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告白
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カインを紹介してから2カ月。シェリーが編入をしてきて半年経った頃から違和感を感じるようになった。
カインとやっと時間を合わせてほんの2時間程カフェに出向くと、何故かそこにシェリーがいる。そしてテーブルに座る時もシェリーの隣にカインが座る。無意識な行動に胸の中に痛みが走る。
話をする内容はたわいもない事だが、話をするシェリーを見つめるカインの目は優しかった。
――わたくし‥あんな瞳で見つめられた、なんてあったかしら?――
話に相槌をうって、微笑みかけるカイン。
その微笑も自分に向けられた事があったかと考える事が多くなった。
ただ、2人が隠れて密会しているかと言えばそれは否。
カインにそんな時間はなく、ティフェルが侯爵家に出向いた際も当主である父が付きっ切りでカインに教鞭をとっているのである。
夜会などに行く時も必ずティフェルにドレスと宝飾品を贈ってくれて屋敷まで迎えに来てくれる。会場に入ってもエスコートもダンスも当然でその後に壁の花になる事もなく、カインと2人で招待客と話をする。同じ会場にシェリーがいた事があったが、シェリーは壁の花でいつの間にか帰ってしまっていた。
卒業まであと4カ月ほどとなった時、いつもくっ付いているシェリーの姿がなかった。
いつもこうだと良いのだけれどとティフェルは他のクラスメイトと昼食を中庭で取り教室に戻ろうとした時だった。
同じ爵位の伯爵令嬢であるベリンダが腕を引っ張った。
突然横に体を引かれ、どうしたのだと聞けば「目を閉じて」という。
何事かと思えば、木陰に隠れてはいるが今いる位置からは全てが見渡せる。
カインとシェリーが向き合って立っていた。
「迷惑だと思う。だが‥嘘はつけない。君が好きなんだ」
「カイン様…わたくしも…お慕いしております。ですがカイン様には…」
「言うな。判っているんだ。でもこの気持ちは押えられないっ」
「カイン様…いけません。ティフェルが悲しみます」
「その名前は今は口にしないで。俺の事はカイと…呼んでほしい」
抱き合い、唇を重ねる2人を見てティフェルは動けなくなった。
それまで育んできた思いを全て踏みにじられた…そんな気がした。
友人たちが気を使って背を撫で、2人が見えない位置まで手を引いてくれたがティフェルの心はガラス製品を思い切り床に叩きつけたかのように砕けてしまった。
好きだという言葉だけならまだ心は保てたか…いや無理だ。
その上唇まで重ねる2人を見てしまってからは砕けた心と、欠片を素足で踏みしめるような痛みを全身で感じる。
頬を伝っているのは何なのだろうか。
午後の授業はもう座席に座っているだけだった。気を利かせたベリンダは帰りの馬車も同乗をしてくれたが何を言っていたかも思い出せない。
虚ろな目で屋敷に戻れば、母と執事が真っ青な顔で出迎えてくれた。
「どうしたの?何があったの?」
母の言葉にまた涙がただ溢れて止まらない。声に出そうにも「カイン」という言葉すら体が拒否をしてしまうのだ。見かねたベリンダがカインとシェリーを見てしまった事を母に告げた。
烈火の如く怒り狂った伯爵夫人だが、夫であり当主である伯爵が戻らない事には話が進まない。
元々この婚約に伯爵夫人は乗り気ではなかった。
ペルデロ侯爵家は赤字こそないものの、とにかく人使いが荒い家だった。
一番支出のウェイトを占めるのは人件費。そこを削減しているため1人が担う業務が他家に比べて3倍も4倍もあるのである。少数精鋭と侯爵は鼻息荒いが人を育てる事をしない。
10歳になったばかりのティフェルにも考えられない程の負担を強いてきた。
しかし提携している事業がありその関係で婚約を結ばざるを得なかった。
業績の良い伯爵家が融資を止めれば立ちどころに事業が立ち行かなくなる。
侯爵家も目立った功績がなければ数年のうちに降爵される可能性があり、伯爵家を取り込むために事業と婚約をセットにし、ごり押しをして結んだ婚約だったのである。
伯爵家には何のメリットもない。娘を人身御供とした上で資金を融通するのだ。
反対をしたが、当時の王太后の妹が侯爵夫人だった事で王太后が出張ってしまい逆らう事が出来なかった。
伯爵が帰宅してもティフェルは部屋から出る事が出来なかった。
ティフェルの話を聞いてみない事には婚約を続けるも解消するも話が出来ない。
ティフェルの部屋の前には、幼い頃からずっとティフェルの世話をしている侍女が扉が開くのを待っていた。無理に開ければ心をこじ開けるのと同じ。中から開かなければ意味がない。
忙しい両親よりもティフェルを思い、仕えてきた侍女はじっと待つしかなかった。
学園を休んで2日目。カインが伯爵家にやって来た。
