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第15話 玉ねぎは赤と黒?
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宿泊客に朝食を出した後は、片付けも大変。
120人以上が連日宿泊するのに宿屋レフトの従業員は庭の掃除係も含めて11人。
そのうちサンドラも含めて4人が食堂ライトとの掛け持ち。
しかし、引継ぎもあって今日の作業はいつもより余裕が持てる。引継ぎの人員も同じ数いるのだ。
以前は暇で閑古鳥が鳴いており、通いのものは出勤してきたのに女将に「今日は休み!帰りな!」と言われた事もある。忙しくなって大変で、明らかに過労域なのに不思議な事に誰一人倒れる者がいない。
当時から働いている者はその変化も感じ取っていた。
「サンドラさんが来てから少しくらいだよね‥客が増えたの」
「違うわよ。陛下が王都に帰ってからよ」
「いや、工事の人だって自炊する人もいたけどさ、パワーが出るってよく来てたじゃん」
「そうかなぁ」
「皆が辞めたら、効能とか無くなったりするかもよ?」
「まさかぁ。そんな事になったら大変だよ」
話をしながら大量の食器を洗って片付ける。急がなければ食堂ライトの営業が始まってしまうとサンドラは兎に角手を動かした。
昼もいつも通りに食堂で女将に怒鳴られながら働いた。
食堂の営業が終わったが、今度は宿屋の夕食のメニューであるシチューの材料、タマネギをヘレンと共に皮むきをせねばならない。
「じゃぁ、タマネギ取って来るわ」
「サンドラさん行ってくれます?じゃ、私、ミルクを絞ってきます」
ヘレンが桶を持って牛舎に向かう。
サンドラは畑の近くにある小屋で保管をしているタマネギを取りに向かった。
少し離れた場所にある保管用の小屋。あぜ道を歩いてると声がした。
「パンジー!!パンジーッ!」
いつもならその名を呼ばれても反応する事は無かったのだが、先日ルド子爵一家が宿泊をした事で、サンドラはつい立ち止まってしまい、周囲を見回してしまった。
が、視界に入るのは馬を連れた旅人が数人。誰が呼んだのか判らなかった。
――同じ名前の同行者がいたのかしら――
そう思い、小屋に向かおうとしたのだが今度は誰かが駆けて来る足音と共にまた「パンジー!」呼ぶ声がした。振り返る必要もない。その声の発生源は斜め前からやって来た。
クレマンはパンジーの姿を遠目に見つけるとそこから駆け足。
遠くからも名を呼んだが生憎と風下で、クレマンの声にはパンジーどころか誰も振り向かなかった。
スピードを上げ、途中からはウィー号に引かれるように走りに走って、ちょっと秒休憩。軍でも全速力の途中10秒ほど休んでまた全力という鬼の訓練があった。身に付いた習慣は恐ろしい。
その秒休憩の間にパンジーが立ち止まり周囲を見回していた。
全速力でパンジーの前に来たクレマンは会えた嬉しさで涙腺が崩壊寸前だった。
心臓の止まる音が次で最後、もう死んでしまうのだと思ったあの日に見たパンジーよりは大人びていたが、教会で礼拝をする姿は何度も拝んだ。本人で間違いない。
「パンジー!ハァハァ‥‥パンジー」
――変態?でもトレンチコートを着てないわ――
「会いた‥はぁはぁ・・・かった。良かった・・・無事で・・・」
目の前で息を切らせて、目に涙を溜めて笑みを浮かべる男。
全く見た事もない男性だった。
「あなた、誰?」
「ヒョグッ!!」
驚きの息を飲むと同時に、荒れた呼吸を整えるために引き込んだ息が2倍になってクレマンの気道に流れ込んだ。
「ギョホッギョホッ・・・ヒュヒュヒュ・・・ゴホッ!」
「大丈夫ですか?」
今度は気道に涙まで流入してしまったのか、咽こむクレマンにサンドラは駆け寄って背を撫でた。
