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侯爵は追剥だったのか。
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「お父様?お母様は何処に行ったのかしら」
離縁状を握りしめた子爵に昨夜の夕食を食べなかったので残ったままになったパンを食べながらシェリーは特に思う事もないのか平然と聞いてくる。
「もう!朝から出かけるなら帰りに買ってきて欲しいファンデーションがあったのに。お母様って微妙に気が利かないところがあるわよね。お父様っ」
「そうなのか…ところでちゃんと薬は飲んでいるのか?」
「片方はね。赤い包みの方は1日1回だけど凄く苦いの。お母様は絶対にこっちは飲めって言うのよ?信じられる?苦いだけで口の中がいい匂いになる訳でもないのに。緑の方は甘くていい匂いになるから欠かさずに飲んでるわよ」
シェリーは2種類の薬を処方してもらっている。赤い方は所謂抗生物質。残念ながら良薬は口に苦しのことわざの如く、その行いもだが、飲み薬に至るまで苦いから嫌、面倒だから嫌、判らないから嫌と逃げ回っている。
緑は口臭を花や果実の香りで誤魔化す言うなればタブレットのようなもの。
赤い薬は1日1回1錠と決められているが、緑の薬は特に回数も制限はされていない。
王都に来て見立ても腕も良いという本来は王族や高位貴族診察する医者が善意で平民向けに開業している無料の病院に通院をしているのである。
医師の見立てでは半年ないし7、8カ月で口臭も改善され痛みなども無くなるという事だったが、夜には鼻が詰まるのか大いびきは変わらないし、口臭も良くなる傾向は一切見られない。
それもそのはず、シェリーの飲んでいる「薬」は薬品ではなく、口臭を誤魔化すタブレットだけなのだ。これで良くなるほうが不思議である。
その他にもシェリーはここ3、4年悩まされている症状があった。
体の部位を問わず出来てしまう「水いぼ」である。
プクリと膨らみ抓むと痛みは伴うが、白い嚢胞が出てくる。自分で潰してしまいその嚢胞を指で弄んでピンと弾いて床に飛ばす。
他者がその嚢胞を触ったりすると感染する危険性があるのだがシェリーには関係がない。
他人が感染しても自分ではないからである。
嚢胞を触ったままで手を洗わずにまた別の場所を触るのでトビヒのように広がっていく。
通常は6、7歳くらいまでとか、きちんと対応すれば半年ほどで良くなるのだが、嚢胞が出てくる瞬間に変な喜びを感じているシェリーはこちらも処置をせずにいるのである。
実のところカインも腕や腹部に水いぼが出来てしまっている。
カインはハウスダストアレルギーが軽症ではあるが持っているため痒みで水いぼを引っ掻き、ウィルスのついた指でまた別の場所を掻くのでどんどんと水いぼの部位は広がっていた。
そんなシェリーだが、パンを食べ終わると「薬」である口臭消しを水で流し込み部屋に行く。
トランクを3つほど父に預けるがその服装に父は首を傾げる。
「どうして制服を着ているんだ?」
「どうしてって学園に行って追試を受けないと卒業できないもの」
あっけらかんというシェリーに子爵はため息を一つ吐いた。
「馬車の手配をするから荷を乗せるのを手伝いなさい。学園にはその後一緒に行く」
「え?お父様も所作と地理の追試受けるの?」
「・・・・・」
「うそぉ。もしかして数学も?大人なのに?信じられないっ!」
「いや、退学届けを出しに行くだけだ。その後はオマル大叔母さんのところに行く」
「は?何を言ってるの?まさかと思うけどオマル大叔母さんのところに引っ越しなんて嫌よ」
子爵の母の妹であるオマルは元々住んでいた子爵家の領地よりもさらに田舎に住んでいる。
火を起こすには必ず薪割りからせねばならないし、毎朝の水汲みも片道30分以上かけて水を汲みに川まで行かねばならない。
冬場の雪が降り始めるまでに沿道の草を刈っておかないと雪解けと同時に新芽が出れば道が雑草で塞がってしまうのだ。そうなれば草むらからヘビやらが出て来てしまう。
王都の暮らしに慣れ、田舎には帰るのは仕方ないにしても昨夜カインが迎えに来てくれると言ったのではないか?そんな田舎には引っ越しはしないとシェリーは子爵である父に噛みついた。
「ならどうするんだ?学園に払う学費など何処にあるんだ」
「だから!ティフェルの家から貰えばいいじゃない。慰謝料を一回払って、またもらえばいいじゃないの。悪い事してないんだから直ぐに返してくれるわよ」
言い返す言葉もない。子爵が口をはくはくとしている間にシェリーは学園に行ってしまった。
