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ゴミ箱の中には危険がいっぱい
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パタパタ…パタパタ。ザッザッ…。
口と鼻を布で覆い、無言で箒を動かす。チラチラと掃除をするコレットをジークハルトは盗み見た。
☆●☆〇☆
「箒がないですって?!」
「はい…買ってなくてですね…」
「ここに来てもうすぐ1年になるのにまさか掃除した事がない?!」
「はい…すんません」
「呆れたねぇ…まさかと思うけど、忘れたのは掃除だけだろうね?結婚した事は団には届けてるんだろうね?」
ビクゥ!ジークハルトは隣の奥様の前で直立不動。
「まだです」と言い出せる雰囲気ではない。
しかし、既に近所の者達にはうっかり吐いてしまった嘘が広がってしまっている。
ジークハルトの様子から届けが未提出を悟った隣の奥様は呆れ顔の上に呆れ顔を重ねた。
「買い物に行く時に出して来るんだよ。大事な事だからね。はい箒」
「あ、ありがとうございます」
☆●☆〇☆
隣の奥様から箒を借りることが出来たジークハルトは早速掃除を始めた。
2人で部屋の中を掃除するが、埃が酷くコレットは落ち葉を拾ってきて水を汲んだバケツに沈めると落ち葉を部屋の中にばらまいた。
部屋の隅だけでなくテーブルをどけると埃の山が幾つもある。
怪しげな虫の卵も大量に出てくる始末である。
「うわ…酷いな」
「何時からお掃除をしていないのですか」
「ここに入った時から」
「・・・・」
言葉を忘れそうである。
ジークハルトはここに引っ越してきてまもなく1年になる新参者であるが、背景が背景だけにご近所の奥様達からは殊の外「可愛がられ」てきた。
引き出しをあけると気を利かせたのか「帝都婚活情報」や「帝都の婚活夜会」などのチラシやパンフレットが無造作に詰め込まれている。
――凄いわ。紙をこんな事にも使えるくらい帝都は裕福なのね――
取り出したチラシ。コレットは文字よりもその紙質に指を滑らせた。
紙がなかったわけではない。本当にもう着られなくなった麻の服を紙にすると買い取ってくれる者はいた。
麻の服を切り刻んで、灰汁で似たあと石臼で挽き、水の中に放り込んで新しい麻布でその繊維を拾い、乾かして麻の紙を作っていたのだ。
ただ、破れやすく上手く均等に水の中で拾い集めないと表面がボコボコになって文字が書きにくいものだった。コレットは何度か自分の衣類をそうやって紙にして食費の足しにしていた。
それに比べてこれはどうだろうか。表面はツルツルとしていてインクが染みて文字が広がっている風もない。
――本当にすごい。どうやって紙漉きをしたのかしら――
チラシに見入って手を止めたコレットをジークハルトは何をしてるんだ?と覗き込み、手にしていたチラシを見て「ヒョゥゥ!」奇妙な声をあげた。
「こっ、こんなもの見ちゃダメだ。これは捨てるんだ、もういらないものがあぁこんなに沢山、わぁ大変だ―」
バサバサと引き出しの中のチラシやパンフレットを鷲掴みにするとサッと背に回し隠した。
「ジークハルト様、ゆっくり…話してください」
「えぇっと…目の毒。捨てる。ポイ」
「捨てる?紙を捨てるのですか?」
「うん、捨てる。特にこれは捨てる」
「信じられませんっ」
コレットは書き損じの紙ももう一度水に浸けてバラバラにした後は、一旦洗浄してまた漉いて紙にしていた。何度目かになるとインクの成分が沈着するので黒っぽくはなるがそれでも買いとってくれたのだ。
「これは捨てませんっ」
ジークハルトが握ったチラシやパンフレットを取り返したコレット。
婚活のチラシばかりなので恥ずかしくて堪らないジークハルト。
「ジークハルト様、これは大事な物です」
「えっ…いや、あの…」
そしてコレットは、ジークハルトの目の前でチラシをビリビリに引き裂いた。
「えっ?えぇぇっ?どういう事??はぁぁぁ??」
大事な物だと言いながらもビリビリに紙を破るコレットにジークハルトは目を丸くした。
「水に浸けて、洗ってもう一度紙にします」
キョロキョロとあたりを見回し、コレットは寝台わきに置いたティッシュだけが丸まって捨てられている「超危険」なゴミ箱に手を伸ばした。
「そっ!そのゴミ箱はダメだ!中は非常~に危険なんだ。触るな!危険!」
「危険?入ってるのは紙ですが…それもかなり沢山」
「量は気にするな。男の1人暮らしの寝台周りは危険しかないという証拠だ」
「そうなんですか?」
「男の俺が言うんだから間違いない(キリッ)」
「でも、紙はもう一度紙に出来るんですよ」
「いや、出来るとしてもこのゴミ箱の紙だけはダメだ」
「すごく柔らかそうでいい紙なのに…捨てるんですか?」
「捨てる。この紙だけは生まれ変わって紙になると使う人に呪われる」
ゴミ箱の紙はダメだとゴミ箱ごと取り上げられてしまったコレットはビリビリに破った紙を入れる入れ物が欲しいと言った。
「コレット、紙が欲しいのか?」
「いいえ?」
「ならなんで?紙なら買ってやるよ。掃除が終わったら買い物に行こう」
「騎士団ではないのですか?」
「うっ‥‥それが…事情が変わって…その…」
最早ここまで。前門の虎、後門の狼状態である。
目の前のコレット、隣の奥様。どっちが危険度が高いかと言えば…。
――どっちもだ――
ジークハルトはギュっと箒の柄を握った。
バサッ!!
「ど、どうしたんです?突然床にっ」
ジークハルトは前門の虎、コレットを選んだ。
そうしなければ、後門の狼は群れなので数が多すぎるのだ。
ご近所さんネットワークを侮ってはならない。
「すみませんっ!」
「どうしたんです?ジークハルト様っ」
「つい…出来心、いや、見栄を張ってしまいましたぁぁ」
「見栄?それがこの突っ伏した状態と何かご関係が?」
ウルウルとした瞳でコレットを見つめると、コレットの瞳の中に自分がいた。
「コレット‥‥コレットと…結婚したって言ってしまいましたー!」
「えぇっ?!」
「嫌な事はしませんっ。だから暫く俺と結婚してくださいっ」
自分は騎士団に預けられるのではなかったのか?
それに何より…
「ジークハルト様、私、結婚してるんです」
「ヴエッ?!」
「ですから、ベラン王国第三騎士団のディッド隊員が夫なんです」
「へっ?‥‥あ、いや、だから!ベラン王国は滅亡‥‥えっ?あの話は本当だったのか?」
「本当も何も…事実しか話をしておりませんが?」
ジークハルトは朝の鍛錬時も二日酔いだったがもう酒は抜けた。
若干酒が残った頭で聞いた言葉が本当に真実だとすれば。
――本当に時を超える事があるのか――
お伽噺で過去に迷い込んだ男の話は幼い頃に読んだ事があった。
知っている史実を元に将軍まで成り上がった作り話だった。
その話は、過去に戻った男なので過去にはなかった技術や戦法で成り上がる話だ。
だが、逆だったら?
ジークハルトはコレットの目を真っ直ぐに見つめた。
「コレット…皇宮図書院に行こう」
「図書院?騎士団でも買い物でもなく?」
「あぁ、確かめよう」
皇宮図書院にはこの国の建国からの蔵書がある。他国でしかも一般庶民の事は何もわからないかも知れない。しかしそれでもこの地はかつてベラン王国が栄えていて王都だった事は間違いない。
なにより、コレットの話が本当なのならコレットはこの世界で独りぼっちだと言う事だ。
両親は既に他界し、兄や元許嫁に裏切られたジークハルトも言ってみれば独りぼっちである。頼る者は誰一人いない。その辛さはジークハルトも経験をした。
しかし「憎む相手」がいたジークハルトよりも、コレットの話が本当ならコレットの置かれた状況は絶望を感じるものだろう。
「騎士団には行かないんですか?」
「場合によっては行くかも…だけど…約束するよ」
「約束?」
「夕食はここで一緒に食おう」
安心をしたのか。コレットは少し微笑んで「はい」と言った。
その笑顔に、夫の元に帰りたくない事情を抱えているのだろうとジークハルトは感じた。
口と鼻を布で覆い、無言で箒を動かす。チラチラと掃除をするコレットをジークハルトは盗み見た。
☆●☆〇☆
「箒がないですって?!」
「はい…買ってなくてですね…」
「ここに来てもうすぐ1年になるのにまさか掃除した事がない?!」
「はい…すんません」
「呆れたねぇ…まさかと思うけど、忘れたのは掃除だけだろうね?結婚した事は団には届けてるんだろうね?」
ビクゥ!ジークハルトは隣の奥様の前で直立不動。
「まだです」と言い出せる雰囲気ではない。
しかし、既に近所の者達にはうっかり吐いてしまった嘘が広がってしまっている。
ジークハルトの様子から届けが未提出を悟った隣の奥様は呆れ顔の上に呆れ顔を重ねた。
「買い物に行く時に出して来るんだよ。大事な事だからね。はい箒」
「あ、ありがとうございます」
☆●☆〇☆
隣の奥様から箒を借りることが出来たジークハルトは早速掃除を始めた。
2人で部屋の中を掃除するが、埃が酷くコレットは落ち葉を拾ってきて水を汲んだバケツに沈めると落ち葉を部屋の中にばらまいた。
部屋の隅だけでなくテーブルをどけると埃の山が幾つもある。
怪しげな虫の卵も大量に出てくる始末である。
「うわ…酷いな」
「何時からお掃除をしていないのですか」
「ここに入った時から」
「・・・・」
言葉を忘れそうである。
ジークハルトはここに引っ越してきてまもなく1年になる新参者であるが、背景が背景だけにご近所の奥様達からは殊の外「可愛がられ」てきた。
引き出しをあけると気を利かせたのか「帝都婚活情報」や「帝都の婚活夜会」などのチラシやパンフレットが無造作に詰め込まれている。
――凄いわ。紙をこんな事にも使えるくらい帝都は裕福なのね――
取り出したチラシ。コレットは文字よりもその紙質に指を滑らせた。
紙がなかったわけではない。本当にもう着られなくなった麻の服を紙にすると買い取ってくれる者はいた。
麻の服を切り刻んで、灰汁で似たあと石臼で挽き、水の中に放り込んで新しい麻布でその繊維を拾い、乾かして麻の紙を作っていたのだ。
ただ、破れやすく上手く均等に水の中で拾い集めないと表面がボコボコになって文字が書きにくいものだった。コレットは何度か自分の衣類をそうやって紙にして食費の足しにしていた。
それに比べてこれはどうだろうか。表面はツルツルとしていてインクが染みて文字が広がっている風もない。
――本当にすごい。どうやって紙漉きをしたのかしら――
チラシに見入って手を止めたコレットをジークハルトは何をしてるんだ?と覗き込み、手にしていたチラシを見て「ヒョゥゥ!」奇妙な声をあげた。
「こっ、こんなもの見ちゃダメだ。これは捨てるんだ、もういらないものがあぁこんなに沢山、わぁ大変だ―」
バサバサと引き出しの中のチラシやパンフレットを鷲掴みにするとサッと背に回し隠した。
「ジークハルト様、ゆっくり…話してください」
「えぇっと…目の毒。捨てる。ポイ」
「捨てる?紙を捨てるのですか?」
「うん、捨てる。特にこれは捨てる」
「信じられませんっ」
コレットは書き損じの紙ももう一度水に浸けてバラバラにした後は、一旦洗浄してまた漉いて紙にしていた。何度目かになるとインクの成分が沈着するので黒っぽくはなるがそれでも買いとってくれたのだ。
「これは捨てませんっ」
ジークハルトが握ったチラシやパンフレットを取り返したコレット。
婚活のチラシばかりなので恥ずかしくて堪らないジークハルト。
「ジークハルト様、これは大事な物です」
「えっ…いや、あの…」
そしてコレットは、ジークハルトの目の前でチラシをビリビリに引き裂いた。
「えっ?えぇぇっ?どういう事??はぁぁぁ??」
大事な物だと言いながらもビリビリに紙を破るコレットにジークハルトは目を丸くした。
「水に浸けて、洗ってもう一度紙にします」
キョロキョロとあたりを見回し、コレットは寝台わきに置いたティッシュだけが丸まって捨てられている「超危険」なゴミ箱に手を伸ばした。
「そっ!そのゴミ箱はダメだ!中は非常~に危険なんだ。触るな!危険!」
「危険?入ってるのは紙ですが…それもかなり沢山」
「量は気にするな。男の1人暮らしの寝台周りは危険しかないという証拠だ」
「そうなんですか?」
「男の俺が言うんだから間違いない(キリッ)」
「でも、紙はもう一度紙に出来るんですよ」
「いや、出来るとしてもこのゴミ箱の紙だけはダメだ」
「すごく柔らかそうでいい紙なのに…捨てるんですか?」
「捨てる。この紙だけは生まれ変わって紙になると使う人に呪われる」
ゴミ箱の紙はダメだとゴミ箱ごと取り上げられてしまったコレットはビリビリに破った紙を入れる入れ物が欲しいと言った。
「コレット、紙が欲しいのか?」
「いいえ?」
「ならなんで?紙なら買ってやるよ。掃除が終わったら買い物に行こう」
「騎士団ではないのですか?」
「うっ‥‥それが…事情が変わって…その…」
最早ここまで。前門の虎、後門の狼状態である。
目の前のコレット、隣の奥様。どっちが危険度が高いかと言えば…。
――どっちもだ――
ジークハルトはギュっと箒の柄を握った。
バサッ!!
「ど、どうしたんです?突然床にっ」
ジークハルトは前門の虎、コレットを選んだ。
そうしなければ、後門の狼は群れなので数が多すぎるのだ。
ご近所さんネットワークを侮ってはならない。
「すみませんっ!」
「どうしたんです?ジークハルト様っ」
「つい…出来心、いや、見栄を張ってしまいましたぁぁ」
「見栄?それがこの突っ伏した状態と何かご関係が?」
ウルウルとした瞳でコレットを見つめると、コレットの瞳の中に自分がいた。
「コレット‥‥コレットと…結婚したって言ってしまいましたー!」
「えぇっ?!」
「嫌な事はしませんっ。だから暫く俺と結婚してくださいっ」
自分は騎士団に預けられるのではなかったのか?
それに何より…
「ジークハルト様、私、結婚してるんです」
「ヴエッ?!」
「ですから、ベラン王国第三騎士団のディッド隊員が夫なんです」
「へっ?‥‥あ、いや、だから!ベラン王国は滅亡‥‥えっ?あの話は本当だったのか?」
「本当も何も…事実しか話をしておりませんが?」
ジークハルトは朝の鍛錬時も二日酔いだったがもう酒は抜けた。
若干酒が残った頭で聞いた言葉が本当に真実だとすれば。
――本当に時を超える事があるのか――
お伽噺で過去に迷い込んだ男の話は幼い頃に読んだ事があった。
知っている史実を元に将軍まで成り上がった作り話だった。
その話は、過去に戻った男なので過去にはなかった技術や戦法で成り上がる話だ。
だが、逆だったら?
ジークハルトはコレットの目を真っ直ぐに見つめた。
「コレット…皇宮図書院に行こう」
「図書院?騎士団でも買い物でもなく?」
「あぁ、確かめよう」
皇宮図書院にはこの国の建国からの蔵書がある。他国でしかも一般庶民の事は何もわからないかも知れない。しかしそれでもこの地はかつてベラン王国が栄えていて王都だった事は間違いない。
なにより、コレットの話が本当なのならコレットはこの世界で独りぼっちだと言う事だ。
両親は既に他界し、兄や元許嫁に裏切られたジークハルトも言ってみれば独りぼっちである。頼る者は誰一人いない。その辛さはジークハルトも経験をした。
しかし「憎む相手」がいたジークハルトよりも、コレットの話が本当ならコレットの置かれた状況は絶望を感じるものだろう。
「騎士団には行かないんですか?」
「場合によっては行くかも…だけど…約束するよ」
「約束?」
「夕食はここで一緒に食おう」
安心をしたのか。コレットは少し微笑んで「はい」と言った。
その笑顔に、夫の元に帰りたくない事情を抱えているのだろうとジークハルトは感じた。
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