「慌てないで。ゆっくり・・・」
大丈夫だとクレマンは手振りで示す。
やっと呼吸が落ち着きもう一度愛しいパンジーと向き合った。
「私は・・・君の夫だよ!クレマン・ユゴースだ!」
「エェェーッ?!」
「そんなに驚かなくても・・・ずっと留守にしてて申し訳なかった」
サンドラもといパンジーはジィィっとクレマンを見つめた。
「あはっ。そんなに見つめられると・・・照れるなぁ(へらっ)」
――顔の中心部に渾身のエルボー叩きこんでいいかな――
そうは思ったが直ぐに営業スマイルを浮かべたサンドラ。
「何方かとお間違いでは?私の名はサンドラです。人違いですよ?」
「でも、今、驚いたじゃないか…なぜ他人の振りを?」
「なぜと言われましても‥ユゴース様と言えば王都でも有名な侯爵家。知らない方が不思議です。そんな大貴族様とお話をした事が無かったので驚いただけです」
サンドラにとって、素知らぬ顔をするのは然程に苦ではない。
パンジー時代には子爵家だからと舐められるな!父に何度もぶたれて体に叩きこんだ技。
何より・・・サンドラもといパンジーはクレマンの顔を一度も見たことが無い。
婚約者にと話を持ってきたのも侯爵だし、釣書に絵姿はあったかも知れないが部外者であるパンジーには見せてもらえなかったし、クレマンは結婚中、一度たりとも家に戻っては来なかった。
名前は知っていても本人がどうかも判らない。
ここは「パンジー」である事は伏せたほうが良い。
そう考えて知らぬ存ぜぬを貫く事にしたのだ。
「申し訳ございません。仕事中なんです。遅れれば皆に迷惑をかけるので」
「そ、そうか・・・いつ終わる?終わるまで待ってる。話がしたいんだ」
「宿の仕事があるので深夜になります。そんな時間に男性となんて無理です」
「じゃ、じゃあ明日は?」
「明日も一番鶏の鳴き声と共に仕事です。ごめんなさい。邪魔です!」
サンドラは駆け寄る際に置いた籠を手に取ると小屋に向かって歩き始めた。その後ろを歩幅を合わせてクレマンは付いてくる。
「ごめん・・・あの…いつ話が出来る?」
「・・・・」
「本当に悪かった。色々とあって・・・全部説明する。全部俺が、いや私が悪いんだ。少しでいいんだ。時間をくれないか?」
「邪魔です。どいてください」
「え?」
「そこにいたら扉が開けられません」
いつの間にか小屋まで到達していて、クレマンは扉を塞ぐ形になっていた。
「はい…どきます・・・」
ギィィと扉を開けると小屋の中は根野菜を保管しているので土の香りがする。
「あ、土の香りだね。珍しいなぁ」
「嗅いだことがあるんですか…土・・・」
魔獣の死骸やその体液で汚染されている土地で「土」の香りを嗅いだ事のある者は少ない。辺境まで行けば別だが、土の香りに反応したクレマンにサンドラはつい、話しかけてしまった。
「前線はいろんな場所だったからね…水にもちゃんと香りがあるよね‥水って言う」
「え、えぇ…。あ、どいて貰えます?タマネギを取るので」
「私が取ろう。幾つ?3つ?4つ?」
「赤タマ30個、白タマ100個です」
「え‥‥赤と白?レッド&ブラックじゃないんだ?あはっあはは・・・アハ」
シドロなモドロになってしまうクレマン。
サンドラはてきぱきとタマネギをあっという間に籠に山盛りにすると先に小屋を出て行ってしまった。
「ま、待ってくれ。夜中でもいい。終わるまで待ってる」
クレマンは先に出たサンドラに直ぐに追いついてタマネギの入った籠をするりとサンドラの手から奪った。
「重いものを持つのは私の仕事だよ」
――ウエェェ~なんなのこの人――
半開きになりそうな口。顎を下から支えるように手で閉じたサンドラ。
下手にタマネギを奪い返そうとすれば幾つか落っこちて転がって傷になってしまう。