そっとシェリーのトランクを開けると自分やいなくなった妻が買ったものではないと直ぐに判るワンピースや宝石が出てくる。宝石はかなり高価とは言わないがそれでも買えば10万、売れば1、2万の値がつくものだ。シェリーにそんな小遣いは与えていない。
子爵は可哀そうだとは思いつつも、金目の物は元妻が持って出ていったためそれらを拝借し急ぎ商店街の買取店に持ち込んだ。自分の父からの形見分けで貰ったブレスレットや時計なども買い取りをしてもらい、なんとかオマルのいる地まであと少しくらいまでは行けるくらいの馬車代を工面した。
午前中には引き払うという約束である。走って戻ればもう伯爵は家の中にハウスクリーニング業者を招き入れているところだった。
「何故戻って来た?」
「いえ、荷を運び出していませんので荷馬車の手配をしに行っておりました」
「荷物はどれだ。これ以上時間を取られて誰かに見られるのも当家は迷惑だ。運んでやる」
清掃に来た業者の数人に声を掛けて子爵の荷物を門の外まで運ぶように伯爵が言う。
一人で運ばねばならないのかと思っていた子爵は助かったと思いつつも歩き出す後ろから聞こえるそれまで使っていた陶器の食器などを放り投げ、割れる音に己の心も簡単に割れればいいのにと呟く。
荷馬車の御者に先ずは学園に行き、その後の行き先を説明しているところにペルデロ侯爵がやって来た。
侯爵家と伯爵家なので、住んでいるエリアはさほどに遠くはないが歩いてきたようだった。
「何をしているんだ!逃げるつもりか!」
飛び掛かって来た侯爵に腕を掴まれると、痛みに子爵は伯母の元に行くと話をする。
逃げるのではなく、そこしか行き先がないのだと告げるが、揺すられた体から小銭が何枚か落ちた。
「当面の慰謝料を持ってこい。あぁ荷馬車の代金がある筈だな。それを出せ」
「こ、これを払ったら荷馬車を出せませんっ」
「それがどうしたというんだ。俺たちは今晩から寝るところすらないんだ。宿代はお前のところが負担するのが当たり前だろうか」
「そんな…それじゃ追剥じゃないですか」
「お前の持ってる金なんぞはした金だ。お前の娘のした事がまだ判らないのか」
子爵は仕方なく財布を出すと、ペルデロ侯爵はそれを取り上げ札だけを抜いて財布を放り投げた。それを見ていた荷馬車の御者は積んだばかりの荷物を荷台から放り投げ始めた。
「なっ何をするんだっ」
「無賃乗車をするつもりか?お前、今いくら持ってる?向こうについて払えません、家人に建て替えてもらいますっていうやつは信用してねぇんだよ」
子爵は御者の言う通り、叔母の家まで行けば駄賃を借りるつもりでいた。
一族の中でもケチで有名な叔母は、それくらいの金は貯め込んでいるはずで、そこに業者が居れば建て替えるより他ないと思ったのだ。
放り投げられた荷物の上に座っていると、伯爵家から使用人が出てきた。
「門の前におられては迷惑です。消えろとのお言葉です」
とても一人では運べない荷物。子爵は幾つかを手に持ち数歩歩いてまた戻り、残りの荷物を取りに戻ってまた数歩と繰り返し繰り返し、商店街の古着買取店でシェリーのトランクにあるワンピースなどを売り払った。
10代の女の子の下着は綺麗なワンピースより良い値で買ってくれた。
「洗ってなくて、絵姿もセットならもっと弾めるんですけどね」
娘のショーツを値踏みする店主に子爵は乾いた笑いしか出なかった。
離縁状を握りしめた子爵に昨夜の夕食を食べなかったので残ったままになったパンを食べながらシェリーは特に思う事もないのか平然と聞いてくる。
「もう!朝から出かけるなら帰りに買ってきて欲しいファンデーションがあったのに。お母様って微妙に気が利かないところがあるわよね。お父様っ」
「そうなのか…ところでちゃんと薬は飲んでいるのか?」
「片方はね。赤い包みの方は1日1回だけど凄く苦いの。お母様は絶対にこっちは飲めって言うのよ?信じられる?苦いだけで口の中がいい匂いになる訳でもないのに。緑の方は甘くていい匂いになるから欠かさずに飲んでるわよ」
シェリーは2種類の薬を処方してもらっている。赤い方は所謂抗生物質。残念ながら良薬は口に苦しのことわざの如く、その行いもだが、飲み薬に至るまで苦いから嫌、面倒だから嫌、判らないから嫌と逃げ回っている。
緑は口臭を花や果実の香りで誤魔化す言うなればタブレットのようなもの。
赤い薬は1日1回1錠と決められているが、緑の薬は特に回数も制限はされていない。
王都に来て見立ても腕も良いという本来は王族や高位貴族診察する医者が善意で平民向けに開業している無料の病院に通院をしているのである。
医師の見立てでは半年ないし7、8カ月で口臭も改善され痛みなども無くなるという事だったが、夜には鼻が詰まるのか大いびきは変わらないし、口臭も良くなる傾向は一切見られない。