「フェルが休んでいると聞きまして。具合が悪いのですか?」
対応した家令もその声を聞いた執事、侍女を始めとして使用人達は憤慨した。
誰のせいでウチのお嬢様がこのような事になっているのかと、睨みつける者もいる。
「お嬢様は現在何方とも面会をされませんので、お引き取り下さいませ」
「では、この花を…」
差し出した花束は結婚式にでも持っていくのかというような華やかな物だった。
これには家令のこめかみに亀裂が入ったかと思うほどの音がした。
先刻買い物に出た使用人が花屋でカインが楽しそうに1人の令嬢と花束を見繕っていたところを見ていたのだ。
これ幸いにデートでも楽しんでいるのかと喉元まで出た言葉を家令は飲み込んだ。
「折角のお花ですが、このように華やかなものは病人の部屋には香りも強く、またお嬢様が見られる頃には萎れてしまいさらにお心を痛めるかと思いますのでお持ち帰り頂き、是非侯爵家の玄関ホールなどに飾られた方が花も生きると思われます」
表情を緩めずに一気に言い放った家令の言葉を何処まで理解できたかは判らない。
ただ、以前のカインならば邪魔にならず、香りもすくない小鉢を選んだだろうと思うとやるせない。
「判りました。ではまた後日お見舞いに伺います」
「ありがとうございます。お忙しいでしょうし良くなれば登校致しますのでお気遣いは不要で御座います」
「でも、まぁ婚約者なので」
再度、ビキっと亀裂が深く入った音がするがカインは気が付かないだろう。
カインが去った後、家令は塩を撒くように命じた。
「いいですか、右手で塩を握り、左肩越しにまくんですよ!徹底的に!」
2日も部屋から出ず、食事もしないティフェルを心配し伯爵夫人は懇意にしている公爵夫人に相談をした。女侯爵、女傑とも言われる公爵夫人は曲がった事が大嫌いな女性だった。
ティフェルの婚約も王太后を使うなどと!と憤慨した一人である。
身分のある者が出張ってくれば従うより他にない。権力を身勝手に使う事に抗議もしたが決まってしまった後では覆らなかった。
「無理やり婚約をしておきながら今度は浮気。しかも婚約中?女を何だと思ってるの」
「娘は部屋からもう2日も出てきません。食事も‥水も‥」
「なんて事かしら。ペルデロ侯爵には仕置きが必要ね。干上がせてやろうかしら」
ギリギリと鉄扇が音を立てて歪んでいく。
はらはらと涙を流す伯爵夫人も心配で寝ておらず目の下に隈が出来ていた。
「そうだ。エルネストを呼んで頂戴」
公爵夫人は家令に1人の男性を呼ぶように伝えると伯爵夫人の肩を優しく撫でた。
「婚約を解消なさい」
「ですが、侯爵家が応じるか…それに何の咎もない娘が傷物になります」
「大丈夫よ。筆頭公爵家が全面的に支援するわ。勿論新しい婚約者もね」
「婚約者…娘がなんと言うか‥」
「ティフェルはあの侯爵家に横入りされなければ…あぁ大丈夫よ無理強いはしないわ」
食べれられるようならと隣国の菓子と果物を伯爵夫人に持たせた公爵夫人は微笑んだ。
カインとやっと時間を合わせてほんの2時間程カフェに出向くと、何故かそこにシェリーがいる。そしてテーブルに座る時もシェリーの隣にカインが座る。無意識な行動に胸の中に痛みが走る。
話をする内容はたわいもない事だが、話をするシェリーを見つめるカインの目は優しかった。
――わたくし‥あんな瞳で見つめられた、なんてあったかしら?――
話に相槌をうって、微笑みかけるカイン。
その微笑も自分に向けられた事があったかと考える事が多くなった。
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夜会などに行く時も必ずティフェルにドレスと宝飾品を贈ってくれて屋敷まで迎えに来てくれる。会場に入ってもエスコートもダンスも当然でその後に壁の花になる事もなく、カインと2人で招待客と話をする。同じ会場にシェリーがいた事があったが、シェリーは壁の花でいつの間にか帰ってしまっていた。
卒業まであと4カ月ほどとなった時、いつもくっ付いているシェリーの姿がなかった。
いつもこうだと良いのだけれどとティフェルは他のクラスメイトと昼食を中庭で取り教室に戻ろうとした時だった。
同じ爵位の伯爵令嬢であるベリンダが腕を引っ張った。
突然横に体を引かれ、どうしたのだと聞けば「目を閉じて」という。
何事かと思えば、木陰に隠れてはいるが今いる位置からは全てが見渡せる。
カインとシェリーが向き合って立っていた。
「迷惑だと思う。だが‥嘘はつけない。君が好きなんだ」
「カイン様…わたくしも…お慕いしております。ですがカイン様には…」
「言うな。判っているんだ。でもこの気持ちは押えられないっ」
「カイン様…いけません。ティフェルが悲しみます」
「その名前は今は口にしないで。俺の事はカイと…呼んでほしい」
抱き合い、唇を重ねる2人を見てティフェルは動けなくなった。
