31 / 33
第31-1話 幸せは「あたる」とやって来る③―①
しおりを挟む
本格的に侯爵家の行う全てを話してしまえばロッティーナにはドン引きされてしまうだろう。
「ドン引きならまだいいよな」
ジャックはロッティーナに軽蔑をされるのが怖かった。
とはいっても、出会ってまだ1か月半にもならない。
好きだなんだと言っても社交辞令にしか受け取られないないだろうし、言葉を口にするとこちらも「気持ち悪い」「そのために雇うと言ったのか」と思われそうで怖い。
美丈夫と言われても仕事が仕事。
実際の所、侯爵家や辺境伯家に生まれると子息も令嬢も将来の伴侶を見つけるのは難しいのだ。
嫌われるのは慣れているけれど、ロッティーナには軽蔑をされたくなかった。
「心の内に秘めておけばいいかな」
ジャックの執務机。一番上の引き出しには渡せなかったロールパンのブローチが置かれている。
「ジャック様、今宜しいでしょうか?」
ロッティーナの声がしてジャックは急いで引き出しを押し込んだ。
「どうしたんだ?」
「紛争地での医薬品についてご提案があるんです」
ロッティーナなりに考えて纏めて来たであろう手製の資料をロッティーナはジャックに説明していく。
「――なんです。だから調剤も必要ですが薬草を…ジャック様?」
「ん?あ、あぁ何だったかな。紛争地には配給も現状では行き届いていない、だったか?」
「それ、ほぼ最初です。やっぱり…出過ぎた事でしたか?」
「それは違う!(ガタタン!!)フォグアゥッ!!くぅぅ…」
ショボンと肩を落としたロッティーナにジャックは勢いよく立ち上がったものだから執務机の中央の引き出し部分に思いっきり太ももとその中央にある突起の根元を打ち付けてしまった。
不意な打撃に悶絶する痛みは一定年齢に達した男性なら1度は経験する痛み。
冷や汗が噴き出て腹の底にとてつもない錘を捻じ込まれる例えようのない痛みがジャックを襲う。
「大丈夫ですか?!見せてください!」
執務机の横を回りロッティーナが心配そうに駆け寄るが「ここが痛いです」なんて曝け出してしまったら本物の変態だ。
「だっ…だいじょ…くぅぅ…いいんだ…暫くするとぉぉぉ‥スゥゥー…落ち着く」
「打ったんですね?庭にオトギリソウがあるので採ってきます。葉っぱを揉んで出た汁を患部に塗ると効きますので」
==ニャンだって!それ不味いだろ!==
患部になんか塗られたら違う意味でいろいろと「痛い」じゃないか。
「ま、待て…ハァハァ…違うぞ?これはスゥゥー!!!痛みを逃す呼吸…」
「解ってますよ?何を間違うと言うんです」
==変態だよ。変態の呼吸==
「とにっ兎に角ッ!大丈夫だからっ。もう少しで…治まるからッ‥スゥゥー!!」
「本当に大丈夫ですか?誰か呼んできたほうが」
「いいっ!誰にも…言わないでくれ…」
――もしや不治の病?!皆に気づかれちゃいけない痛みなの?――
ロッティーナは強い痛みからなのか額に脂汗を浮かべ痛みに耐えるジャックの背を撫でるしかなかった。それがこの痛みには何の効果も生み出さないばかりか、部分的な隆起を引き起こし更に痛み倍増となる事を知らない。
やっと痛みが引き、部屋の中は微妙な空気が漂う。
ロッティーナはジャックが不治の病若しくは難病で時折襲ってくる痛みを使用人たちに必死に隠しているのに、自分が偶然居合わせてしまったのだと思い、ジャックの体調を本気で心配している。
ジャックは男性ならではの痛みを2人きりの時に、しかもロッティーナに隠し通せたかどうか。心配で心臓がバクバクしている。
空気を変えようとジャックはロッティーナに「街に行かないか?」と誘った。
特に行きたいところがある訳でもなく、女性が喜びそうなスポットを知っている訳でもない。ただ場の空気を変えようと思い付きで言ってみた。
「街ですか?そうですね…あ、そうだ!さっきの話なんですけどモートン様が裏路地にあるので女性だけで行くのはダメだと止められたんですが、腕のいい薬師のいる薬草店があるそうなんです。行ってみませんか?」
「裏路地?確かに女性だけでは危険だな。良いよ。行ってみよう」
翌日に出かける事を約束し、ジャックはロッティーナの持ってきた資料を「読んでおくよ」と言ってその場はお開きとなった。
