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24:▽☆なんでも言ってくれ?
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ベアズリー侯爵家。
元々は辺境伯と言う国防の要を担っていた侯爵家は基本が「武」のようです。
ご両親はロランド様とはお住まいが別で王都の屋敷に住まわれています。ご挨拶にとやって来たのはロランド様のお屋敷なのですがなぜこんな辺鄙な所に?そんな疑問は直ぐに解決しました。
「そこに山があるから」
――登山家ですか?!――
いいえ違いました。鍛錬の為に山を駆けまわっているのだそうですが、使用人さん曰く「感覚が鈍らないようにするため」と仰っておりまして、なんの感覚かと言いますと「狩る」感覚なのだそう。
「ごめんなさいね?小さく育てるつもりがこんなに大きくなっちゃって」
侯爵夫人はとても小柄なのですけど、ご当主の侯爵様は57歳でも未だ現役の騎士をされておられて、筋肉隆々。例えるならば「狼」でしょうか。眼光の鋭いイケオジ?です。
婚約そのものはクロフォードさんと既に結ばれていたとの事で目の前に差し出されたのは所謂【婚姻届】なのですが、それすらも当主の署名があれば完了なのだそうです。
お父様によく似たロランド様。
はっきり言って非常に場所を取るご子息です。あとは面倒。
テレンスさんやクロフォードさん、侯爵ご夫妻が「後は若い2人でごゆっくり」と言い残し帰って行くと、ロランド様は壁に向かって何かをされているのです。
――まさかの爪研ぎ?――
カーテンでモジモジと大きな体を包むように隠しながら言うのです。
「ロランドって言うんだ。ローラって呼んでもいいけどさ…」
――傷だらけなのはカーテンですけど?――
「25って聞いたっていうか…アハッ。照れるじゃないか」
――いいえ?翌日半額シールのクリスマスケーキを奪取するのに照れている暇はありません。争奪戦ですから――
「俺だけ特別な名で呼んでも、ウッ…名前を呼ぶと胸が張り裂けるかも」
――そこまで凶器な名前ではないと思います――
「ロランド様」
「はいぃぃ!」
私、軍司令部のお偉いさんじゃないのでそんなに直立不動にならなくてもいいんですが、耳まで真っ赤になっている「ばくだん岩」と言うのが可愛く見えてしまいます。
「マジョリー・キングルと申しますが、事情があり王弟殿下よりエリーと名も頂きました。ですが…以前は【まり】という名も御座いました。これからよろしくお願いいたします」
「知ってる。釣り書き読んだ!えっ?マリィ?それは…マズぃ…俺にだけ打ち明ける秘密なんて…生きて明日を迎えられるかな…ま、それでだな…こっこれを…」
ロランド様。顔が赤い本当の原因は飲酒?泥酔者なんでしょうか。
差し出してきたのはミズバショウです。
温室があるのだそうで、お通じが悪い時にロランド様だけが食すとの事。
――ヒグマか!――
「マリィは食べちゃダメだ。毒があるからな。俺も時々泡を吹く」
――そこまでして食べなくても!――
「ミズバショウの花って目立たないんだけど、咲いてるのが今これしかないんだ」
――常備薬にしてるって事?――
ロランド様に教えて頂きました。
ミズバショウの花というのは、白い部分ではなくニョキっとなった粒粒がある部分なのだそうです。
「白いのは葉っぱなんだ。4つ目…5つ目かな。俺は舌が痺れ出す」
――普通は1つ目も食べませんけどね――
しかし、この状況はどう説明をしたらいいのでしょうか。
ロランド様は【命を賭して守る】と力強い言葉をかけてくださるのですけど、私はロランド様の太ももを座面にしてロランド様に対して横向きに座っております。
「あの、この姿勢はおかしくないでしょうか」
「やっぱりそう思うか?」
――思うなら止めてください――
「だと思ったんだ。やっぱり足の間に座らないとおかしいよな」
――そっちの方がもっとおかしいでしょう!――
どうして?今日が初対面なのに物凄く蜜月な2人感を出さなきゃいけないの?!
今まで以前の彼ともこんな距離感だったのはベッドの中だけです。
隣に座ってテレビを見る時もお互いがひじ掛けにもたれたいタイプだったので真ん中は距離がありました。
ロランド様はベタベタしたい方なのでしょうか。
それに困った事に私、まだ介護は必要ありませんが歩かせてくれないのです。
「どうせ移動するなら1つに纏まった方がいいだろう?」
そう言われればそんな気もしますが、歩けるのにお姫様抱っこ移動というのもこの世界の決まり?フランチェスカさんは歩いてたけど?!
