行がこんな苦行に感じたのは始めてだ」
――後日は後日として、今、手を離して頂きたい気持ちでいっぱいです――
「あの、殿下…それは娘に直接お願い出来ますか?私はその後と言う事で」
「え?直接ってそんな‥‥そんな?‥‥(チラリ)うわぁぁ!!」
――何を驚いているのです?貴方以外の3人は困惑しか御座いませんが?――
ゴチンとジョイスさんのゲンコツがまたクリス様に落とされます。
「肝心な部分がポンコツですから」と仰るジョイスさん。仲がよろしくて何よりですわ。
「それで、ニレイナ夫人はいったい娘に何を?」
「あ、あぁ…申し訳ない。ニレイナ夫人との関係はご理解頂けているとして、ニレイナ夫人には子供がいないのだ。そして夫だった者も既に亡くなっている。夫人が亡くなった際の遺産が問題なのだ」
「遺産って…生きているうちから不謹慎ですよ」
「父上のお怒りはごもっとも。しかしそうも言っておられんのだ」
「わたくしがご説明いたします」
ジョイスさんが、お父様に家系図の書かれた書類を手渡されました。
馴染みのある名前に【あぁ、いたなぁ】とお父様が小さな声を洩らされます。
「ニレイナ夫人とその亡夫に子がいれば良かったのですが、お二人には子が居らず生涯養子も迎えませんでした。2人が管理していたのがこの国とトマフィー国、ルレイザ国の3か国の国境を接する地。その地から湧き出る源流が3か国の主要な水源となっているのです。管理も大変だが当然分水についての権利も所有しているのです」
「それとエルシーになんの関係が…」
「ニレイナ夫人には子がいません。ですのでその財産が一旦親に上がりますが、夫人のご両親は他界しております。財産は全てレオパス子爵のご夫人が相続するのですがそのご夫人も既に亡く、夫人の子であったご子息、ご息女が相続をするのですが、大きな問題がございまして…」
「子供たちが相続をするのですか!」
「源流を所有する権利は水の神が女性ですので、女性と限定されているのです。3か国が信仰する国教である大教会もこの点は譲って頂けず。この権利を相続できるのは、かなり調査をしたのですがエルシー様お1人となっております。勿論ご兄弟には土地などの権利は別に御座いますが、源流を所有する権利これだけはエルシー様に限定をされているのです」
「血など全く関係ないでしょう?伯母の夫の所有だったのですから」
「いえ、夫人の夫の所有ではないのです。代は更に遡りますが奥様の御実家の一族が関係します。代々女性がその権利を受け継いで来られており、ニレイナ夫人の前はニレイナ夫人の叔母となる母親の妹。しかしここには男児しか生まれずこの権利を守るためにニレイナ夫人が叔母の養子となり入り婿を取ったのです。子が出来なかったのに養子も迎えられなかった。推測ですがニレイナ夫人は自分の代で終わりにしようとしたのかも知れませんが、そうもいかなくなったのです」
「大教会ですか‥」
「そうです。代々受け継がれ守られてきた均衡。これがニレイナ夫人の余命いくばくかとなり各国が動いております。水があるないで戦が起こる事もあります。我がトマフィー国エクリエンス王は戦を起こさない、大教会にそれを確約する旨を取りつけましたが、その条件が…」
「娘を…エルシーをその座に据えると言う事ですか…」
ちらりとお父様がわたくしの顔を見ます。
難しい事はおいおいでも、良いのではないでしょうか。
お父様と一緒にその田舎に行くのも良いかも知れません。
不意にそう思ったのです。
「お父様、わたくし行きますわ。わたくししかいないのでしょう?」
「いや、エルシー…しかし…」
「お父様も腰が痛いって仰っていたでしょう?田舎でのんびり――」
「田舎では御座いませんよ」
「えっ?」
てっきり田舎かと思ったのですがジョイスさんはきっぱりと違うと申されます。
