31 / 43
第29話 トゥトゥーリアの居場所
しおりを挟む
「キュウリが残ってます!キュウリ高いんですからちゃんと食べてください」
実はキュウリの青臭いのが苦手だったが、口の中に入れて見ると青臭くない。
トマトもあまり好きではなかったが、口の中に広がるつぶつぶの種すら気持ち良く感じる。そして焼きたてのパン。かと思ったら違っていた。
「朝から焼きませんよ?前の日に焼いたのを炙る様に温めるだけです。どこまで働かせる気ですか。今日は休みだったんですよ?ホントはね、休みの日はお日様がずっと高く上るまで寝台でゴロゴロするのが日課だったんです!」
「それは済まない事をした。早くに起きて朝食を作ってくれたんだな」
「一応・・・この家の家主さんですし?扉も直して貰わないといけないし?」
「家主は君だよ。父上に頼んで名義も変えてもらうようにしよう」
「やめてください!いりませんって!。稼ぎもはっきりしないのにこんな郊外でも一等地の固定資産税なんか払えませんってば。ホント…どれだけ働かすきなのかしら」
「トゥトゥーリアならこのパンで納税にしてあげるよ」
「そういう公私混同要りません。食べたら帰ってくださいね」
「もう少し良いだろう?」
「ダメですよ!早く帰って扉を直す手配をしてもらわないと!」
――そっちか。君らしいな――
小さいからか。いや違う。ヴァレンティノは部屋を見て思った。
見た事のある調度品もあるが、部屋の至る所にトゥトゥーリアの気配を感じる。工夫を凝らしている部分も多く「ここはトゥトゥーリアの居場所」なんだと感じた。
帰る家もなく、バリバ侯爵家はトゥトゥーリアを食い物にしようとしていた。
――きっと息が出来る居場所が欲しかったんだな――
そう思うと、トゥトゥーリアと離縁をしない場合でも宮に連れて帰ったらどうなるだろうと考えた。初夜の日のトゥトゥーリアはヴァレンティノが部屋に入って来たばかりの時は緊張もあっただろうが今のような雰囲気ではなかった。今に近いのは一緒に並んで寝た時にさっさと寝息を立てるその直前。
ヴァレンティノは食器を片付けるトゥトゥーリアから食器を奪った。
「片付けは私がやる・・・と言いたいんだが初めてなんだ。片付け方を教えてくれないだろうか」
「厨房に水の入った桶があるから食器をその中に入れてくれればいいです」
「その後は?そこで洗うのか?」
「しばらく水に浸けておいて、洗いやすくしてから洗うんです」
「なるほどね」
洗い方も教えてもらおうと思ったのだが、扉を早めに直さないと厨房の勝手口が使えないので、何かにつけ玄関から出て遠回りをしなければならない。
「扉、本当に申し訳なかった」
「夏だったら虫じゃなく風が入るから良かったかもだけど。直してくれるんでしょう?」
「勿論。なんならもう1部屋か2部屋増やすように増築をしようか?」
「やめてください。掃除が大変になるだけです」
浸け置きした食器の入った桶を玄関から外に運び、井戸の水で洗う。
トゥトゥーリアが「今日は湯あみは無理かな」と呟く声にヴァレンティノは宮に戻る事にした。
「夕方には直るようにしておく」
「ありがとう!夕方、殿下も来るんですか?」
「どうして?」
「来るなら殿下の分もパンを焼こうと思って」
「なら間違いなく来るよ」
「言わなきゃ良かった・・・」
ヴァレンティノは愛馬ボナパルト号に跨るといつものように前足をあげて暴れ出す。しかしトゥトゥーリアが「ボナ君また夕方ね」と鼻を撫でると大人しくなる。
すっかり飼いならされてしまった感のある愛馬ボナパルト号と共にヴァレンティノは宮に戻って行った。
「そのお顔は仲直り出来ましたか?」
「仲直り?‥‥そうなるのか?」
「御気分が宜しい時に何ですが、片付けねばならない問題が御座います」
「あぁ、扉か」
「扉?」
執事エルドはサブリナの処罰のつもりだったのだが、ヴァレンティノは違ったようである。
新しい扉の材料と、加工し取りつける人の手配を先に済ませたヴァレンティノは執事エルドが差し出した書類に目を通した。
「公爵令嬢とは言え、第2王子妃への暴行は見過ごすことは出来ません」
「そうだな。公爵は・・・修道院に入れるつもりか?」
「おそらくは。ですが修道院も寄付金次第で修道女の処遇も変わりますから意味がないかと」
「サブリナは虚偽も加わるからな。しばらくバリバ侯爵たちと働いてもらうか」
「しかしあの施設はマエスト公爵家が運営しています」