使用人さんは全員「微笑ましいわぁ」って見ていますので【違いますよね?】と言い難いです。
スンスンと私の髪といいますか頭や首の辺りを嗅いでおります。
「ロランド様、匂いを嗅がないでください」
「どうして?」
――どうして?!何故その返し?――
「恥ずかしいです。それに美味しい香りはしません」
「するけど」
――するの?!私、また洗い残し?――
「あぁ、そうだ。王弟殿下に言われて湯殿と不浄は改装してある。石張りの大きな湯桶が必要だと聞いてたし、不浄は川の水を直接引き込んであるから真冬はちょっと寒いかも知れないが安心してくれ。俺も――」
「待って?!俺も?‥‥まさか…」
「一緒に入れば寒くないだろう?」
「そう言う問題じゃありません!だめです!絶対にダメっ!」
「どうしてだ」
「どうしてもなにも!そこはオンリーワン!不可侵ですっ」
「冗談だよ。真に受けちゃって~マリィは可愛いなぁ」
まさか、まさかで揶揄われた?
信じられない!っとそっぽを向くと今度は耳の後ろをフンスフンス。
「ひゃぁ!くすぐったい!」
「だよな!俺は鼻をフイフイされるとくすぐったい」
すん‥‥私、硬直し遠くを見つめてしまいました。
――場所、人と違いますよね?――
気を取り直し、石張りにしたというお風呂。
こちらは違う意味で硬直致しました。
「熱い湯が沸き出てるところから引っ張って来たんだ」
まさかの温泉。しかも下手なスーパー銭湯よりずっと広いです。
そしてさらに驚くのは、半割にした竹を並べてお湯を引っ張ってきていると言うのですが、温度は少し熱いくらいに感じるのですけども、源泉から直接ロランド様が竹を設置してくれたのだとか。
「汲み上げる所は熱くてな、他の使用人だと湯気で火傷するから」
――どんな皮膚をしてるんですか――
流れてくる間にこの温度にまでなるように長さを調節してくれたと言いますが、雪が降り始めると迂回した部分を真っ直ぐに直すと言います。
源泉はおそらく沸騰する温度なのでしょう。
「客人だというからまぁこれくらいで良いかと思ったんだ。手抜きですまない」
――これで手抜き?某国の10日で建つ超高層マンションどうなるの?――
「欲しい物、食べたい物、なんでも遠慮なく言ってくれ。一両日中に揃える」
「特にはありません。こんなに良くして頂いてとても嬉しいです」
「我慢をするな。俺は何でも願いを叶える」
「だったら、下ろしてください。歩きたいです」
「却下」
お願いは何でも叶えてくれるのではないようです。
元々は辺境伯と言う国防の要を担っていた侯爵家は基本が「武」のようです。
ご両親はロランド様とはお住まいが別で王都の屋敷に住まわれています。ご挨拶にとやって来たのはロランド様のお屋敷なのですがなぜこんな辺鄙な所に?そんな疑問は直ぐに解決しました。
「そこに山があるから」
――登山家ですか?!――
いいえ違いました。鍛錬の為に山を駆けまわっているのだそうですが、使用人さん曰く「感覚が鈍らないようにするため」と仰っておりまして、なんの感覚かと言いますと「狩る」感覚なのだそう。
「ごめんなさいね?小さく育てるつもりがこんなに大きくなっちゃって」
侯爵夫人はとても小柄なのですけど、ご当主の侯爵様は57歳でも未だ現役の騎士をされておられて、筋肉隆々。例えるならば「狼」でしょうか。眼光の鋭いイケオジ?です。
婚約そのものはクロフォードさんと既に結ばれていたとの事で目の前に差し出されたのは所謂【婚姻届】なのですが、それすらも当主の署名があれば完了なのだそうです。
お父様によく似たロランド様。
はっきり言って非常に場所を取るご子息です。あとは面倒。
テレンスさんやクロフォードさん、侯爵ご夫妻が「後は若い2人でごゆっくり」と言い残し帰って行くと、ロランド様は壁に向かって何かをされているのです。
――まさかの爪研ぎ?――
カーテンでモジモジと大きな体を包むように隠しながら言うのです。
「ロランドって言うんだ。ローラって呼んでもいいけどさ…」
――傷だらけなのはカーテンですけど?――
「25って聞いたっていうか…アハッ。照れるじゃないか」
――いいえ?翌日半額シールのクリスマスケーキを奪取するのに照れている暇はありません。争奪戦ですから――
「俺だけ特別な名で呼んでも、ウッ…名前を呼ぶと胸が張り裂けるかも」
――そこまで凶器な名前ではないと思います――
「ロランド様」
「はいぃぃ!」
私、軍司令部のお偉いさんじゃないのでそんなに直立不動にならなくてもいいんですが、耳まで真っ赤になっている「ばくだん岩」と言うのが可愛く見えてしまいます。
「マジョリー・キングルと申しますが、事情があり王弟殿下よりエリーと名も頂きました。ですが…以前は【まり】という名も御座いました。これからよろしくお願いいたします」