「水の配分は所有者である者が決定いたしますが、現地で配分に応じ各国から任命された者が立ち合いのもと行いますので、ニレイナ夫人もトマフィー国の王都に住まわれ今は療養、いえ闘病されておられます。ただ御身はどの国からも喉から出が出るほど欲しい存在。屋敷は王宮以上に警護がついております。正直…自由はあまりないかと思うのですが、財産などについては国王以上の私財となります」
どうしましょう。
急上昇した気持ちが直滑降した気分です。ジョイスさんとクリス様、この上にない笑顔になっており申し訳ないのですが、全く行きたくなくなってしまいました。
椅子に腰を下ろしているのはわたくしと父。クリス様とジョイスさんはその前に跪いておられます。その上、どうしてわたくしの前にクリス様、父の前にジョイスさんなのでしょう。
父に話でしたら逆だと思うのです。
「突然押しかけてしまい申し訳ない。しかし事は急を要するためご理解頂きたい」
「それは良いのですが、殿下が椅子にお座りください。私と娘は――」
「何を仰られる。無理を言うのはこちらなのだからこのままで。先程も申したように私とジョイスはレオパス子爵、貴方とご息女を探すためにこの国へ来たのだ。その日から既に半年。残っている時間は少ないのだ」
「と、申されますと…」
「レオパス子爵はニレイナ夫人をご存じでしょう?」
「はい、妻、亡くなった妻の伯母だったと…。妻の母とニレイナ夫人は姉妹ですがそのニレイナ夫人がどうかいたしましたでしょうか。妻の葬儀以来20年近くお会いしておりませんから。お元気でしょうか」
「ニレイナ夫人は現在病の床に伏せておられる。高齢でもある上の病。侍医からも余命幾ばくもないと宣告を受け、今…レオパス子爵。貴方のご息女であるエルシー嬢が来られるのを待っている」
「え?何故娘を?いえいえ、お待ちください。ニレイナ夫人の子がエルシーならまだ判りますがエルシーは間違いなく私と妻の子。それにエルシーの上と下にも息子がおりますが?」
「存じている。イプシロン殿とシグマ殿であろう?お2方には使いの者を向かわせトマフィー国にて爵位と屋敷、色々と用意するようにと指示を出したところだ。ニレイナ夫人との関係は口頭にて確認が取れた。その上でお願いが2つあるのだが」
「お願い…いや、その前に意味が…」
「判っている。頼みを聞いて頂ければご理解頂けると思っているが…どちらを先に言うべきか悩んでいるのだ」
「どちらをって…」
「1つはトマフィー国の王弟して、そしてもう一つはクリストファー個人としての頼みだが、1人で暴走をしそうなので手順を踏んでからにしたい。求婚もしないうちに父上に許しを得るなど外堀を埋めるなんてそんな事は出来ない。先ずは健全な付き合いを申し込んでお互いを知っていきたいのだ」
<< えぇっ? >>
「父上が驚かれるのも無理はない。この気持ちはまだ知られてはならない」
――目の前に居りますけれど?――
「この3か月の間、私の体を構成する血や肉、骨、そしてこの繊細で壊れそうなのに温かな気持ちを育んでくれたのは紛れもなくレオパス子爵!貴方の娘であり、私の最愛、エルシー嬢だ」
――わたくしの手を握りながら何故お父様に熱弁されているの?――
「私は王弟という立場ゆえ、不安材料も払拭して全てを整えて求婚をしたいと思っているのだが、父上!申し訳ない。仮に返事がNOだったとしても手放すつもりはないのだ。胸いっぱいに溢れる気持ちを抑えながらの任務遂行がこんな苦行に感じたのは始めてだ」
――後日は後日として、今、手を離して頂きたい気持ちでいっぱいです――
「あの、殿下…それは娘に直接お願い出来ますか?私はその後と言う事で」
「え?直接ってそんな‥‥そんな?‥‥(チラリ)うわぁぁ!!」
――何を驚いているのです?貴方以外の3人は困惑しか御座いませんが?――
ゴチンとジョイスさんのゲンコツがまたクリス様に落とされます。
「肝心な部分がポンコツですから」と仰るジョイスさん。仲がよろしくて何よりですわ。
「それで、ニレイナ夫人はいったい娘に何を?」