「城の地下牢しかないか。寝転がって勉強でも、し直して貰うのが良いだろう」
「寝返りは打てませんが、あのご令嬢は身長も低いのでさほどに丸まらなくてもいいでしょうしね」
「石の牢にも3年と言うし、それでいいだろう」
――殿下、石の上!上ですよ!――
マエスト公爵家にサブリナの出頭命令を出したが、公爵家にある牢で反省をさせているとサブリナの引き渡しを拒んだマエスト公爵家。
騎士団が出向いてみれば、豪華な部屋で「何処が反省?」と思うような生活を送っていた事が判明し、マエスト公爵家は罰として一番の稼ぎ頭だった領地を没収となり、サブリナは騎士団に引き渡された。
「それほどまでして守りたかった娘だ。3年の投獄の後は面倒をみるように」
と王太子から直接肩を叩かれ、3年後は前科持ちのサブリナを引き取る事も条件にされたマエスト公爵家。
王太子はその報告がてらヴァレンティノの宮を訪れた。
「あれやこれやで反王政派がかなり勢いを無くした。怪我の功名と言う奴かな?」
「あぁ、そうですね。反王政派の筆頭だったマエスト公爵家は収支も以前ほどは出ないでしょうしバリバ侯爵家は家名だけとなりましたし…」
「ま、結果的には義妹サマサマと言うことだな。お前も自分の妻とは仲良くする事だ。たまには堀で釣りとか、山登りとか令嬢らしからぬことに連れて行ってやると喜ぶぞ?妃はロッククライミングに嵌ってるがな」
「は?」
ヴァレンティノは知らなかった。
てっきり両親である国王や王妃と同じで冷え切った夫婦関係だとばかり思っていたと兄の王太子に告げると大笑いをされた。
そして思いっきり悪い顔で王太子は言った。
「なんで夫婦間の楽しみまでオープンにせねばならんのだ?」
ヴァレンティノ。24年生きて来て初めて知った兄の秘密だった。
実はキュウリの青臭いのが苦手だったが、口の中に入れて見ると青臭くない。
トマトもあまり好きではなかったが、口の中に広がるつぶつぶの種すら気持ち良く感じる。そして焼きたてのパン。かと思ったら違っていた。
「朝から焼きませんよ?前の日に焼いたのを炙る様に温めるだけです。どこまで働かせる気ですか。今日は休みだったんですよ?ホントはね、休みの日はお日様がずっと高く上るまで寝台でゴロゴロするのが日課だったんです!」
「それは済まない事をした。早くに起きて朝食を作ってくれたんだな」
「一応・・・この家の家主さんですし?扉も直して貰わないといけないし?」
「家主は君だよ。父上に頼んで名義も変えてもらうようにしよう」
「やめてください!いりませんって!。稼ぎもはっきりしないのにこんな郊外でも一等地の固定資産税なんか払えませんってば。ホント…どれだけ働かすきなのかしら」
「トゥトゥーリアならこのパンで納税にしてあげるよ」
「そういう公私混同要りません。食べたら帰ってくださいね」
「もう少し良いだろう?」
「ダメですよ!早く帰って扉を直す手配をしてもらわないと!」
――そっちか。君らしいな――
小さいからか。いや違う。ヴァレンティノは部屋を見て思った。
見た事のある調度品もあるが、部屋の至る所にトゥトゥーリアの気配を感じる。工夫を凝らしている部分も多く「ここはトゥトゥーリアの居場所」なんだと感じた。
帰る家もなく、バリバ侯爵家はトゥトゥーリアを食い物にしようとしていた。
――きっと息が出来る居場所が欲しかったんだな――
そう思うと、トゥトゥーリアと離縁をしない場合でも宮に連れて帰ったらどうなるだろうと考えた。初夜の日のトゥトゥーリアはヴァレンティノが部屋に入って来たばかりの時は緊張もあっただろうが今のような雰囲気ではなかった。今に近いのは一緒に並んで寝た時にさっさと寝息を立てるその直前。
ヴァレンティノは食器を片付けるトゥトゥーリアから食器を奪った。
「片付けは私がやる・・・と言いたいんだが初めてなんだ。片付け方を教えてくれないだろうか」
「厨房に水の入った桶があるから食器をその中に入れてくれればいいです」
「その後は?そこで洗うのか?」
「しばらく水に浸けておいて、洗いやすくしてから洗うんです」
「なるほどね」
洗い方も教えてもらおうと思ったのだが、扉を早めに直さないと厨房の勝手口が使えないので、何かにつけ玄関から出て遠回りをしなければならない。
「扉、本当に申し訳なかった」
「夏だったら虫じゃなく風が入るから良かったかもだけど。直してくれるんでしょう?」