――食べ物は無駄にしちゃいけないのよ――
自分に言い聞かせて裏口まで戻った。
「ここで待ってるから」と言ったクレマンに返事は返さなかった。
120人以上が連日宿泊するのに宿屋レフトの従業員は庭の掃除係も含めて11人。
そのうちサンドラも含めて4人が食堂ライトとの掛け持ち。
しかし、引継ぎもあって今日の作業はいつもより余裕が持てる。引継ぎの人員も同じ数いるのだ。
以前は暇で閑古鳥が鳴いており、通いのものは出勤してきたのに女将に「今日は休み!帰りな!」と言われた事もある。忙しくなって大変で、明らかに過労域なのに不思議な事に誰一人倒れる者がいない。
当時から働いている者はその変化も感じ取っていた。
「サンドラさんが来てから少しくらいだよね‥客が増えたの」
「違うわよ。陛下が王都に帰ってからよ」
「いや、工事の人だって自炊する人もいたけどさ、パワーが出るってよく来てたじゃん」
「そうかなぁ」
「皆が辞めたら、効能とか無くなったりするかもよ?」
「まさかぁ。そんな事になったら大変だよ」
話をしながら大量の食器を洗って片付ける。急がなければ食堂ライトの営業が始まってしまうとサンドラは兎に角手を動かした。
昼もいつも通りに食堂で女将に怒鳴られながら働いた。
食堂の営業が終わったが、今度は宿屋の夕食のメニューであるシチューの材料、タマネギをヘレンと共に皮むきをせねばならない。
「じゃぁ、タマネギ取って来るわ」
「サンドラさん行ってくれます?じゃ、私、ミルクを絞ってきます」
ヘレンが桶を持って牛舎に向かう。
サンドラは畑の近くにある小屋で保管をしているタマネギを取りに向かった。
少し離れた場所にある保管用の小屋。あぜ道を歩いてると声がした。
「パンジー!!パンジーッ!」
いつもならその名を呼ばれても反応する事は無かったのだが、先日ルド子爵一家が宿泊をした事で、サンドラはつい立ち止まってしまい、周囲を見回してしまった。
が、視界に入るのは馬を連れた旅人が数人。誰が呼んだのか判らなかった。
――同じ名前の同行者がいたのかしら――
そう思い、小屋に向かおうとしたのだが今度は誰かが駆けて来る足音と共にまた「パンジー!」呼ぶ声がした。振り返る必要もない。その声の発生源は斜め前からやって来た。
クレマンはパンジーの姿を遠目に見つけるとそこから駆け足。
遠くからも名を呼んだが生憎と風下で、クレマンの声にはパンジーどころか誰も振り向かなかった。
スピードを上げ、途中からはウィー号に引かれるように走りに走って、ちょっと秒休憩。軍でも全速力の途中10秒ほど休んでまた全力という鬼の訓練があった。身に付いた習慣は恐ろしい。
その秒休憩の間にパンジーが立ち止まり周囲を見回していた。
全速力でパンジーの前に来たクレマンは会えた嬉しさで涙腺が崩壊寸前だった。
心臓の止まる音が次で最後、もう死んでしまうのだと思ったあの日に見たパンジーよりは大人びていたが、教会で礼拝をする姿は何度も拝んだ。本人で間違いない。
「パンジー!ハァハァ‥‥パンジー」
――変態?でもトレンチコートを着てないわ――
「会いた‥はぁはぁ・・・かった。良かった・・・無事で・・・」
目の前で息を切らせて、目に涙を溜めて笑みを浮かべる男。
全く見た事もない男性だった。
「あなた、誰?」
「ヒョグッ!!」
驚きの息を飲むと同時に、荒れた呼吸を整えるために引き込んだ息が2倍になってクレマンの気道に流れ込んだ。
「ギョホッギョホッ・・・ヒュヒュヒュ・・・ゴホッ!」
「大丈夫ですか?」
今度は気道に涙まで流入してしまったのか、咽こむクレマンにサンドラは駆け寄って背を撫でた。
「慌てないで。ゆっくり・・・」
大丈夫だとクレマンは手振りで示す。
やっと呼吸が落ち着きもう一度愛しいパンジーと向き合った。
