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VOL:13 アベルの呼び出し
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サーシャの元に行かない日、勤務を終えて王宮を出たリヒトを呼び止める声がした。
実に半年ぶりになるアベルにリヒトは足を止めた。
サーシャとの時間を過ごしながら、ビアンカたちには噓の報告を続けていたリヒトはさっぱり顔を出さなくなったアベルに以前と変わらず声を返した。
「アベル‥‥久しぶりだな。最近顔を見せなかったじゃないか」
リヒトの声にアベルは軽く手をあげて応えた。
「リヒトに話があるんだ。ちょっと時間いいか?」
「構わないが…何かあったのか?あれっきり来ないからビアンカも心配してたぞ」
「心配?あの女が?するわけがない。お前とフランク以外を咥えたくなっただけさ。あとは・・・あの女、俺くらいしか納得できないだけだろ?」
サーシャとの幸せな時間を過ごしながらもリヒトは先週も4人で明け方まで相手を変えて体を重ねた。変わらない日常を繰り返す事でサーシャとの間を邪魔されないためリヒトには必要悪の行為。
そんな中、アベルが来なくなってビアンカ、エルサ、フランク、リヒトの関係性に変化が現れていた。
男女の数が同じとなり、一番年下のエルサでも22歳。
ビアンカに至っては26歳。この国で言う女性の結婚適齢期はとうに過ぎている。結婚に際し純潔である事が必要ではなくなり、20代半ばでも嫁き遅れと表立って言われる事も無くなったが、本人がいない所までは判らない。
ビアンカも焦りを感じ始めたようだが、年齢の合う王子は全て妃を迎えていてビアンカの性格からして側妃を受け入れることはない。
伯爵家まで手を広げればリヒトのように婚約者がいない子息はいるが、ビアンカは「美丈夫好き」でもありお眼鏡に叶うのはリヒトくらい。
しかし、そのリヒトを選べば「公爵令嬢が伯爵夫人」となるとなれば「降格」だと首を縦に振らない。
王女であったリヒトの母がその言葉を聞けば激怒間違いないだろう。
焦る割には文句ばかりのビアンカにこの頃ではセニーゼン公爵も修道院を考え始めたらしいという話も聞こえてくる。
ビアンカの落としどころはフラキ侯爵家のフランクになるだろうが、そうなればエルサが問題。
エルサも見た目ならリヒトで手を打てるのだが、如何せんリヒトは伯爵家。
一番いいのはアベルとビアンカ、そして同じ侯爵家ならとエルサがフランクといったところ。コナー家が陞爵となればリヒトの取り合いになるだろうが。
アベルが来なくなってビアンカとエルサが「フランク」に対して「女」を見せ始め、ただのセフレに過ぎなかった2人に執拗に迫られる事でここ2週間、フランクも顔を出す程度になった。
現実を見る年齢には随分前に達していてむしろ気が付くのが遅かったくらいだが、男女が同数となって関係性が崩れた。
リヒトを呼び止めたアベルは「聞かれると不味い」そう言ってリヒトを男女が利用する時間貸しをしている宿に連れ込んだ。
体を繋げた事もあるリヒトとアベルだが、衣類を脱ぐ事はない。
テーブルを挟み向かい合って椅子に腰を下ろした。
「俺は後継を譲った。しばらく顔を見せなかったのは父上を説き伏せていたからだ」
「譲ったって?!エルサに?」
「まさか。父上だってエルサの出来の悪さは知っている。エルサは何処かの貴族に事業提携で嫁がせるか…まぁそれも使い道はないだろうから放逐でもするんじゃないか?後継になったのは実子である姉上だ。姉上の婚約者も婿入りをやっと承諾してくれた」
どこか吹っ切れたようにも聞こえるアベルの態度だが、アベルはリヒトにまだ隠している事がある。
リヒトはそう感じた。
「アベル、ならお前はこれからどうするつもりなんだ?」
「そこだ。今日はリヒト、お前にいい事を教えてやろうと思って声を掛けた」
「いい事?俺に?」
アベルはリヒトに向かってニヤッと口角をあげた。
長い足を組み替えて、勝ち誇ったようにアベルはリヒトに言った。
「元は姉上が貰うはずだった王都から一番遠い領地を父上から譲ってもらった」
「あの東の端の領地を?碌に作物も育たないと笑ってたじゃないか」
「作物なんて育たなくていいんだ。育てるのは別のものだからな」
「別のもの?何を育てると言うんだ?」
「くっ」一つリヒトを馬鹿にしたように鼻を鳴らしたアベル。