「勿論。なんならもう1部屋か2部屋増やすように増築をしようか?」
「やめてください。掃除が大変になるだけです」
浸け置きした食器の入った桶を玄関から外に運び、井戸の水で洗う。
トゥトゥーリアが「今日は湯あみは無理かな」と呟く声にヴァレンティノは宮に戻る事にした。
「夕方には直るようにしておく」
「ありがとう!夕方、殿下も来るんですか?」
「どうして?」
「来るなら殿下の分もパンを焼こうと思って」
「なら間違いなく来るよ」
「言わなきゃ良かった・・・」
ヴァレンティノは愛馬ボナパルト号に跨るといつものように前足をあげて暴れ出す。しかしトゥトゥーリアが「ボナ君また夕方ね」と鼻を撫でると大人しくなる。
すっかり飼いならされてしまった感のある愛馬ボナパルト号と共にヴァレンティノは宮に戻って行った。
「そのお顔は仲直り出来ましたか?」
「仲直り?‥‥そうなるのか?」
「御気分が宜しい時に何ですが、片付けねばならない問題が御座います」
「あぁ、扉か」
「扉?」
執事エルドはサブリナの処罰のつもりだったのだが、ヴァレンティノは違ったようである。
新しい扉の材料と、加工し取りつける人の手配を先に済ませたヴァレンティノは執事エルドが差し出した書類に目を通した。
「公爵令嬢とは言え、第2王子妃への暴行は見過ごすことは出来ません」
「そうだな。公爵は・・・修道院に入れるつもりか?」
「おそらくは。ですが修道院も寄付金次第で修道女の処遇も変わりますから意味がないかと」
「サブリナは虚偽も加わるからな。しばらくバリバ侯爵たちと働いてもらうか」
「しかしあの施設はマエスト公爵家が運営しています」
「城の地下牢しかないか。寝転がって勉強でも、し直して貰うのが良いだろう」
「寝返りは打てませんが、あのご令嬢は身長も低いのでさほどに丸まらなくてもいいでしょうしね」
「石の牢にも3年と言うし、それでいいだろう」
――殿下、石の上!上ですよ!――
マエスト公爵家にサブリナの出頭命令を出したが、公爵家にある牢で反省をさせているとサブリナの引き渡しを拒んだマエスト公爵家。
騎士団が出向いてみれば、豪華な部屋で「何処が反省?」と思うような生活を送っていた事が判明し、マエスト公爵家は罰として一番の稼ぎ頭だった領地を没収となり、サブリナは騎士団に引き渡された。
「それほどまでして守りたかった娘だ。3年の投獄の後は面倒をみるように」
と王太子から直接肩を叩かれ、3年後は前科持ちのサブリナを引き取る事も条件にされたマエスト公爵家。
王太子はその報告がてらヴァレンティノの宮を訪れた。
「あれやこれやで反王政派がかなり勢いを無くした。怪我の功名と言う奴かな?」
「あぁ、そうですね。反王政派の筆頭だったマエスト公爵家は収支も以前ほどは出ないでしょうしバリバ侯爵家は家名だけとなりましたし…」
「ま、結果的には義妹サマサマと言うことだな。お前も自分の妻とは仲良くする事だ。たまには堀で釣りとか、山登りとか令嬢らしからぬことに連れて行ってやると喜ぶぞ?妃はロッククライミングに嵌ってるがな」
「は?」
ヴァレンティノは知らなかった。
てっきり両親である国王や王妃と同じで冷え切った夫婦関係だとばかり思っていたと兄の王太子に告げると大笑いをされた。
そして思いっきり悪い顔で王太子は言った。
「なんで夫婦間の楽しみまでオープンにせねばならんのだ?」
ヴァレンティノ。24年生きて来て初めて知った兄の秘密だった。
111
お気に入りに追加
3,686
あなたにおすすめの小説
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
あなたの事は記憶に御座いません
cyaru
恋愛
この婚約に意味ってあるんだろうか。
ロペ公爵家のグラシアナはいつも考えていた。
婚約者の王太子クリスティアンは幼馴染のオルタ侯爵家の令嬢イメルダを側に侍らせどちらが婚約者なのかよく判らない状況。
そんなある日、グラシアナはイメルダのちょっとした悪戯で負傷してしまう。
グラシアナは「このチャンス!貰った!」と・・・記憶喪失を装い逃げ切りを図る事にした。
のだが…王太子クリスティアンの様子がおかしい。
目覚め、記憶がないグラシアナに「こうなったのも全て私の責任だ。君の生涯、どんな時も私が隣で君を支え、いかなる声にも盾になると誓う」なんて言い出す。
そりゃ、元をただせば貴方がちゃんとしないからですけどね??