「あ、あぁ…申し訳ない。ニレイナ夫人との関係はご理解頂けているとして、ニレイナ夫人には子供がいないのだ。そして夫だった者も既に亡くなっている。夫人が亡くなった際の遺産が問題なのだ」
「遺産って…生きているうちから不謹慎ですよ」
「父上のお怒りはごもっとも。しかしそうも言っておられんのだ」
「わたくしがご説明いたします」
ジョイスさんが、お父様に家系図の書かれた書類を手渡されました。
馴染みのある名前に【あぁ、いたなぁ】とお父様が小さな声を洩らされます。
「ニレイナ夫人とその亡夫に子がいれば良かったのですが、お二人には子が居らず生涯養子も迎えませんでした。2人が管理していたのがこの国とトマフィー国、ルレイザ国の3か国の国境を接する地。その地から湧き出る源流が3か国の主要な水源となっているのです。管理も大変だが当然分水についての権利も所有しているのです」
「それとエルシーになんの関係が…」
「ニレイナ夫人には子がいません。ですのでその財産が一旦親に上がりますが、夫人のご両親は他界しております。財産は全てレオパス子爵のご夫人が相続するのですがそのご夫人も既に亡く、夫人の子であったご子息、ご息女が相続をするのですが、大きな問題がございまして…」
「子供たちが相続をするのですか!」
「源流を所有する権利は水の神が女性ですので、女性と限定されているのです。3か国が信仰する国教である大教会もこの点は譲って頂けず。この権利を相続できるのは、かなり調査をしたのですがエルシー様お1人となっております。勿論ご兄弟には土地などの権利は別に御座いますが、源流を所有する権利これだけはエルシー様に限定をされているのです」
「血など全く関係ないでしょう?伯母の夫の所有だったのですから」
「いえ、夫人の夫の所有ではないのです。代は更に遡りますが奥様の御実家の一族が関係します。代々女性がその権利を受け継いで来られており、ニレイナ夫人の前はニレイナ夫人の叔母となる母親の妹。しかしここには男児しか生まれずこの権利を守るためにニレイナ夫人が叔母の養子となり入り婿を取ったのです。子が出来なかったのに養子も迎えられなかった。推測ですがニレイナ夫人は自分の代で終わりにしようとしたのかも知れませんが、そうもいかなくなったのです」
「大教会ですか‥」
「そうです。代々受け継がれ守られてきた均衡。これがニレイナ夫人の余命いくばくかとなり各国が動いております。水があるないで戦が起こる事もあります。我がトマフィー国エクリエンス王は戦を起こさない、大教会にそれを確約する旨を取りつけましたが、その条件が…」
「娘を…エルシーをその座に据えると言う事ですか…」
ちらりとお父様がわたくしの顔を見ます。
難しい事はおいおいでも、良いのではないでしょうか。
お父様と一緒にその田舎に行くのも良いかも知れません。
不意にそう思ったのです。
「お父様、わたくし行きますわ。わたくししかいないのでしょう?」
「いや、エルシー…しかし…」
「お父様も腰が痛いって仰っていたでしょう?田舎でのんびり――」
「田舎では御座いませんよ」
「えっ?」
てっきり田舎かと思ったのですがジョイスさんはきっぱりと違うと申されます。
「水の配分は所有者である者が決定いたしますが、現地で配分に応じ各国から任命された者が立ち合いのもと行いますので、ニレイナ夫人もトマフィー国の王都に住まわれ今は療養、いえ闘病されておられます。ただ御身はどの国からも喉から出が出るほど欲しい存在。屋敷は王宮以上に警護がついております。正直…自由はあまりないかと思うのですが、財産などについては国王以上の私財となります」
どうしましょう。
急上昇した気持ちが直滑降した気分です。ジョイスさんとクリス様、この上にない笑顔になっており申し訳ないのですが、全く行きたくなくなってしまいました。
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