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名前だけの王子と王
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迎えた特別議会開催日。事前通知をされたため遠方からも議員となっている者はやってくる。
驚く事に通常の議会でも、過去に現国王の婚約者関係が解消になった際も出席率は85%止まりであったにも関わらず今回の出席率は100%。
それだけではなく、議員の妻や家督を継ぐ嫡男も傍聴席につめ掛けた。
こんな事は初めてだったため、最初は高位貴族を優先にと考えたが下位貴族の中にも多くの税収を収める者がいたり、高位貴族から嫁いだ、婿入りしたと言う者をどうするかで100席しかない座席をつめ、170席にしたうえで、立ち見も希望であれば受け付けるとした。
議員の数が53に対し、傍聴する人数が250を超えたのだった。
ざわつく議事場。議員のほとんどはもう着席している。
国王とハロルドも指定された席に着席をした。開場まであと15分である。
貴族は情勢に非常に敏感である。先代の時は正妃は居たし現国王という王子(当時王太子)もいたため、愛人との子をどうするかで多少の混乱があっただけである。
先代国王も、その母となる者も【子に継承権はない】としたため名目上王子とするのみで議員も納得をした。
しかし先代国王の節操のなさに誰もが呆れてしまったのは否めない。
それまで長きに渡り国王を押していた一派は分裂し過半数を割る事態になった。
そして次が現国王である。若気の至りでは済まされない事態になった。
婚約者だったリゼラ侯爵令嬢の実家である侯爵家は建国から続く名家でもあり力もあった。
夫が愛人を持つのはこの国では珍しい事ではないが侯爵には愛人は居なかった。
【神の前で何度も愛は誓えない】と侯爵夫人一筋の男だったからである。
リゼラ侯爵令嬢が選ばれた経緯にも問題があった。
傾国の美女とも言われた令嬢には、隣国の王からも話が合ったほどだ。
ただ、年齢が離れており、当時は何処の国も王子が幼くて婚約に至らなかっただけである。
その中で帝国の公爵の嫡男との縁談も持ち上がりかけた時に現国王は美しいリゼラに傾倒し先代国王は王命として強制的に婚約者としたのだった。
そんな中で学園最終年で【誠の愛】の相手との間に子を成してしまった。
侯爵家に怒るな、穏便にというほうが無理な話である。
婚約が解消となればどんなに令嬢に非がなかったと言ってもその話は付きまとう。
【あの王太子殿下の元婚約者】という汚名は国を出ても付きまとうのである。
失意の令嬢を思いやり、側で支えたのはかつて【名前だけは王子】という何の権限も持たないゲシュタリスだった。雪が降り路面が凍結しても門の前で【私が貴女を守り抜く】と居座り続け、3か月の間、髭も剃らず、たまに差し入れされる固いパンと水だけで愛を乞うた姿に侯爵も令嬢も絆されたのだ。
何処かの遭難者かと思うような容貌になったゲシュタリスによって事なきを得たのだ。
その間王家がした事は、【結婚式に金がかかる】として減額した慰謝料を払っただけである。
ゲシュタリスとルゼベルグは非常に冷遇された立場だったが、毎月僅かばかりの支給金があるだけの生活の中、継承権はないとはいえ王子。それに恥じぬようと2人の母(元侍女)は実家にも頭を下げて借金をして2人は学園にも通う事が出来た。
母や祖父母、親戚の負担を減らすため学業は常に2人が主席を争い、剣の腕も卒業したら騎士にと騎士団から声を掛けられる程になる。
成績もよく領地経営にも諸外国への領産品の売り込みも上手かった2人は学園時代から貴族には喉から手が出るほどに欲しい存在となり学費などを支援してくれるパトロンがついた。
ルゼベルグも卒業後、支援をしてくれた伯爵家の令嬢を妻とした。
そして2人は名前だけの王子を返還することの引き換えに臣籍降下をもぎ取った。
【父だけが同じ兄】の失態も追い風となり賛成多数で2人は公爵家を興したのである。
この時、公爵家は5つとなったが10年の内に2つの公爵家は国王派であったため没落した。
その事で王家への信頼は更に急降下をたどり、なんとか3割いるかどうかまでになった。
その3割すら離れて行ったのは【誠の愛】で妃となった男爵令嬢だった。
公務をやらせれば文字は読めるが内容は全く理解出ない。
ただ、どんな書類であってもサインと決裁印を押す事は出来たのでそれを狙って不正を働く者が現れた。
歳入を大きく上回る歳出。国が傾いたのは言うまでもない。
それを支えたのがアゼントン公爵家、そして臣籍降下ををしたゲシュタリス公爵家、ルゼベルグ公爵家である。国債を発行しそれを発行しただけ買い取る。