翌日。空を見上げると白い雪がはらはらと舞っていた。
「ジャック様。お待たせしました」
馬車の前で待つジャックの元にロッティーナが言葉と一緒に白い息を吐きながら駆け寄ってきた。
「あ、そうか…防寒着がなかったな」
「大丈夫ですよ。私、寒さには強いんです」
「女性は我慢をするものじゃない。僕ので申し訳ないがこれを着ると良い」
ジャックは着ていた防寒着を脱ぐとロッティーナに着せた。
代わりの防寒着を執事が持ってきてくれる。
体温で温まっていた防寒着はロッティーナにしっかりと着せる。新しい防寒着に袖を通すとひんやりしていたが「行こうか」と声を掛けるとロッティーナは襟元をギュッと閉じながら「えへっ」と笑った。
「あったかいです。なんだか…スンスン…ジャック様の香り…なのかな?」
「っっっ!!!」
スンスンと防寒着に付いたジャックの体臭なのか。嗅いで微笑むロッティーナにジャックの体温は急上昇し理性は崩壊寸前だった。
執事を筆頭に使用人たちが心で盛大にエールを送っている声が聞こえる気がする。
皆に見送られて乗り込んだ馬車にも問題がある。
キッ!と執事を見るとサムズアップしていた。
通常は向かい合わせで腰かける馬車の庫内。今日の馬車の座席は1か所しかなく御者を含めて3人乗りの小ぶりな馬車で並んで座るしかない。しかも横幅も狭いので密着状態で座らねばならなかった。
体の片方にロッティーナの温もりを感じ、ジャックは思った。
==今日1日。僕は耐えられるだろうか==
そんなジャックの心を他所に、ロッティーナは手袋でモコモコの手で懸命に紙を広げて「このカフェのスィーツをお土産に欲しいって言ってました」揺れる馬車の中でジャックに説明をする。
==あ~だめだ。もう重傷だ==
目線から少し下にあるロッティーナの赤くなった頬。至近距離過ぎて揺れでジャックの頬に触れるロッティーナの頭。出発したばかりなのに限界点はもう超えている気がした。
「ドン引きならまだいいよな」
ジャックはロッティーナに軽蔑をされるのが怖かった。
とはいっても、出会ってまだ1か月半にもならない。
好きだなんだと言っても社交辞令にしか受け取られないないだろうし、言葉を口にするとこちらも「気持ち悪い」「そのために雇うと言ったのか」と思われそうで怖い。
美丈夫と言われても仕事が仕事。
実際の所、侯爵家や辺境伯家に生まれると子息も令嬢も将来の伴侶を見つけるのは難しいのだ。
嫌われるのは慣れているけれど、ロッティーナには軽蔑をされたくなかった。
「心の内に秘めておけばいいかな」
ジャックの執務机。一番上の引き出しには渡せなかったロールパンのブローチが置かれている。
「ジャック様、今宜しいでしょうか?」
ロッティーナの声がしてジャックは急いで引き出しを押し込んだ。
「どうしたんだ?」
「紛争地での医薬品についてご提案があるんです」
ロッティーナなりに考えて纏めて来たであろう手製の資料をロッティーナはジャックに説明していく。
「――なんです。だから調剤も必要ですが薬草を…ジャック様?」
「ん?あ、あぁ何だったかな。紛争地には配給も現状では行き届いていない、だったか?」
「それ、ほぼ最初です。やっぱり…出過ぎた事でしたか?」
「それは違う!(ガタタン!!)フォグアゥッ!!くぅぅ…」
ショボンと肩を落としたロッティーナにジャックは勢いよく立ち上がったものだから執務机の中央の引き出し部分に思いっきり太ももとその中央にある突起の根元を打ち付けてしまった。
不意な打撃に悶絶する痛みは一定年齢に達した男性なら1度は経験する痛み。
冷や汗が噴き出て腹の底にとてつもない錘を捻じ込まれる例えようのない痛みがジャックを襲う。
「大丈夫ですか?!見せてください!」
執務机の横を回りロッティーナが心配そうに駆け寄るが「ここが痛いです」なんて曝け出してしまったら本物の変態だ。
「だっ…だいじょ…くぅぅ…いいんだ…暫くするとぉぉぉ‥スゥゥー…落ち着く」
「打ったんですね?庭にオトギリソウがあるので採ってきます。葉っぱを揉んで出た汁を患部に塗ると効きますので」
==ニャンだって!それ不味いだろ!==
患部になんか塗られたら違う意味でいろいろと「痛い」じゃないか。