記憶喪失を貫き、距離を取って逃げ切りを図ろうとするのだが何故かクリスティアンが今までに見せた事のない態度で纏わりついてくるのだった・・・。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★ニャンの日present♡ 5月18日投稿開始、完結は5月22日22時22分
★今回久しぶりの5日間という長丁場の為、ご理解お願いします(なんの?)
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
離縁は恋の始まり~サインランゲージ~
cyaru
恋愛
相思相愛と言われ、来年には結婚を控えていたビオレッタとライネル。
兵士であるライネルはビオレッタの父に結婚を許してもらうために奮闘し、武功をあげて今では隊長職にまでなっていた。
戦地から帰還したライネルの誘いでビオレッタは待ち合わせ場所でライネルを待っていた。
しかし、約束の時間を過ぎてもライネルは来なかった。
ライネルが約束の時間通りに来ていればビオレッタは事件に巻き込まれる事もなかったが、遅れたばかりにビオレッタには生涯消える事のない傷を負ってしまった。
見舞いにも来ないライネルから花が届いた。その花に全員が硬直する。
ビオレッタは「ライネルの気持ち」なのだと婚約の解消を決意し、当主の間で婚約は解消になった。
ライネルにしてみれば青天の霹靂。どうして婚約が解消になったのかも判らない。
当主である父が勝手に解消してしまったと、復縁を願うライネルはビオレッタが負傷する原因となった犯人を捕縛。その褒賞として国王に「何が願いか」と問われ「ビオレッタを妻に」と願い、目出度く王命によりビオレッタを妻に迎える事となったのだが・・・。
初夜。ライネルがビオレッタの部屋を訪れることはなく、帰ってきたのは昼過ぎだった・・・。
★例の如く恐ろしく省略しております。
★1月27日投稿開始、完結は1月28日22時22分です。
★シリアスを感じ、イラァ!とする展開もありますが、出来るだけ笑って頂け・・・お察しください。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
魔がさした? 私も魔をさしますのでよろしく。
ユユ
恋愛
幼い頃から築いてきた彼との関係は
愛だと思っていた。
何度も“好き”と言われ
次第に心を寄せるようになった。
だけど 彼の浮気を知ってしまった。
私の頭の中にあった愛の城は
完全に崩壊した。
彼の口にする“愛”は偽物だった。
* 作り話です
* 短編で終わらせたいです
* 暇つぶしにどうぞ
妹と婚約者の逢瀬を見てから一週間経ちました
編端みどり
恋愛
男爵令嬢のエリザベスは、1週間後に結婚する。
結婚前の最後の婚約者との語らいは、あまりうまくいかなかった。不安を抱えつつも、なんとかうまくやろうと婚約者に贈り物をしようとしたエリザベスが見たのは、廊下で口付をする婚約者と妹だった。
妹は両親に甘やかされ、なんでも姉のものを奪いたがる。婚約者も、妹に甘い言葉を囁いていた。
あんな男と結婚するものか!
