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第23話 ホラー&オカルトにサスペンス
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息も絶え絶えになったケルマデックは腹筋がこんなに体力を削ぐものだとは思わなかった。
「ごめんなさい…必死だったんです」
「いいんだ…もうちょっと筋力も付けるようにするよ」
「大丈夫ですか?」
「マリアナは軽いからな。ちっとも重くなかった」
「え・・・・」
恋愛初心者のケルマデックは軽く地雷を踏み抜いた発言に気が付かない。
マリアナは体重の事は一言も言ってないのに「重い」と言ってしまった
それはマリアナにとってケルマデックの気を利かせた優しさに過ぎない。その言葉の裏には「意外と重いよね」と感じた気持ちがある。
女性に「年齢」「体重」「見た目」の3つは禁止ワードなのだ。
可愛いと言えば「綺麗になりたいのに!」と地雷
「今日のドレスとてもいいね」と言えば「ドレスに着られてると言いたいの?」と地雷。
そして体重については実質の重さの他に質量という物が加味されるため絶対の禁句なのだ。
「わ、私…お食事の量は減らす事にします」
「どうして?!本当だよ?軽かった。重さなんか空気よりも感じなかった」
「嘘です…だってパジャマ着てますし!空気より軽かったら!!」
パジャマをバッと脱いだマリアナは「ほら!浮きません!」と床に落ちたパジャマを指差したのだが、パジャマの下はNO下着。うっかりと寝る時用の下着の上だけ王都から持って来るのを忘れてしまったのだ。
トラフ領までの道中で購入しようと思ったのだが、宿場町には土産物は売っていても下着の上は売っていない。比較的大きな宿場町でも下着の下、しかも全年齢OKなフリーサイズしか売っていなかったのだ。
「あの…目の保養というか俺は良いんだが…」
「何が良いんです!パジャマは床に落ちましたっ!」
「うん。落ちる。俺の鼻血も…ほら‥落ちてる」
「鼻血?どうして?!」
「その答えは多分パジャマを脱いだことが関係しているかな」
「フェッ?!‥‥エェェーッ!!!」
上半身が纏っているのが空気。いや、脱着出来ない肌色の皮膚と言う下着だった。
「見ないでください!忘れてください!」
「それは無理かな。でも、良いと思うんだ。俺は…好きだぞ?どんなマリ――」
「ケルマデック様の変態っ!裸が好きなんてどうかしてます!」
ケルマデックは思った。
――大抵の男は女の裸は好きだと思うぞ?――
さらにケルマデックは思う。
――好きな女限定で男は変態になれると思う――
視線をあげれば怒っても可愛い顔、通常の位置にすれば手が伸びてしまいそうな双璧、少し下げれば見え隠れする臍。何処を見ても至福しか感じない。
――特別な女性って、どうしてこうも罪作りなんだ!――
掛布に頭から包まったマリアナだが、臍は未だに見えている。
全開ではないのがチラリズムを刺激する。
「じゃぁこうしよう」
「どうするって言うんです」
「俺も脱ぐよ。それで御相子だろう?」
「あいこになりません」
掛布に包まって顔を出さないマリアナも可愛いなとケルマデックは微笑む。
ケルマデックも寝間着の上を脱いだのだが…。
ガチャリ。
「お嬢様、そろそろ朝食の―――旦那様ぁ!!」
「ウゴッ!!」
怒号と共に空気が揺れてドサリと音がすると寝台が揺れる。
ララ渾身の飛び蹴りがケルマデックに炸裂したのだ。
ララの目には無体を働くケルマデックにマリアナが抵抗している様にしか見えなかった。
「旦那様!お嬢様は昨日到着されたばかりなんですよ!疲れも取れていないのに旦那様は鬼畜ですか!この節操なし!ちょっとは我慢ってものを知りなさい!!」
残念だか今度もケルマデックには聞こえていない。
何故なら飛び蹴りは華麗にキマり、なんとか前方のマリアナのほうに倒れるのを防いだが力尽きた。若干前に傾いた体は次に反動で後ろに傾いた。
結果、体を「く」の字に曲げて上半身が床に落ちたからである。
背中が床に、ふととも裏が寝台のへりに。そして…。
「え?何?…キャァァァーッ!!」