「エトナ男爵令嬢・・・サーシャを娶る。育てるのは子供だ」
「バカな!」リヒトは立ち上がり、座っていた椅子は大きな音を立てて後ろに倒れた。
「バカな?笑わせないでくれ。未だにビアンカたちと恋愛ゲームをしているお前に言われたくはないが、胸糞悪い遊びを続けてくれているおかげで、お前たちの企みをエトナ男爵令嬢に告げればどうなるかくらいは想像できる脳みそくらいは残ってるだろ?随分と仲を深めているようじゃないか。入れ食いだったお前が未だに手を繋いだだけで満足してるなんてナア・・・ククックククッ」
アベルはリヒトがサーシャに近寄り、今も紳士的な振る舞いを続けている理由をサーシャにバラすと言った。そして傷心のサーシャに手を差し伸べ、父親のハゼーク侯爵に後継者を異母姉に譲り、辺鄙な領地を引き受ける事と引き換えにエトナ男爵家と婚約を結ぶように話をつけていた。
ハゼーク侯爵家の領地は代々引き継がれてきた「負の遺産」でもある。
作物は碌に育たず、水害も多い。アベルも馬鹿ではなくハゼーク侯爵家を継ぐためにリヒト以上に苦しんできた。その反動で5人でつるみ、違法でないモラル違反で憂さ晴らしをしていただけ。
そのアベルが本気を出せば何か解決策を見出すのは容易。
父親の侯爵と取引をしたのだろう。
グッと殴りかかりそうな拳を握りしめるだけのリヒトをアベルはまた鼻で笑った。
「俺はあの娘が欲しい。ハッキリ言えば惚れた。お前では・・・フフッ幸せに出来ないだろう?本当の事が言えるか?言えないだろう?俺は言えるぞ?その準備も終わったからお前を呼んだんだ。体よく劇場で声を掛けてくれないかとその場限りのご登場だからナア!なんせ俺はもうベットした金も捨ててるしお前らと縁を切って半年以上。未だに仲良しこよしで体も繋げているお前とは違うんだよ。妻は貞淑なだけではだめだ。その場で状況を判断し時に引く。そんな女はそうそう見つかるものでもない。安心しろ。お前には散々体を繋げたビアンカとエルサがいる。フランクも交えて4人で今後も夫婦交換して愉しめるじゃないか。父上も未だに関係が続くお前ならエルサを嫁がせるのも仕方ないと見切りをつけた」
悔しいがアベルの言う通りでリヒトは立ち上がったまま反論すら出来なかった。
このために一切顔を見せなかったアベル。
そして次期侯爵という立場もあっさり捨てた。
未だに付き合いが続くリヒトとはもう立ち位置が違う。
リヒトは悔しくて唇を噛んだ。
実に半年ぶりになるアベルにリヒトは足を止めた。
サーシャとの時間を過ごしながら、ビアンカたちには噓の報告を続けていたリヒトはさっぱり顔を出さなくなったアベルに以前と変わらず声を返した。
「アベル‥‥久しぶりだな。最近顔を見せなかったじゃないか」
リヒトの声にアベルは軽く手をあげて応えた。
「リヒトに話があるんだ。ちょっと時間いいか?」
「構わないが…何かあったのか?あれっきり来ないからビアンカも心配してたぞ」
「心配?あの女が?するわけがない。お前とフランク以外を咥えたくなっただけさ。あとは・・・あの女、俺くらいしか納得できないだけだろ?」
サーシャとの幸せな時間を過ごしながらもリヒトは先週も4人で明け方まで相手を変えて体を重ねた。変わらない日常を繰り返す事でサーシャとの間を邪魔されないためリヒトには必要悪の行為。
そんな中、アベルが来なくなってビアンカ、エルサ、フランク、リヒトの関係性に変化が現れていた。
男女の数が同じとなり、一番年下のエルサでも22歳。
ビアンカに至っては26歳。この国で言う女性の結婚適齢期はとうに過ぎている。結婚に際し純潔である事が必要ではなくなり、20代半ばでも嫁き遅れと表立って言われる事も無くなったが、本人がいない所までは判らない。
ビアンカも焦りを感じ始めたようだが、年齢の合う王子は全て妃を迎えていてビアンカの性格からして側妃を受け入れることはない。
伯爵家まで手を広げればリヒトのように婚約者がいない子息はいるが、ビアンカは「美丈夫好き」でもありお眼鏡に叶うのはリヒトくらい。
しかし、そのリヒトを選べば「公爵令嬢が伯爵夫人」となるとなれば「降格」だと首を縦に振らない。
王女であったリヒトの母がその言葉を聞けば激怒間違いないだろう。
焦る割には文句ばかりのビアンカにこの頃ではセニーゼン公爵も修道院を考え始めたらしいという話も聞こえてくる。
ビアンカの落としどころはフラキ侯爵家のフランクになるだろうが、そうなればエルサが問題。
エルサも見た目ならリヒトで手を打てるのだが、如何せんリヒトは伯爵家。
一番いいのはアベルとビアンカ、そして同じ侯爵家ならとエルサがフランクといったところ。コナー家が陞爵となればリヒトの取り合いになるだろうが。
アベルが来なくなってビアンカとエルサが「フランク」に対して「女」を見せ始め、ただのセフレに過ぎなかった2人に執拗に迫られる事でここ2週間、フランクも顔を出す程度になった。
現実を見る年齢には随分前に達していてむしろ気が付くのが遅かったくらいだが、男女が同数となって関係性が崩れた。
リヒトを呼び止めたアベルは「聞かれると不味い」そう言ってリヒトを男女が利用する時間貸しをしている宿に連れ込んだ。
体を繋げた事もあるリヒトとアベルだが、衣類を脱ぐ事はない。
テーブルを挟み向かい合って椅子に腰を下ろした。
「俺は後継を譲った。しばらく顔を見せなかったのは父上を説き伏せていたからだ」
「譲ったって?!エルサに?」
「まさか。父上だってエルサの出来の悪さは知っている。エルサは何処かの貴族に事業提携で嫁がせるか…まぁそれも使い道はないだろうから放逐でもするんじゃないか?後継になったのは実子である姉上だ。姉上の婚約者も婿入りをやっと承諾してくれた」
どこか吹っ切れたようにも聞こえるアベルの態度だが、アベルはリヒトにまだ隠している事がある。
リヒトはそう感じた。
「アベル、ならお前はこれからどうするつもりなんだ?」
「そこだ。今日はリヒト、お前にいい事を教えてやろうと思って声を掛けた」
「いい事?俺に?」
アベルはリヒトに向かってニヤッと口角をあげた。
長い足を組み替えて、勝ち誇ったようにアベルはリヒトに言った。
「元は姉上が貰うはずだった王都から一番遠い領地を父上から譲ってもらった」
「あの東の端の領地を?碌に作物も育たないと笑ってたじゃないか」
「作物なんて育たなくていいんだ。育てるのは別のものだからな」
「別のもの?何を育てると言うんだ?」
「くっ」一つリヒトを馬鹿にしたように鼻を鳴らしたアベル。
「エトナ男爵令嬢・・・サーシャを娶る。育てるのは子供だ」
「バカな!」リヒトは立ち上がり、座っていた椅子は大きな音を立てて後ろに倒れた。
「バカな?笑わせないでくれ。未だにビアンカたちと恋愛ゲームをしているお前に言われたくはないが、胸糞悪い遊びを続けてくれているおかげで、お前たちの企みをエトナ男爵令嬢に告げればどうなるかくらいは想像できる脳みそくらいは残ってるだろ?随分と仲を深めているようじゃないか。入れ食いだったお前が未だに手を繋いだだけで満足してるなんてナア・・・ククックククッ」
アベルはリヒトがサーシャに近寄り、今も紳士的な振る舞いを続けている理由をサーシャにバラすと言った。そして傷心のサーシャに手を差し伸べ、父親のハゼーク侯爵に後継者を異母姉に譲り、辺鄙な領地を引き受ける事と引き換えにエトナ男爵家と婚約を結ぶように話をつけていた。
ハゼーク侯爵家の領地は代々引き継がれてきた「負の遺産」でもある。
作物は碌に育たず、水害も多い。アベルも馬鹿ではなくハゼーク侯爵家を継ぐためにリヒト以上に苦しんできた。その反動で5人でつるみ、違法でないモラル違反で憂さ晴らしをしていただけ。
そのアベルが本気を出せば何か解決策を見出すのは容易。
父親の侯爵と取引をしたのだろう。
グッと殴りかかりそうな拳を握りしめるだけのリヒトをアベルはまた鼻で笑った。
「俺はあの娘が欲しい。ハッキリ言えば惚れた。お前では・・・フフッ幸せに出来ないだろう?本当の事が言えるか?言えないだろう?俺は言えるぞ?その準備も終わったからお前を呼んだんだ。体よく劇場で声を掛けてくれないかとその場限りのご登場だからナア!なんせ俺はもうベットした金も捨ててるしお前らと縁を切って半年以上。未だに仲良しこよしで体も繋げているお前とは違うんだよ。妻は貞淑なだけではだめだ。その場で状況を判断し時に引く。そんな女はそうそう見つかるものでもない。安心しろ。お前には散々体を繋げたビアンカとエルサがいる。フランクも交えて4人で今後も夫婦交換して愉しめるじゃないか。父上も未だに関係が続くお前ならエルサを嫁がせるのも仕方ないと見切りをつけた」
悔しいがアベルの言う通りでリヒトは立ち上がったまま反論すら出来なかった。
このために一切顔を見せなかったアベル。
そして次期侯爵という立場もあっさり捨てた。
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