それまで育んできた思いを全て踏みにじられた…そんな気がした。
友人たちが気を使って背を撫で、2人が見えない位置まで手を引いてくれたがティフェルの心はガラス製品を思い切り床に叩きつけたかのように砕けてしまった。
好きだという言葉だけならまだ心は保てたか…いや無理だ。
その上唇まで重ねる2人を見てしまってからは砕けた心と、欠片を素足で踏みしめるような痛みを全身で感じる。
頬を伝っているのは何なのだろうか。
午後の授業はもう座席に座っているだけだった。気を利かせたベリンダは帰りの馬車も同乗をしてくれたが何を言っていたかも思い出せない。
虚ろな目で屋敷に戻れば、母と執事が真っ青な顔で出迎えてくれた。
「どうしたの?何があったの?」
母の言葉にまた涙がただ溢れて止まらない。声に出そうにも「カイン」という言葉すら体が拒否をしてしまうのだ。見かねたベリンダがカインとシェリーを見てしまった事を母に告げた。
烈火の如く怒り狂った伯爵夫人だが、夫であり当主である伯爵が戻らない事には話が進まない。
元々この婚約に伯爵夫人は乗り気ではなかった。
ペルデロ侯爵家は赤字こそないものの、とにかく人使いが荒い家だった。
一番支出のウェイトを占めるのは人件費。そこを削減しているため1人が担う業務が他家に比べて3倍も4倍もあるのである。少数精鋭と侯爵は鼻息荒いが人を育てる事をしない。
10歳になったばかりのティフェルにも考えられない程の負担を強いてきた。
しかし提携している事業がありその関係で婚約を結ばざるを得なかった。
業績の良い伯爵家が融資を止めれば立ちどころに事業が立ち行かなくなる。
侯爵家も目立った功績がなければ数年のうちに降爵される可能性があり、伯爵家を取り込むために事業と婚約をセットにし、ごり押しをして結んだ婚約だったのである。
伯爵家には何のメリットもない。娘を人身御供とした上で資金を融通するのだ。
反対をしたが、当時の王太后の妹が侯爵夫人だった事で王太后が出張ってしまい逆らう事が出来なかった。
伯爵が帰宅してもティフェルは部屋から出る事が出来なかった。
ティフェルの話を聞いてみない事には婚約を続けるも解消するも話が出来ない。
ティフェルの部屋の前には、幼い頃からずっとティフェルの世話をしている侍女が扉が開くのを待っていた。無理に開ければ心をこじ開けるのと同じ。中から開かなければ意味がない。
忙しい両親よりもティフェルを思い、仕えてきた侍女はじっと待つしかなかった。
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「お嬢様は現在何方とも面会をされませんので、お引き取り下さいませ」
「では、この花を…」
差し出した花束は結婚式にでも持っていくのかというような華やかな物だった。
これには家令のこめかみに亀裂が入ったかと思うほどの音がした。
先刻買い物に出た使用人が花屋でカインが楽しそうに1人の令嬢と花束を見繕っていたところを見ていたのだ。
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「折角のお花ですが、このように華やかなものは病人の部屋には香りも強く、またお嬢様が見られる頃には萎れてしまいさらにお心を痛めるかと思いますのでお持ち帰り頂き、是非侯爵家の玄関ホールなどに飾られた方が花も生きると思われます」
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2日も部屋から出ず、食事もしないティフェルを心配し伯爵夫人は懇意にしている公爵夫人に相談をした。女侯爵、女傑とも言われる公爵夫人は曲がった事が大嫌いな女性だった。
ティフェルの婚約も王太后を使うなどと!と憤慨した一人である。
身分のある者が出張ってくれば従うより他にない。権力を身勝手に使う事に抗議もしたが決まってしまった後では覆らなかった。
「無理やり婚約をしておきながら今度は浮気。しかも婚約中?女を何だと思ってるの」
「娘は部屋からもう2日も出てきません。食事も‥水も‥」
「なんて事かしら。ペルデロ侯爵には仕置きが必要ね。干上がせてやろうかしら」
ギリギリと鉄扇が音を立てて歪んでいく。
はらはらと涙を流す伯爵夫人も心配で寝ておらず目の下に隈が出来ていた。
「そうだ。エルネストを呼んで頂戴」
公爵夫人は家令に1人の男性を呼ぶように伝えると伯爵夫人の肩を優しく撫でた。
「婚約を解消なさい」
「ですが、侯爵家が応じるか…それに何の咎もない娘が傷物になります」
「大丈夫よ。筆頭公爵家が全面的に支援するわ。勿論新しい婚約者もね」
「婚約者…娘がなんと言うか‥」
「ティフェルはあの侯爵家に横入りされなければ…あぁ大丈夫よ無理強いはしないわ」
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