他の貴族に負債を抱え込まさない為である。
先代国王が崩御し、現国王が即位となった。
その時の王家には何の力もなく、求心力など皆無。幼い頃、優位にいた兄は【名前だけ王】になったのである。それでも王は王。王妃は王妃である。
子が1人では何かあった時に大混乱になると議会は国王に側妃を持つように進言をした。
その先頭になったのはゲシュタリス公爵とルゼベルグ公爵である。
2人の復讐は既に始まっていたのだ。
だが、頑として【誠の愛】の相手である元男爵令嬢の王妃に操立てをする異母兄。
ならば消えて頂こうと王妃の側付きに息のかかった者で固めた。
水仙の花の養分を吸わせた水を薄めてゆっくりと時間をかけて王妃に与えていく。
懐妊の兆しが見えれば、王妃には子宮口が緩む弛緩剤入りの茶を飲ませ、夕食には国王と王妃に媚薬入りの食事を提供し朝まで愉しんでもらう。
流産も繰り返せば王妃の体力も落ちていく。多少改善してもまだ出血している最中に食事に媚薬を盛って国王とたっぷり愉しんでもらう夜を提供する。
知らぬ間に国王も加害者となって王妃を死に追いやったのである。
その後は貧民窟から拾ってきて仕込みあげた女性を次々に側妃としただけである。
元々が卑しい女性を【出自がバレれば首が飛ぶ】と言い含め、異母兄に差し出したのである。
結局のところ、側妃も2人の公爵からすれば使い捨てでしかない。
側妃との間に王女しかいないのも当然2人の公爵が絡んでいる。
生れたとされている【王女】は5人だが、そのうち異母兄の血を引いているのは1人である。
残りの4人は男児だと判ると産婆が貧民窟から拾ってきた女児と入れ替えのである。
国王の外見を持って生まれてくる子などとても近場でおいておけるものではない。
当初はそのまま殺害する事も考えたが、教育次第で何とでもなる事は2人の公爵で実証済み。
本物の【王子】はフランセアの父、アゼントン公爵により2つ国をまたいだ国で育てられている。潰れかけた教会を支援する事でその国にも恩を売り、その教会の前に置き去りにしたのだ。
自身が経営しているような教会である。今ではその国の貴族に引き取られ手厚く養育をされている。
引き取った貴族もその子が【実は王子】などと知る事もない。教える必要もないのだ。
同じ頃。開場の15分前、フランセアの乗った馬車が議会場の前に到着した。
「さて、参りましょうか」
フランセアは優雅にドレスの裾を翻すと歩き始めた。
驚く事に通常の議会でも、過去に現国王の婚約者関係が解消になった際も出席率は85%止まりであったにも関わらず今回の出席率は100%。
それだけではなく、議員の妻や家督を継ぐ嫡男も傍聴席につめ掛けた。
こんな事は初めてだったため、最初は高位貴族を優先にと考えたが下位貴族の中にも多くの税収を収める者がいたり、高位貴族から嫁いだ、婿入りしたと言う者をどうするかで100席しかない座席をつめ、170席にしたうえで、立ち見も希望であれば受け付けるとした。
議員の数が53に対し、傍聴する人数が250を超えたのだった。
ざわつく議事場。議員のほとんどはもう着席している。
国王とハロルドも指定された席に着席をした。開場まであと15分である。
貴族は情勢に非常に敏感である。先代の時は正妃は居たし現国王という王子(当時王太子)もいたため、愛人との子をどうするかで多少の混乱があっただけである。
先代国王も、その母となる者も【子に継承権はない】としたため名目上王子とするのみで議員も納得をした。
しかし先代国王の節操のなさに誰もが呆れてしまったのは否めない。
それまで長きに渡り国王を押していた一派は分裂し過半数を割る事態になった。
そして次が現国王である。若気の至りでは済まされない事態になった。
婚約者だったリゼラ侯爵令嬢の実家である侯爵家は建国から続く名家でもあり力もあった。
夫が愛人を持つのはこの国では珍しい事ではないが侯爵には愛人は居なかった。
【神の前で何度も愛は誓えない】と侯爵夫人一筋の男だったからである。
リゼラ侯爵令嬢が選ばれた経緯にも問題があった。
傾国の美女とも言われた令嬢には、隣国の王からも話が合ったほどだ。
ただ、年齢が離れており、当時は何処の国も王子が幼くて婚約に至らなかっただけである。
その中で帝国の公爵の嫡男との縁談も持ち上がりかけた時に現国王は美しいリゼラに傾倒し先代国王は王命として強制的に婚約者としたのだった。
そんな中で学園最終年で【誠の愛】の相手との間に子を成してしまった。
侯爵家に怒るな、穏便にというほうが無理な話である。
婚約が解消となればどんなに令嬢に非がなかったと言ってもその話は付きまとう。