「私は・・・君の夫だよ!クレマン・ユゴースだ!」
「エェェーッ?!」
「そんなに驚かなくても・・・ずっと留守にしてて申し訳なかった」
サンドラもといパンジーはジィィっとクレマンを見つめた。
「あはっ。そんなに見つめられると・・・照れるなぁ(へらっ)」
――顔の中心部に渾身のエルボー叩きこんでいいかな――
そうは思ったが直ぐに営業スマイルを浮かべたサンドラ。
「何方かとお間違いでは?私の名はサンドラです。人違いですよ?」
「でも、今、驚いたじゃないか…なぜ他人の振りを?」
「なぜと言われましても‥ユゴース様と言えば王都でも有名な侯爵家。知らない方が不思議です。そんな大貴族様とお話をした事が無かったので驚いただけです」
サンドラにとって、素知らぬ顔をするのは然程に苦ではない。
パンジー時代には子爵家だからと舐められるな!父に何度もぶたれて体に叩きこんだ技。
何より・・・サンドラもといパンジーはクレマンの顔を一度も見たことが無い。
婚約者にと話を持ってきたのも侯爵だし、釣書に絵姿はあったかも知れないが部外者であるパンジーには見せてもらえなかったし、クレマンは結婚中、一度たりとも家に戻っては来なかった。
名前は知っていても本人がどうかも判らない。
ここは「パンジー」である事は伏せたほうが良い。
そう考えて知らぬ存ぜぬを貫く事にしたのだ。
「申し訳ございません。仕事中なんです。遅れれば皆に迷惑をかけるので」
「そ、そうか・・・いつ終わる?終わるまで待ってる。話がしたいんだ」
「宿の仕事があるので深夜になります。そんな時間に男性となんて無理です」
「じゃ、じゃあ明日は?」
「明日も一番鶏の鳴き声と共に仕事です。ごめんなさい。邪魔です!」
サンドラは駆け寄る際に置いた籠を手に取ると小屋に向かって歩き始めた。その後ろを歩幅を合わせてクレマンは付いてくる。
「ごめん・・・あの…いつ話が出来る?」
「・・・・」
「本当に悪かった。色々とあって・・・全部説明する。全部俺が、いや私が悪いんだ。少しでいいんだ。時間をくれないか?」
「邪魔です。どいてください」
「え?」
「そこにいたら扉が開けられません」
いつの間にか小屋まで到達していて、クレマンは扉を塞ぐ形になっていた。
「はい…どきます・・・」
ギィィと扉を開けると小屋の中は根野菜を保管しているので土の香りがする。
「あ、土の香りだね。珍しいなぁ」
「嗅いだことがあるんですか…土・・・」
魔獣の死骸やその体液で汚染されている土地で「土」の香りを嗅いだ事のある者は少ない。辺境まで行けば別だが、土の香りに反応したクレマンにサンドラはつい、話しかけてしまった。
「前線はいろんな場所だったからね…水にもちゃんと香りがあるよね‥水って言う」
「え、えぇ…。あ、どいて貰えます?タマネギを取るので」
「私が取ろう。幾つ?3つ?4つ?」
「赤タマ30個、白タマ100個です」
「え‥‥赤と白?レッド&ブラックじゃないんだ?あはっあはは・・・アハ」
シドロなモドロになってしまうクレマン。
サンドラはてきぱきとタマネギをあっという間に籠に山盛りにすると先に小屋を出て行ってしまった。
「ま、待ってくれ。夜中でもいい。終わるまで待ってる」
クレマンは先に出たサンドラに直ぐに追いついてタマネギの入った籠をするりとサンドラの手から奪った。
「重いものを持つのは私の仕事だよ」
――ウエェェ~なんなのこの人――
半開きになりそうな口。顎を下から支えるように手で閉じたサンドラ。
下手にタマネギを奪い返そうとすれば幾つか落っこちて転がって傷になってしまう。
――食べ物は無駄にしちゃいけないのよ――
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