「知ってる。釣り書き読んだ!えっ?マリィ?それは…マズぃ…俺にだけ打ち明ける秘密なんて…生きて明日を迎えられるかな…ま、それでだな…こっこれを…」
ロランド様。顔が赤い本当の原因は飲酒?泥酔者なんでしょうか。
差し出してきたのはミズバショウです。
温室があるのだそうで、お通じが悪い時にロランド様だけが食すとの事。
――ヒグマか!――
「マリィは食べちゃダメだ。毒があるからな。俺も時々泡を吹く」
――そこまでして食べなくても!――
「ミズバショウの花って目立たないんだけど、咲いてるのが今これしかないんだ」
――常備薬にしてるって事?――
ロランド様に教えて頂きました。
ミズバショウの花というのは、白い部分ではなくニョキっとなった粒粒がある部分なのだそうです。
「白いのは葉っぱなんだ。4つ目…5つ目かな。俺は舌が痺れ出す」
――普通は1つ目も食べませんけどね――
しかし、この状況はどう説明をしたらいいのでしょうか。
ロランド様は【命を賭して守る】と力強い言葉をかけてくださるのですけど、私はロランド様の太ももを座面にしてロランド様に対して横向きに座っております。
「あの、この姿勢はおかしくないでしょうか」
「やっぱりそう思うか?」
――思うなら止めてください――
「だと思ったんだ。やっぱり足の間に座らないとおかしいよな」
――そっちの方がもっとおかしいでしょう!――
どうして?今日が初対面なのに物凄く蜜月な2人感を出さなきゃいけないの?!
今まで以前の彼ともこんな距離感だったのはベッドの中だけです。
隣に座ってテレビを見る時もお互いがひじ掛けにもたれたいタイプだったので真ん中は距離がありました。
ロランド様はベタベタしたい方なのでしょうか。
それに困った事に私、まだ介護は必要ありませんが歩かせてくれないのです。
「どうせ移動するなら1つに纏まった方がいいだろう?」
そう言われればそんな気もしますが、歩けるのにお姫様抱っこ移動というのもこの世界の決まり?フランチェスカさんは歩いてたけど?!
使用人さんは全員「微笑ましいわぁ」って見ていますので【違いますよね?】と言い難いです。
スンスンと私の髪といいますか頭や首の辺りを嗅いでおります。
「ロランド様、匂いを嗅がないでください」
「どうして?」
――どうして?!何故その返し?――
「恥ずかしいです。それに美味しい香りはしません」
「するけど」
――するの?!私、また洗い残し?――
「あぁ、そうだ。王弟殿下に言われて湯殿と不浄は改装してある。石張りの大きな湯桶が必要だと聞いてたし、不浄は川の水を直接引き込んであるから真冬はちょっと寒いかも知れないが安心してくれ。俺も――」
「待って?!俺も?‥‥まさか…」
「一緒に入れば寒くないだろう?」
「そう言う問題じゃありません!だめです!絶対にダメっ!」
「どうしてだ」
「どうしてもなにも!そこはオンリーワン!不可侵ですっ」
「冗談だよ。真に受けちゃって~マリィは可愛いなぁ」
まさか、まさかで揶揄われた?
信じられない!っとそっぽを向くと今度は耳の後ろをフンスフンス。
「ひゃぁ!くすぐったい!」
「だよな!俺は鼻をフイフイされるとくすぐったい」
すん‥‥私、硬直し遠くを見つめてしまいました。
――場所、人と違いますよね?――
気を取り直し、石張りにしたというお風呂。
こちらは違う意味で硬直致しました。
「熱い湯が沸き出てるところから引っ張って来たんだ」
まさかの温泉。しかも下手なスーパー銭湯よりずっと広いです。
そしてさらに驚くのは、半割にした竹を並べてお湯を引っ張ってきていると言うのですが、温度は少し熱いくらいに感じるのですけども、源泉から直接ロランド様が竹を設置してくれたのだとか。
「汲み上げる所は熱くてな、他の使用人だと湯気で火傷するから」
――どんな皮膚をしてるんですか――
流れてくる間にこの温度にまでなるように長さを調節してくれたと言いますが、雪が降り始めると迂回した部分を真っ直ぐに直すと言います。
源泉はおそらく沸騰する温度なのでしょう。
「客人だというからまぁこれくらいで良いかと思ったんだ。手抜きですまない」
――これで手抜き?某国の10日で建つ超高層マンションどうなるの?――
「欲しい物、食べたい物、なんでも遠慮なく言ってくれ。一両日中に揃える」
「特にはありません。こんなに良くして頂いてとても嬉しいです」
「我慢をするな。俺は何でも願いを叶える」
「だったら、下ろしてください。歩きたいです」
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