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疲れ知らずな物体
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ジークハルトは帝都第三騎士団に所属をしているが下っ端のペーペーである。
子爵家に籍があった頃は馬も支給をされていたが今はない。
当時も特に役職などの肩書があったわけではないが当然今もない。
それでも危険度の高い「先鋒隊」に名を連ねているためそれなりに給料があるのだ。26歳の年齢で42万ミャゥを稼いでいる。ただもし、子爵家に籍があれば65万ミャゥだ。
こんな所にも平民と貴族は差を付けられている。
過去に兄と元許嫁に辺境から送った金は臨時支給を合わせて約8000万ミャゥ。
毎月230万ミャゥを支給されていたジークハルトは30万ミャゥだけ手元に置いて残りを仕送りした。年に2400万ミャゥ+臨時分。それを3年間。
綺麗さっぱり使われていた上に、1300万ミャゥの借金が残った。
娼館にも酒場にも行かなかったジークハルトは手元の30万ミヤゥを地味に貯め、辺境警備の退職手当の1千万ミャゥで半分を支払い、残りの300万ミャゥをコツコツと毎月1年半で返済し、今は借金はない。
借金をしてまで何かを買う男ではなかったし、元々そんなに酒も好きではない。
結果として貢がされていただけのジークハルトは、兄が女性達に贈り物をする気持ちが全く判らなかった。しかし今は隣で買ったばかりの靴を嬉しそうに何度も見ながら、水溜まりも靴を気遣って避けて歩くコレットを見るとその気持ちが何となくわかる気がした。
「嬉しいか?」
「はい、凄く!大事にしますね」
放っておけばその場で脱いで頬ずりすらしそうなコレットを見て目を細める。
こうなってくると、全部を揃えたくなる不思議な男心。
しかし、ジークハルトの片手は下着のパンパンに入った袋を2つ持っており、コレットももう1足の靴が入った小さめの袋を持っている。
ジークハルトは皇都図書院に行く途中にある「硬貨預り所」に立ち寄った。
100ミャゥの価値がある銅貨1枚で24時間小さな箱の中で荷物を預かってくれるのだ。
これが大きさによって200ミャゥ、500ミャゥとあって100ミャゥの箱には荷物が入らなかったジークハルトは200ミャゥBOXに荷物を入れた。
荷物を入れて扉を閉め、硬貨を投入し鍵を回す。
「さ、行こうか」
「ジークハルト様、預かり証を貰っていませんよ?」
コレットにも看板の「預り所」は読めたため、ここが荷物を一時預かってくれる場所だというのは理解が出来た。しかし、どの荷物を預けたのかの割符も貰っていないし、いついつ預かりましたよという預かり証も貰っていない。
これでは荷物を取りに来た時に、「預かっていません」と突っぱねられてしまう!
「預かり証はこれだよ」
ジークハルトは鍵を見せるが、コレットは納得しない。
鍵には預けた日付もどんな荷物だったのかも書かれていないからだ。
「その鍵では他の小箱の部屋も開いてしまうでしょう?!折角買って頂いたのに荷物を持っていかれたらどうするのです」
「そんな心配はいらないよ。この鍵はあの扉しか開かないんだ」
「えぇぇっ?!」
コレットの時代にも鍵はあった。あったのだが今のようにそれぞれの鍵ではない。
鍵穴に突っ込んで上、または下に動かして引っ掻け錠を外す程度なのだ。
もっと端的に言うなら「鍵」ではなく細長い棒でも鍵穴に入れば引っ掻け錠を外す事が出来る。
それぞれの扉に応じた鍵を作るなど途方もない作業が必要になるのだ。
「この鍵はあの箱専用なんだ。隣の箱も同じ形をしているがこの鍵で隣の箱は開かないんだ。勿論隣の箱の鍵でさっき荷物を入れた箱の鍵も開かない。この鍵が割符のようなものだ」
「そうなんですか…匠の技が光る鍵なんですね」
「アハハ。凄い事を言うなぁ」
手渡された鍵を太陽の光にかざしてみたり、手で覆って隙間から覗いたり、先端のギザギザになった部分を指でなぞるコレットはまるで初めての玩具を手渡された幼児のようである。
「では、この鍵を無くしたらあの荷物はどうなるんです?」
「管理商会に言って、荷物の特徴を話して引き渡してもらうのさ」
「では、今無くしたらジークハルト様が説明を?」
「出来ればしたくないな…流石に下着は説明する自信がない」
ここからは人通りも多くなる。手ぶらになったジークハルトはコレットの手を握った。
自分よりは当然に小さな手だが、皸は冬だけに出来るものではないのだなと感じる傷だらけの手だった。
手のひらも柔らかいが、荒れていてガサガサとしている。
「あの…手は荒れているので…」
「気にするな。それを言うなら俺だって豆だらけだし豆が何度も潰れてゴツゴツしてるだろ。俺の方が余程握り心地?いや握られ心地が悪いはずだ。コレットの手は働き者の手だから恥ずかしがることなんかないよ」
「ありがとうご…ざいます」
「図書院の帰りは服を買うぞ。ドレスは無理だが何でも好きなものを選べばいい。それから櫛もないな。おっと…鏡もなかったな。コレット用の物を揃えよう」
クイっと親指で指差したのは商店街。
ジークハルトは食器も扱っている雑貨屋を指差したのだが、何故がファンシーな雑貨店の隣は武骨な武具屋。
「私、剣は要りませんけど…甲冑を着て洗濯したら筋肉痛になりそうです」
「は?チョーっと待て。甲冑って…武具屋にも甲冑なんてアンティークな品は売ってないぞ。甲冑が欲しいのなら骨董品屋だ。後は‥‥売ってはくれないだろうが博物館かな」
コレットの時代から時はすでに900年流れている。
騎士は確かに剣は帯剣するが、どちらかと言えば戦う時は銃剣である。
甲冑はある程度は防弾機能はあるだろうが、そんなものは重くて逆に危険だ。
パッパー!!
耳障りな音が響き、ジークハルトはビクっとしたコレットの腕を引いた。
2人の隣を車輪が前に1つ、後ろに2つ付いた大きな箱が通り過ぎていく。
「危ないなぁ…」
「あ、あれはなんです??」
「オート三輪だよ。4,5年前に売り出されてまだ金持ちしか持ってないが、あぁやってこんな大通りを通っていくやつがいるんだ。石畳で舗装をしていない所は、ぬかるみに輪っかがハマって動けない癖に」
オート三輪という物体が通り過ぎた後は、真っ黒い煤の煙が後を追うようについている。
ゴホゴホと咳き込む人も現れた。
「オート三輪って…煤で街を染めるんですか?」
「いや、あの中に人が入ってるんだ。少し前はすぐに止まって邪魔になってたが年々改良されて確か先月は隣町まで止まらずに4時間で走れたはずだ。馬なら丸一日はかかるが疲れ知らずだからな」
「4時間!?」
コレットにはそれもビックリだった。
隣町までどのくらい距離があるかはわからないが、馬は2、3時間走らせれば休ませねばならない。それを疲れ知らずでずっと走り続ける物体が小さくなっていくのを立ち止まって見続けた。
「あの時計塔のある建物が図書院だ。あとちょっと。歩けるか?」
「はい、歩けます」
「では、参りましょうか。奥様」
「ふふっ…」
ジークハルトが改めて差し出した手に、コレットは手を乗せ仲良く手を繋いで歩き始めた。
子爵家に籍があった頃は馬も支給をされていたが今はない。
当時も特に役職などの肩書があったわけではないが当然今もない。
それでも危険度の高い「先鋒隊」に名を連ねているためそれなりに給料があるのだ。26歳の年齢で42万ミャゥを稼いでいる。ただもし、子爵家に籍があれば65万ミャゥだ。
こんな所にも平民と貴族は差を付けられている。
過去に兄と元許嫁に辺境から送った金は臨時支給を合わせて約8000万ミャゥ。
毎月230万ミャゥを支給されていたジークハルトは30万ミャゥだけ手元に置いて残りを仕送りした。年に2400万ミャゥ+臨時分。それを3年間。
綺麗さっぱり使われていた上に、1300万ミャゥの借金が残った。
娼館にも酒場にも行かなかったジークハルトは手元の30万ミヤゥを地味に貯め、辺境警備の退職手当の1千万ミャゥで半分を支払い、残りの300万ミャゥをコツコツと毎月1年半で返済し、今は借金はない。
借金をしてまで何かを買う男ではなかったし、元々そんなに酒も好きではない。
結果として貢がされていただけのジークハルトは、兄が女性達に贈り物をする気持ちが全く判らなかった。しかし今は隣で買ったばかりの靴を嬉しそうに何度も見ながら、水溜まりも靴を気遣って避けて歩くコレットを見るとその気持ちが何となくわかる気がした。
「嬉しいか?」
「はい、凄く!大事にしますね」
放っておけばその場で脱いで頬ずりすらしそうなコレットを見て目を細める。
こうなってくると、全部を揃えたくなる不思議な男心。
しかし、ジークハルトの片手は下着のパンパンに入った袋を2つ持っており、コレットももう1足の靴が入った小さめの袋を持っている。
ジークハルトは皇都図書院に行く途中にある「硬貨預り所」に立ち寄った。
100ミャゥの価値がある銅貨1枚で24時間小さな箱の中で荷物を預かってくれるのだ。
これが大きさによって200ミャゥ、500ミャゥとあって100ミャゥの箱には荷物が入らなかったジークハルトは200ミャゥBOXに荷物を入れた。
荷物を入れて扉を閉め、硬貨を投入し鍵を回す。
「さ、行こうか」
「ジークハルト様、預かり証を貰っていませんよ?」
コレットにも看板の「預り所」は読めたため、ここが荷物を一時預かってくれる場所だというのは理解が出来た。しかし、どの荷物を預けたのかの割符も貰っていないし、いついつ預かりましたよという預かり証も貰っていない。
これでは荷物を取りに来た時に、「預かっていません」と突っぱねられてしまう!
「預かり証はこれだよ」
ジークハルトは鍵を見せるが、コレットは納得しない。
鍵には預けた日付もどんな荷物だったのかも書かれていないからだ。
「その鍵では他の小箱の部屋も開いてしまうでしょう?!折角買って頂いたのに荷物を持っていかれたらどうするのです」
「そんな心配はいらないよ。この鍵はあの扉しか開かないんだ」
「えぇぇっ?!」
コレットの時代にも鍵はあった。あったのだが今のようにそれぞれの鍵ではない。
鍵穴に突っ込んで上、または下に動かして引っ掻け錠を外す程度なのだ。
もっと端的に言うなら「鍵」ではなく細長い棒でも鍵穴に入れば引っ掻け錠を外す事が出来る。
それぞれの扉に応じた鍵を作るなど途方もない作業が必要になるのだ。
「この鍵はあの箱専用なんだ。隣の箱も同じ形をしているがこの鍵で隣の箱は開かないんだ。勿論隣の箱の鍵でさっき荷物を入れた箱の鍵も開かない。この鍵が割符のようなものだ」
「そうなんですか…匠の技が光る鍵なんですね」
「アハハ。凄い事を言うなぁ」
手渡された鍵を太陽の光にかざしてみたり、手で覆って隙間から覗いたり、先端のギザギザになった部分を指でなぞるコレットはまるで初めての玩具を手渡された幼児のようである。
「では、この鍵を無くしたらあの荷物はどうなるんです?」
「管理商会に言って、荷物の特徴を話して引き渡してもらうのさ」
「では、今無くしたらジークハルト様が説明を?」
「出来ればしたくないな…流石に下着は説明する自信がない」
ここからは人通りも多くなる。手ぶらになったジークハルトはコレットの手を握った。
自分よりは当然に小さな手だが、皸は冬だけに出来るものではないのだなと感じる傷だらけの手だった。
手のひらも柔らかいが、荒れていてガサガサとしている。
「あの…手は荒れているので…」
「気にするな。それを言うなら俺だって豆だらけだし豆が何度も潰れてゴツゴツしてるだろ。俺の方が余程握り心地?いや握られ心地が悪いはずだ。コレットの手は働き者の手だから恥ずかしがることなんかないよ」
「ありがとうご…ざいます」
「図書院の帰りは服を買うぞ。ドレスは無理だが何でも好きなものを選べばいい。それから櫛もないな。おっと…鏡もなかったな。コレット用の物を揃えよう」
クイっと親指で指差したのは商店街。
ジークハルトは食器も扱っている雑貨屋を指差したのだが、何故がファンシーな雑貨店の隣は武骨な武具屋。
「私、剣は要りませんけど…甲冑を着て洗濯したら筋肉痛になりそうです」
「は?チョーっと待て。甲冑って…武具屋にも甲冑なんてアンティークな品は売ってないぞ。甲冑が欲しいのなら骨董品屋だ。後は‥‥売ってはくれないだろうが博物館かな」
コレットの時代から時はすでに900年流れている。
騎士は確かに剣は帯剣するが、どちらかと言えば戦う時は銃剣である。
甲冑はある程度は防弾機能はあるだろうが、そんなものは重くて逆に危険だ。
パッパー!!
耳障りな音が響き、ジークハルトはビクっとしたコレットの腕を引いた。
2人の隣を車輪が前に1つ、後ろに2つ付いた大きな箱が通り過ぎていく。
「危ないなぁ…」
「あ、あれはなんです??」
「オート三輪だよ。4,5年前に売り出されてまだ金持ちしか持ってないが、あぁやってこんな大通りを通っていくやつがいるんだ。石畳で舗装をしていない所は、ぬかるみに輪っかがハマって動けない癖に」
オート三輪という物体が通り過ぎた後は、真っ黒い煤の煙が後を追うようについている。
ゴホゴホと咳き込む人も現れた。
「オート三輪って…煤で街を染めるんですか?」
「いや、あの中に人が入ってるんだ。少し前はすぐに止まって邪魔になってたが年々改良されて確か先月は隣町まで止まらずに4時間で走れたはずだ。馬なら丸一日はかかるが疲れ知らずだからな」
「4時間!?」
コレットにはそれもビックリだった。
隣町までどのくらい距離があるかはわからないが、馬は2、3時間走らせれば休ませねばならない。それを疲れ知らずでずっと走り続ける物体が小さくなっていくのを立ち止まって見続けた。
「あの時計塔のある建物が図書院だ。あとちょっと。歩けるか?」
「はい、歩けます」
「では、参りましょうか。奥様」
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