それもそのはず、シェリーの飲んでいる「薬」は薬品ではなく、口臭を誤魔化すタブレットだけなのだ。これで良くなるほうが不思議である。
その他にもシェリーはここ3、4年悩まされている症状があった。
体の部位を問わず出来てしまう「水いぼ」である。
プクリと膨らみ抓むと痛みは伴うが、白い嚢胞が出てくる。自分で潰してしまいその嚢胞を指で弄んでピンと弾いて床に飛ばす。
他者がその嚢胞を触ったりすると感染する危険性があるのだがシェリーには関係がない。
他人が感染しても自分ではないからである。
嚢胞を触ったままで手を洗わずにまた別の場所を触るのでトビヒのように広がっていく。
通常は6、7歳くらいまでとか、きちんと対応すれば半年ほどで良くなるのだが、嚢胞が出てくる瞬間に変な喜びを感じているシェリーはこちらも処置をせずにいるのである。
実のところカインも腕や腹部に水いぼが出来てしまっている。
カインはハウスダストアレルギーが軽症ではあるが持っているため痒みで水いぼを引っ掻き、ウィルスのついた指でまた別の場所を掻くのでどんどんと水いぼの部位は広がっていた。
そんなシェリーだが、パンを食べ終わると「薬」である口臭消しを水で流し込み部屋に行く。
トランクを3つほど父に預けるがその服装に父は首を傾げる。
「どうして制服を着ているんだ?」
「どうしてって学園に行って追試を受けないと卒業できないもの」
あっけらかんというシェリーに子爵はため息を一つ吐いた。
「馬車の手配をするから荷を乗せるのを手伝いなさい。学園にはその後一緒に行く」
「え?お父様も所作と地理の追試受けるの?」
「・・・・・」
「うそぉ。もしかして数学も?大人なのに?信じられないっ!」
「いや、退学届けを出しに行くだけだ。その後はオマル大叔母さんのところに行く」
「は?何を言ってるの?まさかと思うけどオマル大叔母さんのところに引っ越しなんて嫌よ」
子爵の母の妹であるオマルは元々住んでいた子爵家の領地よりもさらに田舎に住んでいる。
火を起こすには必ず薪割りからせねばならないし、毎朝の水汲みも片道30分以上かけて水を汲みに川まで行かねばならない。
冬場の雪が降り始めるまでに沿道の草を刈っておかないと雪解けと同時に新芽が出れば道が雑草で塞がってしまうのだ。そうなれば草むらからヘビやらが出て来てしまう。
王都の暮らしに慣れ、田舎には帰るのは仕方ないにしても昨夜カインが迎えに来てくれると言ったのではないか?そんな田舎には引っ越しはしないとシェリーは子爵である父に噛みついた。
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侯爵家と伯爵家なので、住んでいるエリアはさほどに遠くはないが歩いてきたようだった。
「何をしているんだ!逃げるつもりか!」
飛び掛かって来た侯爵に腕を掴まれると、痛みに子爵は伯母の元に行くと話をする。
逃げるのではなく、そこしか行き先がないのだと告げるが、揺すられた体から小銭が何枚か落ちた。
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「こ、これを払ったら荷馬車を出せませんっ」
「それがどうしたというんだ。俺たちは今晩から寝るところすらないんだ。宿代はお前のところが負担するのが当たり前だろうか」
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「お前の持ってる金なんぞはした金だ。お前の娘のした事がまだ判らないのか」
子爵は仕方なく財布を出すと、ペルデロ侯爵はそれを取り上げ札だけを抜いて財布を放り投げた。それを見ていた荷馬車の御者は積んだばかりの荷物を荷台から放り投げ始めた。
「なっ何をするんだっ」
「無賃乗車をするつもりか?お前、今いくら持ってる?向こうについて払えません、家人に建て替えてもらいますっていうやつは信用してねぇんだよ」
子爵は御者の言う通り、叔母の家まで行けば駄賃を借りるつもりでいた。
一族の中でもケチで有名な叔母は、それくらいの金は貯め込んでいるはずで、そこに業者が居れば建て替えるより他ないと思ったのだ。
放り投げられた荷物の上に座っていると、伯爵家から使用人が出てきた。
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とても一人では運べない荷物。子爵は幾つかを手に持ち数歩歩いてまた戻り、残りの荷物を取りに戻ってまた数歩と繰り返し繰り返し、商店街の古着買取店でシェリーのトランクにあるワンピースなどを売り払った。
10代の女の子の下着は綺麗なワンピースより良い値で買ってくれた。
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