アメイジングな恋をあなたと

cyaru

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リュウマチと痛風は未経験

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その日はきっと何年経っても忘れられない日になったのです。

ロカ子爵家の使用人さんは「何なりとお申し付けください」と言いながらも薬師の方を連れて来て下さり、私は薬草について学ぶ事を始めたのです。

「ではこの花粉には止血の作用があると?」
「はい、ガマの花粉には止血作用があります。吐血などには生の花粉、その他には乾燥させた花粉を使いますが、花粉以外にもガマの穂には虫除け効果があるのですよ」
「ポリー!聞いた?」
「はい。という事は領地に群生するガマにも使い道があったと」


思わぬ使い道が発覚したガマ。カレドス伯爵領は綿花の取れる農耕地以外は湿地帯なのです。何か出来ないかと代々先祖も考えたようですが、土を入れても下から沁みだす水でどうにもならず。
ガマの穂は種を飛ばす時期になるとボンっと爆発するように破裂するのでそこかしこに広がってしまい手を焼いていたのです。

元が湿地帯なので綿花畑を壊滅させた水害でもしぶとく生き残っているガマ。

数十年前に国内を襲った流行り病も蚊が媒介をしたとも言われております。

「ポリー!直ぐにお父様を呼んで頂戴」
「畏まりました」

ポリーが走ってくれるかと思いきや、ここもロカ子爵家の使用人さんが「私が行きます」と走ってくださいます。

止血の他に火傷にも効能があるという花粉。生の花粉はどうにもなりませんが乾燥させればよいのならカレドス家にも収益が見込める産物がまだあったと言うこと。

――これで支援金を打ち切って、既に支払われた分も返せるかも知れない――


「そう言えばカレドス領にはゲンノショウコも採取できるのでは?」
「ゲノショコ?」
「ゲンノショウコです。下痢止めの効果が強い薬草ですよ。ネコアシグサと呼ばれているかも知れません」
「ネコアシグサッ?!あります。あります!焼き払っていました。ピンクの花が咲く雑草ですよね」
「ははは。雑草ではなく薬草ですよ」
「あんなのまで薬草だったなんて・・・」


きっとロカ子爵様のご厚意に甘えなければこんな嬉しい発見も無かったかと思うと、申し訳なく思いつつも今日はお帰りになったら拝まなくちゃ!と思ったくらいです。

ロカ子爵家の使用人さんと一緒にやって来た父にもガマ、そしてネコアシグサの事を話をすると「売るほどある」と父も乗り気で御座います。

「それでですね。花粉などを採取したり、精製する際に技術者も向かわせます。これらは材料があってこその話ですのでお値段としてはこのくらいになります」


提示された金額に私と父は顔を見合わせ、お互いの頬を抓りました。

「痛い!痛い!お父様、力入れすぎ!」
「アナだって爪をまたやすりで研いでもらっただろう!切れるかと思ったぞ」
「大丈夫よ。切れたら私がガマの花粉を塗りこんであげる」


ネコアシグサは一度群生する実際の状態を見て判別して頂かねばなりませんが、ガマについては判別の必要は御座いません。花粉を取り、その後のガマの穂。これを虫除けとして売り出すのです。

「お父様!1粒で2度おいしいですわ!」
「あの厄介者のガマが…領地を救ってくれる救世主になるとは考えた事もなかったぞ」


そうなのです。それだけガマはどんどん増えてしまって刈っては燃やし、刈っては燃やしとしていたのですが虫除けに気が付かなかったのは処理方法に問題もあったのです。

湿地帯のガマは刈るとすぐに火の中に放り込んでおりました。しかし虫除けとするには穂の部分を切り取り、2,3時間放置して乾かせばよいだけなのです。

――もう、みんなせっかちさんだから直ぐに燃やしちゃうのね――


そしてロカ子爵家の使用人さんにも手伝って頂き、薬草から薬を簡単に作る実践で御座います。

「ロカ家にはカラシナが咲いてますので、カラシナを使いましょう」
「あら?これはアブラナではありませんの?」
「似てるんですが違うんです。アブラナは葉っぱが茎を巻くようにつくんですがカラシナはつかないんです。丁度花も終わって種が出来ていますので種を取りましょう」

みなさんとせっせと種を採取し何をするかと思えば種を乳鉢でゴリゴリ粉末にして水を加えペースト状にすれば出来上がりで御座います。


「何に効きますの?」
「リュウマチですね」
「・・・・・」

残念ですがリュウマチや通風とは現時点で無縁ですわ。先は解りませんが。

そうやってワイワイと皆さんと一緒に作業をしていたので全く気が付かなかったのです。


アルフォンソ様がいつもより早いお戻りで、レオン殿下もご一緒されていたなんて。


★~★

本日は3日目。
平日でもありますので、この次は12時10分、その次は15時10分…っとなっております<(_ _)>
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