掛布から顔をだしたマリアナに見えたのはケルマデックのスケキヨな足だった。
再度マリアナを襲うホラー&オカルトな恐怖にサスペンスまで加わったのだった。
「ごめんなさい…必死だったんです」
「いいんだ…もうちょっと筋力も付けるようにするよ」
「大丈夫ですか?」
「マリアナは軽いからな。ちっとも重くなかった」
「え・・・・」
恋愛初心者のケルマデックは軽く地雷を踏み抜いた発言に気が付かない。
マリアナは体重の事は一言も言ってないのに「重い」と言ってしまった
それはマリアナにとってケルマデックの気を利かせた優しさに過ぎない。その言葉の裏には「意外と重いよね」と感じた気持ちがある。
女性に「年齢」「体重」「見た目」の3つは禁止ワードなのだ。
可愛いと言えば「綺麗になりたいのに!」と地雷
「今日のドレスとてもいいね」と言えば「ドレスに着られてると言いたいの?」と地雷。
そして体重については実質の重さの他に質量という物が加味されるため絶対の禁句なのだ。
「わ、私…お食事の量は減らす事にします」
「どうして?!本当だよ?軽かった。重さなんか空気よりも感じなかった」
「嘘です…だってパジャマ着てますし!空気より軽かったら!!」
パジャマをバッと脱いだマリアナは「ほら!浮きません!」と床に落ちたパジャマを指差したのだが、パジャマの下はNO下着。うっかりと寝る時用の下着の上だけ王都から持って来るのを忘れてしまったのだ。
トラフ領までの道中で購入しようと思ったのだが、宿場町には土産物は売っていても下着の上は売っていない。比較的大きな宿場町でも下着の下、しかも全年齢OKなフリーサイズしか売っていなかったのだ。
「あの…目の保養というか俺は良いんだが…」
「何が良いんです!パジャマは床に落ちましたっ!」
「うん。落ちる。俺の鼻血も…ほら‥落ちてる」
「鼻血?どうして?!」
「その答えは多分パジャマを脱いだことが関係しているかな」
「フェッ?!‥‥エェェーッ!!!」
上半身が纏っているのが空気。いや、脱着出来ない肌色の皮膚と言う下着だった。
「見ないでください!忘れてください!」
「それは無理かな。でも、良いと思うんだ。俺は…好きだぞ?どんなマリ――」
「ケルマデック様の変態っ!裸が好きなんてどうかしてます!」
ケルマデックは思った。
――大抵の男は女の裸は好きだと思うぞ?――
さらにケルマデックは思う。
――好きな女限定で男は変態になれると思う――
視線をあげれば怒っても可愛い顔、通常の位置にすれば手が伸びてしまいそうな双璧、少し下げれば見え隠れする臍。何処を見ても至福しか感じない。
――特別な女性って、どうしてこうも罪作りなんだ!――
掛布に頭から包まったマリアナだが、臍は未だに見えている。
全開ではないのがチラリズムを刺激する。
「じゃぁこうしよう」
「どうするって言うんです」
「俺も脱ぐよ。それで御相子だろう?」
「あいこになりません」
掛布に包まって顔を出さないマリアナも可愛いなとケルマデックは微笑む。
ケルマデックも寝間着の上を脱いだのだが…。
ガチャリ。
「お嬢様、そろそろ朝食の―――旦那様ぁ!!」
「ウゴッ!!」
怒号と共に空気が揺れてドサリと音がすると寝台が揺れる。
ララ渾身の飛び蹴りがケルマデックに炸裂したのだ。
ララの目には無体を働くケルマデックにマリアナが抵抗している様にしか見えなかった。
「旦那様!お嬢様は昨日到着されたばかりなんですよ!疲れも取れていないのに旦那様は鬼畜ですか!この節操なし!ちょっとは我慢ってものを知りなさい!!」
残念だか今度もケルマデックには聞こえていない。
何故なら飛び蹴りは華麗にキマり、なんとか前方のマリアナのほうに倒れるのを防いだが力尽きた。若干前に傾いた体は次に反動で後ろに傾いた。
結果、体を「く」の字に曲げて上半身が床に落ちたからである。
背中が床に、ふととも裏が寝台のへりに。そして…。
「え?何?…キャァァァーッ!!」
掛布から顔をだしたマリアナに見えたのはケルマデックのスケキヨな足だった。
再度マリアナを襲うホラー&オカルトな恐怖にサスペンスまで加わったのだった。
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