散々泣いて、なんとか結婚を回避しようとするエリザベスに、弟、婚約者の母、友人は味方した。
そして、エリザベスを愛する男はチャンスをものにしようと動き出した。
至らない妃になれとのご相談でしたよね
cyaru
恋愛
ホートベル侯爵家のファリティは初夜、夫となったばかりの第2王子レアンドロから「相談」をされた。
結婚はしてしまったがレアンドロは異母妹のルシェルを愛しているので、3年後に離縁し再婚したいという。
ただ離縁するだけではだめでファリティに何もしない愚鈍な妃となり、誰からも「妃には相応しくない」と思って欲しいとのこと。
ルシェルとの関係を既に知っていたファリティは渡りに船とばかりにレアンドロの提示した条件を受けた。
何もかもこちらの言い分ばかり聞いてもらうのも悪いというので、ファリティは2つの条件を出した。
①3年後に何があっても離縁すること、②互いの言動や資産全てにおいて不干渉であること。
レアンドロはその条件を飲み、ただの口約束では揉める原因だと結婚の翌日、次に保管庫が開くのは2人が揃っていないと開けて貰えず、期日も3年後に設定された確実な保管法で正教会にその旨をしたためた書類を2人で保管した。
正教会で「では、ごきげんよう」と別れた2人。
ファリティはその日から宮に帰ってこない。
かたやレアンドロは「模様替え」の最中なのでちょっと居候させてと言うルシェル達を受け入れたけれど…。
タイトルの♡はファリティ視点、♠はレアンドロ視点、★は第三者視点です
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★1話あたりの文字数、少な目…だと思います。
★10月19日投稿開始、完結は10月22日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
ねぇ?恋は1段飛ばしでよろしいかしら
cyaru
恋愛
プリスセア王国のトレサリー家の子息リヴァイヴァールとコール侯爵家のアリスは婚約者という関係だが、アリスは第2王子アドリアンと絶賛「仲良し」さんの仲。
不貞だとして婚約破棄をしたくてもアドリアンは第2王子と言えど正妃の子。婚約破棄をするのにコール侯爵家に不貞を突きつければ否が応でも第2王子を引っ張り出さねばならなくなる。
面倒な事に第1王子は側妃の子で、第2王子が王妃の子。
後ろ盾がない第1王子と違い、王妃の実家は力のある公爵家でもあり、王妃の唯一の子であるアドリアンを訴えれば王妃を敵に回す事になり事業が立ち行かなくなってしまう。
困るのは雇っている従業員。アリスとアドリアンのやりたい放題には我慢に我慢を重ねるリヴァイヴァールだった。
そんなプリスセア王国ではモーセット王国と交換留学制度を取り入れている。
第7回の交換留学生としてやってきたステラを本来ならコール侯爵家がホームステイ先となり受け入れる予定だったが、くじで引いた留学生が男爵家の令嬢だと知るとコール侯爵は娘アリスの婚約者の家であるトレサリー子爵家にステラを押し付けた。
ちょっとばかり他の令嬢とは違うステラの常識に戸惑いながらもステイ先と迎え入れるトレサリー家。
留学期間もあと僅かとなった日、見積もりに行った先でリヴァイヴァールとステラは2人の情事の場に出くわしてしまった。
小刻みに震えながらも耐えるリヴァイヴァールにステラは微笑んだ。
「恩と仇はお返しするものです」・・・っと。
★ステラは大まじめです
★第1話が現在。2話目からちょっと前に戻り、第1話目に時間軸が追いついていきます。
★例の如く恐ろしく省略し、搔い摘んでおります。
★タグは出来るだけ検索で引っ掛からないようにしてます。
★話の内容が合わない場合は【ブラウザバック】若しくは【そっ閉じ】お願いします。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションでご都合主義な異世界を舞台にした創作話です。登場人物、場所全て架空であり、時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
交際7年の恋人に別れを告げられた当日、拗らせた年下の美丈夫と0日婚となりました
cyaru
恋愛
7年間付き合ってきた恋人のエトガーに遂に!遂に!遂に!求婚される?!
「今更の求婚」と胸を弾ませ待ち合わせのレストランに出向いてみれば求婚どころか「子供が出来たし、結婚する」と運命の出会いをしたという女性、アメリアを紹介された。
アメリアには「今度は言動を弁えろ」と言わんばかりのマウントを取られるし、エトガーには「借りた金は出産祝いでチャラにして」と信じられない事を言われてしまった。
やってられない!バーに入ったフライアは記憶を失うほど飲んだらしい。
何故かと言えば目覚めた場所はなんと王宮内なのに超絶美丈夫と朝チュン状態で、国王と王太子の署名入り結婚許可証を見せられたが、全く覚えがない。
夫となったのはヴォーダン。目が覚めるどころじゃない美丈夫なのだが聞けばこの国の人じゃない?!
ついでにフライアはド忘れしているが、15年前に出会っていて結婚の約束をしたという。
そしてヴォーダンの年齢を聞いて思考が止まった。
「私より5歳も年下?!」
ヴォーダンは初恋の人フライアを妻に出来て大喜び。戦場では軍神と呼ばれ血も涙もない作戦決行で非情な男と言われ、たった3年で隣国は間もなく帝国になるのではと言われる立役者でもあったが、フライアの前だけでは借りてきた猫になる。
ただヴォーダンは軍神と呼ばれてもまだ将軍ではなく、たまたた協定の為に内々で訪れていただけ。「すぐに迎えに来る」と言い残し自軍に合流するため出掛けて行った。
フライアの結婚を聞いたアメリアはエトガーに「結婚の話はなかった事に」と言い出すのだが…。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★7月5日投稿開始、完結は7月7日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる