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VOL:38-2 書面上の小大公夫人②
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マカレルの顔はぱぁあ!と輝く。
満面の笑みを浮かべて呼んでもいないのにサーディの元に歩いて来た。
「何もここを出なくても・・・クロエには部屋に行かさないようにするよ」
「妊婦さんの行動を制限するのは良くありませんわね」
「あ、そうか・・・そうだよね。うん。そうだ」
「そうそう、ついでですわ。お金、余っておりますわよね?」
「ま、まぁ…もしかして・・・父上から聞いた、とか?」
マカレルが心配をしているのはあの持参金である。
「持参金の事ですの?ならお聞きしましたが私、持参金は不要と申し上げました。結果的に私が大公家に嫁ぐ形になるのですから相殺して頂けると助かりますわ」
「そうか!助かるよ。人も削減されて・・・前小大公になると更に削減されるからさ。クロエがアンな奴だから・・・君の所にまで回せなくてすまない」
「気になさらないで。私、静かな方が好きなので。で、私達は夫婦ですわよね?」
「あぁ、そうだけど」
「約束も守って頂けませんでしたし、好きなものを買いたいと思ってますの」
「そのくらいなら全然!何でも言ってよ。お詫びと言ってはなんだが全て僕が出すよ」
「良かった。欲しいものがあったんですけど、先立つ物が無くて。私が買ってもらうのだから、買ってもらった品は私のモノですよね?」
「当たり前だよ。君に買ってあげたものまで僕のものなんて言うつもりは無いよ」
「まぁ!では次は何時来られるかも判りませんし、ここにサインを頂けます?」
サーディはメジーナを振り返ると、持ってきたカバンから書類を取り出した。
先ずは「約款」から手渡していく。
びっしりと小さめの文字が紙を覆い尽くす約款。
「裏面もご覧くださいませね?何を買うのかは書かれております。はい、2枚目です」
「待ってくれ・・・何枚あるんだ?」
「紙1枚で2ページ。確か・・・97枚ですわ。表紙と裏表紙を入れれば99枚です」
「待ってくれ。って事はこの状態で200ページ?」
「そうですよ?でも夫に何も教えずに買ってくれとは言えません。聴き取りは誤解や錯誤も御座います。書面に品名も御座いますから、ちゃんとお読みになってくださいね?お金を出して頂くのですから当然のことです」
が、2枚目の裏面に行く前に、もう何を書いてあるのか、そもそもでこの行は呼んだ行?あれ?1行飛ばした?となって目もチカチカしてしまったマカレルは降参。
「何を買おうが構わないよ。サインするから」
「ですが、ちゃんと読んで頂かないと、貴方には書面にしても反故にする前科が御座います」
「絶対に反故にしない。反故にしたり、文句を言ったらその時はこの命を捧げるよ」
――燃えないゴミを押し付けないでくれる?――
マカレルは約款を読むのをやめてサラサラ、ペンを走らせてサインをした。
「ちなみに持参金の残金はおいくらですの?」
「110億くらいかな・・・かなりクロエに使われたからさ」
「良かったわ。足りなかったらその分をどうするんだろうと思いましたわ」
「アハハ、買い物くらいでどうなる金額でもないよ。で?幾らなんだ?」
「約款にもう一度、目を通されます?」
「野暮だったね。女性の買い物金額を気にした僕が悪い。読まなくていいよ」
「あらそう?では、私はこれで。こう見えて忙しくて。ほら何かを忘れるほどに働きたいってありますでしょ?」
サーディの言葉にショボンと項垂れたマカレル。
対してサーディとメジーナは手を繋いでスキップするほど足取りは軽かった。
「良かったですね。これで工場がまた出来ますね」
「うん。なかなか105億なんて大金は用意出来ないし…名義は商会だから私に恩恵はないけど」
「またまた~。今度の工場では何しようかってワクワクじゃないですかぁ」
「でも太っ腹だったわね。流石に隣国の土地だし出してくれないと思ったけど、反省してるのかしら」
――いや、気付いてないだけです――メジーナは心で呟いた。
★~★
隣国の土地を無事に手に入れても直ぐに移れるわけでは無い。
使われなくなって久しい貨物倉庫。壁と屋根は手を入れる必要はないが、床はボコボコ。そして途中で機関車に石炭を補給していた事もあって、どことなく油臭い。
床を張り直し、内壁を設けるために工事が入った。
「誰も買い手がいなかったからって壁も付けてくれるなんてお得だわ」
「サーディさん、知ってますぅ?」
「何を?」
「床をね、左官さんが塗ったあと、キャットが歩いたそうですよ~ほら!魚拓みたいなのを送って来てくれましたよ」
っと手渡された魚拓のようなもの。しかし…
「メジーナさん。それ猫さんではなくポンポコタヌキよ。肉球の形が違うわ」
「えぇー?!タヌキ?猫だと思ったのにー!」
「そもそもほぼ山の中なのよ?まず疑うのはタヌキでしょ?」
それよりも今日は大事な日。
バニートゥが学園を卒業する。その卒業式なのである。
思えばあの日、マカレルに声を掛けられた夜会以来バニートゥには会っていない。
20歳となったバニートゥ。
事前に貰った連絡では教授推薦で御用学者の席を与えられたと言う。
大公夫妻に御意見番として伯爵家の席を用意してもらわずともバニートゥは自分の力で御用学者の席をもぎ取ったのだ。
「姉さん!」
声は少し男性らしさを加えているが、キョロキョロと見回しても何処にもバニートゥの姿がない。卒業式に出席をする父兄でごった返していて、サーディに見えるのは人の背中ばかり。
「姉さんっ!何処見てるんだよ」
ポンと背中を叩かれて振り向いたら金色の紐が幾つも横になっていた。
ん??と見上げるとニパっと笑うバニートゥ。
3年間でさらに身長が15cも伸びて192cmまで成長をしていた。
「わぁ!大きくなったわね」
「姉さんは低くなった??」
「違うわよ!バニーが大きくなったの!失礼ね!」
首席の挨拶もする予定だったが、王太子の子供である王子にその役も譲ったバニートゥ。
「やればいいのに!勿体ないわね」
「無理無理。目の前にズラーっと人がいるんだよ?赤面症なんだよ」
そう言えば昔から人前で何かを話す事が苦手だったバニートゥ。身長は伸びてすっかり見た目も大人の男性になったが中身まで変わったわけでは無かった。
「バニー。ううん。バニートゥ。卒業おめでとう」
「姉さんのおかげだよ。いろいろ聞いた・・・4年次までは爵位を継いで・・・なんとかオルーカ伯爵家を盛り返して姉さんの場所を作らなきゃって思ったんだけど。僕は・・・御用学者になりたくて・・・怒るかなと思って連絡もしなかったんだ。ごめんよ。姉さん」
「なぁに言ってるの。バニーがやりたい事をすればいいの。御用学者になりたかったんでしょう?就ける職と就きたい職は違うのよ?目標に向かって努力をしたんだもの。これからも思うようにやればいいわ」
卒業する院生の中でも優秀な成績の院生の保護者は後方の席ではなく側面の席を用意される。
シンと静まりかえる講堂で卒業する院生が順に名を呼ばれていく。
「バニートゥ・オルーカ」「はいっ」
クラスメイトの中でも一番天井に近い位置にあるバニートゥの顔。
真っ直ぐに壇上の院長先生を見るバニートゥの横顔が父兄席からよく見える。
きっとサーディにこの席を用意するためにバニートゥは勉学に励んだのだろう。
バニートゥと同じ学年の院生は244人。この席が用意されるのは上位5人の父兄のみ。
クラスの代表が院長先生から証書を貰っている時、バニートゥがチラッとサーディのいる席を向いた。グッと親指をあげているのか袖口が動く。
サーディは「もぅ!」と言いながらも目頭にハンカチをあてた。
満面の笑みを浮かべて呼んでもいないのにサーディの元に歩いて来た。
「何もここを出なくても・・・クロエには部屋に行かさないようにするよ」
「妊婦さんの行動を制限するのは良くありませんわね」
「あ、そうか・・・そうだよね。うん。そうだ」
「そうそう、ついでですわ。お金、余っておりますわよね?」
「ま、まぁ…もしかして・・・父上から聞いた、とか?」
マカレルが心配をしているのはあの持参金である。
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「そうか!助かるよ。人も削減されて・・・前小大公になると更に削減されるからさ。クロエがアンな奴だから・・・君の所にまで回せなくてすまない」
「気になさらないで。私、静かな方が好きなので。で、私達は夫婦ですわよね?」
「あぁ、そうだけど」
「約束も守って頂けませんでしたし、好きなものを買いたいと思ってますの」
「そのくらいなら全然!何でも言ってよ。お詫びと言ってはなんだが全て僕が出すよ」
「良かった。欲しいものがあったんですけど、先立つ物が無くて。私が買ってもらうのだから、買ってもらった品は私のモノですよね?」
「当たり前だよ。君に買ってあげたものまで僕のものなんて言うつもりは無いよ」
「まぁ!では次は何時来られるかも判りませんし、ここにサインを頂けます?」
サーディはメジーナを振り返ると、持ってきたカバンから書類を取り出した。
先ずは「約款」から手渡していく。
びっしりと小さめの文字が紙を覆い尽くす約款。
「裏面もご覧くださいませね?何を買うのかは書かれております。はい、2枚目です」
「待ってくれ・・・何枚あるんだ?」
「紙1枚で2ページ。確か・・・97枚ですわ。表紙と裏表紙を入れれば99枚です」
「待ってくれ。って事はこの状態で200ページ?」
「そうですよ?でも夫に何も教えずに買ってくれとは言えません。聴き取りは誤解や錯誤も御座います。書面に品名も御座いますから、ちゃんとお読みになってくださいね?お金を出して頂くのですから当然のことです」
が、2枚目の裏面に行く前に、もう何を書いてあるのか、そもそもでこの行は呼んだ行?あれ?1行飛ばした?となって目もチカチカしてしまったマカレルは降参。
「何を買おうが構わないよ。サインするから」
「ですが、ちゃんと読んで頂かないと、貴方には書面にしても反故にする前科が御座います」
「絶対に反故にしない。反故にしたり、文句を言ったらその時はこの命を捧げるよ」
――燃えないゴミを押し付けないでくれる?――
マカレルは約款を読むのをやめてサラサラ、ペンを走らせてサインをした。
「ちなみに持参金の残金はおいくらですの?」
「110億くらいかな・・・かなりクロエに使われたからさ」
「良かったわ。足りなかったらその分をどうするんだろうと思いましたわ」
「アハハ、買い物くらいでどうなる金額でもないよ。で?幾らなんだ?」
「約款にもう一度、目を通されます?」
「野暮だったね。女性の買い物金額を気にした僕が悪い。読まなくていいよ」
「あらそう?では、私はこれで。こう見えて忙しくて。ほら何かを忘れるほどに働きたいってありますでしょ?」
サーディの言葉にショボンと項垂れたマカレル。
対してサーディとメジーナは手を繋いでスキップするほど足取りは軽かった。
「良かったですね。これで工場がまた出来ますね」
「うん。なかなか105億なんて大金は用意出来ないし…名義は商会だから私に恩恵はないけど」
「またまた~。今度の工場では何しようかってワクワクじゃないですかぁ」
「でも太っ腹だったわね。流石に隣国の土地だし出してくれないと思ったけど、反省してるのかしら」
――いや、気付いてないだけです――メジーナは心で呟いた。
★~★
隣国の土地を無事に手に入れても直ぐに移れるわけでは無い。
使われなくなって久しい貨物倉庫。壁と屋根は手を入れる必要はないが、床はボコボコ。そして途中で機関車に石炭を補給していた事もあって、どことなく油臭い。
床を張り直し、内壁を設けるために工事が入った。
「誰も買い手がいなかったからって壁も付けてくれるなんてお得だわ」
「サーディさん、知ってますぅ?」
「何を?」
「床をね、左官さんが塗ったあと、キャットが歩いたそうですよ~ほら!魚拓みたいなのを送って来てくれましたよ」
っと手渡された魚拓のようなもの。しかし…
「メジーナさん。それ猫さんではなくポンポコタヌキよ。肉球の形が違うわ」
「えぇー?!タヌキ?猫だと思ったのにー!」
「そもそもほぼ山の中なのよ?まず疑うのはタヌキでしょ?」
それよりも今日は大事な日。
バニートゥが学園を卒業する。その卒業式なのである。
思えばあの日、マカレルに声を掛けられた夜会以来バニートゥには会っていない。
20歳となったバニートゥ。
事前に貰った連絡では教授推薦で御用学者の席を与えられたと言う。
大公夫妻に御意見番として伯爵家の席を用意してもらわずともバニートゥは自分の力で御用学者の席をもぎ取ったのだ。
「姉さん!」
声は少し男性らしさを加えているが、キョロキョロと見回しても何処にもバニートゥの姿がない。卒業式に出席をする父兄でごった返していて、サーディに見えるのは人の背中ばかり。
「姉さんっ!何処見てるんだよ」
ポンと背中を叩かれて振り向いたら金色の紐が幾つも横になっていた。
ん??と見上げるとニパっと笑うバニートゥ。
3年間でさらに身長が15cも伸びて192cmまで成長をしていた。
「わぁ!大きくなったわね」
「姉さんは低くなった??」
「違うわよ!バニーが大きくなったの!失礼ね!」
首席の挨拶もする予定だったが、王太子の子供である王子にその役も譲ったバニートゥ。
「やればいいのに!勿体ないわね」
「無理無理。目の前にズラーっと人がいるんだよ?赤面症なんだよ」
そう言えば昔から人前で何かを話す事が苦手だったバニートゥ。身長は伸びてすっかり見た目も大人の男性になったが中身まで変わったわけでは無かった。
「バニー。ううん。バニートゥ。卒業おめでとう」
「姉さんのおかげだよ。いろいろ聞いた・・・4年次までは爵位を継いで・・・なんとかオルーカ伯爵家を盛り返して姉さんの場所を作らなきゃって思ったんだけど。僕は・・・御用学者になりたくて・・・怒るかなと思って連絡もしなかったんだ。ごめんよ。姉さん」
「なぁに言ってるの。バニーがやりたい事をすればいいの。御用学者になりたかったんでしょう?就ける職と就きたい職は違うのよ?目標に向かって努力をしたんだもの。これからも思うようにやればいいわ」
卒業する院生の中でも優秀な成績の院生の保護者は後方の席ではなく側面の席を用意される。
シンと静まりかえる講堂で卒業する院生が順に名を呼ばれていく。
「バニートゥ・オルーカ」「はいっ」
クラスメイトの中でも一番天井に近い位置にあるバニートゥの顔。
真っ直ぐに壇上の院長先生を見るバニートゥの横顔が父兄席からよく見える。
きっとサーディにこの席を用意するためにバニートゥは勉学に励んだのだろう。
バニートゥと同じ学年の院生は244人。この席が用意されるのは上位5人の父兄のみ。
クラスの代表が院長先生から証書を貰っている時、バニートゥがチラッとサーディのいる席を向いた。グッと親指をあげているのか袖口が動く。
サーディは「もぅ!」と言いながらも目頭にハンカチをあてた。
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