【あの王太子殿下の元婚約者】という汚名は国を出ても付きまとうのである。
失意の令嬢を思いやり、側で支えたのはかつて【名前だけは王子】という何の権限も持たないゲシュタリスだった。雪が降り路面が凍結しても門の前で【私が貴女を守り抜く】と居座り続け、3か月の間、髭も剃らず、たまに差し入れされる固いパンと水だけで愛を乞うた姿に侯爵も令嬢も絆されたのだ。
何処かの遭難者かと思うような容貌になったゲシュタリスによって事なきを得たのだ。
その間王家がした事は、【結婚式に金がかかる】として減額した慰謝料を払っただけである。
ゲシュタリスとルゼベルグは非常に冷遇された立場だったが、毎月僅かばかりの支給金があるだけの生活の中、継承権はないとはいえ王子。それに恥じぬようと2人の母(元侍女)は実家にも頭を下げて借金をして2人は学園にも通う事が出来た。
母や祖父母、親戚の負担を減らすため学業は常に2人が主席を争い、剣の腕も卒業したら騎士にと騎士団から声を掛けられる程になる。
成績もよく領地経営にも諸外国への領産品の売り込みも上手かった2人は学園時代から貴族には喉から手が出るほどに欲しい存在となり学費などを支援してくれるパトロンがついた。
ルゼベルグも卒業後、支援をしてくれた伯爵家の令嬢を妻とした。
そして2人は名前だけの王子を返還することの引き換えに臣籍降下をもぎ取った。
【父だけが同じ兄】の失態も追い風となり賛成多数で2人は公爵家を興したのである。
この時、公爵家は5つとなったが10年の内に2つの公爵家は国王派であったため没落した。
その事で王家への信頼は更に急降下をたどり、なんとか3割いるかどうかまでになった。
その3割すら離れて行ったのは【誠の愛】で妃となった男爵令嬢だった。
公務をやらせれば文字は読めるが内容は全く理解出ない。
ただ、どんな書類であってもサインと決裁印を押す事は出来たのでそれを狙って不正を働く者が現れた。
歳入を大きく上回る歳出。国が傾いたのは言うまでもない。
それを支えたのがアゼントン公爵家、そして臣籍降下ををしたゲシュタリス公爵家、ルゼベルグ公爵家である。国債を発行しそれを発行しただけ買い取る。
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先代国王が崩御し、現国王が即位となった。
その時の王家には何の力もなく、求心力など皆無。幼い頃、優位にいた兄は【名前だけ王】になったのである。それでも王は王。王妃は王妃である。
子が1人では何かあった時に大混乱になると議会は国王に側妃を持つように進言をした。
その先頭になったのはゲシュタリス公爵とルゼベルグ公爵である。
2人の復讐は既に始まっていたのだ。
だが、頑として【誠の愛】の相手である元男爵令嬢の王妃に操立てをする異母兄。
ならば消えて頂こうと王妃の側付きに息のかかった者で固めた。
水仙の花の養分を吸わせた水を薄めてゆっくりと時間をかけて王妃に与えていく。
懐妊の兆しが見えれば、王妃には子宮口が緩む弛緩剤入りの茶を飲ませ、夕食には国王と王妃に媚薬入りの食事を提供し朝まで愉しんでもらう。
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知らぬ間に国王も加害者となって王妃を死に追いやったのである。
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元々が卑しい女性を【出自がバレれば首が飛ぶ】と言い含め、異母兄に差し出したのである。
結局のところ、側妃も2人の公爵からすれば使い捨てでしかない。
側妃との間に王女しかいないのも当然2人の公爵が絡んでいる。
生れたとされている【王女】は5人だが、そのうち異母兄の血を引いているのは1人である。
残りの4人は男児だと判ると産婆が貧民窟から拾ってきた女児と入れ替えのである。
国王の外見を持って生まれてくる子などとても近場でおいておけるものではない。
当初はそのまま殺害する事も考えたが、教育次第で何とでもなる事は2人の公爵で実証済み。
本物の【王子】はフランセアの父、アゼントン公爵により2つ国をまたいだ国で育てられている。潰れかけた教会を支援する事でその国にも恩を売り、その教会の前に置き去りにしたのだ。
自身が経営しているような教会である。今ではその国の貴族に引き取られ手厚く養育をされている。
引き取った貴族もその子が【実は王子】などと知る事もない。教える必要もないのだ。
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