「ま、待て…ハァハァ…違うぞ?これはスゥゥー!!!痛みを逃す呼吸…」
「解ってますよ?何を間違うと言うんです」
==変態だよ。変態の呼吸==
「とにっ兎に角ッ!大丈夫だからっ。もう少しで…治まるからッ‥スゥゥー!!」
「本当に大丈夫ですか?誰か呼んできたほうが」
「いいっ!誰にも…言わないでくれ…」
――もしや不治の病?!皆に気づかれちゃいけない痛みなの?――
ロッティーナは強い痛みからなのか額に脂汗を浮かべ痛みに耐えるジャックの背を撫でるしかなかった。それがこの痛みには何の効果も生み出さないばかりか、部分的な隆起を引き起こし更に痛み倍増となる事を知らない。
やっと痛みが引き、部屋の中は微妙な空気が漂う。
ロッティーナはジャックが不治の病若しくは難病で時折襲ってくる痛みを使用人たちに必死に隠しているのに、自分が偶然居合わせてしまったのだと思い、ジャックの体調を本気で心配している。
ジャックは男性ならではの痛みを2人きりの時に、しかもロッティーナに隠し通せたかどうか。心配で心臓がバクバクしている。
空気を変えようとジャックはロッティーナに「街に行かないか?」と誘った。
特に行きたいところがある訳でもなく、女性が喜びそうなスポットを知っている訳でもない。ただ場の空気を変えようと思い付きで言ってみた。
「街ですか?そうですね…あ、そうだ!さっきの話なんですけどモートン様が裏路地にあるので女性だけで行くのはダメだと止められたんですが、腕のいい薬師のいる薬草店があるそうなんです。行ってみませんか?」
「裏路地?確かに女性だけでは危険だな。良いよ。行ってみよう」
翌日に出かける事を約束し、ジャックはロッティーナの持ってきた資料を「読んでおくよ」と言ってその場はお開きとなった。
翌日。空を見上げると白い雪がはらはらと舞っていた。
「ジャック様。お待たせしました」
馬車の前で待つジャックの元にロッティーナが言葉と一緒に白い息を吐きながら駆け寄ってきた。
「あ、そうか…防寒着がなかったな」
「大丈夫ですよ。私、寒さには強いんです」
「女性は我慢をするものじゃない。僕ので申し訳ないがこれを着ると良い」
ジャックは着ていた防寒着を脱ぐとロッティーナに着せた。
代わりの防寒着を執事が持ってきてくれる。
体温で温まっていた防寒着はロッティーナにしっかりと着せる。新しい防寒着に袖を通すとひんやりしていたが「行こうか」と声を掛けるとロッティーナは襟元をギュッと閉じながら「えへっ」と笑った。
「あったかいです。なんだか…スンスン…ジャック様の香り…なのかな?」
「っっっ!!!」
スンスンと防寒着に付いたジャックの体臭なのか。嗅いで微笑むロッティーナにジャックの体温は急上昇し理性は崩壊寸前だった。
執事を筆頭に使用人たちが心で盛大にエールを送っている声が聞こえる気がする。
皆に見送られて乗り込んだ馬車にも問題がある。
キッ!と執事を見るとサムズアップしていた。
通常は向かい合わせで腰かける馬車の庫内。今日の馬車の座席は1か所しかなく御者を含めて3人乗りの小ぶりな馬車で並んで座るしかない。しかも横幅も狭いので密着状態で座らねばならなかった。
体の片方にロッティーナの温もりを感じ、ジャックは思った。
==今日1日。僕は耐えられるだろうか==
そんなジャックの心を他所に、ロッティーナは手袋でモコモコの手で懸命に紙を広げて「このカフェのスィーツをお土産に欲しいって言ってました」揺れる馬車の中でジャックに説明をする。
==あ~だめだ。もう重傷だ==
目線から少し下にあるロッティーナの赤くなった頬。至近距離過ぎて揺れでジャックの頬に触れるロッティーナの頭。出発したばかりなのに限界点はもう超えている気がした。
760
お気に入りに追加
1,226
あなたにおすすめの小説

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない
nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
21時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる